'Tallica Japanの方ですでにメタリカ公式サイトリニューアルの件について詳しく書かれていますが、こちらでも後ほど書きます(汗)。先にカーク・ハメットのインタビューについてご紹介します。

カーク・ハメットがこのほど、HeavyMetalAbout.comのインタビューにて、自分で立ち上げた会社で作ったギターペダル(エフェクター)のこと、ホラー映画のこと、そして新譜の制作状況について語ってくれました。管理人拙訳にて。

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−ハロウィンまであと数日となりましたが、おそらくハメット家では一年で最大の休日イベントだと思いますがどうですか。

あぁそうだね。実際、子供たちは今夜ハロウィン・パーティーをやろうとしてる。仮装して友だちを連れて、キャンディーをもらおうと家々を廻るのにかなり忙しくなるよ。言い換えれば、ドレスアップする機会を待ってたんだ。だから子供たちは「ねぇお父さん、ハロウィン・パーティーを開いて、仮装した友だちみんなを招待してもいい?」って言ってたしね。俺と妻はこうさ。「あぁもちろん。やりたいようにしなさい。」だってここらじゃ一年365日ほとんどハロウィンみたいなもんだからね。

−数年前にデイヴ・カロンとKHDKエレクトロニクスを創設して、ギターペダルのビジネスに参入することにした経緯を教えてください。

デイヴについてはしばらく前から知っていたし、彼がランドール(Randall)にいた頃からの付き合いなんだ。俺たちは本当に意気投合してね。彼にはすごいアイデアがいっぱいあったし、音楽業界に対して良い直観を持っていたんだ。ある日、一緒にいた時に、俺は彼がランドールでもう働いていないことを嘆いていたら、向こうはこう言ったのさ。「もう一緒にやれないってわけじゃない。じゃあ一緒にペダルの会社を作っちゃおう。」ってね。俺は彼を見て「是非そうしよう。」って言ったよ。それが根本的なきっかけなんだ。でも深くのめり込んでいくと、基本的に俺たちがやろうとしていることは、今まで見たこともないような、新しくて、これまでと違ったユニークなペダルを世に出そうってことになる。

完全にやりすぎた俺たちの最初のペダルは、俺が15年前にフランスのどこかで買った、それまでに見たこともないような無名のペダルを元にしたディストーション・ペダルだった。それはバラバラに壊れてしまって、「デイヴ、このペダルをリメイクして改良しようぜ。」って俺は言ったんだ。彼は徹底的に調べて、彼のエンジニアにそれを渡した。解析してみて、機能を追加して、さらに頑丈にして、より長持ちする、より良い音のものを創り上げたんだ。それが俺たちの最初のディストーション・ペダルだったんだ。

そして俺は彼に言ったんだ。ここ数年間ずっとレコーディングに使っていたけど、この【Tube Screamer】は最高だ。ツアーにも持っていくけど、時折ふとこれを見て思うんだ。「まだ何か足りない。」とね。この小さな箱にあと3つ、つまみがあったら良いと思う。それが素晴らしいサウンドを生み出してくれる。暖かいトーンの音を出したいギタリストにとってはスタンダードなものになる。でも俺はそれじゃ物足りないんだ。だから俺はデイヴに「デイヴ、ステロイド入り【Tube Screamer】を作ろう」って言ったのさ。


数ヶ月後に【Ghoul Screamer】の試作品が出来た。それから数回の変更を加えて、もうひとつの試作品が出来上がった。今キミが見ているそれが、その【Ghoul Screamer】なんだ。俺にとって、素晴らしいことなんだよ。なぜならデイヴと彼のクルーの力を借りて、自分の手で出かけて築き上げたとはいえ、長いあいだ自分が追い求めていたものをついに手にすることができたからね。

自分のために作って、他のミュージシャンがこれを見た途端、口々に「そうなんだよ!俺もこういうのが欲しかったんだよ!」ってなるのがわかって本当にとても誇りに思うよ。このペダルがいかに役に立って、いかに機能的で、どれだけの先達のペダルに対して改善をもたらしたかがわかった。俺にとって世界で最も素晴らしいペダルのひとつになったんだ。


−他の機材に手を広げる予定はありますか?それともペダルにこだわっていくつもりですか?

俺たちはペダルにこだわっていくつもりだよ。棚に平積みになるような機材はやらないつもりだ。突然アンプやら何やらを作ろうとしたりするつもりはない。本当に俺たちにとっての動機は、ただペダルを作れるようになることだったわけだから。それもペダルボードに入るだけ小さくて、10年前とか15年前には不可能だった最大の結果をもたらすペダルをね。技術と電気回路とトランジスタとソフトウェアがこれまでより大きなことを小さなもので可能にしたんだ。

ペダルに対して俺たちが持っている数個のアイデアを可能にした技術っていうのは、俺にとっては本当に必要とされていたし、本当にうっとりさせるし、本当に刺激的なんだ。こういうことをキミたちに話せることも嬉しいけど、誰かに先を越されるんじゃないかと、とてもヒヤヒヤしていたよ。わかるだろ?


−1回目2回目と成功したことで、FearFestEvilは来春開催されるのでしょうか?

俺たちはどうにかしようとしているけど、実際KVH(訳注:ホラー世界の分身、Kirk von Hammettの意)の世界ではたくさんの計画がある。言わなきゃならないことは全て投稿していくよ。来年に向けたアイデアをいろいろ出し合っている最中なんだ。なかにはとても楽しみなこともある。あぁすごいよ。ホラー野郎としてもメタル野郎としても、同じものに興味を持ってる人たちに会うのが大好きなんだ。それが俺が心を通わせる人たちなんだ。

−数年前に『Too Much Horror Business』という本を出しました。この本が出てからあなたのコレクションに加わった大きな、もしくは注目すべき作品は何ですか?

too_much_horror_businessすごいのを手に入れたよ。「Nebularium」っていうものなんだ。1931年にボシュロム社で作られた2×3フィートの丸いものでね。丸い鏡なんだけど、最初の3つのフランケンシュタインの映画を観たら、実験室や実験室のシーンの一部にあるものなんだ。どうにかみつけて手に入れることができた。それは最初の3つのフランケンシュタインの映画だけじゃなくて、『The Mask of Fu Manchu(邦題:成吉思汗の仮面)』でも『Abbott and Costello Meet Frankenstein(邦題:凸凹フランケンシュタインの巻)』でも使われているんだ。『Young Frankenstein(邦題:ヤング・フランケンシュタイン)』や『The Man With Two Brains(邦題:2つの頭脳を持つ男)』でもね。こういった全ての映画で使われているんだ。

すごいことだよ。それをどうにか手にできた。コレクションに加わって本当に興奮しているよ。長年、最初の3つのフランケンシュタインの映画に出てくる実験室の機器をちょっとずつ集めてきていたからね。それがまだ存在していたんだ。他のコレクターたちのあいだに全部散ばっていて、長年に渡って俺が実際に実験室のシーンの一部を再現するのに充分なパーツを入手することを期待してゆっくり集めていたのさ。それは長期的な目標のひとつだし、成功するかは現時点ではわからないけどね。それは俺が入手した最高にクールなパーツのひとつなんだ。2冊目の本に掲載するつもりだけど、いくつか映画のポスターも入手してきた。やりたいことは2冊目の本のためだけにやってることだね。

−あなたは以前、ヘヴィメタルとホラーが結びつくことについて口にしていました。様々なレベルの成功によって、その2つを結び付けようとしている映画があると思います。お気に入りのヘヴィメタル・ホラー映画はありますか?

『Trick or Treat(邦題:ブライアン・シンガーのトリック・オア・トリート)』はいつも出てくるひとつだね。なぜかって?俺のお気に入りのホラー映画は『Phantom of the Paradise(邦題:ファントム・オブ・パラダイス)』の音楽が使われているんだ。キミが俺に尋ねているリストに入ってるか知らないけど、あの映画は大好きだね。俺はファントムのマスクが大好きなんだ。オートバイのヘルメット型のマスクが超クールなんだよ。たくさんのホラーメタル映画が出てきているけど、かなりいい線はいってるけど、どれもそこまで真剣にハマってないかな。

もっと真剣にさせてくれるものが、最初のものになるかもしれない。そしたらもう少し信じられるかも。ホラー映画とヘヴィメタルについて話す時に使うには変な言葉かもしれないけどね。より真剣にさせてくれるものなんだと思う。


−それでは次の経歴ではホラー映画制作にまで手を広げていくかもしれませんね?

間違いなくホラー映画は作りたいよ。それに見合うための誰かを探してこなきゃいけないけど。メタリカとして『Some Kind of Monster(邦題:メタリカ 真実の瞬間)』『Metallica Through The Never(邦題:メタリカ・スルー・ザ・ネヴァー)』を通じて、映画は金がかかるってことを学んできた。これまで足を踏み入れたなかで一番金がかかったのは映画制作だと思うよ。幾度となく人々が映画のために他の人たちを見つけてくるのは、映画がクソ高いからなんだよ。

他の誰かが支払ってくれさえすれば映画を作りたいね。また他の映画を撮るだけの資金を調達なんてしたくないよ。俺たちはすでに2つの映画に融資してきた。俺はその裏表、浮き沈み、良い点悪い点を知らなかった。(もし映画を撮るなら)映画に投資していて、融資してくれる投資家を探すためにハリウッドに行くだろうね。それに俺が撮りたい映画の種類は時代物にしたい。それから(制作費は)おそらく2000万から2500万ドル以上になる。専門家と大物に支払うための金額だね。


−メタリカはキャリア的に言えば、新しいアルバムを作る必要のないところまで来ています。したい時にしたいようにできる。アーティストとしてそれをどう感じますか?

その通りだ。最も快適でいられるペースで仕事をしたいといつも思っている。最後にアルバムを出してから7年、8年だっけ?俺にとってはそんな感じしないけど、そのことはわかってはいるよ。俺たちが出した最初の3枚のアルバムは最初の3年で出されたものだ。どういうわけか今じゃそれにはビックリしてしまう。振り返れば、みんなやってきたことだったんだ。新しい年に新しいアルバムとツアーという具合に。

ひとつ前の世代でさえ、半年ごとに新しいアルバムとツアーだったからね。だからそういったことを言えば、アルバムの間で7年8年経っているのは、かなりの時間だ。でも俺たちは他のことでその時間を埋めてきた。映画制作であったり、ルー・リードとのアルバム制作だったり、かなり定期的なツアーに行ったりしてね。

ただ言わせて欲しいのは、俺たち自身のペースでアルバムを出すことが出来るこの状態に感謝している。なぜなら【メタリカ時間】を要する他のたくさんのことは(アルバム制作ほど)同じだけ重要なものじゃないかもしれないけど、意味があって関係するものだから。

だから、キミの質問の答えとしては、まぁ、自分たちのペースで仕事ができるということ、父親、夫としていられることは素晴らしいということと、そういうことをした後で他の全てのことができるってことだ。俺たちには楽曲はあるし、それをレコーディングしている。いい兆候だよ。


−今年の初めにレコード・ストア・デイに『No Life 'Til Leather』のカセット版を再販しました。CDバージョンを出すつもりだとその時点で言っていたはずですが、いつになるか知っていますか?

俺はそのタイムスケジュールは見ていないけど、2015年にカセットを出せたってことは気に入ってるよ。どれだけの人がそんなことをやったんだい?

HeavyMetalAbout.com(2015-10-27)

『No Life 'Til Leather』のCD版もそうですが、今年中に出すといっていた『Kill 'Em All』、『Ride The Lightning』のリマスター盤も出ずじまいのメタリカ^^;

果たしてクリスマス休暇より前にリリースは叶うのでしょうか。

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