メタリカ本体とは離れたラーズ・ウルリッヒの活動。ラーズの故郷デンマークにある名店ノーマ(NOMA)のオーナーシェフ、レネ・レゼピが書いた「A Work in Progress: Journal, Recipes And Snapshots」という3冊本の序文をラーズ・ウルリッヒが執筆したとのこと。

ノーマはレストランBEST50に2位として取り上げられるほどの名店。(写真右の方がレネ・レゼピ氏。)
noma
http://www.theworlds50best.com/list/1-50-winners/noma/


そんなお店のオーナーシェフの著書序文を任せられたラーズ。どういったオファーとして受けたのかを含めて書いてくれているので管理人拙訳にてご紹介。

恐れない(unafraid)。

俺はこの言葉が大好きだ。この言葉が長いあいだ俺の心の奥底にあった。この言葉を使う適切なタイミングを待った。この言葉を付けるのにふさわしいプロジェクトを待った。

この言葉が食べ物についての本に使われるとは全く想像しなかった。だが今、使われている。しかしまた、これは食べ物のことだけが書かれた本じゃない。

再び使おう。恐れない。これで使ったのは2度目だ。良い。響きも良いね。実に力強い言葉だ。

以前、メインイベント前に1〜2ページ埋めるのに前書きか何かを寄せてくれないかと頼まれたとき、まず思い浮かべたのは1人の人物、またはその人と密接に関連する一連の作品だった。レネがこの序文を書いてくれるよう連絡をくれたとき、俺に創造力について書くよう頼んできたんだ。食べ物についても、ノーマについても、レネ自身についても、あるいはこれらを混ぜこぜにしたものについてでもなくね。レネは俺に次の質問に対する熟考を求めていたのさ。つまり「創造力とは何か?」を。

俺は長年に渡って多くの創造的な何がしに参加するよう誘われてきたが、一語(創造力)についてのエッセーを書くよう誘われたことはなかった。恐れない(unafraid)ってのはいいスタートだ・・・。

創造力は、自分が知っていることを受け入れるのと同じくらい、自分が知らないことを探求することだ。基礎知識だけで身を固めて、自分の無知ぶりにさまよい込む勇気を持つことは、本当の創造力への強力な一歩となる。本当にそうやって何かを作るとき、これまでやってきた結果と同じくらい、これまで知らないような結果が出る。

俺はこれまでだいぶ、音楽周りでグルグルと廻ってきた。そのなかでやってきたこと全てはむしろスローガンのように聞こえる。実際、そういったスローガンでとてもクールなバンパーステッカーができそうだ。

「もっと深く掘ろうぜ」ってね。

レネはユニークなクリエーターのとても小さなグループに属している。自身の特別なニッチ分野を変えた人たちが世の中を完全にひっくり返してきた。再発明され、再定義されてきた。

恐れない人々。

パブロ・ピカソ、ジャクソン・ポロック、チャーリー・パーカー、ベートーベン、ビートルズ、セシル・B・デミル、フランシス・フォード・コッポラ、クエンティン・タランティーノ、ジャック・ケルアック、ジェイムズ・ジョイス、ハンター・S・トンプソン、スティーブ・ジョブズ、スティーヴン・ホーキング、マーロン・ブランドと、誰がこのリストを作るかによってもっと先のあるリストだが・・・誰のリストであろうと、あるいは、どれだけ長いリストであろうと、レネ・レゼピはそういうリストや、そういう会社、本当の先駆者に「属している」。過去10年のあいだ食べ物という世界のなかで彼がやってきたことがゆえに。レネは恐れない。そして俺達は皆、彼が大胆不敵に創り続ける結果の恩恵を感謝し享受している。


Phaidon(2013-11-07)

車のバンパーステッカーに「もっと深く掘ろうぜ」とはシャレが効いてます(笑)ラーズがメタリカの活動に対して語るインタビューと同じものを感じさせる序文でした。

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