メタリカ情報局

メタリカを愛してやまないものの、メタリカへの愛の中途半端さ加減をダメだしされたのでこんなブログ作ってみました。

       

    タグ:napster

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    2000年4月13日はメタリカが音楽共有サービスのナップスター(Napster)を訴えた日。ということでその「記念日」に寄せて、ナップスター支持者のコラムがThe Austin Chronicleに掲載されていたので管理人拙訳にてご紹介。

    「メタリカをダウンロードしよう」ナップスター記念日?

    14年前、(アメリカのアニメシリーズである)サウスパークはこの10年に渡る音楽の悩みの種について風刺した。「ちょっとメタリカとかスティーヴィー・ワンダーをダウンロードしようぜ。」「いいね、ケニー。」「ジューダス・プリーストもダウンロードしないと。」数クリックすると、カイル・ブロフロフスキーと悪友たちはサウスパークからFBIに連れて行かれてしまった。このアニメシリーズの少年たちはナップスターを使っていたのだ。

    P2Pダウンロードソフトのパイオニアは、ユーザーに音楽コレクションを世界中と共有することを可能にした。警部が彼らがやっていることの本当の恐ろしさ−メタリカのドラマー、ラーズ・ウルリッヒは金メッキ仕立てのバーを自宅に備え付けるのに数ヶ月待たなければならなかったし、ブリトニー・スピアーズはプライベートジェット機をダウングレードした−を見せた後、あの(サウスパークの)小学生たちにこう教えた。

    「人は自分本位で行動する前に、やった後の恐ろしい結果について考えることを学ばなければならない。さもないとレコーディングを行うアーティストたちは永遠にほんの贅沢な人生しか望めなくなるだろう。」

    2000年4月13日、(アニメのなかではなく)実際のラーズ・ウルリッヒは、ナップスターを相手取って訴えを起こした。それはP2Pソフトを使ったダウンロードに重点を置いた初めての訴訟である。連邦地方裁判所裁判官はナップスターに対して、72時間以内にメタリカが権利を持つ楽曲を削除するよう仮差し止め命令を出した。

    口うるさいウルリッヒとその他多くのアーティスト(キッパリとギャングから手を切ったドクター・ドレーを含む)に擁護され、メタリカvsナップスターの影響は1年後の会社の閉鎖にまでつながった。カザー(Kazaa)、モーフィアス(Morphers)、ライムワイヤー(Limewire)、ビットトレント(BitTorrent)や他に名前を挙げられた無数のP2Pホストはナップスター閉鎖以降の年にその無くなった空きを埋めるように増加していった。しかしダウンロード世代へその指先ですぐに何もかもできる最初の味を覚えさせたナップスターの栄光ほどは、どのサイトも届かなかった。

    いくつかの会社が一斉に打ち落とされた後、2014年現在、有料音楽サービスのラプソディー(Rhapsody)ブランドのもとでナップスターは爪あとを残している。サウンドクラウド(Soundcloud)、スポティファイ(Spotify)、パンドラ(Pandora)のようなプラットフォームのなか、これらが提供するストリーミング無料版によって、音楽にお金を払うという考えは時代遅れとなった。ありがとうナップスター。

    俳優・監督のアレックス・ウィンターはサウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)2013で音楽のオンライン共有の歴史を取り上げた『Downloaded』を初公開した。このドキュメンタリーで、ナップスター創立者ショーン・ファニングとショーン・パーカーは、時代遅れのビジネスにしがみついている音楽業界の動揺によって反撃されてしまった彼らの主張を述べている。最初の共有による混乱が棚上げされて数年後、『Downloaded』はいまだに流布している音楽産業の古い保護の魂とTVショーからスクリーンにタッチする新しいコンテンツにまで成長したグループにスポットを当てている。

    music_DownloadedInterview4
    SXSW 2012でインタビューを受けるショーン・パーカーとショーン・ファニング

    ファニングとパーカーは富に至る彼らのやり方でいまだにプログラミングしている。サウスパークはいまだに放送中だ。ウルリッヒとその他のメタルヘッドたちはいまだにお金持ちだ。そして密かに数千のファイルと数種類のウイルス(ごめんよ親父!)をダウンロードしたこのジャーナリスト(訳注:コラム筆者)は、そうでもしないと音楽的には不毛の地である東テキサスで、P2Pが音楽を届ける過程をぶち壊してくれたことに感謝している。今や「削除した私のコレクション」があった、私の大好きなナップスターとP2Pダウンロードはここにある。心配しないでくれラーズ。私の親父が持っているメタリカは全て買ったものなのだから。

    The Austin Chronicle(2014-04-10)

    最後の文章からすると、筆者はナップスター騒動でメタリカのファンをやめた模様。音楽ビジネスの行く末にはあまり興味がなさそうです(苦笑)。

    裁判所に出廷したラーズの模様も描かれているドキュメンタリー映画『Downloaded』は日本公開をぜひお願いしたいところ。

    拙訳の冒頭部分はサウスパークの内容そのもので、もちろんフィクションです。サウスパークの子供たちが「大したことじゃないでしょ(Not A Big Deal)」と言ったところから警部の「実地講習」が始まります。公式サイトより。

    公式のフルバージョンはこちらから。
    http://www.southparkstudios.com/full-episodes/s07e09-christian-rock-hard

    非公式のエピソードまとめはこちらから。


    以上、管理人がサウスパークのこのエピソードを見せたいだけの記事でした。

    『このソフトがクソだ』とラーズが訴えたから4月13日はナップスター記念日

    ・・・おあとはよろしくないようで。


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    ファイル共有サービス「Napster(ナップスター)」の盛衰を描いたドキュメンタリー映画『Downloaded』の予告映像が公開

      このエントリーをはてなブックマークに追加
    ある意味、音楽界をひっくり返したと言えるファイル共有サービス「Napster」の出現。その盛衰を描いたドキュメンタリー映画『Downloaded』の予告映像が公開されました。

    downloaded

    Napsterと言えば、メタリカとの法廷闘争でも話題になりましたが、今回予告編として公開されたシーンはラーズ・ウルリッヒとザ・バーズのロジャー・マッギンが上院で証言をしているところ。

    ※CM後に流れます。

    メタリカのドキュメンタリー映画『Some Kind Of Monster(邦題:メタリカ 真実の瞬間)』でもおなじみのシーンですね。ちなみにこの上院での証言前のインタビューで、ラーズは次のように語っています。

    MetallicaのLars Ulrichが、音楽産業における音楽ファイル交換ソフト、Napsterの影響に関する小委員会による調査の為、上院で証言をすることを明らかにした。Ulrichは7月中旬までにワシントンD.C.を訪れる。MetallicaのNapsterに対する苦情において上院議員に知っておいてもらいたいことについて、UlrichがLAUNCHに話してくれた。

    「一番大切なことは情報だと思う?」と言う。
    「人々が今のような意見を言っている理由は、単純に解っていないからなんだと思う。誰にしても、大体20分話をさせてもらえれば、100%同意とまではいかなくても、僕等の立場や今回の争いについて理解してくれる。議論の余地なんて無い。僕等が望んでいるのはただアーティストとしての選択の権利なんだ。当然だろ。僕等の音楽を使って好き勝手にやる権利なんて他の誰にも無い。権利があるのは僕等だけだ。Napsterと組んで仕事をしたがるバンドがいるのと同時に、僕等にはそれをしない権利があるんだ」

    BARKS(2000-06-28)

    以下は『Downloaded』のアレックス・ウィンター監督へのBillboard.comの取材記事から管理人拙訳。

    「我々が目撃したのは、一方の側の一人の人間だけに起きたことではない、内なる葛藤だったと思っている。」アーティストにとっては対となる望み、つまり自分たちの作品を聴いて欲しいということ、そして生計を立てる必要性 −その状況は刻々と進化してきている。(2012年12月、メタリカは元Napsterの創業者の一人、ショーン・パーカーがアドバイザー兼出資者であるSpotifyに全楽曲を公開した。)
    spotify-lars-ulrich-sean-parker-daniel-ek
    (左から)Spotifyのアドバイザー兼出資者ショーン・パーカー、ラーズ・ウルリッヒ、創業社長ダニエル・エク

    映画では、Napsterを複数の角度から描いている。アーティストや全米レコード協会の批判や多くの法廷闘争を含めた法的、あるいは倫理的な要素。そしてサイトが築いたコミュニティ、開発者ショーン・ファニングと起業家ショーン・パーカーの協力関係といった個人の側の側面。この映画のプロジェクトはウィンターが語るには、主要なスタジオのなかへと舞い戻って終わってしまったストーリー映画として2002年に産声を上げた。結局、10年以上経ってもまだ多くの人にとって生々しい傷を調査していくには、ドキュメンタリーの方が合っていると判断したのだ。

    ウィンターは語る。「激しい怒りがまだ存在しているとは予想していなかった。(だから)何人もの人たちがこの2013年に、2001年の頃のような怒りをいまだに抱えているというのは自分にとってはショックだったよ。明らかに、アーティストは充分とよべる補償をいまだにしてもらっていない。今もって、よりよい音楽界構築の必要性があるんだ。」

    それでも映画で示された通り、Napsterには支援者が何百万人といたのだ。楽曲を共有する大学生から(Napster支援の無料コンサートを行った)リンプ・ビズキットのフレッド・ダーストまで。

    さらにウィンターは語る。「(Napsterに関する)自分の体験は本当にポジティヴなものだった。初めて自分がダウンロードしたのは、ジョン・コルトレーンのブートで、1967年のスウェーデンのストックホルム公演だったと思う。とても高品質で、いまでも親しくしている他のジャズファンと自分とを繋げてくれたんだ・・・。NapsterはFacebook、YouTube、iChatそしてiTunesといったものを1つのサービスへと非常にスムーズに結合させていた。今日ではNapsterがやったようなことを1つでできるサービスは見当たらないよ。」

    Billboard.com(2013-06-28)

    ドキュメンタリー映画『Downloaded』は、2013年7月1日からiTunesを含むビデオ・オン・デマンドのサービスで発売されるとのこと。

    テクノロジーがビジネス構造を一気に変えるというのは珍しいことじゃないけど、この映画ではどんな描き方をしているのか個人的に非常に気になります。日本語字幕で観られるようになるのはいつの日になるんでしょうかね・・・。

    ちなみにNapsterのその後をざっくり知るには、この記事がオススメです。
    Napstar(ナップスター)はそれからどうなったのか〜P2P時代編
    Napstar(ナップスター)はそれからどうなったのか〜有料配信サービス時代編

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