hardDrive RadioのMC、ルー・ブルータスによるラーズ・ウルリッヒへのインタビュー。『Hardwired...To Self-Destruct』について語っています。BLABBERMOUTH.NETさんの文字起こしを管理人拙訳にてご紹介。

lars_loubrutas

−新譜『Hardwired...To Self-Destruct』が圧倒的支持を受けていることについて

以前に誰かに話したんだけど、これまでロックバンドをやってきた35年の人生のなかで聞いたことのない言葉を、この半年で聞くことができたよ。それは「なんで今夜は新曲をもっとやらなかったんだ?」ってセリフだ。普通なら「なんでそんなにたくさんやるんだ?なんで新譜の曲をやるんだ?もっと昔の曲をやってくれよ」ってもんだろ。それが昨今のミュージシャンなら耳にする呪文だ。

このレコードから、俺たちは4曲、5曲と演奏してきた。6つの新曲をやったショーもある。収録曲の半分だ。それでもまだ「なんだよ、「Spit Out The Bone」は?あれは?これは?もっと新曲をやってくれよ」ときた。おいおい、俺たちは始めたばっかりだぜってなるよ。このツアーに入って6ヶ月だ。残りのツアーはたっぷりある。俺が言ってるように、俺たちは手始めにやってみている状態なんだ。12曲中7曲はやったと思うし、(残りの)5曲もやるだろう。「Spit Out The Bone」のような、ファンのお気に入りだと思う曲まで全部行き着くことになる。

俺は「Spit Out The Bone」はスタジアムで始める(のは適している)とは思えない。あれはかなり凄まじい曲なんだ。あの曲はアリーナとかでやる方がうまくいくかもしれないね。でもファンがこのレコードを持っていて受け入れてくれているという事実、みんなが(ライヴで)もっと聴きたがっているという事実、俺たちが新曲を携えてスタジアムのショーに出て行って心地よく感じるという事実、それはこのレコードがどれほど素晴らしく、受け入れられたものとなったのかの証左なんだよ。つまり、期待や想像を絶する状況ってわけ。実際・・・「ブラックアルバム以来の傑作」とかこれまでで最高のレコードと言ってくれる人もいるんだ。35年のキャリアを経て、そんなことを聴けるのはクレイジーだよ。音楽業界には「最盛期は過去にある」って言葉があって、まだそういうことに挑戦できるチャンスがあるってのは素晴らしいことだ。こんなことが自然に起きた時には特にね。だから俺たちはとても感謝しているし、今がメタリカにとって本当にクールな時間なんだ。


−なぜ『Hardwired...To Self-Destruct』がメタリカのファンにこれだけ受け入れられたのか

いやあ、この半年その質問をたくさん受けてきたよ。つまり、ひとつのキャッチーな答えはないってことだ。たくさんの要因がある。このレコード、この試みのなかで素晴らしき影のヒーローは(プロデューサー)のグレッグ・フィデルマンだと思う。彼は俺たちの・・・基本的に俺たちのサウンドマンであり、エンジニアであり、『Death Magnetic』以来全てのことに関わってきた男だ。そして彼は俺たちのサウンドを微調整し、メタリカのやり方が何たるか、スタジオの面でもどう音を出すべきか、演奏だけでなく、サウンドや全てのことを最高に機能させるにはどうするかをしっかり理解してくれたんだ。だから彼は(質問に対する)答えをたくさん持っていると思うよ。間違いなく、これらの曲はプログレ要素を減らし、もう少しグルーヴ志向で、ある意味もう少しまとまりあるものになっている。おそらくそれが答えのひとつだろうね。

(中略)宇宙のエネルギーとか、物事の順序とか、しかるべき時に出た、しかるべきレコードを無視することはできないんだ。もしこれが2、3年前くらいに出て来たら、ここまで受け入れられなかっただろう。どういうことか分かる?音楽界の状況、他の人がやっていることとかが、自分たちのレコードとどう相互に関連してくるのかも関わってくるんだ。だからいろんな要素があるんだよ。もちろん俺たちの魅力とイケメンぶりもあるけどね(笑)。それでうまくいった。だから何だ?35年やって、うまくいったものもあれば、うまくいかなかったものもある。知っての通り、俺たちは常にベストを尽くしている。今回はうまくいった。だからさっき言ったように、楽しい時間なんだよ。


BLABBERMOUTH.NET(2017-06-01)

インタビューの全編動画はこちらから。


先ごろ公開されたライヴのリハーサル動画で「Spit Out The Bone」を演奏していますが、どのアリーナでライヴ初披露となるのでしょうか。


Spit Out The Bone (Official Music Video)


【追記】
リハーサルを繰り返すメタリカ。


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