4月1日はエイプリルフールという認識がすっかり定着しましたが、カーク・ハメットがメタリカ加入を誘われた記念日でもあります。米サイトLoudwireでこの33年前の4月1日について振り返った記事が掲載されていたので管理人拙訳にてご紹介します。
エクソダス時代のカーク・ハメット(中央)
これまでも何度か語られてきたカーク・ハメットの加入エピソードですが、写真の一件は初めて知りました。そこから33年経って、いまだ両バンドとも健在というのはただただ敬服の一言です。
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エクソダス時代のカーク・ハメット(中央)
1983年4月1日の午後、エクソダスのギタリストだったカーク・ハメットがトイレに入っていた時に電話が鳴った。彼が電話に出ると、電話の主はバンドのマネージャーのマーク・ウィテカーだった。冗談を交わした後、ウィテカーは本題に入り、ハメットにメタリカのオーディションを受けたいか尋ねた。
この電話をエイプリルフールのいたずらと判断したハメットは「あぁもちろん」と答えて電話を切った。ウィテカーは電話をかけなおし、エクソダスとメタリカの両バンドが親しかったことから、メタリカのマネージャー、ジョニーZがハメットを呼び出すことを望んでいるのだと説明した。ポール・ブラニガンとイアン・ウィンウッドによるメタリカのバイオグラフィー『Birth School Metallica Death Volume 1』によると、ハメットがなぜメタリカがデイヴ・ムステインを追い出したがっているのかウィテカーに尋ねると、ウィテカーは「彼は×××野郎だから」と答えたという。「彼のトーンは×××だし、彼の演奏は・・・彼は酔っ払い××野郎だからね。」
ウィテカーはハメットにメタリカの『No Life ‘Til Leather』のデモテープのコピーを翌日到着便で送るから、収録曲をマスターするよう言った。到着便を待つ代わりに、ハメットは何人かに電話をかけてテープ交換仲間を通じてデモのコピーを入手した。4月2日の午前0時までに、彼は収録曲の半分をマスターしたのである。
エクソダスのギタリスト、ゲイリー・ホルトは、ハメットがメタリカのオーディションに行くと言い出した時、最初はビックリしていた。二人は無二の親友である。さらにハメットは彼をギターに誘い、作曲の仕方を教えた一人でもあった。しかし、エクソダスはハメットの創造的な手段であり、ホルトはこのギタリストがいなくなれば、グループの将来的な方向性に対するコントロールを自分がつかむことになると気付いた。ホルトはこう語る。「俺はバンドでもっと速い曲をやりたかったんだ。楽曲はもっとヘヴィで不快なものにしたかった。だからカークが去ったら、俺がやりたかったことをやりたいままできるってわけ。そいつはクールだったね。」
ハメットのメタリカへの出立を祝って、エクソダスはこのギタリストのためにパーティーを開き、みんなで大層酔っぱらった。それからホルトとヴォーカルのポール・バーロフは、ハメットが写ったエクソダスのプロモーション写真の束を切り出し、ウォルドーフ・クラブ(Waldorf Club)の至る所にピンで留めまくった。ホルトはこう語る。「カークはあの写真を剥がそうと駆けずりまわっていたよ。女性の化粧室にまで駆け入って、トイレのなかからあの写真を引っ張り出してた。なんであんなに必死になってたのかわからないけど、あれは可笑しかったな。」
1週間後、ハメットはサンフランシスコからニュージャージー州ニューアークへのフライトのあいだ不安だった。彼は自分のアンプとマーシャルヘッドを箱の中に詰めていたのだ。それらの機材をタオルで包み、しっかりとダクトテープで留めていたが、それでもどこか壊れたり盗まれたりしないだろうかと心配していたのである。ギターについては手荷物入れにしまい込んでいたため、いくらかマシだった。飛行機が滑走路に着陸し、ハメットはウィテカーと空港で落ち合い、機材を無事回収した。それからハメットがオーディションに易々と合格するところとなったミュージック・ビルディングへと向かった。メタリカに残されたことは、バンド共同創設者であり、ソングライターでもあったデイヴ・ムステインに(バンド解雇の)話を切り出すだけだった。
Loudwire(2016-04-01)
これまでも何度か語られてきたカーク・ハメットの加入エピソードですが、写真の一件は初めて知りました。そこから33年経って、いまだ両バンドとも健在というのはただただ敬服の一言です。
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