『デス・マグネティック』にまつわる“ラウドネス戦争”
の論争の続編(補足?)みたいなニュースをひとつ。
【メタリカの新譜『Death Magnetic』がうるさい原因の一端はiPodにもある】

発売2週間で82.7万枚を売上げたメタリカのニューアルバム
『Death Magnetic』買って、そのあまりの音量に
腰抜かした人もいるんでは?
でもそれはメタリカ、プロデューサー(Rick Rubin)、
マスタリングエンジニア(Ted Jensen)のせいじゃなく、
責任の一端はiPodにもあるよ、というおはなし。
1980年代後半からの“ラウドネス戦争”に油を注いだのが
昨今のデジタル楽曲とiPodの進歩で、今はラジオ、
ジュークボックス、特にiPodで目立つためアーティストも
音量勝負なところがあるんだそうです。でも、録音の
ボリューム確保するには、エンジニアも“ダイナミックレンジ”
を減らし、音のやわらかなパートとうるさいパートの差を
最小限に抑えなきゃならない。
結果どうなるかと言うと…
デジタル楽曲では全サウンドを狭く高いボリュームの
範囲に押し込めることが可能なので、ダイナミックレンジを
犠牲にしてでも音量高くした方がいいんじゃ…という誘惑が
当然生まれる。
↓
この誘惑は、iPodのあのlo-fiなイアバッド用にサウンドを
最適化する時とかにはとっても強まってしまう。
↓
メタリカ、スタジオでうるさく録音しようとするあまり
「キンキンと薄っぺらで脆いサウンドになっちゃったじゃないか」
と一部ファンからクレーム(上の写真では「iPodなんかぶっ潰せ」
と叫んでますね。合成ですが)。
きっとこうすれば売上げが伸びるという想定でやってるんだと
思いますけど、レコード業界も音量から音質の正攻法に重点移す
必要があるかなあ、と。音大きくて喜ぶ人って
…そもそも誰なんでしょうね?
今どき一番音が大きいアルバムがどれか気にする人なんていない
と思うし、WSJによるとメタルファンでさえ最近はこの歯止めの
利かない状況をなんとかしてくれと騒いでるそうです。
Sean Fallon(原文/訳:satomi)
GIZMODO JAPAN(2008-09-30)
CDの売り上げ枚数が業界として減ってきているということや
デジタル音源がかなり一般化してきたという背景も
あるんでしょうがねぇ。。。
この論争が音楽がミキシング技術的な云々ではなく
音楽性やライブを重視するようなことに変わっていけば
いいなぁと思いますが。
まぁいずれにせよ、メタリカのための金は飛ぶわけですがw
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