いろいろと手を広げているうちに大変お久しぶりの更新になってしまいました。
5月にWorldWiredTourのヨーロッパ公演第一ラウンドを終えたメタリカ。その最終公演となったヘルシンキでのライヴを前にして、メタリカのメンバーが会報誌「So What!」のエディター、ステファン・チラジのインタビューを受けていました。
まずはオフの過ごし方の話題から。
5月にWorldWiredTourのヨーロッパ公演第一ラウンドを終えたメタリカ。その最終公演となったヘルシンキでのライヴを前にして、メタリカのメンバーが会報誌「So What!」のエディター、ステファン・チラジのインタビューを受けていました。
7月上旬に公開された記事なのでもうお読みになっている方もいらっしゃるかもしれないですが...いろいろと興味深い話をしていたので管理人拙訳にて全編を何回かに分けて公開します。
まずはオフの過ごし方の話題から。
ステファン・チラジ
しばらくのあいだ、バンドはツアー最初の夏休み。今夏は活動しないことにワクワクしてる?代わりにやろうとしていたことをしたいと思ってる?
ジェイムズ・ヘットフィールド
まぁ走り出した電車に飛びついてる感じだね。俺は家に帰って、息子の誕生日だ。彼は卒業して、俺たちは引っ越した。サマーキャンプに行く子どもたちもいる。そりゃもうたくさんのことが起きていて、楽しい旅行も計画している。息子の卒業記念に、家族でボートを借りてどこかに行こうと夢中になっているね。
ステファン
そこまで「オフ」っていうわけでもなさそうだね。
ジェイムズ
まぁ知っての通り、俺にとって「オフ」っていうのは飛行機に乗っていないことだ。俺にとってはそういうことなんだ。俺がどこかにドライブに行こうが、家でじっとしてようが、飛行機旅行はあるからね。
ステファン
クール。この夏、ラーズにとって「オフ」は何を意味しているだろう?
ラーズ・ウルリッヒ
「オフ」はトイレにいる時の1日2回各30分を意味している。それが「オフ」だよ。残りの23時間?まぁ身体のメンテナンスとしての睡眠だろうね…。人はいつも「家にいるならオフでしょ」って言うけど、俺にとっては単にスケジュールがないことを意味しているんだ。メタリカの全てのことが信じられないほどスケジュール化されていて「ここにいなきゃ、そこにいなきゃ、これをやらなきゃ、あれをやらなきゃ」って始終そうなっている。だから俺にとって夏休みってのは、もう少しこう…ジェス(ジェシカ・ミラー)と俺がヨーロッパで時間を過ごすこと。そこかしこにあれやこれやあるけど、そう厳格なものじゃない。俺はますます自分のため、自分たち家族のために、もっと衝動的で場当たり的な感じで「全てがスケジュール化されている」ことに抗っているよ。今年の夏はヨーロッパで過ごすことになっているけど「ここにいる」かもしれないし、「そこに行く」ことだってできる。母国(訳注:デンマーク)でちょっと過ごすとかどうとかね。でも「7月17日の午前8時には、ここにいなくちゃならない」とかそういうものじゃない。それが俺にとってオフタイムの最高なところだね。
カーク・ハメット
ジェイムズの答えとは対照的なんだけど、このショーの後、俺は家に戻って溶岩やら地震やら洪水やら津波の可能性に対処しなくちゃならない(訳注:カークの自宅のあるハワイではキラウエア火山の噴火によって甚大な被害が出ている)。でもそれが人生ってもんだ!それが俺が住んでいるところでの普通の生活なんだ。
ラーズ
ミサイルに溶岩か(訳注:ミサイル緊急警報の誤送信がハワイで発生)。
カーク
俺が住んでいるところじゃ、それがいつもの生活の一部なんだ。受け入れるだけだよ。海にはもうちょっと用心深くなるし、空を見上げて、地面を感じ、呼吸をする。それ以外でだって、俺は9月から3月、4月にかけて病気やケガが信じられないほど続いたし。
ステファン
えぇー。
カーク
そうなんだ。病気とケガの大きな連鎖みたいな感じだった。病気になった時、俺はケガを治すための運動ができなかった。病気じゃなかった時には、またケガをしてしまった。バカげてるよ、だからこの夏は身体の調子を整えるための期間にするよ。自分からケガをしないようにする。自分の身体をもっと強くする必要がある。今年の夏の目標は、ケガをしても相殺できるようにすること。俺は本当に弱っているけど、ケガはしたくないからね。それと病気もそうだ。
ステファン
津波や地震などについて喋ってくれたけど、ちょうど知りたかったところなんだ。ここの席に座ってるみんなはハワイに(ミサイル)警報が鳴った時、メールを送ったの?
カーク
そうそう。
ステファン
核兵器を送っていると言われる島がどうなっているかについてここで話しておきたい?
カーク
ニュース価値はあると思うよ。でもまぁ俺の電話はパンクしたよ。アンバーアラート(訳注:未成年者失踪事件発生時に地域住民に知らせる警報)か?とてもよく似ていたんだよ、そういう警報にね。俺はヨガをやっていた。あおむけになって足腰を浮かせていたら、息子が言うんだ。「ねぇ、お父さん、電話が津波が来るみたいな面白い音立ててるよ。」って。俺はえぇ?って思って電話のある方に行って手に取ったら「ミサイル警報:着弾が差し迫っています。これはテストではありません。」って言うんだ。俺はそれを読んで、何だって?となった。俺が住んでいるところのリビングからは空港が見える。
ロバート・トゥルージロ
韓国を見ろ!
カーク・ハメット
それに真珠湾も見えるんだ!そこでは何も動きがなかった。何もだよ。実際、どこも静かなものだった。真珠湾には早期検出システムがあるってことを知っている。ゴルフボールのように見える、4階建ての高さの巨大なものは、太平洋全体に渡るアメリカのための早期発見システムなんだ。スクランブル発進もなかったし、真珠湾を出る船もなかった。サイレンも何もない。空襲サイレンなんてものはね。だから俺は「これは間違いだろう」って思ったんだ。ヨガを続けたよ。
ステファン
なるほど。
カーク
でも気を付けないと。友人の友人は心臓発作を起こした。その知人が言うには、山道を登っていて、警報を受けて、崖から飛び降りることを考えたんだって。
ステファン
うわぁ、想像を絶するね。
カーク
クレイジーだよ。
ロバート
わぉ。
カーク
とにかくそういうこと!それが俺がやることなんだ。それとギターをたくさん弾くことがね。
ステファン
ロブはどう?
ロバート
海に戻るのを楽しみにしてるってことはわかるかな?最後に南カリフォルニアでサーフィンしたのはいつだったか覚えてないくらいなんだ。(妻の)クロエが行きたがってるのもわかってる。彼女は(今年)ヨーロッパにあまり行ってないから、フランスの田舎で2週間過ごしたいと思ってるんだ。今回は地中海側にいるかな。2、3年前に大西洋側には行って、ブルターニュからビアリッツを廻ったよ。あれはクールだったね。キミは知っての通り、前回の長期休暇の時には手術を受けていた。ヘルニアの手術を受けていたから、休暇のあいだは本当に大したことはできなかった。だからアウトドアや海に入る時間を楽しみにしているよ。それと(息子の)タイは6月にレコーディングをするから、その準備を手伝うのも楽しみだね。
俺はラーズとポーラー賞を受賞するためにスウェーデンに行くよ。(息子のタイの)スタジオにいるのはかなりクールなことになるだろうね。少なくとも彼はクールになるための全てを準備しているよ。それが楽しみだ。それが今年の夏かな。普通は夏には俺たちが話しているようなことがあって、かなり忙しくなるけど楽しみだよ。
ステファン
「夏休み」のテーマから離れる前に、この夏の間に誰かが他のメンバーにメールを送りたいと思うアイデアが浮かぶんじゃないかな…「おい、リフが浮かんだ!」とか「アイデアを思いついた!」とか、そういうのはどういう仕組みなの?つまり3か月。誰かが誰かにメールを送るつもりはある?もしそうならいつ頃になると思う?
カーク
9月?
ジェイムズ
わからないな…
ステファン
(アイデアが溜まって)辛抱できない時点というのはないの?
ジェイムズ
もし俺がラーズに「おい、リフができたぞ!」なんてメールしたら何かが間違ってるよ。
ラーズ
(ジェイムズの妻の)フランチェスカにすぐにメールするよ「どうした?」って。
ジェイムズ
そう!
ステファン
じゃあ辛抱できないっていうのはないんだ?
ジェイムズ
ない。俺たちは全員、自分たちのことがある。自分の趣味を持っていて、それを楽しむための時間をかけたい。でも知っての通り、俺の人生の喜びのひとつは趣味じゃない。楽曲を書くことなんだ。
ラーズ
リフ付きのメッセージを送ってくれ!
ロバート
一般的には、俺たち全員、ほとんどの部分で音楽のことを考えているというのが正しいかな。自分たちのDNAの一部なんだ。昨日は午前3:00にアイデアが思いついて、VOXアンプで小さなドラムマシーンを演奏していたよ。いつもそんなことが起きるんだ。
ラーズ
休暇が前進させることの一部だということを理解しなきゃならないよ。「おっと、全ての会場が夏に押さえられてしまったから家にいなくちゃならなくなった」なんてことじゃない。俺たちのようにツアーをするため、俺たちのように演奏をするため、自分たちがやっていることを届けるために、家から離れて、家族から離れて、ここに来て、このテーブルについて、こんなことを話すために、起きる全てのことがある。俺にとって…なんと言えば適切かわからないけど…それはメンテナンスのようなものだ。わかるでしょ?そのメンテナンスの一部が、9月初旬にマジソンでステージに出ることができるってことだし、そこから離れている時間があるってことなんだ。そうじゃなかったら全ては崩壊してしまうよ。この『Hardwired...』みたいに18か月とかそのくらいで(年間)50公演で俺たちの予定が組まれているようなキャンペーンでは、こういうことを機能させる方法をマスターしたように感じる。でなければ、ベストに近づき続けているってことだ。
ステファン
聞きたかった質問に直接触れてくれたね。これはこの18か月間で学んだことなのかな?自分について何を学んでいる?自分自身を驚かせるようなことを話し合ったりしてる?互いにどんなことを学んでいる?「うわぁ彼がそんなものを持っているとは知らなかった」なんてことを発見したりする?
カーク
言っておかなきゃならないのは、俺は小さなドラムキットでふざけ始めて以来、隣に座っている新しいドラム教師がいるってことだね。それも知らなかったことでしょ!
ラーズ
(カークには)新しいお気に入りのドラマーがいて、それはもうスチュワート・コープランド(訳注:ポリスのドラマー)じゃないんだ。
ジェイムズ
マイルス・ウルリッヒだな!(訳注:ラーズの息子)
カーク
そう、マイルスだ!
ロバート
俺は(カークが)ステージ上でラーズを見ているのを目撃したよ。彼をガッツリ見てたんだ。
ステファン
わかったわかった、もうちょっと質問の主旨に戻ろう。Metallica.com(2018-07-05)
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