南アフリカのケープタウン公演を終えたメタリカ。こちらでも公演前のインタビュー記事が上がってきました。ロバート・トゥルージロのインタビューを管理人拙訳にて。

robert_trujillo
−世の中には、メタリカが世界で一番偉大なバンドだと感じている人たちがいます。あなたは世界で一番偉大なバンドでプレイしていると感じますか?

ロバート・トゥルージロ
うん、まぁ、そんな感じかな。俺はそんな大層な感じでものを見たくないんだ。全てに地に足をつけて、流れに身をまかせてやってきたからね。俺たちという存在がどうであろうと、謙虚のままでいることだよ。でも、人々がそんな風に考えるのはとてもとても素晴らしいことだ。なんで人々がそんな風に考えてくれるのか俺はわかっている。俺たちは特別なバンドだから。なぜなら俺たちは深く関わりあってきたからね。俺はそれに感謝しているし、そういう状態が好きだ。それについて考えると恥ずかしくなっちゃうね。「あぁ神様、俺をもうちょっと居心地悪くしてくれ」って感じさ(笑)

自分がメタリカでいることは信じられないよ。知ってのとおり、彼らは俺のヒーローだからね。俺たちはチームであり、ファミリーだ。そして、このチームの一員でいられることに感謝しているよ。

−今夜のパフォーマンス(訳注:ケープタウン公演)では何かサプライズを用意していますか?

ロバート・トゥルージロ
最後にココに来たのが、6年かそれ以上も前かもしれないとは思わなかったよ。俺たちはいまさらに良く、さらに強く、さらに多くの曲をレパートリーに入れられるバンドになった。最後にココに来たときは、まだ『Death Magnetic』は出されていなかった。まだ曲を書いている最中だったんだ。この数年、これらの曲から数曲プレイするようになって俺たちは大きな成功を収めてきた。前回やらなかった新しい曲をいくつか、この(ケープタウンで行われる)2公演でやるつもりだよ。セットリストに混ぜられるようになったしね。会場が以前と違って、少しタイトでインドアなんだよね。だから、俺たちを興奮させる要素がたくさんあるね。

−多くのバンドがワールド・ツアーを行うと、アフリカは完全に素通りされてしまいます。なぜここでやろうと決めたんでしょうか?

俺たちはいつも、強力なファン層がいると知った場所には行こうとしている。ココに行き着くのは難しいよ、ちょっと人里から離れているし。ココの人たちはメタルファンの小部隊を備えているかもしれないってくらい様々だね。分かるよね。だから俺たちのことを本当に望んでいるファンが(およそメタリカが来ることはないだろうという)ろくでもない状況になっているということが却って、俺たちがココに来てライヴをしたいという欲求を強くするんだ。でも、俺たちのプロダクションは大きいからいろいろややこしいよね。知ってのとおり高くつくし。簡単じゃない。それでも俺たちはこうしてココにいるし、素晴らしい時間を過ごすつもりさ。願わくば、また戻ってこれたらと思っているよ。

−2012年の「Rolling Stone」誌のインタビューで、あなたはメタリカに長年いたとしても、自分はバンドの新入りのような感じがすると言っていました。(加入後)10年となった今でさえも、同じように感じると思いますか?

ロバート・トゥルージロ
いつも新入りって感じさ。バンドは30年近く続いていて、俺はほんの10年しかいないんだから。素晴らしいことは、前回ココに来たときから俺たちは一緒にアルバムを制作して、創造的な点で、俺はバンドにより繋がっていったところにある。特にラーズとジェイムズとともに曲を書くパートを担えたのは本当にクールなことだよ。今では(メンバーからの)より大きな信頼があるし、バンドを通じて俺自身で出来ることがある。そういった権利は信頼の証しなのさ。そして、俺が言ってきたように、俺たちはより良いバンドになっているし、俺は部分的に責任を負うようになっていると感じている。他のメンバーがある特定のことに対処したくないときには俺が対処するように、または俺がたるみをみつけるという役割をいくらか担うように、他のメンバーのために俺がすることがある。それで全てが廻っているように見えるのさ。より多くの理解と創造的責任があるんだ。それはメタリカのなかにあって楽しい時間だよ。

−30年以上という長きに渡るバンドにあって、音楽やツアーを続ける原動力は何だと思いますか?

1つの要素としては、いつも細部に集中することっていうのがある。それはつまりメタリカ熱中症みたいなもんさ。それがスタンダードで、このレベルのことを完璧とは言いたくない。なぜなら完璧なんてないからね。曲を書くことに関してはジェイムズは1つの言葉に対して5つの言葉を持っているかもしれない。いくらかの言葉を急いでかき集めて作るのを良しとはしないんだ。彼が持ってくる言葉にはたくさん思案したことが含まれている。ラーズは編曲に関しては偏執狂レベルだしね。多くのことがメタリカの曲には含まれているんだ。最後の結果はいつも、ほとんどの場合、とても特別なものになると俺は思うんだ。それをファンは糧にするんだし、俺たちはソングライターとして自分たちが持っているアートで彼らに燃料を補給しているんだ。同時にステージではできる限り、100%をぶつけようとしている。

それからトレーニングが必要だという肉体的要因がある。インストラクターが俺たちの筋肉が落ちないようにとか、足を壊さないようにとか、そういったことに気を遣ってくれる。だから俺たちが歳をとればとるほど、パフォーマンスに合わせてキープできることが増えていく。俺たちは素晴らしいチームを持っているからこそ、バンドに対するみんなの献身が極めて重要なんだ。

−サポート・バンドをつける選択肢はありますか?

ロバート・トゥルージロ
俺たちが選択したのは、地元のバンドをつけるということだ。プロモーターは俺たちがどこでやろうとも、そこで最高の地元のバンドが出演可能であることをわかる必要がある。今夜はスペシャルな地元のバンド(Van Coke Kartel)が出演するんで、俺も興奮しているよ。願わくば数曲は観れたらいいね。俺たちのプロダクションの全ルーチンのなかに組み込むのは、必ずしも簡単なことじゃないんだ。でも、それは俺たちにスペシャルなショーをさせるものでもあるから、うまくいけば俺たちは彼らを観ることができるよ。

−近いうちにメタリカからニューアルバムが出ることを期待していいでしょうか?

ロバート・トゥルージロ
俺たちは新曲に取り組んでいるところだ。(今は)絞り込む段階にある。俺たちがアイデアを全部持ち寄って、聴いてみて、あるものはそこから落とす。ほとんどはジャムっていくつか違う方法を試して、8ヶ月ぐらい再検討する。だから実際に曲を書く前の、絞り込む段階っていうのは大掛かりなんだ。でも、俺が言えるのは、俺が聞いたアイデアたちは、俺もその一部を担っているわけだけど、俺にとってとてもエキサイティングだし、素晴らしいアルバムを制作しているとわかるよ。俺たちは特別なことをしているんだと心から感じる。それ以上、何が起きるかはちょっと俺にはわからないな。次のアルバムで俺たちがわかっていることは、現時点だって、素晴らしいと感じているし、そんなことをやるつもりってことだけなんだから。

そうだな、これから登ろうとしている巨大なモンスター級の山を見て、登山に向けて気合を入れているって感じだね。どういうルートを取ろうか?どんな方法でやろうか?そして「よし、始めよう」ってところに行き着く。そうして登っていく。でも、行く手には長い道のりがある。だからキミたちに素晴らしいアルバムを出すのには、願わくば2年かそれ以下ぐらい欲しいな。俺たちは制作している。でも、まだその山に登っているところなんだ。


−ここにいるあいだ、観光をする時間が取れたらどうしますか?

ロバート・トゥルージロ
サーフィンさ。サーフィンあるのみ。俺たちは、あれは何て呼ばれてるんだっけな?ランディドノ(Llandudno)、おそらくまたそこに行くよ。

−お気に入りの会場はありますか?あなた方はあらゆるところでライヴを行っていますが、あなたのお気に入りは?

ロバート・トゥルージロ
俺たちがライヴを行うならどんな会場だってお気に入りにならなくちゃ。だって、俺は(ファンと)繋がっていると感じたいし、ライヴを特別な経験にしたいからね。

−あなたはバンドとして、たくさんのことを成し遂げてきました。次は何を成し遂げましょう?今から何年かしてあなたは自分がどうなっていると思いますか?

ロバート・トゥルージロ
面白いことに、俺たちはもうすぐ3D映画を発表しようとしている。それ自体が経験であり、挑戦なんだ。素晴らしいものになると信じているよ。最近できたカットを観たけど、俺たちがやることがたくさんある。まだ終わっていないんだ。でも終盤に差し掛かっているし、最後には特別なものになると感じているよ。今現在、これが俺たちに何をもたらすのか、俺たちをどこに連れて行くのかはわからない。でもいい感じになると思う。こういった経験や挑戦はメタリカを素晴らしい特別なものにしてくれるし、みんなが興味を持ってくれると感じているよ。俺たちはサンフランシスコの伝説的なフィルモア・シアターで1年以上前に結成30周年のショーを行った。ジャニス・ジョプリンやグレイトフル・デッドやその他あらゆる特別なバンドがライヴを行ってきた場所だ。でもあのショーでは、世界中からアーティストを呼び寄せたんだ。よしマーシフル・フェイトを呼ぼう。オジー・オズボーンも呼ぼう。ジューダス・プリーストのリード・シンガー、ロブ・ハルフォードを呼ぼうってね。呼ぶことにした人たちに約束を取り付けて、彼らを招待して、一緒にリハーサルをして、彼らの曲を練習して、一緒にステージに立つっていう長大なリストがあったんだ。そんなバンドってある?他のバンドでやってるのみたことないよ。でもそういうことは俺たちがやるようなタイプのことなんだ。つまり俺たちは自分たちに挑戦しているっていうね。そういう挑戦は素晴らしい経験になることもあるし、うまくいかないときもあるかもしれない。でも俺たちがそういうことをやる機会こそがメタリカを特別なバンドにしているんだよ。

allafrica.com(2013-04-26)

もう加入から10年も経つのか・・・。徐々にバンドから信頼を得て、自分の判断で出来ることが増えてきたようですね。これがまた新作で生かされるとどんな味になるのか楽しみなところです。

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