
メタリカの新譜に関するロバート・トゥルージロのインタビューを中心に3つの記事を一気にご紹介(いずれも管理人拙訳にて)。まずはVH1 Radio Networkでのインタビュー。
−新譜制作プロセスについて
ロバート・トゥルージロ
基本的にはジャムっているわけだけど、もう長い期間に渡ってそうしてきている。ツアーに行くときはセッション部屋を設けているし、スタジオでもって、どんな些細なリフやアイデアやコードのパターン、進行、ドラムやベースラインでも、俺たちが持っているあらゆるものが録音され、保管されている。それから俺たちは取捨選択のプロセスに入っているんだ。
−新譜制作中のリフについて
ロバート・トゥルージロ
ジェイムズ・ヘットフィールドは、1000ものリフを持っていて、どれも素晴らしい。彼が生み出す最悪のリフが他のバンドのベストのリフってくらいにね。だから俺たちは恵まれているよ・・・。この恩恵は元凶でもある。何を捨てるべきか決めるのが難しいってくらい、たくさんのクールなアイデアがあるからね。少なくとも俺にとって、俺の立場からするとね。俺が毎回のように「おぉ、それはいいリフだな!」って言うと、ジェイムズが「いや、俺は好きじゃないな」って感じなんだ。分かる?でもそれからまた2週間くらい経ったら、彼はそのリフを好きになっているかもしれない。でもある種の取捨選択のプロセスなんだ。それが俺たちがやってきていることだよ。
−取捨選択のプロセスについて
ロバート・トゥルージロ
それに伴うのは、アイデアを聴くことだったり、スタジオやセッション部屋に入ってそのアイデアを試してみることだったりする。そのアイデアを試すのに1分かかるかもしれないし、もっとかかるかもしれない。時おり、フルアレンジまでたどり着いてから、それを脇に置いて、8ヶ月後ぐらいにどれだけ(アイデアとして長い時間)持ちこたえているか知るために再検討するんだ。それから基本的には15曲かもうちょっとくらいのベストなアイデアになるまで絞り込んでいくんだ。
BLABBERMOUTH.NET(2013-05-31)
ジェイムズの手持ちのリフが1000を超えてました(笑)そして鶴次郎さん、ジェイムズの生み出すリフにベタぼれ状態の模様です(笑)
続いては、新譜のプロデューサーについて語った南アフリカの「Muse」誌のインタビューから抜粋。
Muse
南アフリカで南アフリカ出身のプロデューサーとレコーディングをすることに興味をもったことはないですか?
ロバート・トゥルージロ
それは(ブラック・クロウズ、アイアン・メイデン、ドリーム・シアターとの仕事で知られる)ケビン・シャーレーのことかな?(ニヤリ)
Muse
ひょっとしたらと。(AC/DC、デフ・レパード、ブライアン・アダムス、マイケル・ボルトン、シャナイア・トゥエインなどと手広くプロデュースを行った)マット・ラングはすぐには空かないでしょうから(笑)
ロバート・トゥルージロ(空くまでレコーディングを)続けられると思うよ・・・たぶん(笑)今は素晴らしいリフ、潜在的な曲やアイデアに集中している段階なんだ。そういったもの全てから一休みして南アフリカに来れたことは素晴らしいよ。8月にはアジア(サマソニでの来日とソウル公演)に行く予定なんだ。エキサイティングだね。10月には南米(リオ公演)に行く予定だよ・・・。重要なことから順番に、(まず)曲のための青写真を描き始めなければならない。そしてそれが出来る限り最高のものだと確信しないとね。それから、どのプロデューサーが起用可能か理解しないと。前回、リック・ルービンと素晴らしいアルバム(『Death Magnetic』)を制作した。依然として(リック・ルービンを起用する)可能性が高い。もちろん、そうなる保証は今は何もない。でも、メタリカに何かをもたらす素晴らしいプロデューサーがいれば、その人を調査することになるだろうね。
Muse(2013-05-30)
インタビューでも8月の予定を触れるようになって日本での公演が近づいてきたことを感じさせてくれますね。新譜のプロデューサーは前回と同じリック・ルービンでいくものだと思っていましたが、可能性は高いにしても今の段階では白紙状態のようです。
最後は、デトロイトでのOrionフェスが近づいてきたということで「Detroit Free Press」でのインタビューから抜粋。
−メタリカはファンの信頼を持ちえているか
ロバート・トゥルージロYesでありNoでもある。間違いなく、ルー・リードとの体験(『Lulu』)に対するレビューは賛否が混在していた。あれは驚くべき芸術的な声明だと考えている人もいた。多くのメタリカファンはあれをクソだと思った(笑)チャンスだったんだよ、流れに身を委ねるね。俺たちはただ素晴らしい時間を過ごそうとするだけなんだ。それが一番重要なことなんだ。「創造的であれ」ってね。うまくいくときもあれば、そうでないときもある。
それこそがこのバンドを特別なものにしているんだ。メタリカがオーケストラに参加して一緒に演奏して、ルー・リードのような人物とコラボして、実際に未知の領域でちょっと即興をやったという事実がね。
今、現役として活躍し続けるのにそれが重要なことなんだ。特に俺たちにとってはね。俺たちはたくさんのものから影響を受けている。俺たちは挑戦するのが好きなんだ。お金のために必要な仕事もあるけど・・・。
俺たちは音楽によって感じた情熱を届けるためにいるんだ。ギターを手にしたら、また子供に戻る。それが他の多くのバンドと違うところだね。歳を取れば取るほど、こんな風に音楽とつながっていられる。俺たちはたくさんのリフを考え出した。問題は、1曲で全部を採用しようとすることだね(笑)まぁ嬉しい悲鳴ってところさ。
今は新譜制作になかなか集中できないでいるんだ。他にもやることがわんさかあるからね。
Detroit Free Press(2013-06-02)
自分たちが出したものへの酷評に対して笑い飛ばせる度量のでかさは見習いたい。。加入から10年。鶴次郎単体でのメディア露出の増え方はメンバーとの信頼度と比例しているということなのかな。
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コメント
私にとってメタリカは人生のサウンドトラックです
いつも楽しく拝見させていただいてます!
これからも素敵な記事を期待しています!
Orionの一日目で、鶴次郎はまさにそのInfectious Groovesとして出演しますからね。楽しみです!
>HIDEKIさん
ありがとうございます。
精進します!
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