メタリカ情報局

メタリカを愛してやまないものの、メタリカへの愛の中途半端さ加減をダメだしされたのでこんなブログ作ってみました。

       

    タグ:新譜制作

      このエントリーをはてなブックマークに追加
    2016年5月25日に公開されたMetClub会報誌「So What!」の電子版で、ロバート・トゥルージロが新譜やバンドメンバーとのエピソードについて語っています。管理人拙訳にて抜粋してご紹介。

    robert_20160525_004202_7549_928468

    −言うまでもなく、スタジオで仕事が行われているわけだけど、何かここでちょっとだけプレビューしてもらってもいいかい?

    うんうん。HQ(訳注:新譜制作を行っているサンフランシスコのスタジオ、Metallica HQ)はまさに今、大忙しのメタリカ・ニューアルバム・マシーンだよ。今言えるのは、ジェイムズと俺が先週バッキング・ボーカルをやって楽しく過ごしたってことだね。たぶんこのアルバム制作サイクルの間でも一番楽しかったんじゃないかな。あれを仕事と呼んでいいのかなってくらい。あのコーラスを吐き出すことが出来たのは超楽しかった。彼は顔に大きな笑みを浮かべていたし、自分もそうだった。あんなレベルでやることなんてこれまで考えもしなかったから、あれはいつまででも覚えているだろうね。つまり、ここでいくつかのことをやったけど、彼と一緒にボーカル・ブースにいるっていうのは俺にとっては初めてのことだったんだ。かなりクールだったね。最高だよ。ベースサウンドは圧倒的だ。確実にこのバンドと俺がやってきたなかでベストなベースサウンドだと言えるよ。すでに俺にとってそのことはプラスだね。(プロデューサーを務める)グレッグ(・フィデルマン)が俺の楽器のサウンドでやってくれたことに俺は誇りに思うし、俺がやった演奏にも誇りを持っているよ。俺たちは楽しんでいる。

    (中略)

    −難解な質問をしてみるよ。ボクはラーズとジェイムズがいつも彼らの人生のためにバンドの状況を確定させているということに魅了されているんだ。彼らにとってそれは、違うエネルギーを持つためのほぼ不可欠なことになっていると思う?ハッキリさせておきたいんだけど、キミほどハードな労働倫理をもっている人は見たことないと思っているよ。特にこのバンドに関して、リハーサルに関して言えば、同じ曲を何時間もずっとやってるからね。だからこれは労働倫理についてのコメントじゃなくて、取り組み方についてのコメントとして回答して欲しいんだ。キミは(ヒッピーのようにならずとも)渓谷で見たかもしれない波とか鳥に真の美しさと重大さを見出すような人でしょう?彼らはバンドでのキミのエネルギーの「流れ」を持つことになって、ラッキーだと思うんじゃないかと。

    俺もそう思う。ジェイムズにとってそれは重要なことだ。俺のやり方のままでいること、いわば俺が幸せだってことを彼は理解しようとして敬意を払ってくれていると思う。メタリカのロバート・トゥルージロがミュージシャンとしてやっていることに幸せを感じているか、メタリカでミュージシャンとしてやっていることに幸せを感じているかということが彼にとって重要なんだと思う。でも彼は俺の音楽的)出自や俺がやってきたことに対しても敬意を払っている。彼はインフェクシャス・グルーヴスの音楽が好きなんだ。あのバンドでの俺のスタイルを気に入っている。とりわけインフェクシャス・グルーヴスでのスタイルがメタリカになくちゃならないスタイルとまでは言わないけどね。それは違う。そういうことじゃなくて、ラーズもそうなんだけど、彼はスイサイダルとかインフェクシャスについて良いものを称賛することに興味があるんだ。ひょっとしたら彼のお気に入りTOP10アルバムにスイサイダル・テンデンシーズの『The Art of Rebellion』が入ってるかもしれない。彼が俺をあのアルバムに引き戻してくれたんだ。俺はあのレコードについては忘れてしまっていてね。彼があのレコードの収録曲の1つについて話していたんだけど、俺は何について話しているかわからなかったんだ。あまりに前のことだからさ。それから彼はケント(HQのエンジニア)にスタジオのPAシステムで(その曲を)かけてもらったんだ。それから俺が聴いたらこうさ。「あぁクソッ、こりゃいいなぁ」突如、俺に記憶が甦ってきた。可笑しかったのは、1時間後にスタジオから家路まで運転していて、あの曲は俺が書いたんだと気付いたんだ。実際に自分が書いた曲だってことを認識できていなかったんだよ。

    −それは何て曲?

    「Accept My Sacrifice」。(元々は)ラーズが俺をあの曲に引き戻したんだ!

    (後略)

    Metallica.com(2016-05-25)

    ちなみにエピソードで出てきた「Accept My Sacrifice」はこちら。

    Suicidal Tendencies - Accept My Sacrifice



    ブログランキングに参加しています。
    応援クリックをヨロシクお願いします。

    関連記事
    ラーズ・ウルリッヒ「今度のアルバムは前よりも多様なものになる」
    ロバート・トゥルージロ「メタリカのオーディションの時、二日酔いだった」
    ロバート・トゥルージロ、新譜制作における自分の役割について語る
    ラーズ・ウルリッヒ「アルバムはこの夏には仕上がる」

      このエントリーをはてなブックマークに追加
    ラーズ・ウルリッヒがスウェーデンのラジオ局「Sveriges Radio」の「Sommar & Vinter i P1」という番組のなかでラジオDJを務めました。

    lars_radio01

    収録は現在新譜制作真っ只中のMetallica HQのスタジオで行われ、新譜制作について番組冒頭では最終段階に入っている、番組終盤では今年中には、と語っています。
    lars_radio02

    トラックリストを思案中。
    lars_radio03

    番組DJの名が刻まれた証書をもってご満悦のラーズ。
    lars_radio04

    番組プロデューサーとの一枚。
    lars_radio05

    番組では自身の人生を振り返りながら、影響を受けた曲、節目となった曲、感動した曲として以下の曲をオンエア。
    Deep Purple / Fireball
    Gasolin' / Rabalderstrade
    The Rolling Stones / Honky Tonk Woman
    Motorhead / Overkill
    Metallica / Hit The Lights (Metal Massacre Ver.)
    U2 / Sunday Bloody Sunday
    Diamond Head / It's Electric
    Oasis / Supersonic
    Rage Against The Machine / Killing in the Name

    番組はこちらから聴くことができます。
    http://sverigesradio.se/sida/avsnitt/743224?programid=2071

    ブログランキングに参加しています。
    応援クリックをヨロシクお願いします。

    関連記事
    ラーズ・ウルリッヒ「今度のアルバムは前よりも多様なものになる」

      このエントリーをはてなブックマークに追加
    Metal Forcesのインタビューでラーズ・ウルリッヒが新譜制作の進捗状況を語ってくれました。ラーズの発言部分を抜粋して管理人拙訳にてご紹介。

    larsulrich_2016

    俺たちは今、楽曲の創造的プロセスの最終段階に向かっている。先を見越して、どうやってレコードを世界に届けようかという段階が始まっているんだ。6月は基本的に俺たちが腰を据えて、全てにおいて何をすべきか何に電話すべきかどうなるべきかを把握する時なんだ。

    (『Death Magnetic』のエンジニアを務めた)グレッグ・フィデルマンはこのレコードに去年の夏から不眠不休で取り組んでいる。彼はメチャクチャ素晴らしい仕事をしているし、全身全霊をかけて取り組んでくれているし、このレコードのプロデュースと制作において彼のあらゆる経験が俺たちの助けとなっているよ。

    もし今年レコードが出なければ、仕上がってないから出ないんだろう。来年まで出さない方が賢明だっていう宇宙の法則があるとかね。でもレコードはこの夏には仕上がるよ。


    Metal Forces(2016-05-28)

    秋口には出るのでは?などとちらほら言われてきていますが、夏以降はタイトルやアートワーク、発売仕様などを決めていくことになりそうです。

    ブログランキングに参加しています。
    応援クリックをヨロシクお願いします。

    関連記事
    ラーズ・ウルリッヒ、新譜制作の進捗状況を改めて語る
    ラーズ・ウルリッヒ「(新譜は)2016年に出せないと信じるのは俺にとっては難しい」
    1984年のラーズ・ウルリッヒのインタビューが「Metal Forces」誌のウェブサイトに掲載。

      このエントリーをはてなブックマークに追加
    2016年4月8日、ロックの殿堂入り式典にプレゼンターとして参加したラーズ・ウルリッヒがRollingStoneのインタビューに応え、新譜制作の進捗を語っていました。管理人拙訳にてご紹介。

    larsulrich_2016_rockandrolloffame

    −ディープ・パープルを紹介した時はどんな気持ちでしたか?

    長年、俺の中で棚上げになっていたことなんだ。だから最高だね。俺のマネージャーが俺に最後に言ったのは、おそらく早口になりすぎるだろうから、ちゃんとゆっくり話せってことだった。そのことを頭の片隅に置いていたよ。出来る限りゆっくり話して、アリーナのずっと後ろの方まで伝えようとしたんだ。すごかったね。20年以上の念願が叶ったんだ。(プレゼンンターとしての大役は)光栄だったし、彼らと一緒に喜んでいるよ。ある程度ではあるけど、あの(ディープ・パープルがロックの殿堂入りをする)一部を担うことができて、嬉しいね。

    −あなたにとって最初のディープ・パープルのレコードは何ですか?

    『Fireball』だね。1973年に彼らを観て、次の日にはレコード店に行った。『Fireball』は彼らが出していたアルバムのひとつだった。

    −レコードの制作状況について教えてください。

    レコードの進捗は順調だよ。今はどんな世紀にも出せるかもしれない。実際、こんなことわざがあるでしょ。「命あっての物種」って。

    −レコーディングはされているんですか?

    たいていはやってると言っていいかな。面倒をみなきゃならない他の責任がある。このところのメタリカとしての生活はレコードを作ることだけじゃない。こういうこと(訳注:ロックの殿堂入り式典参加)もそうだし、AT&Tパークでショーをやったのもそうだし、彼がこうする、俺がこうするって具合だ。取り掛かるべき、こういった別のいろんなことが俺たちにはある。でも他に何にもない時にはレコードに取り組んでいるよ。

    −それは素晴らしいスケジュールですね。

    冗談抜きで、実際の俺たちはこんな感じなんだ。俺たちにとってはこのやり方が合っている。ただ単にレコード、ツアー、レコード、ツアーってわけじゃない。俺たちはやりたいようにしたんだ。来週のレコードストアデイをやったり、その他すべてのことをやったりとね。いつも進行中のものがたくさんあるけど、レコード制作はほとんど済んでいるよ。

    RollingStone(2016-04-08)

    原文の「almost done」を「ほとんどの時間やってる」と取るか「ほぼ終わってる」と取るかで、全然違ってくるので難しい。。。いずれにしろ、新譜制作は順調ということなのでそう長く待たされることはないのかなと期待しています。

    【追記】
    ロックの殿堂入り式典でのスピーチの後、Vultureの突撃取材でラーズ・ウルリッヒが新譜発表時期についての質問に答えていました。
    −ハッキリしない新譜の状況について

    「俺は複合的な文章で曖昧にするっていう高度な技術を習得した。だから教えてあげよう。レコードはいつか将来出る。そんなにすぐでもないけど、かなり近い将来にね。何か劇的なことでも起きない限り今年出るだろう。」

    −前作の『Death Magnetic』と似たものとなるのか、これまで焦らされてきているが

    「俺たちはこの春には済ませるべきだと思う。他に言うべきことはわからないよ。タイトルだってまだだし、かなりの楽曲がある。メタリカっぽいし、みんないい曲だよ!」

    Vulture(2016-04-09)

    この答え通りであれば、少なくとも8月に行われるライヴには新曲が聴けることになるかもしれません。

    ブログランキングに参加しています。
    応援クリックをヨロシクお願いします

    関連記事
    ラーズ・ウルリッヒ、ディープ・パープルのロックの殿堂入りプレゼンターとしてスピーチ
    ラーズ・ウルリッヒ「新譜制作はうまくいけばこの春にはやっつけられるはず」
    ラーズ・ウルリッヒ、ロックの殿堂入りをするディープ・パープルについて語る

      このエントリーをはてなブックマークに追加
    カーク・ハメットがAlternative Pressのインタビューのなかで自身が開発するギターペダル、新譜制作におけるラーズとの関係やプロデューサー、果ては新たな映画製作についても語ってくれました。管理人拙訳にてご紹介。

    Kirk-Hammett

    −ギタリストにとってシグネチャー・ペダルをリリースすることは特別なことではありません。しかし、あなたの場合、ペダルは特にギターソロにおいてあなたのサウンドならしめる一部となっています。この新しいペダルが他のものとどう違うのか教えてください。

    これはKHDKディストーション・ナンバーワン・ペダルと呼んでいる。マイクロ・アンプと呼ばれる業界水準のものがあって、それに必要な期待に沿うものが提供できたと思う。でも俺はいつもマイクロ・アンプのコンセプト、ディストーション・ボックスのコンセプト、それをひとつのペダルに詰め込んで、整えて使いやすくするのは素晴らしいことだと思ってる。それが「Ghoul Screamer」みたいな業界水準の増強版なんだ。

    −私の唯一の不満は、これは「Ghoul Screamer」(直訳:残忍な金切声の人)なんていう名前じゃないかなということです。

    わかってるよ!他の全ては「Ghoul Screamer」の精神により近い名前なんだ。「Ghoul Screamer」って名前を付ける前は、ディストーション1って名前にしてたんだよ。

    −あなたのシグネチャー・アンプとギターとペダルのデザインはどんな過程を経たんですか?

    俺たちはまだ存在していないけど必要とされているものを作ろうとしている。誰もやっていなかったことをやってみたいと個人的に思っていた。俺の目標はチューブ・スクリーマー、ワウ・ペダル、ワーミー・ペダル、フランジとかそういう新たな業界標準となるようなクールでユニークな何かに巡り合うことだね。もしプロトタイプが俺の顔をニヤけさせて、腰を据えて深く入り込みたいと思ったら、手ごたえありだ。他の誰かが何か新しいものを提供することなくやったものをなぞったものだとしたら、俺には興味がない。今や会社を始めたり、流通や宣伝したりなんてことは、オンラインの助けを全部借りてずっと容易くなった。この指先でもってね。こういうことしたっていいだろ?今はずっと便利になったんだから。

    −私は多くの素晴らしいバンドのように2つの素晴らしいものを組み合わせるというアイデアが大好きです。メタリカがダイアモンド・ヘッドとモーターヘッドにひねりを加えた組み合わせであるように。

    まさにそれだね。俺はクールな音楽でみんなを興奮させたり触発させたりしてみたいんだ。うまくいけば、誰かが俺たちが作りだす音楽とは違う、俺がすぐにでも聞きたくなる音楽を作ることになるかもしれない。レコード会社を始めるように、ペダルの会社を始めることには保証された結果なんて何もない。でも、楽しもう、クールなものを作ろう、俺たちがやっていることで誰かをハッピーにしようってことなんだ。それが俺のアティテュードさ。インターネッツはみんなを引き合わせるクソ素晴らしいものだ。だから盛大に集まって、クレイジーなペダルでクールな音楽を作ろうってわけ。

    −映画『Some Kind Of Monster』であなたはメタリカの楽曲にギターソロを残すべきだと主張していた時、(映画が出品上映されていた)サンダンス映画祭の観客たちはあなた側について声援を送っていました。あなたは最近、何度も繰り返しギターを演奏することにぞっこんだと話していますね。

    自分がギターを演奏している時の多くは競争心からなんだ。本気でやる。攻撃的にね。過去数年間に渡って続いていた(バンドメンバー間の)心理的な問題に対処するのに、俺は感情的なレベルで自分の楽器と再び繋がることができた。セラピーを受けて、よりオープンで傷つきやすいことを学んで、自分がもっとオープンなやり方でプレイしたらどうなるんだろうって思ったんだ。それからこういったことがあふれ出し始めた。俺が最初にプレイした時、俺はオープンで傷つきやすいってだけだった(笑)それくらいしか知らなかったからね。できうる限り学びたいと思ったんだ。目の前にある何かについて俺は一方的な判断はしてこなかった。演奏が何百万の他のことで埋もれてしまっていたあいだ、完全にオープンになる感覚になる前に短い時間で腐るほど多くのことを学んできた。オープンな方法でギターを演奏するという再発見は俺にとって素晴らしい効果があった。自分の演奏に信頼度が増した。最近は本当にその恩恵を受けているよ。

    −メタリカの熱狂的なファンはソロにおいてあなたとラーズ・ウルリッヒのコラボがいかに緊密であるかを知っています。新たに見出した信頼は、メタリカの新しいアルバムの楽曲制作において、あなた方2人の間のダイナミクスを変えましたか?

    今この瞬間もアイデアが浮かんでくるような感じがする。どう演奏しようか10か12のアイデアで臨むんだ。赤い光がパッとついて、バッキング・トラックがものすごく魅力的に聞こえて、突然、気分が変わって「今はこう演奏したい!」ってなるんだ。ラーズがいなくて俺に提案みたいなことをしてくれていなかったら、ギターソロは全部、ジミ・ヘンドリックスとマイケル・シェンカーの間を行ったり来たりしているようなサウンドになっていただろうね。冗談を言ってるわけじゃないよ...(笑)ラーズは俺自身ではわからない客観性を示してくれるんだ。俺には強迫観念があるからラーズの指摘が必要なんだ。アイデアが尽きたことはない。時折、10の優れたアイデアのうち最高のアイデアを選ぶのが難しくなるくらいさ。2時間部屋にいなかった誰かが入ってきたら、そいつが何が最良かより多くの視点を示すことになる。ラーズはそういうことが得意なんだ。それにそういうことをするのが好きなのさ!ぶっ飛ぶよ。彼はドラマーでありながら、俺のリードギターの演奏にも入り込んでいるんだ。


    −あなた方はスタジオ入りしていますが、まだ公式にプロデューサーを発表していませんね。

    俺たちはグレッグ・フィデルマンともうかなりのことをやっている。彼はミキシングをしている。最終的にどうなるか俺にはわからない。誰か(他の)プロデューサーを入れてはいないし、今さら誰か連れてくるとは思えないな。


    −私の理解するところでは、フィデルマンがエンジニアとして働く場合であっても、非常に不可欠です。プロデューサーのなかにはただあちこち顔を出すだけという人もいますが、彼は気合いが違います。

    「プロデューサー」って肩書自体、ちょっと曖昧なんだよね。人それぞれ違う。リック・ルービンをプロデューサーと呼べると思うけど、彼はあらゆる音のためにずっとスタジオにいるようなボブ・ロックみたいなタイプのプロデューサーじゃない。同時に、リック・ルービンには物事を成すやり方がある。グレッグ・フィデルマンは、エンジニアと共にいつもプロジェクトを前進させようとしているという点で違ったタイプのプロデューサーだね。ドクター・ドレーのようなバッキング・トラックを実際に作っているタイプのプロデューサーとは違う。ヒップホップの世界ではドレーはプロデューサーだ。とても曖昧なんだよ。もし伝統的な用語として使うなら、グレッグと俺たちがやっていることはかなり「プロデューサー」していると言えるんじゃないかな。

    −彼は怠け者とは違いますからね。『Death Magnetic』を手がけましたし、スレイヤー、ブラック・サバス、スリップノット、システム・オブ・ア・ダウンのプロデューサーやミキサー兼エンジニアとして働いていました。

    アデルの最初のレコードも手がけてるんだぜ!彼は全てのことをやっているんだ。グレッグと一緒に仕事をするのは本当に楽しい。ちょっと現場監督っぽいところはあるけど、人の話に耳を傾ける。彼はとても柔軟性があるよ。彼は人を怒らすことなしに服従させる術を知ってるんだ。


    −あなた方全員にやるべきことがたくさんある時には、それは重要ですね。あなた方にはひっぱっていくリーダーが必要です。

    もしグレッグにメタリカのレコーディングで最も難しいところは何ですかと問うたら、彼はメンバーのスケジュール管理だと言うだろうね。まぁ俺たちにとって、人生には各々課せられたものがある。俺たちはアルバムを作り、ツアーに出て、バンドとして努力するけども、俺たち全員にはそれぞれ家族がいるから、それをどんなことよりも優先する。それが何で(アルバム制作に)時間がかかっているかの理由のひとつなんだ。それがグレッグ・フィデルマンにとっての障害になっている。彼はいつもそれについて冗談めかしているけど、タップダンスとジャグリングをやるかのように本当に時間がかかることなんだ。

    −メタリカのメンバー全員が『Through The Never』で映画プロデューサーとなった事実、そしてあなたの情熱と興味を考え合わせると、映画を演出したり脚本を書いたりというロブ・ゾンビのような道をたどることは考えたことはありませんか?

    あぁもちろんだよ!俺は映画を作りたい。誰かがそれだけのお金を払ってくれたら、すぐにでも映画を作るよ。俺が映画製作で学んだことのひとつが、誰かにお金を払ってもらった方がずっと良いってことだ(笑)。3000万ドルくれたまえ、俺がイカした映画を作ってしんぜよう!キミに何回でも言うよ。今月、俺は脚本を書き始めた。それが良かろうが悪かろうが、それは知っておいてもらおう。

    −ロバート・トゥルージロは自分のお金をジャコのドキュメンタリーにつぎ込んでいますよね。

    俺がやらなきゃならないことは湯水より金を持っている誰かさんを見つけることだけだ。そんな人たちに自分たちがどうしていくのか熱弁をふるうんだ。俺がやりたかったこと、そして今しばらく話してきたことだけど、実際に腰を据えてやり始める予定を入れている。俺はイカした物語を持っていると思うし、今月実際に脚本を書いているヤツと取り組んでいる。彼は脚本家なんだ。彼は年に約1本は脚本を書いていて、そのほとんどが映画化されている。俺は彼と腰を据えてやるつもりだ。実際に映画になったり、一本の脚本になったりする保証は何もないよ。でも俺は間違いなく挑戦するつもりだし、草分けになってやろうと思うんだ。

    Alternative Press(2016-03-14)

    訳しながらカークの創造エネルギーが楽曲制作以上に高まってるのを感じていました。楽曲制作時のラーズとカークの関係性も知れて興味深いインタビューでした。

    ghoul_screamer
    KHDK Electronics / Ghoul Screamer


    ブログランキングに参加しています。
    応援クリックをヨロシクお願いします

    関連記事
    カーク・ハメットが構想から携わったギターペダルがハロウィンに発売予定
    カーク・ハメット「新譜制作にせっせと取り組んでいる」
    リック・ルービン、『Death Magnetic』制作当時のメタリカについて語る

      このエントリーをはてなブックマークに追加
    ラーズ・ウルリッヒが2016年のメタリカの活動の見通しについてRollingStoneに語ってくれました。管理人拙訳にてご紹介。

    metallica_pre_superbowl

    先月のスーパーボウル前夜祭以外、今年のメタリカはずいぶんと鳴りを潜めている。それにも関わらず、彼らは2016年は多忙になると見込んでいる。今はカレンダーにツアー日程は組まれていないが、ラーズ・ウルリッヒは大きなハードルを乗り越えると状況はすぐに変わるとRollingStoneに語った。

    「とても挑戦的な年になると思う。少なくとも今年の後半はね。」ドラマーはそう語る。「間違いなく、新しいレコードを仕上げなくちゃならない。でもありがたいことにかなり進んでいるんだよ。うまくいけばこの春にはやっつけられるはずだと思うけどね。俺たちは準備を進めて、ライヴをやって、すぐにまた楽しいこと全部やろうって思ってるよ。」

    (中略)

    昨春に取り組んだ約20曲のアイデアを彼らは微調整しており、レコード制作の進捗は着実に進んでいる。カーク・ハメットはRollingStoneに先月、バンドには「たくさんの曲、曲として十二分なものがある」と語っている。その時点で彼は自身のブランドのギター・エフェクター・ペダルを使ってギターサウンドをゼロから始めていた。「俺たちはせっせと取り組んでいるよ。でも知っての通り、メタルだからね。ヘヴィ(訳注:キツいの意とのダブルミーニング)なんだ。」と彼は言う。

    『Master Of Puppets』30周年を振り返った最近のインタビューでウルリッヒは8週間でレコードを仕上げたことに驚嘆していると述べている。彼は新作に取り組んで9か月ほど経っていると言う。「最近だとじっと聴いて「これは素晴らしい楽曲だ」とか「あれは本当にクールだね」ってなってる。それから実際にそれをもっと速く演奏したり、もっと遅く演奏したり、半音下げてみたり、こういう全てのオプションを試しているところなんだ。」彼は言う。「何かを演奏するのに75通りの違うやり方がある。終いには自分自身がイカれちまうのさ。」

    バンドが新しいLPを共にする未来に向かって目を光らせてきたように、バンドメンバーもこの時点でレコードを仕上げることを強く意識している。新作の曲作りやレコーディングに加えて、メタリカはレコードストアデイに向けて、彼らのデビューアルバムである1983年の『Kill 'Em All』と翌1984年の『Ride The Lightning』のデラックス・リイシューも準備中だ。それと同時に慈善団体への寄付のためにパリのバタクラン劇場で収録されたライヴアルバムもリリースする。さらに著者マット・テイラーと共に1986年の『Master Of Puppets』の制作とその年のその後を追った本『Back To The Front』にも取り組んでいる。

    「新譜やバンドが前に向かって進んでいくこと、そしてこういった素晴らしいことで未来に起きていくことと、マット・テイラーの本やリイシューについてしっかり見ていくことは両輪なんだ。」ウルリッヒは言う。「俺たちは片足は過去にあって、昔の写真やメモラビリアを選びながら、昔の曲を聴く。そしてもう片方の足はニューアルバムにある。こうやって異なる全てのエネルギーが合流していく。そのエネルギーをどうしていけばいいか、まだ完全にはわかっていないけどね。」

    ウルリッヒが確実にわかっていることのひとつは、メタリカのメンバーが集まって演奏する時に感じることだ。「俺が52歳だって?たしかに俺はいつもは子供の面倒をみて、夫をこなし、友だちと出かけたり、自分のことをやって、レコードを作る。これらのこと全てをやっているんだ。年齢を感じるというのは素晴らしいことだよ。でも俺たち4人が集まると、4人の平均年齢までどんどん若返っていく感じなんだ。」

    「俺たちはおバカになったり子供みたいになったりしてるよ(笑)」彼は笑いながらそう続ける。「思春期の時みたいなたくさんのユーモアがあったりね。その全てを理解しようとしている52歳の連中ってわけだ。デイヴィッド・リー・ロスか誰かが「人が部屋に一緒にたくさんいればいるほど、IQが下がっていく」って言ってたんだけど、俺たちみんなが集まった時の感覚はまさにそれだね。自分はまだ若くて勇敢で活気があるって感じられるってのは素晴らしいことだ。俺たちは若いと感じるし、証明すべきものがまだあると俺は思ってる。俺たちはそれを成し遂げようとまだ努力しているという感じなんだ。」

    RollingStone(2016-03-10)

    いよいよ新譜制作は仕上げの段階に入っているようです!

    ブログランキングに参加しています。
    応援クリックをヨロシクお願いします

    関連記事
    メタリカ、リリース30周年を迎えた『Master Of Puppets』を振り返る(前編)
    メタリカ、リリース30周年を迎えた『Master Of Puppets』を振り返る(中編)
    メタリカ、リリース30周年を迎えた『Master Of Puppets』を振り返る(後編)
    メタリカ、2016年のレコードストアデイ大使に就任
    メタリカ、『Kill 'Em All』と『Ride the Lightning』のリマスターDXボックスセット発売
    カーク・ハメット「新譜制作にせっせと取り組んでいる」
    メタリカ、公式サイト上で新曲の一部を公開
    ラーズ「レコーディング快調(開帳)!」カーク「アルバムのサウンドを語るのは時期尚早」
    ジェイムズ・ヘットフィールド「まさに今レコーディングをしている」

    このページのトップヘ