メタリカのカヴァー・バンド「Blistered Earth」がポートランドで行ったライヴ終演後に数千ドル分の機材を盗まれたことを発表。地元ニュースで取り上げられるとそれを観たメタリカから機材提供の申し出があり、実際に機材が提供されて無事に次のライヴに臨めるとのこと。このニュースを取り上げた2つの記事を管理人拙訳にてご紹介。
1つめはOregonLiveの記事から。
2つめはM.I.R.P.による記事から。
かつてメタリカが機材を盗まれ、その痛みの感情から「Fade To Black」という名曲が生まれたことは、いろんな本やインタビューで語られてきました。トリビュート・バンドが同じような状況に陥ったことを知って、手助けをしたのは自然なことだったのかもしれません。
ブログランキングに参加しています。
応援クリックをヨロシクお願いします。
関連記事
メタリカ、バンドロゴ使用停止命令書を送った弁護士を解雇、トリビュートバンドに謝罪
日本発メタリカ・トリビュート・バンドのHATALLICAがロンドン公演決定!
1つめはOregonLiveの記事から。
Blistered Earthのドラマー兼広報のショーン・マーフィーは木曜日(4月27日)に行ったOregonLiveの電話取材に対して次のように語っている。「(メタリカが)そうすると決めてくれたことはすごくクールだよ。本当にありがたい行為だった。」
しかし、全ての機材をバンドに提供してもらっても、本当のスターはポートランドのメタル・コミュニティだとマーフィーは語る。「ポートランドの人たちにバンド全員から大きな感謝を伝えたい。みんな信じられないほどクールで協力的だったんだ。」
Blistered Earthが盗難に遭遇したというFacebookへの投稿は何百ものシェアを呼び、それが地元メディアの注目を集め、最終的にはメタリカに届く信号の役割を果たしたのだとマーフィーは言う。「みんなが注目して助けてくれようとしていたのは素晴らしいことだった。ただFacebookで相づちを打つってことじゃない。みんなが正当に援助しようとしてくれたんだ。」
最初の(Facebookでの)援助要請の後、マーフィーは盗まれた機材をどうするのか何の計画もまだ立てておらず、GoFundMeやその他のクラウドファンディングのキャンペーンをやっていたかもしれないと語る。
しかし、メタリカの代理人からの電話で状況は一変した。
伝説的メタルバンドはBlistered Earthに機材リストを求め、マーフィーとバンドメンバーたちは喜んでツアーで使っていた機材の在庫記録をつけた。「普通の人だったらツアー中のバンドがどれだけこんな目にあっているか、どれだけのバンドが標的になっているかわからないだろう。そもそも(ツアー中のバンドは)よそから来たよそ者なんだ。みんなそれを知っているし、盗みをするようなヤツらには地の利があるからね。」
Blistered Earthは過去にも機材の盗難にあっているが、このレベルの被害は経験していなかった。マーフィーは今後、もっとセキュリティーにお金をかけると語っている。
OregonLive(2017-04-27)
2つめはM.I.R.P.による記事から。
どのように盗難が発覚したのか、そして(盗まれた場所である)ホテルの対応について、Blistered Earthのドラマー、ショーン・マーフィーに訊ねた。「朝起きたら、やられた!って感じさ。犯人たちはトラックごと機材を奪ったんだ。ホテルの対応は素晴らしかったよ。ホテルの保守/監視員は本当にクールだった。彼は監視カメラ映像を俺たちと一緒に観てくれたんだ。」
機材は発見できなかったが、トラックは発見された。「盗難に遭ったとわかってから、トラックはすぐに見つかった。誰かが警察に電話をかけて、25マイルほど街の東に行ったところで乗り捨てられていたと通報したんだ。もちろん、もぬけの殻だったけど。犯人たちはルースター・ロック州立公園まで行っていた。どうやら東に向かう高速道路から下りて、その辺りで鍵をこじ開けて、(機材の売買)取引をして、高速道路でポートランドに戻ったみたいだね。で、高速道路に入る前にトラックを乗り捨てたんだ。」
バンドのFacebookページによると、機材の中には保険に入っていたモノもあった。「保険について明らかにすると、機材の一部だけ保険に入っていた。保険がどこまで適用されるのか本当にわからないんだ。完全にはカバーされないし、まったく適用されないモノもある。多くの機材に感情的な思い入れはそこまでない。そのまま置き換えられるものもある。でもシンガーが使っているギブソンのエクスプローラーと俺のドラムセットはおそらく盗まれたなかで一番デカかったね。俺のドラムセットは見つけるのが本当に難しいんだ。そのバンドの時代に特有の本当に古いキットだからね。12歳の頃からそれが欲しくて、今42歳なんだから可笑しいだろ。(盗まれたことで)5年間しか使えなかった。フルセットを見つけることはできない。レアものだからバラバラに買わなきゃならないんだ。1991年か92年に生産中止になったからね。」
ここから話は好転する。メタリカ、あのメタリカがBlistered Earthの機材を補填したのだ。ショーンにソーシャル・メディアを通じてメタル・コミュニティがどのようにして手助けしたのか訊ねた。「Facebookのページに投稿した木曜の夜まで、本当にそのことについて誰も多くは語っていなかった。ドラムの写真があれば、特にその希少性がわかってみんなの心に響いて、見つかる手助けになるかもしれないと思っただけなんだ。そこから本当に雪だるま式に始まって行った。『おぉすげぇ!みんながこのことについて話題にしてくれているぞ。クールだ!』って感じだった。投稿に対してたぶん1500くらいのシェアがあったと思う。こんなことになるなんて思わなかったよ。面白いことにみんなが俺にメッセージを送ってくれたり、俺の投稿にコメントをくれたりしてくれたんだ。『ポートランドはキミたちをもっと丁重に扱うべきだった』ってね。でも俺はこう返信したよ。『実際は逆なんだ。俺に言わせれば、(たくさんの反響が)実際にポートランドの人たちがどれだけ素晴らしいかを示しているよ。クソ野郎なのは俺たちの機材を盗んだ2人だけだ。』」
メタリカの気前の良い申し出について、バンドはどのように知ったのだろうか。ショーンに訊ねた。「俺が知っているところでは、実際は(地元のニュースサイトである)KATUのニュースだと思う。あれで彼ら(メタリカ)にまで届いたんだ。メタリカHQの女性から電話を受けて、(電話の受け手である)俺が誰なのか確認するために連絡を取ろうとしているんだと言っていたよ。それから彼らが機材リストを送るように依頼したメタリカのマネージャーと連絡を取ったんだ。それでリストを送って、そこからこうなったんだ。」
ショーンはメタリカの気前の良さをどう感じているのだろうか。「彼らがそんなことをしてくれるなんて本当にすごいよ。実際にKATUのサイトでこの話を観たのはジェイムズだと思う。メタリカにどれだけ詳しいか、彼らの経歴にどれだけ近づけているか分からないけど、彼らが機材を買い替えるお金がなかった頃に機材を全て盗まれたというのはこれまでにもよくいろんなところで書かれていることだ。だから(盗難によって)どれだけ忌々しい気持ちになるか、彼らはじかによく知っているんだよ。でももう一度言わせてもらうと、こんなことになるなんて考えもしなかったよ!」
M.I.R.P.(2017-04-27)
かつてメタリカが機材を盗まれ、その痛みの感情から「Fade To Black」という名曲が生まれたことは、いろんな本やインタビューで語られてきました。トリビュート・バンドが同じような状況に陥ったことを知って、手助けをしたのは自然なことだったのかもしれません。
ブログランキングに参加しています。
応援クリックをヨロシクお願いします。
関連記事
メタリカ、バンドロゴ使用停止命令書を送った弁護士を解雇、トリビュートバンドに謝罪
日本発メタリカ・トリビュート・バンドのHATALLICAがロンドン公演決定!