期待していたフェス生配信がなくて肩透かし感が否めないですが、気を取り直してカークがOrionフェスや新譜について語っている『Guitar World』のインタビューを和訳してみました。
誤訳御免でどうぞ。

【カーク・ハメット インタビュー】

Metallicaという本を閉じるとき、バンドの最後の歴史が書かれている。そこには「向上心のない」という言葉はどこにもみつけることなんて出来はしない。
実際、ヨーロッパのフェスティバル・シーズンのなかで、Orionフェスティバルが迫っているし、3D映画の計画も進行中、新譜も近い将来、取り掛かるだろう。Metallicaはこの夏、自らのキャリアのなかで最も多くのことを成し遂げるように見える。

「俺たちが何か請け負うときはいつだってベストを尽くすんだよ。」と、カーク・ハメットは言う。「それこそが俺たちが何かをするにあたってのやり方なんだよ。グループとしても、個々人としても、俺たちは全員、適切な発表をするのには慎重なんだと思う。」

今年、バンドのなかで1番の数をあげられる、そのアティテュードはまさにMetallicaが30年のキャリアの後、最も不可欠でエキサイティングなバンドのひとつであり続ける理由だ。

我々(Guitar World)は最近、Metallicaの忙しいツアー・スケジュールのなか、カーク・ハメットと電話にてOrionフェスや彼が新しく出した本、そしてMetallicaのニュー・アルバムについて話した。

(以下、一問一答)

Guitar World
あなたは今、デンマークにいますよね。そこからDOWNLOADフェス、NOVA ROCK、そしてアメリカに戻るんですか?

カーク
あぁ。そして俺たちのOrionフェスをアトランティック・シティでやって、メキシコで8夜のライヴをやって、カナダに行ってたくさんショーをやるよ。

Guitar World
アメリカに戻ってきたときには、Orionフェスが始まるまでちょうど2週間あります。そこまでスケジュールはどうつながっていくんですか?

カーク
えぇっと、1週間と半分はヴァケーションさ(笑)ギグを土曜と日曜にやって、おそらく2日前には出発して、着いたらちょっとサウンドチェックをやって、ショー前日にはさらにサウンドチェックをする。そしたらロックするだけさ。

ツアーから離れて2週間以内でショーを行うというのはたくさんやってきているし、こういうときは本当にリハーサルをする必要はないんだ。ただサウンドチェックをして、サビをとるだけ。そうしたらいい状態でショーを迎えられる。

Guitar World
あなたがたは夏のヨーロッパ・ツアーでずっとブラック・アルバムを演奏しました。そしてOrionの2日目の夜にも演奏します。初日は『Ride the Lightning』ですね。ライヴでこれらの曲はすでにたくさんやってきていますが、おさらいしなければならないところはありましたか?

カーク
キミが言ったように、俺たちのセットリストの多くの曲は、『Ride the Lightning』からきている。だからいざ実際に『Ride the Lightning』をやると考えると、俺たちにリハーサルが必要な曲は「Escape」と「The Call of Ktulu」だね。

他の曲はいつものようにローテーションでやっている曲だからね。「Fade to Black」「For Whom The Bell Tolls」「Fight Fire With Fire」なんかはね。本当にリハーサルが必要だと思ったのは、これまでライヴでやったことがない「Escape」と、これまでたくさんライヴでやってきているけど12月以降やってない「The Call of Ktulu」なんだよ。

Guitar World
このフェスティバルで最も人目を引くのは信じられないほど多様なラインナップです。どのようにして一緒にしたんですか?あなたが観たいと推したバンドのリストが挙がったのですか?

カーク
実際起きたことと言えば、予定が空いているバンドの長大なリストを得て、俺たちがただ選んでいったって感じさ。そして、俺たちが指名したバンドは、俺たちが実際に好きなヤツなんだと確認したのさ(笑)

本当に楽しみだよ。そしてメンバー個々人の興味関心に沿ったライフスタイル・テントも設営する。ジェイムズは(カスタム)カー・ショーを、ラーズは映画祭のようなことを、ロブはスケート(スノーボード)とサーフィンといったものを。そして俺はお化け屋敷みたいなカークの怪しい部屋(※)をやるよ。

※訳注:原文はKirk's Crypt。Cryptは地下室だとか遺体安置所などの意味。かなり意訳してます(笑

自身のライフスタイルを確かめるだけじゃなく、メンバーの個性が伝わるんだ。俺たちにとっては新しいことなんだよ。普通はショーを始まると、ショーをやって去るってだけ。でも今回は俺たちのショーだし、他の何か以上のイベントなんだ。そこには他のタイプのバンドとライフスタイル・テントがあるのさ。

Guitar World
多くのバンドは−特にメタルは−音楽と個人の人柄との間を分けてヴェールに包もうとします。あなたにとって、このバンドであなた自身の異なる側面を表現できることは重要なことですか?

カーク
やる必要があるものだと感じたんだ。つまり、俺たちにとって特定の方法で伝わることは重要なのさ。正直でみせかけじゃないやり方で伝わることがかなり重要なんだ。そして、いつものコンサートより多くのことをみんなが観るというのも重要だね。

俺にとっては、カークの怪しい部屋の全てを用意するために、この3ヶ月間はほとんど毎日、これに取り組んでいたよ。3人のアシスタントに俺がこうして欲しいっていうのを正確にわかってもらって準備してもらうようにしておくんだ(笑)。

俺は初めて自分の本を出そうともしている。10月には出すつもりだけど、Orionフェスでその本を初めてお披露目することになるかな。だから必要があるものは全部キッチリやっておきたいんだよね。

Guitar World
あなたの初めてとなる本についてもう少し教えてもらえますか?

カーク
うん。年代物の公演とか映画のポスター、モンスターのおもちゃとアートワークについての本なんだ。それは全部、過去30年かそこらで俺がどうにか集めてきたものなんだよ。膨大なコレクションになったから、今こそみんなにシェアするべき時だって思ってね。で、それがまさに俺がやっていることなんだ。4月には(編纂が)終わって、10月には出る予定だよ。でもOrionフェスが俺がやったことを見せる最初の機会になるのさ。

俺にとってはこの本を作るのはとても楽しかったし、これを観れるのはとてもクールなことだよ。他の人たちにとっても同じくらい楽しくてクールなものになればいいなと思ってるよ。

Guitar World
Orionはあなた個人としても楽しみにしていることがあるようですね。観るのを本当に楽しみにしているバンドは特にありますか?それともただ出演しているバンドという感じでしょうか?

カーク
Ghostを観るのが本当に楽しみなんだ。彼らは素晴らしいバンドだと思うね。ヨーロッパで何度か一緒にやったけど、俺はマジで彼らに興奮したね。

Arctic MonkeysにもAvenged SevenfoldにもThe Gaslight AnthemにもCage the ElephantにもBest CoastにもGary Clark Jr.にもワクワクしてるよ。とても素晴らしいギタリストがいるからねぇ。The Sword,、Suicidal Tendencies、Kyng、Red Fang、そしてSoul Rebels Brass Bandとは12月に一緒にやったんだ。とてもクールになりそうだよ。

基本的に俺たちがやっていることは、ヨーロッパのフェスティバルのように準備してきているんだ。たくさんヨーロッパでフェスをこなしてきたけど、そこにはたくさんの別ジャンルの音楽をやるさまざまなバンドがいたんだ。20年かそこらでこういったフェスティバルをやってきて、ヘヴィ・メタル・バンドと通常のロック・バンド、そしてオルタナ・バンドや他もろもろが一緒に共存できるってことが明らかになった。それこそがほぼ俺たちが自分たちのフェスでやろうとしていることなのさ。ヨーロッパ・スタイルだけど、アメリカ国内でね。

俺たちはヘヴィ・メタルだけのものじゃなくてさまざまな色をもったものにしたいんだ。

Guitar World
アメリカにそのような海外のコンセプトを持ち寄ることに何の懸念もありませんか?(例えば)たくさんのMetallicaのファンがArctic MonkeysやModest Mouseを観て困惑して頭をかきむしることになるかもしれません。

カーク
まぁ、そういったことはわかってるよ。実際そうなりそうだし(笑)。でもどこかで始めなきゃ。3回目か4回目のフェスまでには、より広いジャンル横断的なファンを惹きつけることになるさ。それが究極の狙いなんだ。

それこそModest Mouseがやっていることを理解しようとするヘヴィ・メタルのファンにはある種の混乱が否応なくあるだろうね。そして同様に、Metallicaの曲を数曲しか聴いたことがないかもしれないModest Mouseのファンが「Modest Mouseを観るために来たけど、Metallicaのために来たも同然だな」って言うことがあるかもしれない。俺たちはそんな感じでファンを獲得できればいいなと思ってるんだ。

Guitar World
今年の夏はブラック・アルバム再現のライヴをたくさんやってます。Orionでもまたやるわけですが、あのアルバムが次のMetallicaのアルバムの方向性に関して念頭にあったと思いますか?

カーク
もうちょっとシンプルになるかもしれないと俺たちは話してきた。今や実際そうなるということを意味しているわけじゃない(笑)。俺たちはそれこそたくさん言ってきたよ。「よしこれを試してみよう」ってね。それから俺たちが「これしかない、これで行こう」って感じでやろうとしているちょっと変わったことからは程遠いものになるんだ。

こういうことが全てに対してどうインパクトを与えるかって言うのは俺にとっては本当に難しいことだね。でも少なくとも、これらのギター・ソロをおさらいしなきゃならないし、ブラック・アルバムのソロをひねり出すことが俺にとってどれほどたやすいことだったか覚えているよ。それは曲がまさしくシンプルだったことによるんだと思う。俺にあった選択肢は驚くほど単純だったんだ。

まぁどうなるか(いずれ)わかるさ。

Guitar World
Rolling Stoneの最近のインタビューで、ジェイムズは800以上のリフがあると語り、ロブはあなたが300以上のリフがあるとほのめかしていました。これはかなり正確な数字ですか?

カーク
今はたぶん400近いんじゃないかな(笑)。でもまぁ、その400のなかでいいリフはたった20かもしれないよ。400のリフが全部トリプルAのダイアモンドのような評価を受けるアイデアだったら大したものだけど、そんなことはありえない。過去にも未来にもありえない。ジェイムズは800のリフがあるかもしれないが、12の曲があるかもしれない。誰がわかるっていうんだい?それは俺たちがどうするかにかかっているんだ。

Guitar World(2012-06-07)

インタビュー中にあったカークの本はこちら。
toomuch
TOO MUCH HORROR BUSINESS

新譜に関してはざっくり言えば、まだアイデアを出していく段階で、ほとんど進んでいないという印象ですね。

カークの怪しい部屋みたかったなぁ。。
もし実際にOrionフェスに行かれる方でKirk's Cryptの写真を載せてもいいという方がいらっしゃったらご一報ください。
このメタリカ情報局や下記画像リンク先のサイト、カークの部屋で紹介/掲載できたらと思いますのでヨロシクお願いします。
kirk_b

もちろんカークに限らずOrionフェスの写真お待ちしてます。

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