メタリカ情報局

メタリカを愛してやまないものの、メタリカへの愛の中途半端さ加減をダメだしされたのでこんなブログ作ってみました。

       

    タグ:カーク・ハメット

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    Anthraxのスコット・イアンがパーソナリティーを務めるラジオ番組「Never Meet Your Heroes」にカーク・ハメットが出演。2010年から2011年にかけて行われた「Big Four」、スラッシュメタル四天王と呼ばれる4バンド(Anthrax、Megadeth、Metallica、Slayer)の合同ツアーが近い将来行われる可能性について語っています。BLABBERMOUTH.NETさんの文字起こしを管理人拙訳にてご紹介。

    kirk2017_1

    −「Big Four」ツアーの始まりについて

    「Big Four」って言葉はマスコミによって作られたもので、俺たちは「Big Four」「Big Four」って書かれているのをずっと見続けていた・・・それからいつか「当時みたいに、みんなオリジナルのメタルバンドで一緒にツアーしようぜ」って程度のことだったんだ。俺たちみんなでお互い一緒のツアーをしようと。それから「それじゃあ「Big Four」でやろう」と絞られてきた。それが実を結んだってことなんだ。でも明らかなことは、俺たちが考えたらすぐにコンセプトはまとまったってことだね。「そうだ、俺たちは一緒にツアーをして、俺たちの長い歴史を絶対に祝うべきなんだ」とね。

    −「Big Four」が今後開催される可能性について

    俺たちは今後の「Big Four」の日程について何もアナウンスしてはいないけれど、俺は個人的には将来またやるんじゃないかと思ってる。いつかはわからないけど、将来やるんじゃないかとね。

    俺はあのショーを祝福のようなものとして考えているんだ。お互いへの祝福、俺たちが作り上げてきた楽曲への祝福、俺たちがやってきたことを受け入れてくれた観衆に対する祝福。もうやらない手があるかい?

    BLABBERMOUTH.NET(2017-02-10)
    Megadethのデイヴ・ムステインもBIG4ツアーの再開に触れていますし、4バンドが新しいアルバムを出して、また機運が高まってきているのかもしれません。

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    big4_metallica

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    2017年1月19日から22日のあいだカリフォルニア州アナハイムで行われた世界最大規模の楽器ショーであるNAMMショーにて、ESPギターからカーク・ハメットの新シグネチャーモデルギターがお目見えしました。
    kh_demonology_original

    その名も「KH DEMONOLOGY」。悪魔学・悪魔研究を意味する名称の通り、ボディには悪魔のシンボルと思われる記号がプリントされています。
    namm2017_02
    twitterより

    ESPギターのサイトでも詳細仕様が掲載されています。
    demonology
    http://www.espguitars.com/products/19164-kh-demonology?category_id=1963398-kirk-hammett


    日本での発売はいつになるのでしょうか?

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    オーストラリアの音楽サイト「Faster Louder」でのカーク・ハメットのインタビュー。メンバーとの関係、自身のiPhoneを失くしてからのメンバーの反応、メタリカのやりがいなどについて語っています。長尺インタビューを管理人拙訳にてご紹介。

    20170120_kirk

    Faster Louder(以下、FL)
    『Hardwired...』が54ヶ国でNo.1となったというのは驚異的ですね。音楽ストリーミングの状況や売上を考えると驚きですし、今No.1アルバムを獲得しなければならないのですか?

    カーク・ハメット
    とてもうまくいってかなりクレイジーだよ。だって俺たちは何かをやるたびに最終的な結果にそれほど結びつかないってことを何年も学んできたからね。ファンが俺たちのやることにどんな反応をするのか全く分からない。その点で、期待しすぎないことを学んできたし、アルバムを出してベストを願っているし、みんなと共鳴できることを願っているよ。

    FL
    違う世代のファンを抱えているバンドにとっては難しいことですね。ニューアルバムで新しいファンを獲得することを期待、あるいは望むことについてはどうですか?

    カーク
    そうだね・・・それが実現すれば素晴らしいよ。もちろん、これまで俺たちがやってきたものが好評を得ていることはとてもうれしく思っているけど、実態はそんなことだけじゃなくて、コインの裏表を経験してきた。もちろん、俺たちがやっていることは全部、バンドのファンに言いたいことなんだ。「俺たちはこれをめちゃくちゃクールだと思っている。キミたちはどうだい?」ってね。基本的に彼らが俺たちが出すと決めたものに同意してくれるかどうかってのは最終的な結果だ。でもそう、俺たちは音楽で出来るだけ多くの人たちにアプローチしたいと思ってる・・・もしそうならなくても俺たちにとって世界の終わりなんかじゃない。 

    FL
    1986年の16歳と比べて、2017年の16歳に対するメタリカの魅力は何だと思いますか?

    カーク
    その魅力によって15、16歳を怒らせた、あるいは実際に15、16歳が怒っているかもしれないと言うべきかもしれない。つまり、俺たちの音楽を通じて良い解放の仕方をみつけ、俺たちの音楽が何かしらの怒りやフラストレーションを払拭する精神浄化のような過程になることをみつけるかもしれないってことなんだ。俺たちの音楽は、少なくとも俺自身にとってこれまでそういうことが出来ているんだ・・・俺たちの音楽はそういう風にカタルシスとして俺を大いに助けている。希望は俺たちの音楽が、俺の時と同じようにみんなを助けるだろうということだね。

    1986年と今の大きな違いというのは、まぁ、物事がより細分化して、より不確実になり、さらに予測のつかないものになっているってことだよ。世界は全く予測がつかないものになって、最近じゃ本当に目まぐるしく変化を遂げている。だから世界の不確実性とその不確実性が生み出す権利剥奪のために、メタリカとその楽曲は、みんながしっかりとつかみ、彼らの手助けとなる真に堅実で予測不可能なものなのかもしれない。俺たちの楽曲を体験した後には、精神浄化のように俺たちの楽曲を使って、世界に対処する方法を見つけることができるのかもしれないね。

    あともうひとつ、俺が言っとかなきゃならないのは、俺たちの楽曲は時の試練に立たされてきたということだ。『Master Of Puppets』、あのアルバムが今日出たとしても、現代的に聴こえる限りは合格レベルに達する。1986年に出たにも関わらず、あれが今日出たとしても、その他の現代的な作品や何かにも耐えうると思う。

    FL
    それは2017年において、今やメタリカは平準化したという批判に対処する抗弁となるでしょうか?33年間という歴史の重みによって。

    カーク
    そういうものに対してはこう見なきゃならない。つまり33年間の仕事に対しての1つの無作為の文章だったり一節だったり記事だってこと。だから俺はどちらかといえば「なるほど、どうしたらより筋が通るんだろう、どうしたら全体として真価を保持できるだろう」って見てるよ。

    FL
    メタリカで最も興味深い面の1つは、人が何を考えていたかに関わらず、いつも前進し、あなた方の音楽にさまざまな音楽的要素を取り入れてきたということです・・・今度の2枚組は申し分なく仕上がったように感じます。最終的に「正しい」メタリカのミキシングにたどり着いたと思いますか?

    カーク
    (笑)「何がメタリカにとって正しいミキシングなのか?」と訊くべきだね!ちょうど現時点で言えば、バンドとしての俺たちにとっても、リスナーとしての観衆にとっても、確かにうまくいっているように感じるよ。でもまぁ、このミックスを続けていくか、このやり方を前進させるか、どちらに決めるのかはまだ分からない。3年後には何かひらめいて、全く違う方向に進むかもしれないよ。誰にもわからないでしょ?

    FL
    ではメタリカのカントリー・アルバムもまだ可能性はありますか?

    カーク
    (笑)絶対ないとは言わないよ。俺は学んだんだ、絶対ないはないってことを。俺たちはすでに「Mama Said」でカントリーソングをやっているから、それについてはもう先鞭をつけているね。

    FL
    バンドの歴史に立ち返ると、30年以上一緒に過ごしているバンドは間違いなくそう多くはありません。あなたとジェイムズとラーズの関係、3人でうまくいく秘密があるのでしょうか?あなた方が長くやってこれたのはクリフの死のようなことから生じたものなのでしょうか?それとも『St.Anger』や映画『Some Kind Of Moster』時代のことがずっと続いているんでしょうか?

    カーク
    それについては、お金を払える(価値がある)ものがあれば教えてほしいよ・・・だってそれが何なのかわからないし、本当にハッキリしないからね。それでも言えるのは、俺たちはかなり若い時にこれを始めた。つまり俺は20歳、クリフも20歳、ジェイムズは19歳、ラーズも19歳。その時点で俺たちは2、3年は自分たちで音楽をプレイしていた。だからそれについての俺の説は、俺たちはずっと前から本当に若い頃に始まって、一緒にたくさんのことを経験してきて、俺たちは本当に親類みたいってことだよ。無意識のレベルでお互いを結び付けているという認識が俺たち全員のなかにあるんだ。

    俺たちはたくさんの信じられないようなこと、信じられないほど素晴らしいことから信じられないほどひどいことまでたくさん経験してきた。そうして俺たちはまだ立ち続けている・・・俺たちを前へずっと先へと押し進め続けるものがお互いにあるんだ。俺たちがたくさんのことを経験し、深い絆を持っていることを知って、楽曲を演奏して、人生経験をして成長してきた。親になり、中年になって、その他全てのことを一緒に経験してきた。メタリカは仕事であり、キャリアでもあるけど、俺たちの人生そのものでもある。

    やっていることをやり遂げないっていうのは、やっていることを単に続けることよりもショックなんだという考えが俺たちの奥深くにある。俺たちがやってきたことが俺たちがわかっていることなんだ。楽曲を演奏するたびに俺たちだと実感する・・・だからなぜ一緒になって曲を作らないんだ、それが俺たちがやっていることだし、俺たちにとっては生きて呼吸して歩いて話すようなことなんだ・・・。メタリカでプレイして、ショーをやって、一緒にプレイして、ツアーに出て、レコーディングする。それがいつもやってきたことだし、(これからも)やっていくことなんだよ。俺たちはメタリカのルーティーンに組み込まれているからね・・・。自分自身のことをやるのは魅力的に思えるのはわかってるけど、俺たちが一緒にやること以上に良いものって出来るかな?俺はとてもそうは思えないね。

    そういうことがわかると、メタリカなしの人生なんて考えるかい?俺は今それがわかってる。音楽を作るのに自分自身を動かす最高のポジションにたぶんいるってことをわかってるんだ。それを変える必要ある?

    FL
    あなた方3人の繋がりといえば、あなたはリフのアイデアの詰まった携帯電話を失くしました。他のメンバーにこのことを伝えるのは世界で最悪の気分だったのではないかと。

    カーク
    もちろんだよ!もちろんそうだった!アイツらはいまだにジョークで小突いてくるよ。実にシンプルなジョークでね。「俺の電話はどこだ?」「あぁぁ・・・あのなかにリフはあったっけな?」って。

    FL
    今はiCloudを使っているんですか?

    カーク
    (笑)皮肉なことにサンフランシスコにいる俺の隣人がクラウドを発明していたんだ!大丈夫!まったく残酷だな。

    FL
    あなたが電話と貢献するはずだったリフを失くして、『Hardwired...To Self-Destruct』のセッションで「あれを持って行かなきゃ、あのなかで一番熱いヤツを持って行かないと」となったのですか?

    カーク
    まったくその通り。あれに残していたものがかなりあったから、俺は可能な限り最高のリードギタリストになろうと頭から飛び込んだんだ。それが俺が目指したものだった・・・その時できる限りのベストギタリストになろうとね。成功できると100%完璧に自信を持たないなかでデカい挑戦を自分に課していたんだ。最初の何回かのレコーディングは何とかうまくいった。実際思っていたよりもはるかに容易く驚くほどうまくいったんだよ。だから2、3曲はソロのレコーディングで純粋に即興的なやり方で臨んで「おぉ、俺ってこんなことできるんだ。うまくできそうだぞ」って思ったよ。そこからさらに触発されたり、遠回りしてみたりした。これまでよりもクレイジーなものをずっと自分がなすがままにしてみたんだ。あれはよかったね。本当に全体の過程を楽しんだよ。

    FL
    そのことを念頭に置いて、メタリカの素晴らしいギターソロを作るにはどうしたらいいですか?

    カーク
    強烈さ。それがひとつだね。もし確かな強烈さを出せなかったら、次はメロディーだ。もし確かな強烈さもメロディーも出せなかったら、次はキャッチーなものかな・・・本当に何も言わない、あるいは語らないっていう連続した音符を弾きたいわけじゃないんだ。つまりは、ただ連続した音符をプレイしようとするってだけだったら、なんでわざわざそんなことするんだってことだよ。

    でも、俺にとって、俺の人格で生き抜くのに重要なことだし、ギターソロについて言えば俺にとってもうひとつの重要なことなんだ。かき鳴らしたいんだよね、自分が感じているものの要素を持って、自分のソロだっていう存在を持ちたい・・・あれは俺だと確信できる唯一無二の人間だからね。そういうものはキミも持っているだろう!

    FL
    『Hardwired...』のアイデアを見ていくと、間違いなく際だっているのはジェイムズがエイミー・ワインハウスと名声の危険性から触発されたと言っていた「Moth Into Flame」です。あなた方はここまで有名になって幸せですか?恐ろしいほど有名じゃないですか?



    カーク
    あぁ・・・俺の意見を言わせてもらうと、ミュージシャン、特に有名なミュージシャンとかロックスターはその楽曲ほど外見はそこまで知られちゃいないんだ。実際・・・映画のスターとか映画俳優っていうのは全くプライバシーがないし、どこにも行けない。彼らの名声や有名であることっていうのは彼らの外見に基づいているからね。だから俺は一流映画俳優の友だちもいるけど、彼らと一緒に公の場に出かけることなんてできないんだよ、基本的に。肝心なことは彼らが公の場に出かけるというのは大きな試練だってこと!事前の計画はいっぱいあるけど、外出できないんだ。ミュージシャンとは違う。俺たちはみんな外出して自分のことは自分でやる。もし気付かれたくなければ、気付かれないことをするだけ!もし気付かれて欲しくないなら、ステージに出るような格好して外に出るなってことだよ。わかるでしょ?

    でもエイミー・ワインハウスの場合、ドキュメンタリーを観た俺の意見としては、最初から彼女は良いサポートグループを持っていなかったってことだね。彼女の利害を最優先してくれる人が周りに誰もいなかった。残念だよ、彼女は当初から誤った方向に導かれていってしまったから。何か指導を受け始めた頃には、人を信頼するのは難しいように見えたね。その時点では遅すぎたんだ。本当に残念だよ。彼女は自分が知っている唯一の対処法で対処するように追いやられてしまったんだ。忌々しいことにね。

    FL
    過去数年間であなた方のサポートグループを優先して、家族との生活のなかでレコーディングという、家族とバンドのバランスに取り組んできました。誰もがそのように働くようになったんですか?

    カーク
    そうだね。家族を優先させることが最も重要なことなんだ。俺たちはみんな子供を持ち、家族と一緒にいる必要性を認めているし、子供を正気に保とうとしている(笑)。だから俺たちはバンドの時間と家族の時間の良いバランスを持つよう設定してきた。ツアーに出る時、一度に2週間以上は出ないようにしている。そうすることによってたくさんの家族の時間とたくさんのバンドの時間、ツアーとショーの時間を取れるようになったんだ。

    FL
    あなたとジェイムズとラーズのライフワークはメタリカです。そう考えるとかなりクレイジーなことです。メタリカがあなたのライフワークであることで最も最高なことは何ですか?

    カーク
    素晴らしい音楽を創って、その素晴らしい音楽をみんなに届けることができて、その音楽がいかに多くの喜びと幸せをもたらしてくれるのか、どれだけ多くの人の助けるかを見る、・・・世界中で、世界中でだよ。それがメタリカにいて最高なところだね音楽を通じて多くの人を助ける事ができる。。俺にとって、一番なことだよ。俺たちの音楽を通じて他の人たちを助け、曲の真っ最中であっても、もっと楽しい場所に連れて行ける。曲のなかで彼らの生活を少しでも良いものにする。それは俺にとって素晴らしいことだね。ファンタスティックだ。人を助ける、それが俺がやりたいことだね。

    FL
    33年に渡って、リリースした全ての作品、ツアー、全てにおいて・・・これまでであなたがお気に入りのメタリカの瞬間を選ぶことができますか?「これは一体全体何なんだ?」と感じたことなどあればと。

    カーク
    それは難しい質問だな・・・決定的な瞬間というのは難しいね。「それならロックの殿堂だな、ベラベラベラ」ということはたやすい。みんなにとって理解しやすいもののひとつだし。テレビでも放送されていて、みんな知っているから受け入れられやすい瞬間だろうね・・・。(でも)演奏している時にそう感じることがある。リハーサル、スタジオにいる時、ステージ上にいる時なんかは「これが俺のやるべきことだ」と感じている。この地球上ですべきことをまさにやっているって気になるんだ。自分がベストを尽くして、目の前の人たちにそれができて、自分の一番の側面を見せていると感じているからだろうし・・・ポジティブな影響を他の人たちに見ることができるからだろうね。

    Faster Louder(2016-01-17)

    ロブのことに全く触れていないのがちょっと残念ですが、充実していることがヒシヒシと伝わってくるインタビューでした。1月のアジアツアーも残るところシンガポールのみ。そろそろ全米ツアーが発表されそうな気がしていますがどうなりますか。

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    ジェイムズ・ヘットフィールドとカーク・ハメットがNerdistのPodcastに出演。2017年の予定など語ってくれました。BLABBERMOUTH.NETさんの文字起こしを管理人拙訳にてご紹介。

    james_kirk_2017

    −2017年のツアースケジュールについて

    ジェイムズ・ヘットフィールド
    俺たちは今年一年を通じて何か予定が入れられている。俺の身体は年50回のショーならできるって言っておいたから、そのなかでベストを尽くすようにするよ。俺たちはそれに同意すると思う。でも年50回のショーってのはかなり良いね。それなら俺の身体は対処できる。身体と精神と魂全てを家で回復させる必要があるし、声のためには1日のオフが必要だ。そういったことで年50回、それでかなりスムーズに行くと俺は思ってる。俺がみんなに「年50回しかやらない」と言えば「マジかよ!そりゃ多いな」となる。まぁそれは俺たちがこれまでやってきたことに比べたら、そう多くはないな。

    カーク・ハメット
    あぁ、つまり俺たちは過去に12ヶ月のうち10ヶ月間ツアーをしていた。クレイジーなツアーをやっていたよ。12週、15週、16週連続とか、週5回のショーとか・・・

    ジェイムズ・ヘットフィールド
    それで家に帰ると、離婚するわ、ガールフレンドは去るわ、何かの中毒になるわ、メンバー同士で争うわ・・・

    カーク・ハメット
    全部、学習体験だね。俺たちはそういう全てを通じて多くを学んだよ。


    −バンドを組む時の着実なツアーの重要性について

    カーク・ハメット
    最初はそうだね。バンド最初の10年とか15年間は、俺たちはかなりその過程で暮らしてた。

    ジェイムズ・ヘットフィールド
    俺たちは誰もやらない場所に行ってライヴをやっていた。労働者のバンドだ。C、D、Eとされるマーケットに行って、知っての通り、みんなは凄い感謝してくれた。「すげぇ!アーカンソー州じゃ誰もライヴをやってなかったけど、メタリカはやってくれたぞ」みたいにね。それが多くを物語ってくれる。プロモツアーにしたって、行って姿を見せて・・・誠実さを示せば、そういうものを見せることができるんだ・・・。それに何も、いや今でこそ、そう言えるけど、(将来は)わからないな。新しい(ヴァーチャル・リアリティー的な)新しいゴーグルが出てくるかもしれないけど、ライヴを観に行くのに勝るものは何もない。曲を聴くこともできるし、Podcastできるし、そういった全てのことは(ライヴに行かなくても)できるけど、(ライヴなら)実際にその場所にいて、自分の感覚がぶっ叩かれる。音楽だけじゃない、バンドだけじゃない。雰囲気であったり、隣に入る人たちだったりね。

    カーク・ハメット
    完全な体験だね。全てなんだ。ショーまでドライブして、また帰る。別の夜にスター・ウォーズを観て、映画が終わった後には興奮した気持ちがある。同じことがロック・ショーでも言える。バンドが成功すると、そういう瞬間がある。「ショーが終わった。最高だったんじゃないか?」とか「これまでで一番すごかったんじゃないか?」とか「すげぇ!彼らはあの曲をやったぞ」とかね。つまりそういうのは体験の全ての部分であって、ボタンをクリックしたり、画面を見ていたりする時には得られないものなんだよ。


    −体験を楽しむ代わりに携帯電話でコンサートを撮影する人たちについて

    ジェイムズ・ヘットフィールド
    ライヴで、誰もが画面を持ってるのを見ちゃうと多少イライラするよ、やっぱり。さながらロボット軍団だ。みんなが自分の持っている画面越しに見ている。誰かがiPadなんて持ってたら本当最悪だよ。「ちょっと待て!こっちも見えやしないじゃないか!」ってね。でもどうしたいんだろう?俺たちは何も強いることはできない。「あれやこれは持ってこないで」なんてね。コンサートに来ているんだ。何を望もうと(まず)そのことを祝いたい。もしその瞬間を覚えていたいなら、それは最高だ。俺よりも電話に向かって歌って(笑)後で誰とも知れない人たちのために再生する。おそらくYouTubeじゃ同じアングルのものが500くらいある。俺たちはそういうことをコントロールはできない。みんな楽しみたいやり方で楽しんでいる。俺は後で「チクショー!俺はここに記憶したはずなのに、こんな感じじゃなかったぞ。俺は完全に味わえなかった。」ってならないのかなと思うよ。まぁそれは彼ら次第だね。


    −メタリカは定期的にセットリストを変えるか

    カーク・ハメット
    俺たちはショーごとにセットリストを変えて、観客だけじゃなく俺たちにとっても面白いものにしようとしているんだ。

    ジェイムズ・ヘットフィールド
    俺が言えるのは、俺たちには今、たくさんの曲がある。ぜいたくな悩みだよ。どの曲をやればいいんだ?ここなら、あそこなら、どんな曲が一番うまくいくんだ?ラーズには(選曲する)独自のメソッドがある。「前回、○○ツアーで1997年にここに来た時に俺たちは「Hit The Lights」をやってるから〜」ってね。だから「おぉ、OK」オマエとオマエのコンピューター以外、誰がそんなこと覚えているんだ?でもアイツはそういうことにとても興味があるみたいだ。アイツは焼き直し、焼き直しってのをしたくないんだね。今回のアルバムにも良い曲がたくさんある。ライヴでその全てを試そうとしているよ。うまくいけば、複数の街で倍の曲ができるんじゃないかな。もしみんなが複数のショーを見ているなら、別のセットリストを思いつく方が簡単だしね。みんな旅行しているし。俺たちのファンは国を超えて、大陸を超えてさえ追いかけてくるほどクレイジーだからね。信じられないよ。

    カーク・ハメット
    知っての通り、俺たちはまだまだ新しい組み合わせを、どんな曲の組み合わせなら驚くほどうまくいくのか発見しているところなんだ。セットリストで新しいものをまだ発見できているってのは面白いよ。ロンドンでショーをした時、最初の3曲はこれまでにやったことのなかった組み合わせだった。あの曲を演奏して、ショーが終わった後、俺たちは「すげぇ、あれは本当に効果的でクールだった」「あの3曲をああいう風にセットリストの先頭でやったことはなかったからなぁ」って思ったよ。

    BLABBERMOUTH.NETより(2017-01-08)

    カークが最後に言っていたロンドンのショーとは、おそらく2016年11月18日の公演でしょう。冒頭3曲は「Breadfan」「The Four Horsemen」「Battery」となっています。
    https://metallica.com/tour/27707

    2016年11月18日のライヴ映像。序盤からの畳みかけに圧倒されます。


    今回のインタビューのフル音声はこちらから。カークの子どものエピソードなど、笑いの絶えないインタビューなのでヒアリングできる方はぜひオリジナル音声でお楽しみください。
    http://nerdist.com/nerdist-podcast-metallica-returns/

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    前所有者の名前は公表されていないものの、内装の写真からカーク・ハメットが住んでいた家とわかる物件が売りに出されているとのこと。

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    ホラーフェス「FearFestEvil」を自身で開催するほどホラー映画にご執心なカーク。昔のホラー映画ポスターのコレクターでもあることはこちらでも何度か取り上げてきましたが、内装写真ではカークのコレクションである映画『黒猫(The Black Cat)』(ボリス・カーロフとベラ・ルゴシというホラー映画俳優の巨頭が共演した1934年の作品)のポスターなどが写っています。また、ミュシャのポスターも見受けられます。(販売用の新しい写真のために映画『死霊のえじき(Day of the Dead)』で使われたゾンビ像は撤去されているとのこと)

    ※画像クリックで拡大
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    販売価格は驚異の1600万ドルで街全体で4番目に高額な物件とか。

    サンフランシスコの物件情報サイトCURBED San Franciscoによると、住所はゴールデンゲートブリッジにほど近い「320 Sea Cliff」で、近所の「308 Sea Cliff」「224 Sea Cliff」も販売中。今回の物件は2003年に310万ドル、2010年に800万ドル、そして今回1600万ドルとインフレを考慮しても倍々で高騰しており、この地域が「売り時」ということのようです。

    物件の他の写真とお問い合わせはこちらから。
    http://www.zillow.com/homedetails/320-Sea-Cliff-Ave-San-Francisco-CA-94121/15088693_zpid/

    ドローンによる物件撮影映像はこちらから。
    http://www.320seacliff.com/


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    前回の続き。カークが「So What!」の編集長、ステファン・チラジとの会話で『Hardwired...To Self-Destruct』アルバム全体の印象、好きな曲について語っています。管理人拙訳にてご紹介。

    kirk_interview_sw

    ステファン
    ちょっと長くなったアルバムとともに取り組んできた、キミの気持ちを伝えてほしい。

    カーク
    最高だと思うよ。たくさんのグルーヴがのった本当に最高でヘヴィなアルバムだし、グルーヴ命、スウィング命って感じだね。俺はイカしたグルーヴやスウィング、軽快なリズムを聴くのが大好きなんだ。俺にとっては、大抵そういうものがソロとか即興を弾くにあたって一番楽しいからね。このアルバムではそれがたくさんある。ギターソロをやっている時にはそれが助けになったと思うし。曲の感覚が本当にはっきりと表に出ている。過去にやっていたものよりもずっと、感覚を捜し出さなきゃならない、あるいは曲に差しはさむ感覚を頭の中に創り出さなきゃならない。曲の感覚が明白でハッキリとしていた一方で、その曲にソロを入れる相当な時間を取っていた。ヘヴィなパートも大好きだよ。グルーヴのパートと本当にヘヴィなパートで最高のバランスがある。

    ステファン
    ノリに関しては、このアルバムはおそらく、しばらく出してきたメタリカのレコードよりもグルーヴがあると思う。もう少しスウィングがあるというか・・・

    カーク
    あぁ、間違いなくスウィングがあるよね。本当にたくさんのエネルギーに満ちたグルーヴ。文脈とコントラストが物事を際立たせている。もしグルーヴが何らかの形で機能すれば、もし4分の4拍子でスウィングしてたら、俺はそこに8分の5拍子の何かをプレイしてうまくいくか見てみるんだ。過去には、ギターソロに取り組んで、スタジオでやってみて、アルバムに自分のやったものが収録されるたびに、そのソロは価値があるものだと思っていた。今回は全てのプレイは曲のためだけにある。だから俺にとっては何か特定のソロにどんな価値があるのか定めるのは難しい。ただスタジオ入りして・・・

    ステファン
    リフに挑戦したと。

    カーク
    そう。それに全ては驚くほど容易く見えて、俺がアルバムに対して何もやっていないように見えるからね。でもキミも知っての通り、頭の中ではそれについて本当に考えていた。「あぁ俺はこの時点まで自分の人生の全てを取り組んできた」と思ったよ。後、これは言わなくちゃならない。過去、俺は自分自身を夢中にさせてきたけど、今回はそんな感じじゃなかった。その日のために奮い起こした全ての能力を出しきって、頑張ったんだよ。

    ステファン
    最後に・・・今、『Hardwired...To Self-Destruct』のなかでリッパー(訳注:カークの愛称)が一番プレイすると考えると興奮する曲は何かな?

    カーク
    まぁ俺は速くてヘヴィな曲が好きだからね、わかるでしょ?だから「Hardwired」は本当に最高だよ。「Moth Into Flame」も最高。そして「Spit Out The Bone」。俺にはこういう曲が大事だね。

    Metallica.com(2016-11-23)

    今回のカークのインタビューはこれでおしまいです。「Hardwired」のMVを初めて観た時に冒頭でカークがムチャクチャ頭を振っていたのが印象に残っていましたが、やっぱりこういうのがお好きなんですね。


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    カーク・ハメット、『Hardwired...To Self-Destruct』制作過程について語る(2)

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    前回の続き。カークが「So What!」の編集長、ステファン・チラジとの会話でレコーディング時のラーズとの関係について語っています。管理人拙訳にてご紹介。

    kirk_interview_sw
    ステファン
    いつものようにキミのソロのためにラーズが一緒にいたことは知っているんだけど、今回はどうだったの?

    カーク
    ある一日はこう。俺がスタジオ入りするとグレッグが「OK、この曲をやろうか」と言う。そして俺にキーは何かとたずねる。俺は「Fシャープに入るまではEマイナー、Fシャープになったら、たぶん相対的なマイナーキー。最後にはアルペジオを演奏するアイデアがある。」と答えると、グレッグは「いいね、必要とするところがわかっているように聴こえるよ。」とこうさ。それから俺に準備できたかきいて、準備できたら彼らが録音ボタンを押して何が出てくるかを待って見ていた。俺は25から30くらい全部違うソロを2時間とか3時間弾くんだ。それからラーズがやってきて「どうなってる?」と言う。グレッグと俺が進捗を報告。それから俺は他のものを演奏し始める・・・それでラーズが俺への助言を思いついたり、俺にコーチングしたりして、この方向とかあの方向に向かう、もしくはラーズとジェイムズが一緒に曲にしようとする時にソロがどう聴こえるか話したりするかもしれないね。俺はそういう提案の全てを解釈して、自分の能力のなかであらゆる手段を使って思いついたものは何でもやった。あとはソロをどうしたいのか、ソロで曲をどうしたいのか、創り出したい雰囲気は何か、メロディックな感じか、突き進む感じか、もっとグルーヴを出した感じかっていう問題だけだった。俺たちにはその全てがある。

    ステファン
    (ラーズは)これまでと同じくらい手助けとなる存在だった?

    カーク
    共同作業だったね。ラーズがやってくると、だいたいソロは方向性が変わるんだ。最初の25から30のソロがある方向に向かっていて良い感じだし、ラーズがいると何か提案するから次の25から30のソロはまた違う方向に向かう。そこから休憩を取って、またスタジオ入りして何でもプレイするだけなんだ。

    そして知っての通り、俺には60年代、70年代の多くのギタリストがやるであろう理論がある。リッチー・ブラックモアがやってきて、9から10のギターソロだけ弾いて帰ってくってことを俺は確かに知っている。リッチー・ブラックモアはおそらくギターソロについては2秒も考えることはなかっただろうね。彼はただやってきて、一度にそういうことをやるだけやって、帰ってく。彼なら(レコーディングした)ソロを聴き直すこともしないと思う。


    ステファン
    そうだね。クレイジーだよ、本当にもう。

    カーク
    わかる?ディープ・パープルとレインボーの全アルバムに収録されている全てのギターソロがどれだけ偉大なのか俺たちはみんな知っている。だから俺はそういった人たち、ブラックモアとかウリ・ジョン・ロートとかがずっと前にやり遂げたスピリットのなかで取り組もうとしていた。知っての通り、俺たちは素晴らしい結果を得たと思う。確かに斬新で自然発生的な音で、退屈だったりただ典型的だったりする音じゃないんだ。

    ステファン
    これはぜひ聞かせてほしいんだけど・・・ラーズはアドバイザーだったり、共同作業のためにやってきたり・・・つまりみんなはこういうイメージを持っているかもしれないんだ。彼がやってきて「これをやれ、あれをやれ、今度はあれだ」って言っているみたいな。それは違うでしょ?彼がこういう考えやアイデアを提供している時、どんな感じなのかをみんなに説明するべきじゃないかな。

    カーク
    大抵、彼はこんなことを言うんだ。「4小節で止めないで、もっと続けてみて」とかソロの終わりで、俺が終わりに近づこうとするところで低い音にすると、彼はこう言う。「ちょっと高い音で終わってみて」つまり、かなり初歩的なものなんだ。彼は俺に「じゃあCシャープは減らそう」みたいなことは言わない。彼はテクニカルなことは言わないよ。

    ステファン
    そういうことそういうこと。

    カーク
    単なる提案だよ。わかるでしょ?コーチングっていうのがおそらく俺が思いつく最も適切な用語だね。

    ステファン
    多くの人が知りたいと思うことは、ジェイムズと比べてなぜ(ラーズがこんなことをするのか)?ってことだよ。これは長年に渡って行われてきている。キミとラーズがいつも緊密な関係といったような性格的なことなのかな?

    カーク
    あぁ、まぁ知っての通り、ラーズはリードギターの演奏にもハマっているからね。だってそうだろ!彼の大好きなミュージシャンはジョン・ボーナムとかリンゴ・スター(というドラマーたち)じゃない。彼のお気に入りのミュージシャンは誰だい?リッチー・ブラックモアだからね!!!!!

    ステファン
    わかっちゃいたけど盲点だった!それは考えたことがなかったなぁ。OK、じゃあ次の話題に。ラーズがリードギターを弾こうとしているマル秘テープはあるのかな?

    カーク
    もしあるんならぜひ聴いてみたいね!

    ステファン
    つまり、彼にギターを手渡して「やれることを見せてくれよ」とか言ったことはないのかってこと。深夜にギターを投げ捨てたことはないのかな?

    カーク
    うーん、それはないね。彼はそれに関しては本当にかわいいもんだよ。ラーズが弾くのは、彼が知っているリッチー・ブラックモアのフレーズなんだ。ラーズはギターを手に取るたびにそれを弾いているよ。キッチリとリッチーが弾きそうな感じで演奏するもんだからもう可笑しくて可笑しくて。俺はそれを聴くたびに「キミの知ってるリッチー・ブラックモアのフレーズは本当最高だな!」って感じだよ。

    ステファン
    へぇ、どの曲の?

    カーク
    リッチー・ブラックモアが音楽信号の一種として使っていたブルースのフレーズがあるんだ。何か他のことをしたいってなると彼はこのブルースのフレーズを弾くんだよ。リッチーはキャリアのなかで頻繁に弾いていたから、ラーズが知っているんだ。リッチー・ブラックモアにとっての音楽的な方向指示器みたいなものだってことを知っている。このブルースのフレーズを弾くと、残りのバンドメンバーはそれに合わせていく。だからラーズはあのフレーズを練習して、俺を笑わせるんだ。

    ステファン
    それはひとつだけ?

    カーク
    ほんの一部だよ。

    ステファン
    それはかなり良いね。面白い。

    カーク
    俺はそのフレーズをリッチー・ブラックモアがどんなふうに、いつ、なぜ弾くのかよく知っているけど、俺はラーズがやっていたように、わざわざそのフレーズを練習はしてこなかった。彼に弾きたいだけ弾かせればいいよ。

    ステファン
    それはカメラに撮らなきゃいけないね!

    カーク
    そうそうそう、彼に頼むといいよ。こんな風に。「リッチー・ブラックモアのブルースのフレーズを弾いてみてよ」って。そしたらちゃんとキッチリしたフレーズとタイミングで弾いてくれるよ。

    ステファン
    ラーズがギターを弾くときは、ギターを弾く顔まで完璧にやるのかな?

    カーク
    そうそう。

    ステファン
    そりゃすごい。

    カーク
    何から何までね。顔も作って、そう!って。

    ステファン
    まぁ心からそれを演奏しているからだろうね。キミにとっては(何度も聞かされている)呪文みたいなもんでしょ?

    カーク
    全くその通り。

    ステファン
    でもラーズにとっては、あからさまのちょっとしたリッチー気取りなんでしょ?

    カーク
    ちょっとしたリッチー気取り、そうだね、ちょっとした「俺はリッチー・ブラックモアのフレーズを弾けるんだ、彼は俺のヒーローだからね」っていうタイプのものでもある。

    ステファン
    面白すぎる。今回はキミがバンドの当事者間の調整役になる傾向にあったバンド力学に関して、何年にも渡って議論してきたことについて話すのに良い機会じゃないかな。今、こうしてやってきて必要とするものをもっとやると言うことはフェアだと思うんだけど、一方で先に触れてきた通り、キミがこのバンドにもたらしたものがあって、それは自分がやったことだとするのを恥ずかしがるような人じゃないわけで。

    カーク
    まぁもちろん俺は俺だよ。俺がこのバンドにもたらしたものは、ただ俺自身だってこと。俺は本当に他の誰にもなりえない。俺は俺であることしかできない。知っての通り、過去にはとても共依存的なやり方で他人のものに自分自身を入れ込んでいた。今や、そんなことをしたところで役に立たないってことがわかってる。これについてはたくさんの感情的知性と気付きを学んで会得してきた。2人が対話している時は、その2人に言わせるだけ言わせておくのがベストなんだ。わかる?自分ができるベストなことは、そんな状況でも最も強固で、地に足が着いていてオープンで正直な人でいることだね。

    ステファン
    全てのことが『Hardwired...』でこれまで以上にずっと自信をもたらしていると。

    カーク
    このバンドに33年間在籍していることで、自分の貢献で本当に違いが生まれるってことがわかって、ある程度の安心感はあるよ。たとえそれがソングライティングではなくても、楽曲の生の部分を考え出している。自分たちの楽器と個性を演奏する方法で始めて、自分たちの個性が楽器の表現からどう出てくるのかってこと。それは4つの異なる趣を全く異なるものに凝結させて、4人の要素が一緒になった時にだけ得ることができる。それらの要素からひとつを取り除くとそれは違うものになるんだ。たとえ貢献がわかりにくいものであったとしても。

    Metallica.com(2016-11-23)

    ラーズのギターはいつか披露されるのでしょうか(笑) 続きはまた後日。

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    カーク・ハメットは『Hardwired...To Self-Destruct』のソング・ライティングに参加していないということもあってか、B!誌にもインタビューが掲載されず、どういうスタンスでレコーディングに臨んだのか気になっていました。オンライン版「So What!」でその気になるところについて語ってくれています。ジェイムズ同様、「So What!」の編集長、ステファン・チラジとの会話を管理人拙訳にてご紹介。

    kirk_interview_sw
    ステファン・チラジ
    「Lords of Summer」が作曲された時期やニューアルバムについて最初に演奏されたのはどの時点だったと思う?ニューアルバムの制作過程はいつ始まったんだろう?

    カーク・ハメット
    ヨーロッパツアーに出ようとしている時かな。知っての通り、俺が最初に「Lords of Summer」を聴いた時、リフに関しては『Death Magnetic』のようなものじゃなかった。あれはリフによって始まったんじゃなくて、曲のパーツや本当にすごいメロディーによって始まったものだったんだ。だから俺たちにとっては別の曲という感じだった。でもその時点での俺にとっては、レコーディング過程のどこに俺たちがいるのか、曲の方向性はどこに向かおうとしているのか、とかそういうことは測りようがなかったね。まだプロセス全体の初期段階だったから。

    ステファン
    ボクはこのアルバムは、2人が大胆に先導し、もう2人が自分たちの要素を盛り込んだという点で25年ぶりのものだと思うんだけど。

    カーク
    そうだね。

    ステファン
    キミがロブのいなかった数世代を経験してきたということを考えると、その(今回のアルバム制作)過程をキミの視点から聴くのは良いことだと思うんだ。既に・・・以前からバンドにいてそのバンド力学がどのように機能してきたかを観ているわけで。だからこれまで長きに渡ってやってきたものよりも自由にやっているように見える今回のアルバムでキミがどう関わったのか話してもらおうか。

    カーク
    まぁ当初はアルバムを作るというのは、似たアプローチ、つまり『Kill 'Em All』のような考えだと思ったんだ。あれはラーズとジェイムズによって、ムステインの助けを少し借りて、かなりの部分が決められたアルバムだった。『Kill 'Em All』でやったのとほぼ同じように全ての創造的なプロセスを2人が再び陣頭指揮を執るというコンセプトだね。俺はそれで全く問題ないよ。俺たちはみんな自分たちのやり方で貢献しているし、みんなが趣やスタイルやエッセンスを持ち込んでいるし、俺が思うにそういう構成要素がメタリカを「Metallica」たらしめている重要なパーツなんだ。俺がここにいるのはリードギターを弾くため。『Kill 'Em All』で、俺はかなり前に出て、ギターソロは従来どう始めたかということから着手したんだ。はじめの4小節・8小節は普段よく弾いているように弾いて、残りの部分を即興で演奏する。すでにあったものと同じ方向に沿ってちょっと足したところもあれば、別の方向に進んでまるっきり違うものを演奏したところもある。『Kill 'Em All』はそういうごちゃまぜだったんだよ。

    そうは言っても、自分の経験を思い出してみると、ギターソロにあらかじめ取りかからなくてもよかったと思っていたんだ。音楽やギターの演奏をやらなくちゃならないって時には充分に準備しておきたいと思う方だから(あらかじめギターソロを準備しないことは)かなり大胆なことだし、本当に能力が試されることなんだけどね。自分のパートだとわかるところで、それを完璧にこなして、必要とあらば自然に出てくる音楽を考え出すことができるようになりたい。これは俺の場合だけどね。充分に準備しているものを見せる、それが『Kill ‘Em All』後、全てのアルバムにおける俺のやり方だった。『Ride the Lightning』にしてもそうだし・・・俺はいまだに自分の全てのソロを書いたソロ・ノートを持っているんだ。


    今度こそはって自分に言い聞かせていた。過去にそういうものをたくさんやってきて、結局アルバムに収録されたものは俺が最初に弾いたものだったんだ。本当に最初のものだよ。自分の潜在意識が最も適切なものは何かという感覚を持っている感じ。実際にそれについて考えるところから始めると、そのプロセスは四角いレンガを丸い穴に押し込もうとするのに似ているね。ただ音楽の流れ、創造性の流れ、感覚の流れのままにというよりむしろコンセプトを考えてそれを機能させるよう楽曲のために必要とされるものを潜在意識に指示させるんだ。俺はそのコンセプト100%をこれらのソロをやるアプローチに入れた。だから基本的にすべての楽曲が仕上がって、バッキングトラックが完成して、みんながそこにソロがあるとわかるところで俺は何かをプレイするだけだった。そこで何が起きているのかを知るだけの「充填剤」みたいなものだね。だから俺はギターソロを始めるためにスタジオ入りした最初の日には、踏み切り板があって、どうやってソロを始めようか、うっすら考えがあった。俺がスタジオ入りする前夜にだけそうした。2,3日前はやらなかった。あらかじめ考えておくということはしたくなかったんでね。その瞬間を捉えて100%自然発生的に、出てくるのは何でも捉えてできるだけ即興で弾きたいと思ったんだ。だから基本的には俺がスタジオにやってきて、(プロデューサーの)グレッグが(ソロを収録する)楽曲を用意して、俺が「OK、レコーディング開始だ」と言って弾くだけだった。

    スタファン
    ソロを入れる前にリフや楽曲のメインの箇所は何回聴いたの?

    カーク
    まぁどんなキーなのかを把握していたよ。どのスケールを弾けるのかがわかる。FシャープならFシャープのペンタトニックを弾けるとわかるからね・・・

    ステファン
    でもリフにも反応するわけでしょ?

    カーク
    そうそうそう。楽曲の感覚や脈動に反応するんだ。

    ステファン
    だからキミにとってはとてもライヴなプロセスだった。

    カーク
    とってもライヴで、瞬間を捉えた、100%自然発生的で、頭の奥の潜在的なもの全てが前面に出てる。このレコーディング過程で自分が準備したのは、家に帰って、テクニックを磨いて、敏捷性、コントロール、スピード、フレーズに関して自分の演奏能力がピークになっているかを確かめることだけだった。俺はその時点で自分の能力をトップまで持っていけたと思う。こういうことを把握してからソロに臨むと、これまでやったことないものでも自分はできるという自信をみなぎらせることができたんだ。

    ステファン
    じゃあ制作過程ではより自信をもって臨んだってことかな?過去には自信と戦ってきたと思うんだけど、今回は家にいるような感じで演奏がとても自信をもって聴こえると?

    カーク
    うん、まぁ俺にとってコンセプト自体がチャレンジングなものだったし、強迫的で、いつもポケットに「弾薬」を持っておく必要があるものだったんだ。強迫的にならないことも挑戦だった。(あらかじめソロを考えないやり方は)自分の能力を信じるように強制されるんだ。過去やってきたことに自信を持って、将来またやり直せると自信を持つことを迫られる。だから実際問題、強迫神経症のスイッチをオフにする必要があった。基本的には楽曲に対していちかばちかやってみることを強制されるわけなんだ。

    ステファン
    それはいつも心地よいものじゃなかったと・・

    カーク
    そう、本当に心地いいものじゃない。同じ話になるけど、俺はいつもしっかりした良い基盤があってから、たくさんのアイデアを提示しているからね。一番の悪夢は「俺は何をやろうとしてるんだ?何を弾こうとしてるんだ?」ってなって、ただ何時間も「なんやかんや」と経ってしまうことだろうね。それが俺にとって最大の恐怖だよ。なぜそんなことを恐れるのかわからない。だってそんなことは絶対に決していつだって俺には起きないんだから。でもそれが俺の持っている真の恐怖なんだ。(以前より自信を持ったことは)自分の演奏が最近良くなったと思う事実とも関係している。全体的に自分のギター演奏がまた繋がってきていると感じるんだ。とても良い感じだよ。

    Metallica.com(2016-11-23)

    続きはまた後日。

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