先日お伝えしたとおり、2016年11月11日にTVK(テレビ神奈川)の「伊藤政則のROCK CITY」にてラーズ・ウルリッヒのインタビューが放送されました。今回のアルバムがどのようにして作られたのか語っています。ラーズ・ウルリッヒの表情とともにご紹介。

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−ニューアルバムを完成させた今の気持ちを語ってください

アルバムが完成したら仕事が忙しくなるということだ。こうやって座って話さなきゃいけない。気分が良いよ。完成してからそんなに時間が経ってなくて6週間ぐらいかな?今日はMETALLICA HQの特別な日になる。叫びながら走って行ったグレッグ・フィデルマンがアルバムを完成させて4〜5週間ぶりに戻って来た。NYでやったライヴのミキシングをしてたのさ。また彼と会えて嬉しいよ。
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聴いてもらった2つの新曲に関しても反響があったし、アルバムを聴いてくれたジャーナリストや周りの人達は称賛してくれているしね。これは新しいアルバムを作る度にいつもマサに言ってきたことだけど、これがまだどうなるか分からない。まだ本当の意味での全体像が見えていない。今は全てが楽しいんだ。良い噂が回っているし、みんなハッピーでエネルギーに溢れている。

先週ビデオの収録オークランドでしたんだが、車で橋を渡りながらある曲を聴いていたんだ。ビデオ収録の前にアレンジを覚えなければならなかったからね。完成してから3〜4週間ぶりにアルバムの曲を聴いたけど素晴らしかったね。生命力に溢れていてエネルギッシュでMETALLICAっぽい良いフィーリングで溢れていた。そんなこともあり収録現場にちょっと早めに着くことができた。今のところ良い感じだ。キャンペーンでキミには何度も会うと思うけど、きっとまた何年も掛けてこのアルバムを取り上げていく。そうしたら意見をまとめられると思う。
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アルバムを作る時って経験とその工程で結構ハイになるんだ。仕事をしているという気持ちと友人達と音楽を作り上げるという気持ちが良いフィーリングになる。僕が何か言えることでもない。数年待ってみないと分からない。『Death Magnetic』『St.Anger』と比べてどこにこのアルバムが位置するのか?これが一連の作品としてどうなるのか?今のところは良い感触だ。

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−『Death Magnetic』と比べるとずいぶん曲が整理されて、METALLICAらしいパワーがダイレクトに伝わってくるような気がしますが、その辺はどうですか?

『Death Magnetic』は『St.Anger』以来のアルバムでリック・ルービンと制作した。『St.Anger』は橋渡し的なつなぎのアルバムだったと思う。僕らは4枚のアルバムを作った。『Load』『Reload』『Garage Inc.』『S&M』4年間で4枚作ったんだ。色々な問題がありそれから『St.Anger』ができあがった。『St.Anger』は実験的なものだという風にも見ている。また集まって自分達がどういうグループなのかというのを考えさせられたり、それを全て解決しようとしていた。それからリック・ルービンがやってきてあの部屋で何ヶ月も話した。自分達が何者で何をやっているのか、どこにいてどこにいくのか、そういったこと全てを話した。リック・ルービンは僕らにもっとクレイジーに作品が長くなるようにはっぱをかけていた。彼は馬鹿げた感じにしたらいいって言うんだ。彼流のクレイジーにしろ!ということだったんだと思うけど、それが制作時の感情だったような気がする。
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このアルバムはもっと短く、マサが言うように曲作りも簡素にクレイジーの度合いが少なく削ぎ落とした感じのものになっている。この前やったインタビューで初めて使った言葉だったんだけど、より“効率的”なアルバムだね。『Death Magnetic』はもっとこんな感じで大きく、そして新作は全てがより短くタイトな感じになっていた。『Death Magnetic』は何ヶ月も何ヶ月も掛っていないかもしれないけど、ミーティングをとにかくいっぱいやって色々話し合った。今作はミーティングなんてまったくなかった。とにかく集まってただプレイしはじめた。ミーティングも話し合いもない。とにかくやろうという感じだった。3/4ぐらいレコーディングが終わってから、このアルバムをどういう方向に持っていく?どういうものにしていく?という話になった。そこでアルバムをより短くタイトに削ぎ落とした感じにしていったんだ。でもミーティングみたいなものはほとんどやらなかった。

僕はリックが大好きだし、今回の制作で何も変えたいと思わなかった。とにかくプレイし始めるということにメリットがあった。前に進んでいくというか、何て言ったらいいんだろう・・・よりオーガニックな感じに作っていった。自然発生的に出来上がり、頭でよりも心から出来上がっていった感じ。

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−2枚組にしてよかったと思います。1枚でも入る80分、2枚組にしたことで聴き手の集中力を保てるという効果が出たと思いますが

制作後半の方、7月だったかな?これらの音楽をどうしようか?ということになってね。『Death Magnetic』は14曲レコーディングしてAグループに10曲、Bグループに4曲あった。最初に良いと思った10曲をアルバムにしてあとの4曲はその他の為に取っておいた。今回は13曲あって全ての曲がAグループに入ると思った。AとかBとかないと思ったんだよね。13曲全てをアルバムに入れたいと思った。2枚組にして人々に一息つかせる為に少し間を置いた。そして“Lords Of Summer”は昔からあった曲だけど、レコーディングし直してアレンジも少し変えている。“Lords Of Summer”は今回のアルバムには入らないと思っていた。この曲は他の曲とは違うテイストの歌詞で他の12曲と雰囲気が違っていたんだ。8月の終わりだったと思うけど、“Lords Of Summer”をデラックス盤に入れることにした。2枚組にしたのはマサの言うようにちょっとした間を与えるためというか、全く違うものだと捉えてもらえるかなと思ったんだ。2枚組なのでどのように聴いてもらってもいい。
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−1曲目の“Hardwired”は最後に作られた曲みたいなんですけど、とても短い曲ですね。何が足りなくてこの「Hardwired」をレコーディングしたんでしょう?

5月ぐらいだったと思うけど、曲順と曲のアレンジを考え始めたんだ。レコーディングしたものを週末に聴いて、ジェイムズとグレッグにこう言ったんだ。オープニング曲みたいなものがないと。それで曲を作ろうということになり、またここに集まりジェイムズと僕で2〜3日で曲を作ってレコーディングした。ロブとカークはいなかった。凄い早い作業で楽に出来上がってね。オープニング・ソング完成!っていう感じだった。それで作業的には終わりでアルバムはほぼ完成した。これは次のアルバムを作るのに前途有望だ。短い曲を早い作業で書き上げた。今までの作業としてはこの曲とこの曲とこの曲を書いて、そしてこの曲のこことこの曲のこれを合わせてと大がかりなパズルをやっているような感じだった。色々なアイディアがあって常に音楽をつぎはぎして変えていったけど、“Hardwired”はこれだけが独立した曲だった。最初から最後までこれだけに尽くし、脱線することなく集中して書いた。最初から自立した曲作りだった。この週はこの曲以外のことは何もやらなかった。そんなことをやったのは久しぶりだった。最後にいつそんなことをしたかなんてまったく覚えていない。“I Disapear”以来、あれは独立して書いたものだけどあまりあることではない。つまり3〜4ヶ月前の最後にこの曲作りをした。次のアルバムの将来が明るいよ。これから25年先もね。今から20年かもしれないけどそれでも充分だ。
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ラーズ・ウルリッヒのインタビューは、11月18日(金)にも続きが放送されます。

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