ジェイムズ・ヘットフィールドが何かの責任を負うことへの恐怖、承認欲求の怖さとその克服について、ミュージシャンの人生経験をシェアするというYouTubeアカウントRoadRecoveryのインタビューで明かしています。BLABBERMOUTH.NETさんがインタビュー動画のジェイムズのコメントを文字起こししてくれたので、管理人拙訳にてご紹介。

jameshetfield_fear

−責任を負うことへの怖さについて

自分の人生全てにおいて責任を負うことが怖かった・・・自分自身で責任を負いたくなかったんだ。学校に通ってた子供の頃を思い出すよ・・・。才能ある子どものためのサマースクールがあって・・・そう、俺もおかしいなと思った。才能があったんだ・・・そうさ!(笑)それでキミにも才能があってサマースクールに行くとする。ちょっと待って!キミも才能あるな。キミはサマースクールに行く必要はない。でも才能ある子供のためにサマースクールに行く。OK。それは映画についての授業だった。小学校でね。映画に参加したんだ。こんな感じでね。「これから映画を作ってもらいます。OK、グループに入って、アイデアとやりたいことを出し合って。」それで俺は「あぁわかった。」と言って、グループに入ってそれから「これはどうする?」と全てのアイデアを出した。それからグループで「OK、じゃあこのグループを率いて、責任のある、グループのリーダーを選ぼう。」ってなって俺は尻込みしたよ。怖かったね。グループのみんなは「じゃあ、キミがリーダーだ。キミはアイデアを全部出してくれたんだから。」って言うから、俺は「No No No」ってなったよ。それですっかり・・・すっぽかしたよ。責任が怖かったからすっぽかしたんだ。失敗の恐怖かもしれない。やっていることを知らないってことが怖かったんだ。

俺にとってそういったようなことは、折りに触れて回復している。何かの責任を負うとか、自分から立ち上がってそんな風に光を浴びさせてもらうっていう怖さとはね。

俺には別の恐怖がある。50歳になったということだ。俺は全てを知っていると思われる。落ち着いているロールモデルであり、あらゆることを誰にでも教えると思われてしまうということだ。自分でロールモデルだと思ったら、どうするよ!?それはロールモデルじゃないんだ。もしロールモデルになろうと頑張ったら、それも違う。ありのままで、自分のベストになっているか?そこから、誰かにとってのロールモデルになるのかもしれないね。




BLABBERMOUTH.NETより(2014-12-09)

−承認欲求について

自分にとって恐ろしいものだった。俺がかつて持っていて、子供の頃に学んだ生き残るテクニックとして機能していた。(でも)もうそんなことはない。新しいツールを手に入れたし、新しい希望、新しい愛、新しい自尊心がある。そして自分のことを認めてもらっている。

自分の人生におけるもうひとつのおもしろいところだね。街で一番シャイな子供に育って、手渡されたんだよ、つまり、音楽の才能も人に認めてもらうということも・・・。俺は全人生において人から認めてもらうということを追い求めてきた。どこにいても探していた。人に喜んでもらいたい、自分のことを好きになって欲しい、とね。でも自分を好きになってもらおうと人を楽しませていると、自分が自分じゃなくなっていくんだ。それは今まで自分がやったドラッグのなかで一番すごいヤツのようだった。本当に自分を台無しにしてしまう。

俺はじっと座って自分の話、もがき苦しみ、立ち直りの教訓を述べることができる。それを歌詞の中に入れてきた。ステージの上に立つ時は俺たちがやってること−メタリカ−だったり、俺が書いてきた歌詞だったりを好きだとシェアしてくれるみんながそこにいる。でも、承認欲求に苦しんできた時期があった。ステージに立ってこう考えるんだ。「俺はクソ野郎だ。いい気分だ、俺はキング・クソ野郎だからな。」そうしてツアーを終えて家に帰る。俺にはそういうものはなくなる。ただの自分で、ただの父親で、ただの夫だ。そこには山のようにたくさんの皿が待っている。それで「俺が誰だか知ってる?」と聞くと「えぇ私の夫よ。さっさと済ませて、お皿洗って。」とか「私のお父さんよ。学校まで車で送って。」みたいな答えが返ってくる。時おり家族から認めてもらうことが一番難しくなることもある。俺は何かをしなくちゃいけないわけじゃない。でも、ただありのまま・・・ただの自分のままでそこにいなければいけない。それが無条件の愛なんだ。




BLABBERMOUTH.NETより(2015-02-05)


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