メタリカ情報局

メタリカを愛してやまないものの、メタリカへの愛の中途半端さ加減をダメだしされたのでこんなブログ作ってみました。

       

    タグ:RecordStoreDay

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    今年のレコードストアデイ大使に選ばれたメタリカ。やはりインストアイベントを行うようです。Metallica.comの告知を管理人拙訳にて。

    2016_RSD_rasputin

    俺たちは考え得る最良の方法でレコードストアデイを祝うべく・・・ライヴをやるぞ!2016年4月16日(日)、レコードストアデイの最高にユニークなライヴ・パフォーマンスのためにカリフォルニア州バークレーのレコードストアデイの伝説的支柱、ラスプーチン・ミュージックでライヴを開催することで、俺たちはルーツに戻る旅をすることだろう。今年のレコードストアデイ大使として、『Kill ‘Em All』と『Ride The Lightning』のリマスターデラックス盤のリリースでも祝い、デカい音で、騒々しく、汗まみれで東海岸の昔ながらのスタイルを揺さぶることになる。

    5thメンバーとラスプーチン・ミュージックのお客さんたちは、俺たちと参加すべく招待されている。下記詳細でこの密接なパフォーマンスのチケットを勝ち取るべくエントリーをして、ベイエリアの始まりの核心へと向かうんだ。レコードストアデイにバークレーで会おう!

    チケットを勝ち取る2つの方法

    1.今から4月10日までにラスプーチン・ミュージックへ行って、スペシャル・パフォーマンスのチケット1枚を獲得するために投票用紙に記入する。

    2.5thメンバーはここをクリックしてチケット1枚を獲得するためにエントリーする

    このチケット獲得コンテストのルールについてはこちらを参照

    (以下略)

    Metallica.com(2016-03-31)

    コンテストルールによると、このライヴの参加資格はアメリカ在住者のみのため、残念ながら日本からは参加できません。

    ちなみにメタリカがレコードストアデイにリリースを予定している、『Kill ‘Em All』と『Ride The Lightning』のリマスターデラックス盤、そしてバタクラン劇場で行われたライヴを収録したスペシャルCDの音源や特典映像が徐々に公開されてきています。

    音源の方はメタリカのSoundcloudにまとめてアップされていますのでこちらから。
    https://soundcloud.com/officialmetallica

    公開された映像は『Ride the Lightning』デラックスボックスセットの特典DVDに収録予定の、1985年9月14日にドイツで行われたMetal Hammer Festivalから「No Remorse」。


    kill_dx
    Kill 'Em All Deluxe Box Set


    ride_dx
    Ride The Lightning Deluxe Box Set


    Bataclan_2003
    Liberte Egalite Fraternite: Live at the Bataclan


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    今年のレコードストアデイ(2016年4月16日(土))に限定発売するスペシャルCDについての続報。2003年6月11日にパリのバタクラン劇場で行われたメタリカの音源を収録したCDをリリースするのは既報通りですが、そのカバーアートとサンプル音源が公開されました。

    カバーアートはこちら。パリ同時多発テロを悼んで、メタリカのMがフランス国旗の色使いになっています。
    Bataclan_2003

    サンプル音源は「Fade To Black」。


    おさらいになりますが、トラックリストは以下の通り。

    Liberte, Egalite, Fraternite, Metallica! - Live at Le Bataclan. Paris, France - June 11th, 2003

    01. The Four Horsemen
    02. Leper Messiah
    03. No Remorse
    04. Fade to Black
    05. Frantic
    06. Ride the Lightning
    07. Blackened
    08. Seek & Destroy
    09. Damage, Inc.

    Metallica.com(2016-02-23)

    このCDの売上収益は全額、パリ同時多発テロの遺族支援団体の「Fondation de France’s Give For France」に寄付されます。

    【追記】
    Amazonでの予約が開始されています。
    Liberte Egalite Fraternite: Live at the Bataclan

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    メタリカが2016年のレコードストアデイ大使に就任したとのこと。

    metallica_recordstoreday

    レコードストアデイとは、配信やECサイト、ディスカウントストアの出現によって身近な街の小さなレコードショップがなくなりつつある現状に対して、レコードショップのオーナーであったクリス・ブラウンが発案したもので「レコードショップに出向き、レコードを手にする面白さや音楽の楽しさを共有する」年に一度の祭典。メタリカが2008年4月19日にサンフランシスコのラスプーチン・ミュージックでインストアイベントを行ったことで公式にスタートしました。

    recordstoreday.jpより

    メタリカの各メンバーがレコードショップに対する思い出やレコードストアデイ大使となった意気込みを語ってくれています。


    ラーズの絆創膏は、レコードショップを代表して戦った結果みたいなことを言っていましたが、本当のところはどうなんでしょうか(笑)

    メタリカは、昨年(2015年)のレコードストアデイで、デビュー前のデモ・テープ『No Life 'Til Leather』のカセットを復刻し発売していました。そして先日お伝えした通り、今年のレコードストアデイとなる4月16日(土)には『Kill 'Em All』と『Ride The Lightning』のリマスター盤をリリースする予定です(公式発表では一日早い4月15日(金)となっていましたが)。レコードストアデイと言いつつ、もうAmazonでもそれぞれ予約が開始されていますが…

    『Kill 'Em All』ボックスセット
    http://amzn.to/1RfovTP
    『Ride The Lightning』ボックスセット
    http://amzn.to/20N3oej

    『Kill 'Em All』リマスター盤CD
    http://amzn.to/216h0GS
    『Ride The Lightning』リマスター盤CD
    http://amzn.to/216h21l

    『Kill 'Em All』リマスター盤LP
    http://amzn.to/1mZAbPJ
    『Ride The Lightning』リマスター盤LP
    http://amzn.to/1mZAhaa

    このリマスター盤に加えて2015年11月13日に発生したパリ同時多発テロを悼み、パリのバタクラン劇場で2003年に行ったメタリカのライヴ音源を収めたCDをリリースするとのこと。(知っての通り、バタクラン劇場はパリ同時多発テロ現場のひとつで、イーグルス・オブ・デス・メタルのコンサート中に襲撃されて一番多くの犠牲者を出した場所です。)

    トラックリストは以下の通り。

    Liberte, Egalite, Fraternite, Metallica! - Live at Le Bataclan. Paris, France - June 11th, 2003

    01. The Four Horsemen
    02. Leper Messiah
    03. No Remorse
    04. Fade to Black
    05. Frantic
    06. Ride the Lightning
    07. Blackened
    08. Seek & Destroy
    09. Damage, Inc.

    Metallica.com(2016-02-23)

    このCDの売上収益は全額、パリ同時多発テロの遺族支援団体の「Fondation de France’s Give For France」に寄付されるとのこと。英語ですが詳細についてはこちらから。
    http://www.giveforfrance.org/en

    最後にRecordStoreDay.comに寄せた、思い入れたっぷりのラーズ・ウルリッヒのコメントを管理人拙訳にてご紹介。

    理由ははっきりわからないけど、ブリストル・ミュージック・センターのロック・コーナーが4階建ての店の地下にあったんだ。だけどそこを歩くことは究極の快感だったね。自分に何が起きるのを待っていたのか分からなかった。新たに見つけた逸品がスピーカーから鳴り響くのかなんて知る由もなかった。分かっていたのは、信じられないほど素晴らしいことが起きるってことだけだった。そんなことがいつも起きていたからね。可能性っていう可能性が無限大だったってことさ。駄菓子屋にいる子供のような・・・俺の場合はレコードショップにいる子供だったけどね。

    70年代半ばから80年代初頭にかけて、デンマーク、コペンハーゲンにあるブリストル・ミュージック・センターのロック・コーナーは、学校と家族以外の俺の人生のなかで最も重要な部分であり、おそらくその両方を深く結びつけていた。父親は俺が物心ついた頃からあそこに連れて行き始めたんだ。そんな最初期の遠足は別世界に行くような感じがしていた。自分の父親は最もクールな男だと思って育ったよ。60年代の町一番の膨大なレコードコレクションが置いてある父親の音楽部屋ほどネクストレベルな場所なんてなかったからね。最上階にあったその音楽部屋に行くことは、実際にレコードショップに行くようなものだったんだ。ラックのなか、棚の上、家具の上、レコードプレイヤーの近くには一面に何千ものレコードが散らばっていた。チャーリー・パーカー、マイルス・デイヴィス、ジョン・コルトレーン、ドアーズ、ローリング・ストーンズ、ジャニス・ジョプリン・・・リストは無尽蔵さ。1973年にディープ・パープルを観るために父親に連れて行かれた後、次の日にはアルバム『Fireball』を買い求めていた。そして父親のコレクションに相応しい自分のコレクションを収集し始めたんだ。

    ケンとオーレはブリストルのロック担当の責任者で、俺のヒーローだった。彼らがオススメしたものならすぐに持たなきゃダメなんだ。1979年にケンのアパートに招き入れられて、彼の個人コレクションをチェックしたのは、人生の中で最もエキサイティングなことのひとつだった。以上。80年代初頭にアメリカに引っ越した後、彼らはヨーロッパのハードロックに関する俺の生命線になった。毎月、彼らが送ってくれた荷物は、郵便箱に現れた最も元気が出て、人生を明るくする要因だった。レコードを聴いて、眺めて、想像に耽って、何か他の次元へと夢中になって何時間も座っていた。音楽が俺を包み込み、自分の想像できうる限り遠くまで連れて行ってくれたんだ。そしてジャケットね!レコードジャケットはバンドやミュージシャン、歌詞やイメージにこだわり続けさせてくれた。俺はどんなレコードを聴いたか、何回聴いたのか記録を付けていたよ。言い換えれば、俺は取りつかれていたんだ。来る日も来る日もレコードという宇宙で呼吸をして生きていたのさ。

    少年よ!あの日々が愛おしいぜ!

    時代は変わって、残念ながらレコードはほとんどの若者の生活の中で異なる役割になってきて、主にニッチな存在となっている。でも希望の兆しはある。俺の17歳の息子は2年前に誕生日にレコードプレイヤーが欲しいとせがんで、俺はそれから全力を尽くしてプレゼントとして着々と彼に名盤を供給しているんだ。そしてこの過程は、彼がディープ・パープルの『Machine Head』と『Made in Japan(邦題はライヴ・イン・ジャパン)』のレコード盤をクリスマスのお願い事リストに入れた時にクライマックスに達したよ(そして俺は目を潤ませてさえいた!)なんて日だ!結局、全てはうまくいくのかもしれないな・・・。

    音楽がインターネットを通じてのみ、または巨大な空港サイズの店を通じてのみ購入可能となってしまったら、俺たちみたいなマニアがレコードの重要性に光をもたらし、出来得る限り(巨大系列店でない)レコードショップを支援し続けることが、かつてないほど重要になる(実際に不可欠なのだが)。もちろん、レコード盤が実際に返り咲いているのはいい知らせだ。でもそれは俺たちの栄誉とするには十分ではない。俺たちは一緒にずっと繋ぎ止めておかなきゃならないし、俺たちの能力を最大限に生かして、全ての屋上から俺たちの最大音量の声と共に叫び、子供たちを啓発し、旗を掲げ、ドラムを叩かなきゃならない(!)

    音楽のために。

    レコード盤のために。

    独立系のレコードショップのために。

    1日24時間、音楽で生きて呼吸をしているキミや俺みたいな人のために。

    (後略)

    ラーズ・ウルリッヒ

    RecordStoreDay.com(2016-02-23)

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    メタリカ、デビュー前のデモ・テープ『No Life 'Til Leather』の復刻版をリリース
    『No Life 'Til Leather』カセットテープの国内販売状況
    ラーズ・ウルリッヒの原点を巡る(8)

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    更新ご無沙汰です。渡米しているあいだにニュースも溜まってきているので少しずつ消化していきます。まずは『No Life 'Til Leather』カセットの発売について。

    no-life-til-leather-cassette

    'Tallica Japanでも記事にしてもらった通り、国内でもレコードストアデイの一環で『No Life 'Til Leather』が発売されます。しかし入荷数に限りがあるため、ネットでの予約はいずれも受け付けていないようです。店舗別にまとめてみました。

    ディスクユニオン

    ・店舗・オンラインで4/18(土)から販売開始(予約不可)
    ・1,944円(税込)

    ■店舗では4/18(土)の開店と同時に販売をスタートいたします。
    ※発売当日に限りまして、購入はお一人様2枚までとさせていただきます。
    ※発売当日の電話での予約/取り置きはお断りさせていただきます。

    ■オンライン・ショップでは4/18(土)の午前11時より「予約受付け」を開始いたします。
    ※商品の「発送」は5/2(土)以降となります。
    ※店舗受付の通販に関しましても商品の発送は5/2(土)以降となります。
    ※限定商品の為、現在のところ入荷数未定となっております。入手に尽力いたしますが入荷予定数に達しない場合にはお渡しはご予約先着順とさせていただききます。
    ※ご予約頂いても商品が一切ご用意できない場合がございます。ご予約は商品の確保を確約するものではありません。予めご了承のほどよろしくお願いいたします。
    ※ディスクユニオン オンライン・ショップでお買い上げのお客様への発送は5/2(土)以降とさせていただきます。
    ※RECORD STORE DAY当日より2週間程度経過しても弊社へ入荷しない場合には、入荷見込み無しと判断し、ご予約のキャンセル及び他商品の分割発送のご連絡を差し上げる場合がございます。ご迷惑をおかけいたしますが何卒ご了承のほどよろしくお願いいたします。

    http://diskunion.net/portal/ct/detail/HMHR150311-007

    タワーレコード

    ・一部店舗にて4/18(土)から販売開始(予約不可)
    ・2,390円(+税)

    ■一部店舗の取扱いとなります。オンラインでの取扱いはございません。
    取扱店舗:札幌ピヴォ店・仙台パルコ店・渋谷店・池袋店・吉祥寺店・新宿店・秋葉原店・町田店・川崎店・横浜ビブレ店・浦和店・イオンレイクタウン店・千葉店・津田沼店・柏店・新潟店・名古屋パルコ店・名古屋近鉄パッセ店・梅田大阪マルビル店・難波店・梅田NU茶屋町店・福岡パルコ店

    https://twitter.com/TOWER_HRHM/status/587868917718126592

    HMV

    ・渋谷店で取扱いあり
    ・他店舗は不明

    ■4/18(土)RECORD STORE DAY当日は、AM10:00より営業致します。
    ※整理券はAM9:30より当店入口にて配布致します。お並びの際は、他のお客様と列/順序をご確認の上お並びください。

    http://recordshop.hmv.co.jp/staff-picks/8201/

    数量限定につき、入荷在庫状況は各店舗までご確認を。

    参考:レコードストアデイ参加店舗一覧
    http://www.recordstoreday.jp/shop.html

    【追記】
    この記事を書いている現在(4/17 16:00)、MetStoreで購入可能なようです。
    http://www.metallica.com/products/no-life-til-leather-cassette.asp

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    ジャコ・パストリアスのドキュメンタリー映画制作に関わってきたロバート・トゥルージロ。ちょっと前の記事になりますが、Bass Magazineでジャコ・パストリアスに関するインタビューを受けていたのでご紹介。

    roberttrujillobassguitarmagcover

    知らないミュージシャンの名前もじゃんじゃん出てきて和訳に苦戦しましたが、ジャコ・パストリアスとの衝撃的な出会い、ジャコの親族との出会いやジャコの持っていたベースをコレクターから買い戻したエピソードなどロバートの人柄がにじみ出ているロング・インタビューになっています。管理人拙訳にて。

    −ヘヴィメタルファンはジャコのことが大好き、その理由を聞きたい

    ジャコは本当にインスピレーションを与えてくれるし、アイコンなんだ。ジャズのコミュニティーだけじゃなく、ハードロックやヘヴィメタルのコミュニティーの間でもね。俺は高校を卒業して、ジャズの学校に通った。結局そこでやることになったのは、世界中から来たプレーヤーたちとジャム・セッションをすることだった。そのうちの何人かはいまだに俺の人生の一部になっているよ。そんなたくさんのミュージシャンは、メタルやロックも好きなゴスペルのミュージシャンだったんだ。キャリアを伸ばしていくうちに、俺はレッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーとか、マーズ・ヴォルタのホアン・アルデレッテとか、ジャコのプレイを見たことあるたくさんのミュージシャンとつるむようになった。俺は50歳になろうとしているけど、そういう人たちは俺の年齢よりも上だった。以前在籍していたバンド、スイサイダル・テンデンシーズのロッキー・ジョージと俺はジャズ・フュージョンの大ファンで、俺たちが9年生、15歳の頃、彼にジョン・マクラフリン、マハヴィシュヌ・オーケストラ、リターン・トゥ・フォーエヴァーについて話したんだ。

    −トゥルージロは影響の大きかったジャコのギグを覚えていた

    ジャコのプレイは4回観た。1979年のプレイボーイ・ジャズ・フェスティバルでも観たし、ワード・オブ・マウス・ビッグ・バンドと一緒のフルスケールのバージョンの時も観た。UCLAのドロシー・チャンドラー・パビリオンでね。スケールダウンしたバージョンもデルマー・ブラウン、ケンウッド・デンナード、マイク・スターンと一緒にやったのを観たよ。ジャコに会いたくてショーの後に待ってたんだけど、マイクとだけ会ったんだ。彼は常軌を逸してた。何かをやってたのかもわからないね。

    70年代後半から80年代初頭にかけて、あれはいい時代だったよ。俺は両親にジョン・マクラフリンとか他の偉大なアーティストを観に連れて行ってもらう、そんな年齢になったばかりだった。15、16歳のあたりから俺はもっと真剣にベースに集中していくようになった。1983年に高校を卒業した時、俺は徹底してベースにのめり込んでいた。ジャコみたいに俺はルールに縛られなかった。バウ・ワウ・ワウのようなたくさんのイギリスのバンドやミック・カーン、ピノ・パラディーノ、ニック・ベッグスみたいなミュージシャンが好きだった。マーク・キングも俺に大きな影響を与えてくれた。彼は素晴らしいよ。彼はまだアメリカでは過小評価されていると思う。俺の中じゃ、彼は神だね!もちろんレミーやギーザー・バトラーの大ファンでもある。でもジャコは猫みたいだった。俺はドッグタウン・ムーブメントが巻き起こっていた、たくさんの命知らずのワイルドなスケートボーダーたちがいた南カリフォルニアのベニスビーチで育ったからね。

    ジャコは俺にとってそんなキャラクターだったんだ。彼は信じられないほどの天賦の才能があってセンスが良くて自分がやることに本当に一生懸命に取り組んだ。スケートボーダーたちもそうだったんだ。彼らは危ないこともやるし、必要とあらば激しいケンカもする。しなきゃならないとなれば、3階から後方宙返りをキメてプールに飛び込むことだってやる。何でもありさ。それが俺がジャコの好きなところのひとつだ。彼もビーチで育ったからね。彼はボディーサーフィン(訳注:サーフボードなしでサーフィン)をして育ったんだ。ほとんどいつもシャツを着ずに短パン裸足だった。俺が育ったベニスビーチでもそんなヤツらがいたんだ。

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    −どのようにしてジャコに会ったのか

    1985年、ハリウッドのメルリン・ホテルで行われるロサンゼルス・ギターショーを観に行ったんだ。今はホリデー・イン・エクスプレス・ホテルになってるけどね。そこにジャコが来るとは知らなかったんだ。各部屋が特定のギター会社に割り当てられていて、廉価版NAMMショーみたいだったね。ある部屋にいた時、本当に地震が来たと思ったんだ。窓が震えていて、床が揺れているように感じた。参ったね!隣の部屋に行った人もいた。ベースのディストーション付きアンプがフルボリュームになっていたんだ。イカしてたね。

    俺も隣の部屋に入っていったら、それはジャコだったんだ!彼はそこでギター修理の人と一緒にいた。彼がそこにいるもんだから、何も言葉が出てこなかったよ。俺は彼の正面に座ると、部屋はみるみる人で埋まっていった。俺がベースの師と仰ぐ一人、ラリー・シーモアもいた。彼はビリー・アイドルと長いあいだプレイしていた人だ。みんな同じ反応をしたから、部屋は満員状態だった。ジャコはアンプの音量を上下に繰り返して、その反響音が壁を震わせていた。彼はみんなを観て、全員をじっと見つめていた。今にも彼が「そりゃあ俺だ!」とでも言い出しそうな感じだった。彼の人生においては最高の場所ではなかったけど、彼は忘れられないファンキーなグルーヴと節を弾き始めたんだ。俺たちに何の一言も口にすることなく。

    神に誓って、彼は俺たちをその目で見つめていたんだ。俺は言葉も出なかった。みんなそうだった。それはあたかも彼が楽器を使って俺たちと話したり、全員と触れ合ったりしているかのようだった。彼がこう言ったみたいだったのさ。「俺はこの手のひらでオマエらを捕まえたぞ!クソッタレ!オマエらは噂を聞いてきたんだろう。俺がここにいる、俺がオマエらをぶっ飛ばすってな。」それから部屋に彼のガールフレンドが入ってきた。ホントにキレイな女性が両ポケットにビールを入れてやってきたんだ。2人はまさしくビーチのサーファー・カップルだった。彼女がやってきてこう言ったんだ。「さぁジャコ、行きましょう!」って。そしたら彼はベースを置いて、そこから出て行ったんだ。あれは決して忘れられないよ。

    今、ここ数年のあいだに心の中で思うんだ。「何で俺はあの時、あの人をハンバーガーか何かで外に誘わなかったんだ?」って。でも俺はショックだったんだ。それだけ強烈な瞬間だった。あの部屋にいた俺たち全員、彼の存在に感動していたんだ。彼のプレイする能力は俺たちを虜にした。直接彼に会って、彼があんなメロディックなものを奏でるのを聞けたのは信じられないことだったね。

    −どのようにしてジャコの親族と出会ったのか

    これはとびきりの話だよ!ラッセルっていうサーフ仲間でバーテンダーの友だちがいて、そいつがジャコが人生のほとんどを過ごしたフォートローダーデール(訳注:フロリダ州南東部)に住んでたんだ。数年前、ラッセルがジャコの長男ジョニー・パストリアスにドリンクを作っていると、ジョニーのクレジットカードにあった苗字に気付いたんだ。ラッセルはベニスビーチの俺の家に来て、ジャコの写真を見たり、俺がジャコの話をしたりしていたことを覚えていて、ジョニーにこう尋ねたんだ。「あなたの名前は聞き覚えがありますね?」そしたらジョニーは「ジャコ・パストリアスは俺の父親なんだ」って答えた。それは純粋に偶然の一致だった。ラッセルは俺に電話して、ジョニーもスイサイダル・テンデンシーズのファンで、俺のことも知っていることがわかったんだ。

    オジー・オズボーンのバンドに加入した最初の年、フォートローダーデールに行ってジョニーに会った。すっかり仲良くなったよ。一晩中一緒に外にいた。振り返ると、あれはフロリダ南部のパーティーの日だったのかな。とにかくそういうことさ!間違いなく素晴らしい時間だった。それでジョニーと一緒にどこかのストリップ・クラブに入って、俺がスイサイダル・テンデンシーズのロッキーに電話したんだ。「俺、ジャコの息子と一緒にいるんだよ!ほら、挨拶して!」って。ジョニーと俺は仲良くなった。それが今回の話(ジャコのドキュメンタリー映画制作)の始まりだったんだ。

    後で俺はジョニーを通じて(ジャコの娘の)メアリー・パストリアスとも会った。それで俺たちはメル友になったんだ。メアリーは本当に素晴らしいシンガーで、彼の夫エリック・ヤングはとんでもないキーボード奏者なんだ。もし彼らがフロリダに住んでいなかったら、もし彼らがロンドンかLAかニューヨークに住んでいたら、彼らがありふれた名前だったら、(そう考えると)なんて素敵なきっかけなんだって思うよ。ジャコの甥デヴィッド・パストリアスもいつもそんな感じで親友なんだ。彼らはいつもそんな感じさ(笑)

    rob_handsam02

    −どのようにしてジャコのドキュメンタリーは形になったのか

    俺がジョニーに最初に会った時、俺は彼に言ったんだ。「キミのお父さんについての映画を作らなきゃ。彼の話はホントに人を惹きつけるからね。」と。ジョニーと俺は連絡を取り続けていた。ジョニーは音声ドキュメンタリー『A Portrait Of Jaco: The Early Years』のプロデューサーをやってたボブ・ボビングっていう人とドキュメンタリー映画に向かって取り組んでいた。それは本当に大きかった。素晴らしい要素だった。

    年月は過ぎ、ジョニーはボブをメタリカのショーに連れてきた。ジョニーがボブに俺がジャコに夢中になっていたことを話していたし、彼らはジャコの関連性を理解していて他のタイプのミュージシャンをドキュメンタリーに引き入れたいとジョニーは思っていたからね。彼らはメタリカを観にやって来て、フォートローダーデールのアリーナのショーがチケット売り切れになっていることにボブは感動したみたいだった。ボブと俺は友だちになったんだ。4年前、彼は俺に制作という船に飛び乗ってくれないかと頼んできた。ジョニーと俺は数年前にこれについて話したことがあって、俺たちがこんなことになって奇妙で皮肉な運命のいたずらみたいだったね。

    2年前の夏、俺たちは初めてラフカット版を観た。俺たちはいま編集の最終段階に来ている。3人の監督がいるんだ。1人目はスティーヴン・カイヤック、彼は『Stones In Exile(邦題:ストーンズ・イン・エグザイル 〜「メイン・ストリートのならず者」の真実)』や『Scott Walker: 30 Century Man』の監督をしている。彼は1年以上、制作陣にいてインタビューのほとんどをやっている。1年半前くらいから俺たちはポール・マルシャンって人とも一緒にやっている。彼はプロジェクトの最初から編集をしてきた人物だ。それは地獄のジェットコースターみたいに大混乱しているけど、絶対に変えるつもりはないよ。

    −どのようにこの映画に関わっているのか

    かなり関わっているよ。俺はプロジェクト全部に出資している。制作会社のPassion Picturesは『Searching For Sugar Man(邦題:シュガーマン 奇跡に愛された男)』でオスカーを獲得している。『Stones In Exile』も彼らが手がけた映画だ。彼らは素晴らしいよ。この地球で後世に残る最優秀ドキュメンタリー制作会社だ。

    俺はクリエイティブな面でも関わっている、もちろん、そこにはバランスがあるけどね。とてもクリエイティブな監督が一方でいるわけだから。ポールは本当に為すことがクリエイティブだ。彼の創造力でスクリーンに命が吹き込まれているし、彼は自分を強く持っている。それからジャコの家族のこともある。俺のやることは、みんなの要望の間でバランスを取らなきゃならないってことなんだ。時にはそれが最も難しくなることもある。映画制作陣と、自分たちの父親の話に感情的に愛着を持っている家族、俺にとっては全てを意味する。おまけに俺の芸術的展望もあるしね。緊張の瞬間だってあるんだ。

    でも創造的な緊張、感情的な緊張、一番丁寧なやり方で頭突きしたかのような、そういった瞬間を味わえるのは、このプロジェクトの一番良いところだよ。もし3年前に完了させていたら、映画はあるべき姿になっていなかったと思う。今、俺たちが(制作中のまま)2014年を迎えているっていうのは、本来そうなるはずだったんだ。この映画は今年公開する必要がある。だから俺たちは11月の第3週目になるよう努力しているんだ。

    −どのようにして今年の「Record Store Day」にジャコのサウンドトラックを出したのか

    俺たちは1974年のジャコによるデモ・レコーディング『Modern American Music… Period! The Criteria Sessions』をリリースすることもできたんだ。「Record Store Day」の創始者マイケル・カーツがこのプロジェクトを受けて、公にしたのさ。

    マイケルが17歳の時、ノースカロライナでウェザー・リポートのコンサートに行ったらしい。それがジャコとウェザー・リポートの最初のツアーで、マイケルはスーパー8mmフィルムでショーを撮影したんだ。音はなかったけど、ジャコのプレイを見ることができるんだ。彼がまだ若く元気でイカしてた。マイケルはこの撮影した場面をドキュメンタリーに寄贈してくれた。それから後、彼は2008年に「Record Store Day」のアーティストとしてメタリカを引き入れる役割を果たしたんだ。彼もジャコのために同じようなことをしたくて、2014年にジョニーと俺をOmnivore Recordsとつなげてもらった。彼らとランチをして、ジョニーはCriteria Studiosでとったデモ音源について話し始めた。俺はそれについて全く知らなくてね。それはずっと長い間、所在が不明だったデモ音源でジャコの最初のソロ・レコードの準備としてレコーディングされたものだったんだ。素晴らしいよ。ああいう裏話はすごいよね。そうして俺たちは特別なレコード盤をリリースすることができたんだ。まだ聴かれていない、未開封のジャコの初期の純粋なデモ・レコーディングを、この2014年にね。さらにジャズ・チャートで2週間も2位を獲得した。俺たちが制作を続けられなかった唯一の理由は、レコード盤が品切れになってこれ以上刷れなかったからさ。それが全てを物語っていると思う!


    rob_handsam03

    −どのようにしてジャコの最も有名な楽器を救ったのか

    当時は法律的な問題があったんだ。今はもう解決したけど、ジャコの家族はこの問題についてストレスで本当に参っていた。大筋を言うと、ジャコの有名なフェンダーのジャズ・ベースが20年間行方不明だったんだけど、ニューヨーク市のコレクターの手に渡ったんだ。そのベースは盗まれたとか売られたとかいう噂だった。ジャコがドラッグや何かのために自分のベースを売ったというのは疑わしい。でも、いろんな解釈をされやすい事態だったんだ。

    俺たちの気持ちとしては、まずニューヨーク市の公園でジャコがホームレスだった時に奪われたんじゃないかと思う。それは壊されて50個ほどに分けられてしまった。俺は写真を見たけど、狂ってるね。ジャコはベースをフロリダの(ベーステクの)ケビン・カウフマンに送ったんだ。で、彼はそれを修復したのさ。ジャコはベースを取り戻して、それから奪われたんだ。そうなる前にそのベースでマイク・スターンとレコーディングを行った。それでケビンはニューヨークにやってきて、楽器は本物であると認証をした。それが問題の始まりだったんだ。家族は言うまでもなくベースを取り戻したがっていた。でも所有者はベースのことをあきらめようとはしなかったんだ。

    だから俺はベースを取り戻すお金を支援した。俺はコレクターじゃないけど、当時この状況を自分が助けることが重要なことだと思ったのさ。そうして俺たちはベースを取り戻した。俺はベースの合法的な所有者だ。でもこの楽器についてのどんな決定もジャコの家族の承認を受けなければならないようにした。彼らにとって、あのベースは家に横たわる家族のペットみたいなものなんだ。無くなった時でさえも。フェリックス・パストリアス(ジャコの息子でジュリアス・パストリアスの双子)が今は持っている。俺はあのベースを弾いたことあるけど、素晴らしいよ。とてもいい形をしていたね。


    この件については多くの誤解がある。俺はインターネットで言われているようなヤツじゃない。何もかも完全にかけ離れているよ。でも俺は間違った考えを持っていたり、俺があのベースを脅し取った(あるいは自分自身のために持っている)とか、俺がニューヨークでそれを見つけて金を払って奪い取ったと考えていた人に通りで近寄られたこともあった。そういうことでいつもジョニーとフェリックスを困らせていたよ。事態はまるっきり正反対だからね。俺は情熱からこの事態を引き受けた人間なんだ。俺は物事に情熱的になるんだ。そして俺は助けようとしたのさ。

    −ついにジャコの映画の準備も大詰め、映画についてまとめてください

    このプロジェクト全部、俺のジャコへの気持ち、そしてこのストーリーとジャコとの関連性が中心にある。ジャコの家族との関係もね。多くの人は俺がパストリアス家とつながりがあるなんて気付きもしないし理解もしていない。このプロジェクトが始まる前に彼らは俺の家に泊まったんだ。俺はジョニーとメアリーとほとんど同じくらいデヴィッドのことも知っている。俺たちが知り合ったのは彼がまだ10代の頃。デヴィッドと彼のバンドが何年も前に(スイサイダル・テンデンシーズのサイド・プロジェクトである)インフェクシャス・グルーヴスの前座を務めたんだ。

    俺たちにはたくさん歴史があるんだ。面白いよ。年上のミュージシャン、ウェイン・ショーターとアンソニー・ジャクソンみたいな人たちも出ている。彼らはメタリカや俺のことをリスペクトしてくれているんだ。俺がメタリカに加入した時、そういうプレイスタイルを学ばなきゃならなかった。俺の大好きなベーシストはジャコとアンソニー・ジャクソンだったからね。もちろんゲディー・リーとギーザー・バトラーも好きだけど。俺はメタリカの要求を満たすよう自分のスタイルを適応させなければならなかったんだ。俺の快適な範囲はいつだってインフェクシャス・グルーヴスなんだ。いつも言っているんだけど、あのバンドは完全にジャコ・パストリアスにインスパイアされたバンドだ。スレイヤーやスイサイダルと同じようにね。ジャコはインフェクシャス・グルーヴスの鍵となる要因だった。でも多くの人はそれを知らない。多くの人は俺が4回ジャコのプレイを観たことも知らない。

    この映画は素晴らしいよ。俺たちがインタビューしようと思った人の99%はインタビューした。その範囲も広いけど、とてもいいバランスになっている。ゲディー・リーからハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、スティング、ジョニ・ミッチェル、それからジャコの活動初期にコラボしたプロデューサー、ボビー・コロンビーまで出演してもらった。ソニーが映画のサウンドトラックを出す予定だ。そこには最前線で活躍するアーティストが参加している。これは俺がやってきた中で、一番満足している旅路のひとつだ。そしてキミたちのようにジャコに関心を持つ雑誌があるってことがわかって嬉しいよ。


    BassMagazine(2014-09-23)

    コレクターから取り戻したベース「Bass Of Doom」を記念したTシャツもメタリカ公式Tシャツとして売られていましたね。
    bass_of_doom

    これだけ情熱を持って制作された映画、ぜひ日本でも観たいです!(どこか配給頼む!)

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    メタリカ関連のニュースが溜まってきているので少しずつ消化していきます。

    まずは「Lords of Summer」のシングルレコード盤が発売の報。Metallica.comの公式ステートメントを管理人拙訳にて。

    cover_lords-of-summer-first-pass

    俺たちは地元のレコード店で友だちとブラック・フライデーを祝うのが大好きだ。今年「By Request」ツアーで披露した「新」曲、「Lords of Summer」が2014年11月28日のレコード・ストア・デーにレコード盤が発売される。

    限定12インチ盤にはA面に「First Pass」スタジオバージョンと2014年7月1日のSonisphere Festivalローマ公演を収録。B面にはMのロゴをレーザーでエッチング加工している・・・。両面は聴けないけど、めちゃくちゃクールだ!

    独立小売店とMetallica.comで「Lords of Summer」のレコード盤を探してくれ。レコード・ストア・デー参加店リストはRecordStoreDay.comでチェックしてくれ。

    Metallica.com(2014-09-24)

    レコード・ストア・デイと言われても日本ではあまり馴染みがないので日本版公式サイトに記載されている説明を引用。

    RECORD STORE DAYとは、Chris Brownが発案し、Eric Levin、Michael Kurtz、Carrie Colliton、Amy Dorfman、Don Van CleaveとBrian Poehnerによって創始され、全米700店舗超、海外に数百を数える独立資本のレコードショップとアーティストが一体となり、レコードを手にする面白さや音楽の楽しさを共有する、年に一度の祭典です。

    2008年4月19日にはMetallicaがサンフランシスコのラスプーチン・ミュージックでオフィシャルにキックオフ、以降は毎年4月の第3土曜日にRECORD STORE DAYが開催される運びとなり、現在、全世界21カ国が参加を表明し、数多くのアーティストが貴重な作品をレコードでリリースし、話題となっています。

    RecordStoreDay.jp

    メタリカが公式スタートさせていたイベントだったんですね。だいぶ前に引用記事で最初のイベントのこと書いてたのに全然知らなかった・・・。もしかしたらアメリカのレコード店に現れるなんてサプライズがあるかも。

    日本盤の発売は今のところ未定です。

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