管理人多忙につき、更新が遅れてしまいました。
まずはYahooニュースにもなったメタリカのデビュー前のデモ・テープ『No Life 'til Leather』の復刻版リリースの報から。

Metallica.comの公式発表をRO69さんから一部引用してご紹介。

「1982年に俺たちは7曲のレコーディングを行い、これが俺たちにとって『No Life 'til Leather』という最初の名刺代わりの挨拶状となって、俺たちにとって初のレコード契約を引っ張ってきてくれたんだ。その後は、みんなの一部は知っているだろうけど、歴史の通りさ!」

「4月18日のレコード・ストア・デイにはこのデモ・テープが限定カセット・テープとして(そう、カセットだよー!!)お近くのレコード店かMetallica.comでリリースされるよ」

「ちなみに俺たちは昔の音源を漁ってオリジナルの音源を探し出して2015年に向けて音を最大限にまでリマスタリングしたけど、ミックスはオリジナルと少しも変わってないから」

「当時ライヴではメタリカとして知られていたオリジナル・ラインナップでレコーディングされたこの『No Life 'til Leather』はこれまで公式に発売されたことはないんだ。今年の夏にはさらに拡大盤をCD、アナログ、そしてコレクターズ・エディションとしてリリースする予定だから」

「この思い出旅行をみんなにも一緒に楽しんでもらって、世界中の自営レコード店を支援する活動に参加していただければとっても嬉しいです」

NoLife

Ro69(2015-03-05)
Metallica.com(2015-03-02)

今年(2015年)は『Kill 'Em All』と『Ride The Lightning』のリマスターのリリース、そして来年(2016年)にはリリース30周年を迎える3rdアルバム『Master of Puppets』に関する特別本を出すことをすでに発表しているので、その先陣を切るリリースということになりそうです。

『No Life 'til Leather』といえばご存知の通り、メガデスとして活躍するデイヴ・ムステインを含む以下のバンド編成時の音源。

ジェイムズ・ヘットフィールド(vo, g)
ラーズ・ウルリッヒ(dr)
デイヴ・ムステイン(g)
ロン・マクガヴニー(b)

トラックリストは以下の通り。

Hit The Lights
The Mechanix
Motorbreath
Seek & Destroy
Metal Militia
Jump In The Fire
Phantom Lord

今回の復刻版もメタリカ自身のレーベル「Blackened Recordings」からのリリース。この発表にあわせてRollingStoneでラーズ・ウルリッヒがインタビューに答えています。本文長すぎのため、カットしても長いラーズのコメント中心に抜粋して管理人拙訳にてご紹介。

ラーズ・ウルリッヒによると、バンドはリイシューのためにオリジナル・テープのミックスそのままに「昔のままの無垢な状態、そして思春期をほとんど抜け切れていない4人のガキがロックして、自分たちのやりたいようにやった、境界線なんて知らない」ものを示すということだ。アートワークはラーズ所有のテープからコピーされ、このデンマーク人ドラマーの手書きを特徴とするものになる。

「次のレベルのリイシューを行って、バンドのカタログでどんちゃん騒ぎする時が俺たちにも来たんだ。他のみんな、U2やレッド・ツェッペリン、オアシスがやってきたようにね。ただ俺たちは1983年の『Kill 'Em All』から始めるんじゃなくて、さらに2年前、バンドが結成された1981年まで遡ってみようと思ったんだ。」

このカセットをCDやLPバージョンまで広げることについて、ラーズは「『No Life 'Til Leather』時代には(カセットだったけど)ね。でもカセットに限定する必要性はなかったんだ。」と答えている。バンドがこの時代に出した4曲から成る『Power Metal』(訳注:メタリカ初のデモ・テープ)のような他のデモ・テープは含まれるのかと尋ねられると、ラーズは辛抱強く待つことをお願いし、「段ボール箱とテープ保管庫にたくさんあるイイもの」からふるいにかけていると語った。

数ヶ月以内には「俺たちがどれだけすばやくまわせるかによるけど」グループはリイシューの「大きなパッケージ」を発表する予定とのこと。「昨日は、別のテープをみつけて(エンジニアの)グレッグ・フィデルマンに手渡したんだ。そのB面にはまだあるとは思ってなかったクレイジーなものが入っていたよ。」ラーズはさらに「全てがやってくる。最善を尽くすよ。」と言う。

しかし最も自然なスタート地点はカセットの『No Life 'Til Leather』だった。「これ(『No Life 'Til Leather』)は俺たちが制作して配布された2番目のデモ・テープだった。俺は自分の寝室でカセットのラベルに内容を書いて、郵便局まで行っては、世界中の全テープ・コレクターに発送したんだ。あれから20、30年経って、このテープは今や『Kill 'Em All』以前のメタリカの代名詞となっているんだよ。」

必要に応じて学業を行い、朝の4時から6時の間は2つのルートでロサンゼルスタイムズ紙を配達し、バンドに身を捧げた。「残りの時間はハンティントンビーチまで車を運転してムステインをひろって、ヘットフィールドがいたノーウォークのロンの家まで行って、それからそこでただ演奏したり、曲を書いたり、ダラダラしたり、ビールを飲んだり、そしてメタルのレコードを聴いたりしていたんだ。ガレージの隣にはデンマーク育ちの俺は使ったこともないような、アメリカン・スタイルのTVを観るための本当に大きな椅子が一組置いてある私室があったんだよ。」

「くだらないビールや最高のピーチ・シュナップスとか変わったシュナップス(訳注:アルコール度40度以上の飲みすぎ危険なジャガイモ・穀類・果物から作られる蒸留酒)とかリキュールをたくさん飲んでいたんだ。ギグをやって、LAあたりのバンドを観て、俺たちはああいったものには属さない、アイアン・メイデンのTシャツを着た、のけ者やはみ出し者のように感じた。ほとんど第2級市民みたいなものさ。でも俺たちがやっていることに結束があったし、楽しかったんだ。俺たち全員同じように、はみ出し者で一匹狼でメタルファンだったのさ。そういったものの中に力があったんだ。」

−(後にメタリカの「The Four Horsemen」となった)「The Mechanix」を書き、「Jump In The Fire」のアイデアを持ち寄ったデイヴ・ムステインについて

「デイヴはエネルギーの塊だった。」とラーズは語る。「ハリケーンのように魅力と美貌を俺たちの世界に渦巻いてやってきた。ステージのバックラインのごとく素晴らしい装置一式を持っていたし、ローディーもいたんだ。あいつは全てを持っていた。何曲かの骨組みや設計図も持っていた。俺たちはそれらを微調整した。そういったものを『メタリカ化』したんだ。」

「「The Mechanix」の歌詞は文字どおり−何の判別もなくこれについて言うなら−ガソリンスタンドでの行きずりセックスについてだった。全てが性的トーンを帯びた婉曲表現になっていた。特別悪い歌詞ではなかったけど、当時アメリカにいたHR/HMのほとんどと同じもの(訳注:セックス・ドラッグ・ロックンロール)に類するものだったんだ。その後の1、2年に渡って、俺たちは少しダークな方向に行きたかったし、イギリスで起きていたこと(訳注:NWOBHM)にロックオンしていたから、歌詞を違う方向にすると決めたんだ。」(ムステインは後に「Mechanix」を自分が書いたようにレコーディングし、メガデスの1985年のデビューアルバム『Killing Is My Business...and Business Is Good!』に収録した。)

ラーズは『No Life 'Til Leather』を50から100本ほどのコピーを作成し送ったと証言する。その後、テープを受け取った人たちがコピーをその友人に送ったのだ。「特に目標を設定したわけじゃないから覚えてないけど、当時の意志はレコード契約だと思うこととしよう。」ラーズはそう言って笑う。「俺たちはいつも楽しいと思ってきたし、何年にも渡る一匹狼時代の後、何かに属していると感じるようになった。遊び仲間のグループに入って、音楽を演奏し、楽しんで、24時間365日HR/HMに生きて呼吸をしているってね。俺たちはすぐに気づいたよ、当時のハリウッドで起きていたようなことと俺たちは真逆なんだとね。」

グループがサンフランシスコに移住した正確な日付を引用して、ラーズは当時のバンドの主な目標は「LAからとっとと出ていくこと」だったと語る。結局、そのデモ・テープはジョニーZという名の男がオーナーをつとめる音楽店のある東海岸まで辿りつき、メガフォース・レーベルとサインして『Kill 'Em All』を出すこととなった。

グループは、拡張版として出すものをみつけるためにメタリカ活動初期の頃の友人数人と連絡を取ってきた。「昔ながらの私立探偵」を雇ってまで無くなったテープの在り処を探している。「1982年のメタリカのものは全部、自分のベッドの下に持っているというヤツを知っている人と昨日話してきた。」

ラーズはグループが発見したサウンドに最も強い衝撃を受けた。とりわけ次のアルバムに取り組んでいるこんな時には。「そのサウンドはクソ無邪気でとても本能的に聴こえるんだ。ここで新しい曲を書いてプリプロダクションに近づこうとしている今の時点では、ジェイムズ・ヘットフィールドは曲をイイものにする34ものやり方でもって弾くだろう。そして俺はただそこにいて頭をエクソシストに出てくるリンダ・ブレアみたいにぶん回すんだ。なぜなら、それらは全て素晴らしいし、ある時点でひとつに絞るからね。」

「『No Life 'Til Leather』のものは、ある日の午後に全部一緒に作ったような、努力を要していないサウンドに聴こえる。51年人類として生きてきてから聴いてみるとこうさ。「おいおい俺はこれを取り戻すために(訳注:あの当時のように強いお酒をたくさん)飲まなきゃならないのか?何にも考えずに弾いているただの4人のガキじゃないか。」とね。」

RollingStone(2015-03-02)

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