オンライン版「So What!」で、ジェイムズ・ヘットフィールドが語る『Hardwired...To Self-Destruct』収録曲の歌詞。DISC 2の3曲についての「So What!」の編集長、ステファン・チラジとの会話の続きを管理人拙訳にてご紹介。
「Confusion」
「ManUNkind」
「Here Comes Revenge」
映画『アメリカン・スナイパー』予告編
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−「Confusion」
ステファン・チラジ
これはまさにPTSDになった時だと思い当たるんだけど・・・。
ジェイムズ・ヘットフィールド
その通り。一般的にはPTSDだ。軍隊での戦闘ストレス反応(シェルショック)や恐ろしい状況に放り込まれるのは明らかにPTSDの兆候だ。そんなところから家に戻る。家に帰ってきて、まだ生きていると、内に抱えて家に持ち帰ってしまったトラウマとして、ひどく影響を受けてしまったものを見る恐れがある。映画『アメリカン・スナイパー』はそういうものを本当によく描写していた。「同胞を守らなきゃ、俺が戻らないと彼らは死んでしまう」というところはコレだと思った。戦争中毒となり、家族を顧みない言い訳として、そのような「殉教者」というテーマをまた使っている。だから他の曲にも結びつくんだけど、PTSDというのはどこにでもあるだよね。子どもの頃だったり、スポーツ選手だったり、制服を着た誰かだったり、外に出向いて奉仕の人生を思い描く人だったり、そこには兵器や力を使って「現場に行って殺してやる。現場に出向いてやっつける。」って人もいる。PTSDには様々な形があるし、バンドにしたってそうだ。不平不満に聞こえるかもしれないけど、これは決して不平不満じゃなくて、ツアーに出るとはどういうことなのかを伝えているだけなんだけど、ツアーに出るだろ。これが訪問地リストです。これがあなた方のやることです。これがあなた方への取材です。これがああですこうですってね。全てが俺たちのために計画されている。ここがあなた方が食べる場所です。ここが寝る場所です。ではそのステージに立って良い時間をって具合に全てが計画されていて、素晴らしいショーだったとキミたちは褒めそやす。そこから家に帰るとふと、こう思うんだ。「俺自身の計画は何だ?俺は今日何をやっていたんだ?」ちょっと戸惑いつつ、家族と電話を繋ぐ。家族は「もしもし?どこにいるの?」ってね。万事対処済ってわけだ。なぜ俺は必要なんだ?俺なんか要らないじゃないか!こういうことは延々と話すことができるよ・・・
−「ManUNkind」
ステファン
これはつくづく聖書の黙示録のように感じたね。つまり「ゼロにリセットする」ことに満ちていて、ディストピア的でかなり荒涼としている。ちょうどボクたちが好きなやつみたいにね!
ジェイムズ
そうだね・・・聖書でいうところのエデンの園だよ。「全て手にしているのにまだ何か望むのか?」全ての素晴らしいものを手にしていたのに引きはがされてしまった・・・それが聖書の物語・・・でも人間の善良さに立ち戻ろう。人間は罪深く、這い出て何とか取り繕おうとしなければならない。俺たちがいつも大いなる力の監視下にいて、日々何度も何度も自分たちが悪者でないと証明しなければならない。誰もが自分のことばかりのこの世界で、信念を持つこと。数々の物事のなかで否定的な面を見つけるけど・・・結局は人を信じることだ。人のせいにするんじゃなくてね。なかには思いやりのない(Unkind)人もいるけど、信念を持つことはそれを理解したり、そこから学んだり、問題ではなく何らかの形で解決策の一部になったりするんだ。
ステファン
ジェイムズは何年もの間、こういうこと全てにおいて一方的に判断するよりももっと観察的な態度になっていると思うんだけど、これは合ってるかな?
ジェイムズ
そうだね。自分でもそう言うよ。経験してきたことを通じて、戦っている相手にも思いやりを持ち、争いの結果を見るだけじゃない。「ヤツはあれを盗んだだけ」とか何とかみたいなことには一歩下がって判断を下す代わりに何が起きているのかを見る。何か共通となるものはないかを探すんだ。
−「Here Comes Revenge」
ステファン
子どもが殺された悲しい物語についてたくさん読んだのかな?それにどうやって折り合いをつけることができたんだろう?
ジェイムズ
そうだね。モーガン・ハリントン(※)がいる。誰かを奪われた家族についてはたくさんのことがある。息子が死んだ友人もいるし、名前は挙げたくないけど、ずいぶん長い間ツアーに帯同してきているカップルがあの曲の助けになったし、俺にとってインスピレーションになったんだ。彼らの娘さんが酔っ払いの運転手にひき殺された。彼女はメタリカが大好きだったんだ。このご家族が娘さんと繋がったままでいる方法がメタリカのショーに来て彼女が楽しんでいたものを楽しむということだったんだ。そうやって繋がっているんだろう。あれには本当に驚かされた。とても強いよ。それは自分にも起きうる傷つく出来事だね。つまり人生をぶち壊し、ただ座って四六時中そのことについて考えては、何度も何度も思いを巡らすんだ。「どうしたら物事を変えられたんだろう?もしこうだったら?ああだったら?」どうしたら怒りを抑えられるだろう?どうしたら子どもの人生を奪った相手に怒らずにいられるだろうか?それは俺にとって本当の強さだと思う。俺がするであろう考え方を書いているからね。復讐が起きるのを祈って、それが答えだと考えるだろう。結局そんなことは起きないとはわかってるけどね。
※2009年にメタリカのライヴを観に行った後に行方不明となり、遺体となって発見されたヴァージニア工科大学の学生。事件究明のためにメタリカは有力な手がかりを申し出た者に賞金5万ドルを提供。ジェイムズは事件の手がかりを求める動画メッセージを公開した。後に別の殺人事件の容疑者が当該事件の容疑者として再逮捕され終身刑となった。
Metallica.com(2016-11-19)
「Confusion」
「ManUNkind」
「Here Comes Revenge」
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