メタリカ情報局

メタリカを愛してやまないものの、メタリカへの愛の中途半端さ加減をダメだしされたのでこんなブログ作ってみました。

       

    タグ:ロバート・トゥルージロ

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    RollingStoneにて、メタリカが先ごろ自身のブランドで出したウイスキー、「Blackened Whiskey」について語ったインタビューが掲載されました。管理人拙訳にてご紹介。

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    ラーズ・ウルリッヒはメタリカの評判については心得ている。「当時のメタリカは「Alcoholica」って感じで俺たちの飲酒の習慣についてはいろんなことがあった。でも白いラベルのビールだとかウォッカ以外のものを飲むだけの金はなかった。『...And Justice For All』やブラックアルバムを制作するためにLAに行って、ウイスキーやジャックダニエルに触れるまではね。ウイスキーは、俺たちが次の段階に進んだものだった。」

    今、バンドが飲酒の習慣を劇的に減らしていった後にウイスキー事業に参入している。約1年半前、彼らは「Sweet Amber Distilling Co.」(訳注:Sweet Amberはもちろん『St.Anger』収録曲のタイトル。distillingは蒸留を意味する。)を立ち上げ、北米のバーボン、ライ・ウイスキー、ウイスキーのブレンドを黒いブランデー樽で仕上げた「Blackened」を最初にリリースした。ドラマー(ラーズ)によると、商品販売の延長として「聴衆とつながる」新しい方法を見つけるため、ウイスキー事業に参入すると決めたとのこと。

    彼らの主な懸念とは?ウイスキーは「お年寄りの飲み物」だった。「自分が本当に若かった頃には、違う世代のものだと感じていた。」とウルリッヒは語る。「21、22歳の誰かが親父や爺ちゃんの飲み物じゃないと感じたら、それが「Blackened」だと思っているよ。」かつてWhistlePig(ホイッスルピッグ)で蒸留と化学の専門家を務め、Maker's Mark(メーカーズマーク)で働いていたデイヴ・ピッカーレルと組んで、ウイスキーを「メタリカ化」するのに一役買った。

    ウルリッヒは語る。「誰かと一緒にウイスキーを作って、メタリカのラベルをペタッと貼るビジネスに出たいなんて思ってなかったよ。俺たちは目の前でファンを見ることができるってことが重要だと感じていた。「これは最初から始まっていたことだ。少なくとも、良かれ悪かれ、メタリカが感知していることかどうかだ。」」

    ボブ・ディランからハンソンまで、自分たちのブランドのアルコールに踏み出したことで、メタリカはBlackenedで自分たちの印をつける独自の方法を見つけ出した。ウイスキーの熟成工程のスピードを上げるために他の蒸留所が、ピッカーレルが語るところの「樽をハッピーにさせる」音波を使用するなか、Sweet Amberは、樽を振動させることによって香りを高めるために「Black Noise」と呼ばれる低周波を使うという特許申請中の熟成工程を開発した。もちろん(使うのは)メタリカの楽曲だ。

    ロバート・トゥルージロはRollingStone誌にこう語った。「俺はいつも最初は懐疑的なんだ。それから何であろうと勉強して試してみる。そういうプロセスを経なければならない。5ヵ月くらい前に、このプロセスを経て納得したんだ。」彼はこのプロセスを「マッシュ・ピット」と呼ぶ。「音と振動に何らかの形で混ざった分子構造があるから」だ。

    特許出願中のため、ピッカーレルはプロセスの説明には消極的だ。しかし彼はブランデー樽には多くの化合物が含まれる木材が使われていることを明らかにした。「表面近くは木のカラメルだから、樽を燃やすと焦げができて焦げたすぐ裏を赤い層と呼んでいるんだ。」と彼は語る。「それは木の糖質がカラメル化するのに十分なほど熱くなるけど、燃えるほどにはならない場所なんだ。焦げた下にはカラメルがたくさんあるので、私がやっているのは、木のカラメルをさらに引き出すこと。木の間膜が壊れると、バニラのような味と香りの6つの化合物が形成される。そのうちの1つは実際のバニラなんだ。ウイスキーと(使用している樽の)木材との相互作用を音の振動によって高めることができれば、ウイスキーが木材からさらなる美味しさを引き出すことができる。」最終的に、飲み物に深いカラメルの音色を与えていると彼は言う。

    彼はそれを証明しようともしている。「ウイスキーの色にインパクトを与えているという色彩比較データを提示することができる。特許を取ったらすぐに科学的なデータを公開するよ。」と彼は語る。

    ピッカーレルは陸軍士官学校に通っていた頃、この工程にインスピレーションを得た。彼は学校の教会の受付係になり、オルガン奏者のデイヴィス博士と親しくなった。長年に渡ってそこにいたオルガン奏者は楽器に増築を加えて、今や23000以上のパイプを有するものになっていた。ある日、デイヴィス博士がピッカーレルにプライベートコンサートを開き、バッハのトッカータとフーガニ短調(オペラ座の怪人を思い浮かべてみよう)を弾いて、楽器のフルパワーを実演してみせた。最も低い音を弾いた時、16ヘルツで振動したことをピッカーレルは思い出した。「振動を数えることはほぼできるだろう。腸が揺すられるんだ。」とてもパワフルで、デイヴィス博士があまり長く演奏しすぎると建物が傷つくことになるだろうと言っていたのを思い出していた。

    「ただ魅了されたよ」と彼は言う。「だからこのプロジェクトに参加したとき、自分は「今、これで遊ぶ時が来た」って言ったんだ。」バンドがライヴで使用するサウンドシステムの機材を創っていたメイヤーサウンド(Meyer Sound)と協力して、トゥルージロがギターケース(あるいは彼が呼んでいるように棺)になぞらえた巨大な超低音域用スピーカーに取り組んでいることをピッカーレルは知っていた。

    これらの機材で、4人のメンバーが作成したプレイリストに基づいて、メタリカの楽曲から超低周波を樽に向かって再生するのだ。「クリーンで鮮明なリズムがこの(熟成)工程を手助けしているけど、低周波音で樽を響かせるだけでその効果が得られると確信している。でも、これによって響かせることでより一層大きな効果をもたらすよ。」

    ウルリッヒはこう話す。「俺たちは超低周波での超低音についてのことを話しているんだ。路上で誰かの隣で運転している時に、車から超最高な重低音が出てくるのを、聞くというより感じることができるでしょ?可聴周波数以下の音が実際に空気と分子を動かすからなんだ。」

    最初のプレイリストにはバンドの各メンバーが選んだ曲が含まれていた。ファンはバッチ番号を参照して、プレイリストを聴くことができる。ウルリッヒの選曲は「Sad But True」「One」「The Outlaw Torn」「Broken, Beat and Scarred」が含まれていた。彼は言う。「完全に衝動的なものだね。この選曲には何の理論だった体系もない。俺はいつも「Broken, Beat and Scarred」は他の曲よりも下に評価されていたけど、ウイスキー用語で使って、違った熟成をしてきたと感じている。ライヴで「Sad But True」をやるのが好きだ。好きな曲のひとつだし、「One」もそのひとつ(「One」)だし、「The Outlaw Torn」もそうさ。」

    オジー・オズボーンのバンドでベースを務めていた時に「Whiskey Warlord(ウイスキー将軍)」というあだ名をつけられたトゥルージロが選んだのは、自身がメタリカに加入する前の曲で「Frayed Ends of Sanity」「Fight Fire With Fire」「Orion」「Disposable Heroes」だった。「自分は「Disposable Heroes」みたいなベース主導のものを選ぶ傾向があった。鼓動があるからね。」と彼は語る。「鼓動とビートの周りを分子が動いていると想像しているよ。ドラムとグルーヴのことを考え、美しさとダイナミクスを考え、それをアートワークのように考えている。それはまさにひねくれたやり方での俺なんだ。」

    ピッカーレルはうまくいったやり方に満足している。彼の味覚によれば、ブランデーの仕上げのためのドライフルーツの覚書とともに「豊潤でコクのあるウイスキー」だと言う。最近はモルトウイスキー団体に試飲のウイスキーを持ち込んで「スコッチウイスキーの雑誌から出てきたようなお年を召した紳士」から親指を立てて賛同を得た。その人は香りを嗅ぎ、色をよく見て、味わった。「彼は厳しい人のように見えた」とピッカーレルは言う。「彼はそれを噛んで味わい、空気を含ませ、それが終わると、私を見てこう言ったんだ。「正直言って、私はかなり驚いている。これは本当に美味しい。」OK、ダメじゃないと言っていたわけだけど、私はこの方が、その容貌のように私に苦々しい顔を私に向けると予想していた。反応は上々だよ。」

    バンドからRollingStone誌に送られたサンプルは軽い口当たりと甘い味がしており、ダブルベースの「One」の刺激に揺さぶられると考えると驚くほどなめらかだった。後味もあまり残らない。「この味を説明するのに「earthy(気取らない)」という言葉を使いたいね。」とトゥルージロは言う。「ちょっとした刺激がきて、少しなめらかで、よりバランスが取れているところが好きなんだ。」

    まだ(競合他社には)音響的に広まっておらず、「ペプシチャレンジ(飲み比べや比較広告で他社との優位性をアピールする戦略)」を行っていないウルリッヒも賛同する。「味は軽くて、自己主張が強い。とても現代的なんだ。そう、温かみがあってね。大きな氷を入れて少し冷やしたのが好きだね。」

    「少しずつチビチビと飲むんだ。」と彼は言う。それはかつて「Alcoholica」として知られたバンドのドラマーとはほど遠いコメントのように聞こえる。「とても飲みやすいよ。」

    RollingStone(2018-09-16)

    メンバーが樽に聴かせる曲として何を選んだかは、こちらのサイトで確認できます。それぞれSpotifyやApple Musicのプレイリストとしても参照できるようになっています。(プレイリストは逐次更新中)




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    前回の「So What!」の続きから。

    WorldWiredTourで定番化したカーク・ハメットとロバート・トゥルージロのご当地曲コーナーについて、メンバーが思うところを語ってくれています。管理人拙訳にてご紹介。

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    ステファン
    ロブとカーク(のパート)は発展していったよね、つまりちょっとしたジャムからセッションになり(訳注:原文ではnoodleからdoodleになったとある)、今や1つのモノになっている。そうでしょ?

    ラーズ
    デュエットだよ。

    ステファン
    ショーのポイントになっている。

    ラーズ
    (ロブとカークの方を向いて)この(休暇中の)夏に2人がロードに出て、全ての国でそんなことをやるかもしれないね…

    ロブ
    それはないな!

    ラーズ
    計画するなら協力するよ。

    カーク
    家族がそんなことをするのを望んでいるとは思わないね。

    ステファン
    ショーにもたらしたことは何かを話してよ。

    ジェイムズ
    そこに自分がいないってのが最高だね!このバンドの他の誰かがアイデアを思いついて、そうなっているっていうのがさ。実を結んだけど、(こういうことは)有機的に起こっているんだ。ステージ上のラップみたいにね(ラップ:ジェイムズは曲のあいだのMCのことを言っている(So What!編集部))。「そのラップはあれよりも良かった」「あれはうまくいったけど、あれはちょっとね」なんて言っているかもしれない。でも俺が言うことを信頼してくれていると思うし、実際に起きている。何が言いたいのかと考える。うまくいくときもあれば、いかないときもある。より心地いいときもあれば、長くなったり、短くなったりするかもしれない。でも俺も話好きになっている。俺が思うに、(カークとロブの)セクションも同じじゃないかな。本当にクールなものを思いついたね。

    本当にうまくいくこともあれば、そうじゃないときもある。当たったり、外したりだけど、それをやっているという事実はそのリスクにも共感しているんだ。「地球最大のメタルバンド」なんてのが、a-haの曲でおふざけしてたり、俺が小さな子どもに向かって「やぁ」なんて言ったりすること、人間的側面と崇敬される側面を見せていることでみんなに共感されていると思う。結局のところ、良いニュースはそこを離れてもまた戻ってくる。(良し悪しを)評価する人を持とうとしてしまうけど、そんな人はそこにはいない。そんな人は楽しい瞬間を体感していない。だから俺は毎晩何が起きるのか見ることは、とてもエキサイティングだとわかったんだ。素晴らしくなる保証はどこにもない。

    ラーズ
    でも今やみんなが実際に楽しみにしているというのも本当にクールなことだよ。以前は冗談で言ってたし、誰を軽視することもなく言えることなんだけど、ドラムソロ、ベースソロ、ギターソロってのは間違いなくトイレ休憩(の時間)だった。あるいは「Tシャツ売り場に行こう」とかね。今やみんながそれについて話している。俺たちがミート&グリートをやるとさ…「今夜のロブとカークは何をやるの?」って。

    カーク
    そう、いろんな予想があるよ。

    ラーズ
    「来週は何が起きるの?」って。今やこういう他のことがそれ自身の命を宿している。それが本当にクールなんだ。俺にとってそれがショーの期待の一部であるっていう事実は素晴らしいことだと思う。

    ジェイムズ
    しかも俺たちは休めるしね!

    ロバート
    まぁ自分にとっては、成長・学習っていうコンセプトやこの歳で今ツアーが出来ていることにいつも感謝しているよ。リスクを冒して、ハンガリーとかプタペスト出身のバンドやバルセロナ出身のペレットと呼ばれているカタルーニャのルンバのアーティストについて学べることも楽しめている。本当にいい感じだ。自分が気づかなかった曲のなかにも興味をそそるものがあるってことに気づかされた。加えて言葉のこともある。ドイツ語で歌うよう練習するのは本当に興味深い。俺の義母はドイツ人だから彼女の助けを借りたり、妻のクロエに訊いたりしている。そういう面白いことがあるね。だから全てがかなりの冒険になったわけだけど、ジェイムズの言うようにそれはリスクでもある。「Halo On Fire」を弾いてるあいだにちょっとビビったりするよ。「あと2分後にはチェコ語でこの歌を歌わないといけないな」なんて考えちゃってさ。それで深呼吸するってわけ…。

    ラーズ
    俺なんかは「あと2分で引っ込んでお休みだ」って感じだね。彼が訳の分からないことをするぞ!!!って。

    ジェイムズ
    チェコ語で歌わ「なければならない」。これはやる必要はない。自分でやりたがってるわけだから。

    ロバート
    でもやりたいんだ。なぜだかわかる?

    カーク
    彼は今日フィンランド語で歌うよ。

    ロバート
    そう。いいかい、これは俺が本当に信じてやってることなんだ。

    ジェイムズ
    今夜で歌うのは終わりかな???(訳注:インタビュー当日はヨーロッパ公演最終日)

    ロバート
    実際、そうだね。

    カーク
    今夜でね。

    ロバート
    すぐにでも言いたいのは、俺にとって、ベストを尽くしているってことだよ。あと、普通に感じているのは、そこにいる人たちが何が起きているかをわかっているってことなんだ。そう頻繁じゃないけど、どういうわけかわからない時っていうのはある。俺の言ってることわかるよね?だから仕事の倫理は強くなくちゃならない。この2公演は本当に頑張っているよ。カークと一緒に、この挑戦がさらに良い方向になるよう挑戦して仲間意識を持つことを楽しみにしているよ。特にヨーロッパでは、みんなは少なくとも何を体験することになるのかわからない状態で来て、突然「あぁこれか!」ってなるんだ。

    先日も俺はここにいるみんなに言ったんだ。「俺たちa-haの曲をやるつもりなんだ。最初はブーイングがくるだろうね。覚悟しといて。それからそれが大好きになるはずさ」まぁ、よかったのはブーイングはなかったってことだ。どういうことかわかる?俺はそれがわからなかった。俺は自分自身の最悪の批評家なんだ。もし俺がそこで(本来のメロディを弾かずに)激しく弦を連打してたら、何よりも自分にダメ出ししてただろうね。だから少なくとも100%捧げることがわかっていれば、誰が何を言おうと気にしない。「ベストを尽くした。それを誇りに思う。」とね。

    ジェイムズ
    そう、それがまさにメタリカだ。それがメタリカなんだ。



    ロバート
    イチかバチかやってみて、(結果は)それはそれだ。

    ジェイムズ
    わかってると思うけど、ロブから、マイクの近くにいても恐れを感じる。

    ロバート
    そうだよ。

    ジェイムズ
    彼は加入した頃から…俺が歌の助けを望んでいていたことを彼は知っていた。もっと安心できるようにとヴォーカルレッスンを受けていたよ。今や俺がやりたいとも思わないことをやっている。チェコ語で歌っているんだから!!

    ロバート
    外国語でっていうのはクレイジーだね。でも全てが楽しいし、新鮮だし、こうなるはずじゃなかったんだ。有機的に起きていて、素晴らしいよ。

    カーク
    何かクールなことをやりたいってだけで完璧な成果になったね。ある時点でロブと俺は膝を突き合わせて、俺に訊ねたんだ。「それぞれ別々の日に、こういう曲をやりたくない?」俺はそれを見て「いいじゃん」となった。俺はすぐに何かを学んで、それをうまいことやり遂げるって挑戦は好きなんだ。俺にとってクールなことだった。さまざまなスタイルを学ぶ挑戦も好きだしね。そういうもののなかにはチェコの「Jožin z bažin」みたいに超ローカルなものもあった。

    ラーズ
    …地元のクールな曲でちょっとしたツアーでもやるか?最初に地元のクールな曲を選んで、それから日取りをブッキングしよう。

    ジェイムズ
    ヨーロッパで本当に素晴らしいのは、スポーツ、サッカーチームみたいに、そういう曲をとても誇りに思っているってことだね。何か愛国心があるというか。

    ステファン
    アンセムがあるよね。

    ジェイムズ
    スポーツ、言語、曲。「これは俺たちにとっての歴史的な曲だ」っていうね。だからアメリカやオーストラリアとかに行くときにも挑戦するよ。国自体がもっと広大だからね。どうやったら地元の誇りに触れられる?

    カーク
    そのことについて昨日話していたんだ。次のツアーの最初の3、4ヶ月は実際やってみたんだ。1か所に複数のアーティストがいる場合に自分たちができることについてアイデアや提案をしながらね。マッシュアップとかメドレーとか、どうやったらうまくいくか話していたんだ。

    ロバート
    …これを時間内に収めながら、1分だったり1分半でこれ、1分半であれをやるって感じだね。とても面白いものになるよ。だってアメリカじゃ、多種多様な都市にいると複雑になるからね。

    カーク
    そうそう、デトロイトとかシカゴとかね。

    ロバート
    まさしく。ミシガンなら一般的に、すでにたくさんの人たちがいるでしょ?つまり、とても多くの可能性があるってことなんだ。少なくとも2018年にはそれをちゃんとマッピングして、先を見ながら、本当にクールなものになるよう、どんな挑戦になるかがわかるだろうね。

    カーク
    アメリカには「地元愛」がある。俺が「地元愛」と言えば、このバンドとこの街、このバンドとこの州であり、この町のことだね、一緒にやってきたことがたくさんある。

    ロバート
    (サウスダコタ州)スーフォールズとか(ノースダコタ州)グランドフォークスみたいに、クールなものがあってそれを見つけた時なんて「うぉぉぉ!こりゃいいね!」ってなるんだ。全てサプライズになる。

    ステファン
    そうなると訊かなきゃならないのは、こういう風に発展して行った時に、ラーズとジェイムズに「ねぇ今夜はこの曲をやろうと思うんだ」とか何とか伝えていると思うんだよね。ラーズとジェイムズにとって、信じがたい曲とかピンとこない曲を出されたら、どれほど耐えがたいものなのかな?何も言わずにいることはどれほど難しいものなのかな?

    ラーズ
    さっきジェイムズが言っていたように、俺たちはそこに関知していない。

    ジェイムズ
    俺は信頼しているよ。俺が2人は紹介する時はね。「ハロー!俺たちは大きなクソロックバンドだが、本当にバカになることだろう…さぁ一緒に!」ってね。そういう単純なことだよ。もしそれをやらなかったら、機会を逃すことになる。どうぞやってくれ。

    ステファン
    正直言って、それはこのバンドの成長の大きな証だと思う。

    ラーズ
    俺は関与しないよ。信頼してるし、気になったり、興味をそそる時はあるけど、関与はしない。俺はそれを判断したりはしないんだ。

    カーク
    不可避な要素の1つは、ロブと俺が「Poppy」とか「Off kilter」の曲をやると決めたら、それは俺たちというフィルターを通したものだってこと。だから99%違うサウンドになる運命なんだ。

    ジェイムズ
    超ポップだったり、超パンクだったり、俺たちのジャンル外のものをやる方がよっぽど簡単だよ。人があまりジャッジしないからはるかにやりやすい。「わぁ、あれは面白かったな!」ってなるからね。

    カーク
    不意をつかれるからね。

    ジェイムズ
    地元のロックとかメタルのような別の同年代のバンドをやろうとするくらいなら、自分たちの枠外から出た方がいいだろう。

    ロバート
    こんなことこれまでやったことないだろう?こないだアメリカから知人がメールをくれたんだけど、そこには「こりゃあ、すごくイイね!」って書いてあった。「…キミらのやってることは最高だわ」ってメッセージをアメリカからたくさんもらっている。この友人は(フランク・)ザッパがこういうことをやっていたと言ってた。俺は「そりゃすごい。ザッパは最高だ。ザッパは歌ったりしたの?ハンガリー語とかチェコ語で?」と言ったら「いいや、それは彼もやってないよ」って。だからこれまで誰もやってないんだ。特に俺たちがやっているようなことをバンドでっていうのはね。

    ステファン
    最後の話題に進む前にもう少し質問を。1人ずつ、これまでやったなかでお気に入りのカバー曲は何かな?

    ラーズ
    マンチェスターで(オアシスのカバー)「Don’t Look Back in Anger」をやったのは、感情を揺さぶられて最高だったな。

    カーク
    あれは最高だった!

    ラーズ
    あの時点で起きていたこと(訳注:アリアナ・グランデのマンチェスター公演終演後の自爆テロ)があったから、違う次元で心打たれたよ。

    カーク
    あぁ本当にそうだね。

    ラーズ
    あの曲が持つ歴史と最近マンチェスターで起きたことがその理由だろうね。

    カーク
    より大きなものを意味していたり、関係していたりという点では、あれは俺たちがやったなかで一番感情を揺さぶられる時間だったよ。

    ジェイムズ
    そこにはカップルがいたんだ。つまり、観衆が束の間の一時をどこにいるのか忘れて、だからメタリカのショーに参加しているんだけど、何が起きたのかを忘れたがっていた。そんななかで、彼らは自分たちがいる場所に、彼らが知っているあの曲に敬意を払うんだ。大声で歌っている時はいつだって、最高だ!そこには繋がりがある!ロブが地元の言葉で歌おうが歌うまいが、そのメロディーによって、観衆はそれを理解して大声で歌ってくれる。あれは最高の気分だよ。

    ステファン
    クールだね。

    Metallica.com(2018-07-05)



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    2018年版メタリカの夏休みの過ごし方

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    一身上の都合により更新が滞っておりましたが、ボチボチ再開できればと思います。
    まずは「Metallica Night」の話題から。

    現地時間2018年4月25日にサンフランシスコのAT&Tパークにて、サンランシスコ・ジャイアンツとのコラボ企画「Metallica Night」が行われました。今回はなぜかジェイムズ・ヘットフィールドはイベントに不参加でしたが、例年通り国歌演奏、始球式が行われました。
    MetallicaNight2018

    カーク・ハメットのアメリカ国歌演奏


    ラーズ・ウルリッヒの始球式


    いつもはジェイムズが行っている選手紹介アナウンスはロバート・トゥルージロが担当した模様。
    rob_2018_an

    欠席したジェイムズ以外のメンバーのサインが入った、カークが国歌演奏で使っていたギターのプレゼント企画が行われています。下記エントリー用URLからメタリカの慈善団体「All Within My Hands Foundation」に10ドル寄付を行うことでエントリーとなります。


    エントリー用URL
    https://www.crowdrise.com/o/en/campaign/metallicaguitar

    またMetStoreでは、「Metallica Night」仕様のベースボールキャップが発売中です。
    https://www.metallica.com/store/14694/sf-giants-two-skulls-snapback-hat?category=clothing/hats

    'Talllica Japanのページでは、現地リポートもあがっていますので合わせてどうぞ。
    https://www.facebook.com/Tallica.Japan/posts/1465509880243999




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    2018年もメタリカ×サンフランシスコ・ジャイアンツのメタリカナイト開催決定

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    メタリカが2017年10月28日に行ったマンチェスター公演にて、カーク・ハメットとロバート・トゥルージロのセッションでオアシスの「Don’t Look Back In Anger」をカバー。
    kirkrob

    ラーズ・ウルリッヒがその模様をツイッターで公開している。


    会場となったマンチェスター・アリーナは、今年5月22日にアリアナ・グランデのコンサート終了後、自爆テロ事件が起きた場所。「Don’t Look Back In Anger」は、曲名の「怒りとともに振り返ってはいけない」というメッセージとともに事件の犠牲者を悼む曲として広く歌われ続けていた。

    WorldwiredTourでのカークとロブのセッションでは、これまで「I Disappear」「Eye of the Beholder」「Bleeding Me」のようなライヴでやることが珍しい曲や「Le Freak」(Chic Cover)、「Antisocial」(Trust Cover)、「Phantom Of The Opera」(Iron Maiden)、「Ace Of Spades」(Motorhead Cover)などのカバー曲が演奏されており、ライヴでの新たなお楽しみになっている。











    【追記】
    ブラックサバスの故郷、バーミンガムでの公演では「War Pigs」が披露されました。


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    世界保健機関 (WHO)が9月10日と制定した世界自殺予防デーに、メタリカらが自殺防止キャンペーン「I’m Listening」に参加し、メッセージを寄せています。

    imlistening_metallica

    ジェイムズ・ヘットフィールド
    やぁ俺たちはメタリカだ。自殺願望は誰にでもいつでも起きうる。そのことについて誰かに話すことが一番大事なんだ。キミは独りじゃない。俺は耳を傾けるよ。

    カーク・ハメット
    落ち込んでいる時に医者に診てもらうことは弱さの証拠なんかじゃない。不幸なことに、うつ病の性質っていうのは家族に話したり専門家の助けを求めたりする欲求やエネルギーを失わせてしまうんだ。もし落ち込んでいたら、キミができる一番勇気ある行動は1-800-273-8255(自殺防止ホットライン)に電話することだよ。

    ロバート・トゥルージロ
    アメリカだけで11.9秒毎に誰かが自殺を遂げている。これは良くないことだ。だからみんな生き続け、心身共に元気になるよう元気づけていこう。

    ラーズ・ウルリッヒ
    キミが感じていることは何も間違っちゃいないってことを覚えておいて。うつ病は最も一般的な精神的な健康障害になっていて、年間2000万人以上のアメリカの成人がうつ病に苦しんでいる。自殺は国際的な問題だし、健康面での大きな懸案事項なんだ。俺は耳を傾ける。1-800-273-8255に電話して。

    Alternative Nation(2017-09-13)



    クリス・コーネル、チェスター・ベニントンと残念な訃報が続き、ジェイムズはインタビューでこの件に触れると繰り返し「誰かに話を聞いてもらうこと」の重要さを説いていました。今回はメンバー全員でこの問題に関するメッセージを発信したようです。

    「I’m Listening」キャンペーンサイト
    http://www.imlistening.org/

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    ロバート・トゥルージロがLoudwireのインタビューでKornのツアーに参加した息子のこと、ライヴ会場の違い、これからのツアー日程、メタリカでの立ち位置について語っています。管理人拙訳にてご紹介。

    Metallica-Metlife-Loudwire

    −調子はどうですか?

    いい感じだよ。ショーも素晴らしかった。楽しく過ごせているし、ピチピチでいられるよ。


    −暑い夏となっていますね。メタリカはスタジアムツアーに出ています。非常にたくさんの人の前で大きなステージに立ってプレイする時、何を意識しなければならないんでしょうか?

    そうだなぁ、一番はコンディションを整えなければならないってことだね。夏季はクレイジーだし、砂漠みたいな暑さの時もあるからね。アリゾナとかカリフォルニアの内陸部だけじゃなく、アトランタとかオーランドとかフロリダ、マイアミみたいにさらに南下していくと本当に激しい暑さの場所もあるし。だから陸上競技かスポーツチームか何かみたいに準備しているんだ。

    2時間のショーだから(熱中症を避けるため)電解質を摂取しなければならないし、ストレッチもしてコンディションを整えなければならない。巨大なステージなんだ。メタリカがこれまでのツアーでやってきたなかでも間違いなく最大級のステージだよ。驚くべきことだし楽しいね。だから実際ステージに上がっている時はそんなに(暑さで)うんざりってことは感じないよ。その瞬間に包まれているような感じだからね。でも後になって「あぁ、クタクタだ」って感じになるけど。


    −最近12歳のあなたの息子さんが南米でKornのツアーでベースを弾いていましたね。12歳の時に同じことをやらせてくれとお願いしていただろうかと親として葛藤しませんでしたか?

    まぁ最初は俺個人としては信じられない瞬間だったね。彼が一生懸命やっていること、総じて楽器や音楽に全力を傾けているってことを俺はわかっていた。ギターも弾けるんだよ。ドラムから始まって、5歳でドラムはやめてしまった。初めて本物のドラムセットを手に入れた途端、やめてしまったんだ。そのうち彼が家にあるベースを集め始めていることに気づいた。文字通り家の各部屋にはベースがあったからね。俺が本当に彼に教えたことは、最も基本的かつ最初のステップであるCメジャー・スケールだけだった。

    次の日までに彼はそれを自分のものにしたんで、そこからブルース・スケールを教えたんだ。それがジャコ・パストリアスのベースソロとかブラック・サバスの曲とかに変わっていった。その点について彼は特別だけど、彼はとても謙虚でしっかりしているよ。俺はとても緊張しいだったけど。彼らが南米にいた時、俺は1カ月オフだったから同行することができた。でも何が起きるかはわからなかったね。未知の領域だったし。彼はやり遂げた。自信に満ちているのを観られたのは驚くばかりだね。彼は恐れを知らない。ジェイムズ・ヘットフィールドと一緒にメタリカのバックステージでジャムをして育ったような子だ。だから彼にとって、完全に自然なことだし普通なことなんだ。俺なんか5人を前にして演奏するってのも緊張しているからそうはいかないよ。


    −あなた方はテレビにも出演していますし、ニューヨークのウェブスターホールのように小さなハコ、そしてもちろん今回のようなスタジアムでもショーを行っています。それぞれの場所でプレイするにあたってのアプローチの違いというのは何でしょう?

    小さなところでのギグでクールなところって親密さだよね。観衆と本当に繋がっていると感じるんだ。ウェブスターホールでやったのは信じられないほど素晴らしかったよ。そこには魔法があり、歴史があった。スイサイダル・テンデンシーズで20年前にリッツ・シアターでやった時のことを思い出したよ。真夜中までプレイして、そこからプライマスがコロンビア大学で7:30かそこらまでやっているのを観に行くために地下鉄に乗ったんだ。あれは面白かったな。ウェブスターホールにはたくさんの思い出がある。トロントのオベラハウスもしかり、ロンドンのハウス・オブ・バンズもしかり。ああいうギグは本当に生々しいパンクのエネルギーを持ち合わせている。メタリカはそれを持っているんだ。俺たちがね。そしてそれを楽しんでいる。

    それに、お互いの顔を観ながら実際にプレイすることができるよね。クールだよ。演奏するアートってものを俺たちに再び教えてくれるんだ。大きなステージに立つ時というのは、同じように繋がるようにバンドとして観衆と親密さを創り出す必要がある。

    俺にとってそれは全部素晴らしいものだよ。間違いなく小さなショーでは何かを感じるけど、大きなショーだって少なくともこういったショーは本当に繋がっていると感じるよ。たくさんの新しいファンがいるってことを感じて見ることができる。メタリカの世界では、今本当に特別なことが起きているんだ。なぜ、どうやってそれが起きるのかわからないけど。

    アルバムを作っても人がそれを手にしないと。じゃなければ繋がることも、その時宇宙で何が起きようとも実際にないものと一緒だ。でもどういうわけか、このアルバムはオールドファンだけじゃなく、あらゆる年齢層の新しいファンにも印象を残した。親に肩車された子供たちが音楽に体を揺らしているのが見える。あれは本当に特別だね。今、自分たちの世界でこういうことがあるというのはとても恵まれているよ。


    −あなたは約15年ものあいだメタリカのメンバーになっています。バンドと築いてきたなかで一番誇りに思っていることは何ですか?

    それについては昨晩考えていたんだ。面白いね。メタリカで、俺の役割は何らかの形で仲立ちするということなんだ。俺はいつも良い仲介者だと思うよ。オジーバンドの一員としても、スタジオでジェリー・カントレルと一緒に仕事をした時でもね。解決策を見つけ、エネルギーと雰囲気をポジティヴに保つようにしている。他のプレイヤーたちや彼らが創り出そうとしている世界観をポジティヴなものにする。何か新しいもの、昔のものを練習している時でもね。ちょくちょく俺はバンドが実際にやる前にバンドカタログから再探索して曲を復習しようとしたり。「The Call Of Ktulu」は実際にやる3年くらい前にジャムっていたと思う。3年くらい前にヨーロッパのツアーで数回だけやった「Frayed Ends of Sanity」なんかは実際にやる前に10年かそれ以上ぶりに立ち返っていたね。

    最初の2年間は『St. Anger』の曲だけじゃなく、20年以上のバンドカタログにある曲を覚えなきゃならなかったから、メタリカは俺にとってキツかった。あの時は大変だったよ。技術とスキル、そしてバンドとどううまくやっていくかという点でなんとか追い付こうとしていたんだ。インフェクシャス・グルーヴスみたいにスタイル的に何かを強いるようなことはしなかった。ベースプレイのスタイルが違うからね。それをメタリカに押しはめようとはしなかったよ。それを抑えようとしていた。俺にとって今最も重要なことは、グルーヴなんだ。このアルバム(『Hardwired...To Self-Destruct』)のグルーヴ、ヘヴィなサウンド、そして音色。俺たちが一緒にやってできるグルーヴというのはすごいと思っている。それが俺がもたらすものだといいんだけど。つまり、平和とハーモニーとグルーヴだね。


    −『Hardwired… To Self-Destruct』は昨年の終わり頃にリリースされました。そして今、アルバムをサポートするツアーに出て本格的に始動しています。このスタジアムツアーの後、アメリカで追加公演を行う計画はありますか?

    俺たちは一歩一歩着実にやっている。(北米で)スタジアムではやっていなかった・・・10年以上のブランクだと思うけど。長く空いてしまったし、どうなっていくのか俺にはわからない。外に出て、水に飛び込んで、泳ぐみたいなものなんだ。結果はどうなるかわからない。幸運なことに俺たちにとって素晴らしいものだった。9月にはヨーロッパに行って、そこでアリーナ・ツアーを始めて、それもエキサイティングだってことはわかっている。アメリカのスタジアムでやるのは最高だよ。しばらくやっていなかったからね。でもそこからヨーロッパに行って、アリーナのラウンドステージでやるんだ。

    それもまたエキサイティングだし新鮮だよね。また違った舞台装置だし。そこから間違いなく休暇を取って来年に突入だ。ヨーロッパのツアーは来年の初めまで続いているはずだよ(訳注:記事更新現在、2018年5月11日のフィンランド公演まで日程が決まっている)。正確には定かじゃないけど、アメリカでアリーナ公演をやろうとしているというのもわかっている。いつになるかはわからないけどね。来年後半かもしれない?言いたくないね・・・今はすぐ全て広まってしまうから。それで変更されたら、みんな俺のこと怒るでしょ。

    でも俺が言えるのは、全てが未知の領域だと感じるってことだね。大きなスタジアムでやって、今度はアリーナでやろうとしている。どんな気分になるだろう?新しい舞台装置はどんなだろう?どうやって維持していこう?俺たちはナッソー・コロシアムやヨーロッパのショーで何回か行ってきたラウンドステージを経て、成長を続けているんだ。舞台装置はどうなってるだろうね?メタリカとして行ったもののひとつとして、今回のようなスタジアムツアーでメキシコシティで3公演行った。メキシコシティでは誰もがメタリカのショーに行ったことがあるのか俺にはわからないけど、あれは常軌を逸していたね。

    舞台装置とか全てのことを8万人もの常軌を逸したファンの前で試しているんだ。でもそれが俺たちのやり方だし、たとえ泳ぎ方を知らなくとも飛び込んで学んでいく。信じられないほど素晴らしいよ。それこそがメタリカの世界なんだ。俺の最初のギグなんてサン・クエンティン州立刑務所だったからね。やぁ歓迎するよ!って。


    −メタリカは間違いなく世界最大のメタルバンドと言っていいでしょう。あなたとカークとラーズとジェイムズとのメンバーの間で我々を最も驚かせるものは何でしょうか?

    俺たちはみんな全く異なる人間で、間違いなく兄弟でもあり、チームでもあり、家族でもあり、お互いを尊敬し合っている。でも俺たちは異なる出自から集まっている。俺たちみんな、特にラーズ、ジェイムズ、カークといかに違うのかを観れば信じられないほどなんだ。普段食べる食べ物とか全てね。政治、宗教、まるで違う。でも同時にお互いに敬意があるし、創造的な側面で言えることのひとつとして、本当に興味深くて時に珍しく、このバンドで一緒になっている限りは創造的エネルギーに不足は一切ないってことだね。ステージに出る前に、俺たちがジャムルームとかチューニングルームと呼んでいる、ドラムセットからアンプのあるところで弾いている時でさえ、たくさんのアイデアが浮かんでくるんだから。

    最近だって、ある種の魔法があった。ベースラインを弾き始めると、ジェイムズがやって来るか、ラーズが来るかして、誰かがリフを思いつく。だから創造的なフローとエネルギーとアイデアで、このたくさんのシリンダーはいまだに熱がある。普通は歳を取れば取るほどそううまくは運ばないものなんだ。たくさんのバンドはそういうものを失っていく。俺たちはまだその炎を燃やし続けている。楽器を手にするたびに、いつも楽しいエネルギーがあり、みんなが笑顔になるもんだから、いつも笑ってしまうんだ。ジョークだったり、アイアン・メイデンのリフとかをジャムったり。ガレージでやってた10代の若者に戻ったかのように立ち返るんだ。それがこのバンドがいまだに持っている魔法のひとつだね。それこそが俺たちが集まる主な理由の一つなんだと思う。やっていることを楽しむ。それが本物なんだ。楽しんで、かつこれに伴ってとても強い労働倫理もあるんだ。


    Loudwire(2017-07-31)

    ちなみにロバート・トゥルージロの息子、タイ(Tye)・トゥルージロが、Kornのツアーに参加した模様を15分にまとめたドキュメンタリー動画がRollingStoneにて公開されています。


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    2017年7月29日にロサンゼルス公演を控えたなか、Los Angels Daily Newsでのロバート・トゥルージロのインタビュー。今回のWorldwiredTourの充実ぶりがうかがえます。管理人拙訳にてご紹介。

    rob_2017_1

    −これまでの今回のツアーについてどう思いますか?

    No.1だよ、充実している。俺たちは素晴らしい時間を過ごしているね。みんなが本当に受け入れてくれているように見える新曲も演奏するようになっているから、いつもエキサイティングだし。実際、ステージ装置の観点じゃメタリカ最大のツアーになっているから、とてもエキサイティングなんだ・・・カリフォルニアに戻れるのを楽しみにしているよ。俺はそこに住んでいるから、俺にとってホームなんだ。

    −メタリカにはいつも情熱的なファンがいます。このアルバムで新しいファンを獲得しているのでは?ショーをやってきて、その点についてはどうですか?

    キミがその話を持ち出したのは興味深いね。毎晩ジェイムズが観衆にメタリカのショーに初めて来た人はどのくらいいるか尋ねているんだけど、いつも少なくとも観衆の半分がそうなんだ。これだけ年月を経てもなお、バンドが大きな意味を持っているのは本当にクールだし、興味深いところだね。実際、全世代の人たちもいて、観衆の中にはたくさんの若い人をみかけるから、俺たちは正しいことをやっているんだってことだ。

    −この新しいアルバムは、好意的な評価を得て、かなりうまくいっているように思います。このアルバムの何が成功したと思いますか?

    この全過程に渡る道のりの素晴らしいところは、俺にとって新しいメンバーとして14年が経ち、各々のアルバムの性格や経験がそれぞれ異なっているってことなんだ。俺たちはいつもファンとともに激しい起伏を遂げてきたわけだけど、最終的にはファンはとても忠実でいてくれている。俺がメタリカについて言えることの1つは、メタリカは新しいことや、様式的にみても自分たちが演っていて気持ちいいと感じる音楽に身を任せることに挑戦するのが全てなんだ。俺たちはできるだけ多くの楽しみを持って、時には繋がり、時にはそうじゃない場合がある。でも今こうして働けていて、そうなっているのは嬉しいよ。好評を得ているように感じるのはいつだって素晴らしいことだからね。

    −今回はかなりまっすぐなヘヴィメタルになっています。このアルバムにはバラ―ドはありませんよね?

    そういうわけでもないよ。俺はそう考えたことはなかったけど、今そう言われるとそうなのかも。(どう感じるか)大部分はそっち側にあるわけで。

    −どの曲がライヴでやっていて楽しいですか?

    俺たちはどの曲も楽しんでやっているよ。「Spit Out the Bone」みたいにもうすぐライヴでやろうと取り組んでいる曲もある。ちょっと難しいと言えるね。テンポやバイブスの起伏がちょっと激しいから。そこがメタリカの音楽で俺が一番興奮するところだけど。


    −「ManUNkind」では作曲にも関わっていますね。この曲について教えてくれますか?

    特別な展開、たくさんのダイナミクスを持っているもうひとつの曲だね。もうひとつの(やっていて)楽しい曲でもある。演奏はしているけど、ライヴではやったことがない。まだライヴでやるために曲に取り組んでいるところなんだ。今、俺たちはセットリストの大部分を把握できていて、毎晩(セットリストの)ある部分を替えている。「ManUnkind」は間違いなく自分が一役買った曲だし、誇りに思っているよ。

    −「Atlas, Rise!」はアリーナ向けの曲ですね。ここでもやりますか?

    あぁそうだね。「Atlas, Rise!」はアルバムのなかでも一番人気のある曲のひとつなんだ。アップテンポでありながら、グルーヴ寄りでもある。俺もこの曲は大好きだよ。この曲と「Moth Into Flame」の2曲は、少なくともライヴでやってみて、とても人気があるように思う。「Moth Into Flame」はグラミー賞授賞式でもやった曲で、パフォーマンスの間にジェイムズのマイクが作動しなかったから(グラミー賞授賞式が行われた)LAから来た全てのファンにちゃんと作動するマイクで生のボーカルを実際に目撃するために戻ってきてほしいね。俺たちは(LAに)戻って、もう一度熱狂させるつもりだよ。

    −なぜこれだけアルバム発表のあいだが空いてしまったのでしょうか?

    俺たちはそのあいだにかなり熱心にツアーをしていたんだ。(それから)曲を書き、レコーディングしなければならない。俺たちはルー・リードともアルバムを作っていたし、それに時間を掛けていた。それから3D映画の『Through The Never』でも2年掛けていた。だから8年間休んでいたわけじゃない。俺たちは間違いなく働き続けていたんだ・・・。アルバムそのものは作曲とレコーディングに2年だから、そこまでマズいとは思わないけど、俺たちが行ったさまざまなサイドプロジェクトに関わらず、長い時間は掛かるものだよ。

    −そういった年月を経て、あなた方はバンドやミュージシャンとして今どう感じていますか?

    素晴らしい時間を過ごせているし、楽しいよ。創造性の欠如、アイデアやグルーヴの欠如なんてものはない。実際、ある晩なんかステージに出る前に俺たちはジャムルームで3つのアイデアを思いついたよ。

    Los Angels Daily News(2017-07-23)

    はたして「ホーム」に戻って、新たなライヴ初披露曲は生まれるのでしょうか?

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    rob_solo_soundgarden

    2017年5月19日にマサチューセッツ州で行われたメタリカのライヴにてロバート・トゥルージロが故クリス・コーネルに捧げたベースソロを披露しました。曲はサウンドガーデンの「Black Hole Sun」。



    メタリカが5月21日にトリを務めたオハイオ州での「Rock On The Range」。19日にはサウンドガーデンがトリを務める予定でしたが、クリス・コーネル死去のために出演はキャンセルとなりました。

    rockontherange2017

    同フェスのinstagramでは追悼の映像がアップされています。



    【追記】
    ロブが「Black Hole Sun」を披露した同日の公演で、ジェイムズ・ヘットフィールドは「The Unforgiven」の後に「We forgive you, Chris.」とクリス・コーネル追悼の短いメッセージを寄せています。



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