「俺はストリーミングは音楽のためにはいいことだと思っているよ。俺が数多く目にしてきたなかでは・・・みんな何をするでもなくこうさ。「ストリーミングではあまり稼げていないよ」ってね。でもこの議論で全体として見過ごされている大きな点は、ストリーミングはあらゆる面での選択肢のひとつってことなんだ。ファンになってもらうためのひとつの選択肢。自分たちの音楽をストリーミングサービスで利用可能にすることに従事するアーティストのための選択肢。アーティストを代弁するレコード会社のための選択肢ってこと。15年前にはそんな選択肢は存在しなかったんだ。」
「(Spotifyのようなストリーミングサービスで利用可能な楽曲を持つことは)選択肢なんだ。俺は選択肢を提示された。誰かが俺たちにEメールをよこしてこう言うのさ。「こんにちは。我々はストリーミングサービスを提供しています。このサービスに入りませんか?」もちろんアーティストとしてはみんなに聴いてもらいたいさ。」
しかしながらラーズはストリーミングがインディーズのアーティストよりも、人気のあるアーティストの手助けになっていることを認めている。
「おそらくストリーミングは、他より注目を浴びているアーティストにとっては利益をもたらすだろうね。そう思う。ストリーミングサービスで利用可能になっているプレイリストを聴くとなると、より注目を浴びているアーティストが(プレイリストで)特集されるだろうし。ちょうど今は、そういったものが聴かれているように思うよ。」
ラーズは、最近のアーティストたちがメタリカのようには観衆と繋がっていない主な理由のひとつとして現代音楽の質だとみている。
「今の俺の人生で新しい音楽があまり自分との繋がりを感じない主な理由のひとつは、繋がりを感じる素晴らしい音楽が少なくなっているからじゃないかな。つまり再生された多くのものはただの焼き回しなんだよ・・・。最先端の人たちってのがいない。ビートルズやマイルス・デイヴィスやジミ・ヘンドリックスたちが完璧に知らない未知の音楽的領域に俺たちをいざなってくれたようにね。」
ラーズもレコード売上げ減少が、結果としてレコード会社が新たにブレイクするようなアーティストに投資する額を減らし、新進気鋭のバンドが生き残るにはより難しくなってきているという事実を嘆いている。
「全ては原因と結果だ。音楽を購入する人が少なくなって、生み出して戻ってくるお金が減って、レコード会社は賭けに出にくくなっている。年に500枚レコードを売ろうとするんじゃなく、50枚売ろうとしている。若いアーティストに移るお金は減って減って減って減りまくってる。若手アーティストが絶滅に近づく危険がある。」
BLABBERMOUTH.NETより(2015-07-14)
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