メタリカが2016年のレコードストアデイ大使に就任したとのこと。

metallica_recordstoreday

レコードストアデイとは、配信やECサイト、ディスカウントストアの出現によって身近な街の小さなレコードショップがなくなりつつある現状に対して、レコードショップのオーナーであったクリス・ブラウンが発案したもので「レコードショップに出向き、レコードを手にする面白さや音楽の楽しさを共有する」年に一度の祭典。メタリカが2008年4月19日にサンフランシスコのラスプーチン・ミュージックでインストアイベントを行ったことで公式にスタートしました。

recordstoreday.jpより

メタリカの各メンバーがレコードショップに対する思い出やレコードストアデイ大使となった意気込みを語ってくれています。


ラーズの絆創膏は、レコードショップを代表して戦った結果みたいなことを言っていましたが、本当のところはどうなんでしょうか(笑)

メタリカは、昨年(2015年)のレコードストアデイで、デビュー前のデモ・テープ『No Life 'Til Leather』のカセットを復刻し発売していました。そして先日お伝えした通り、今年のレコードストアデイとなる4月16日(土)には『Kill 'Em All』と『Ride The Lightning』のリマスター盤をリリースする予定です(公式発表では一日早い4月15日(金)となっていましたが)。レコードストアデイと言いつつ、もうAmazonでもそれぞれ予約が開始されていますが…

『Kill 'Em All』ボックスセット
http://amzn.to/1RfovTP
『Ride The Lightning』ボックスセット
http://amzn.to/20N3oej

『Kill 'Em All』リマスター盤CD
http://amzn.to/216h0GS
『Ride The Lightning』リマスター盤CD
http://amzn.to/216h21l

『Kill 'Em All』リマスター盤LP
http://amzn.to/1mZAbPJ
『Ride The Lightning』リマスター盤LP
http://amzn.to/1mZAhaa

このリマスター盤に加えて2015年11月13日に発生したパリ同時多発テロを悼み、パリのバタクラン劇場で2003年に行ったメタリカのライヴ音源を収めたCDをリリースするとのこと。(知っての通り、バタクラン劇場はパリ同時多発テロ現場のひとつで、イーグルス・オブ・デス・メタルのコンサート中に襲撃されて一番多くの犠牲者を出した場所です。)

トラックリストは以下の通り。

Liberte, Egalite, Fraternite, Metallica! - Live at Le Bataclan. Paris, France - June 11th, 2003

01. The Four Horsemen
02. Leper Messiah
03. No Remorse
04. Fade to Black
05. Frantic
06. Ride the Lightning
07. Blackened
08. Seek & Destroy
09. Damage, Inc.

Metallica.com(2016-02-23)

このCDの売上収益は全額、パリ同時多発テロの遺族支援団体の「Fondation de France’s Give For France」に寄付されるとのこと。英語ですが詳細についてはこちらから。
http://www.giveforfrance.org/en

最後にRecordStoreDay.comに寄せた、思い入れたっぷりのラーズ・ウルリッヒのコメントを管理人拙訳にてご紹介。

理由ははっきりわからないけど、ブリストル・ミュージック・センターのロック・コーナーが4階建ての店の地下にあったんだ。だけどそこを歩くことは究極の快感だったね。自分に何が起きるのを待っていたのか分からなかった。新たに見つけた逸品がスピーカーから鳴り響くのかなんて知る由もなかった。分かっていたのは、信じられないほど素晴らしいことが起きるってことだけだった。そんなことがいつも起きていたからね。可能性っていう可能性が無限大だったってことさ。駄菓子屋にいる子供のような・・・俺の場合はレコードショップにいる子供だったけどね。

70年代半ばから80年代初頭にかけて、デンマーク、コペンハーゲンにあるブリストル・ミュージック・センターのロック・コーナーは、学校と家族以外の俺の人生のなかで最も重要な部分であり、おそらくその両方を深く結びつけていた。父親は俺が物心ついた頃からあそこに連れて行き始めたんだ。そんな最初期の遠足は別世界に行くような感じがしていた。自分の父親は最もクールな男だと思って育ったよ。60年代の町一番の膨大なレコードコレクションが置いてある父親の音楽部屋ほどネクストレベルな場所なんてなかったからね。最上階にあったその音楽部屋に行くことは、実際にレコードショップに行くようなものだったんだ。ラックのなか、棚の上、家具の上、レコードプレイヤーの近くには一面に何千ものレコードが散らばっていた。チャーリー・パーカー、マイルス・デイヴィス、ジョン・コルトレーン、ドアーズ、ローリング・ストーンズ、ジャニス・ジョプリン・・・リストは無尽蔵さ。1973年にディープ・パープルを観るために父親に連れて行かれた後、次の日にはアルバム『Fireball』を買い求めていた。そして父親のコレクションに相応しい自分のコレクションを収集し始めたんだ。

ケンとオーレはブリストルのロック担当の責任者で、俺のヒーローだった。彼らがオススメしたものならすぐに持たなきゃダメなんだ。1979年にケンのアパートに招き入れられて、彼の個人コレクションをチェックしたのは、人生の中で最もエキサイティングなことのひとつだった。以上。80年代初頭にアメリカに引っ越した後、彼らはヨーロッパのハードロックに関する俺の生命線になった。毎月、彼らが送ってくれた荷物は、郵便箱に現れた最も元気が出て、人生を明るくする要因だった。レコードを聴いて、眺めて、想像に耽って、何か他の次元へと夢中になって何時間も座っていた。音楽が俺を包み込み、自分の想像できうる限り遠くまで連れて行ってくれたんだ。そしてジャケットね!レコードジャケットはバンドやミュージシャン、歌詞やイメージにこだわり続けさせてくれた。俺はどんなレコードを聴いたか、何回聴いたのか記録を付けていたよ。言い換えれば、俺は取りつかれていたんだ。来る日も来る日もレコードという宇宙で呼吸をして生きていたのさ。

少年よ!あの日々が愛おしいぜ!

時代は変わって、残念ながらレコードはほとんどの若者の生活の中で異なる役割になってきて、主にニッチな存在となっている。でも希望の兆しはある。俺の17歳の息子は2年前に誕生日にレコードプレイヤーが欲しいとせがんで、俺はそれから全力を尽くしてプレゼントとして着々と彼に名盤を供給しているんだ。そしてこの過程は、彼がディープ・パープルの『Machine Head』と『Made in Japan(邦題はライヴ・イン・ジャパン)』のレコード盤をクリスマスのお願い事リストに入れた時にクライマックスに達したよ(そして俺は目を潤ませてさえいた!)なんて日だ!結局、全てはうまくいくのかもしれないな・・・。

音楽がインターネットを通じてのみ、または巨大な空港サイズの店を通じてのみ購入可能となってしまったら、俺たちみたいなマニアがレコードの重要性に光をもたらし、出来得る限り(巨大系列店でない)レコードショップを支援し続けることが、かつてないほど重要になる(実際に不可欠なのだが)。もちろん、レコード盤が実際に返り咲いているのはいい知らせだ。でもそれは俺たちの栄誉とするには十分ではない。俺たちは一緒にずっと繋ぎ止めておかなきゃならないし、俺たちの能力を最大限に生かして、全ての屋上から俺たちの最大音量の声と共に叫び、子供たちを啓発し、旗を掲げ、ドラムを叩かなきゃならない(!)

音楽のために。

レコード盤のために。

独立系のレコードショップのために。

1日24時間、音楽で生きて呼吸をしているキミや俺みたいな人のために。

(後略)

ラーズ・ウルリッヒ

RecordStoreDay.com(2016-02-23)

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