このほど1983年創刊のメタル雑誌「Metal Forces」誌がウェブサイトを開設しました。

1980年代に音楽業界でメインストリームでは歯牙にもかけられなかったバンドたちを積極的に取り上げた雑誌で、メタリカもそんなバンドのひとつ。
サイトでは最新の記事・レビューはもちろん、アーカイヴとして昔の記事も掲載してくれています。そんなアーカイヴ記事のなか、2ndアルバム『Ride The Lightning』を出した頃のラーズ・ウルリッヒの1984年のインタビュー記事も掲載されています。管理人拙訳にて、ラーズの話を中心に抜粋してご紹介。
ラーズ、このころからかなり大胆不敵な発言をしていますね。ただ、活動初期に変な契約を結んで身を落とすバンドもいるなか、契約について気を遣っていたのはひとつの成功要因なのかなと。
ちなみに機材が盗まれたことをきっかけにジェイムズが『Ride The Lightning』収録曲、「Fade To Black」を書いたのは歌詞勝手に解釈論で書いたとおり。
某B誌も早くウェブサイト開設すればいいのに。
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1980年代に音楽業界でメインストリームでは歯牙にもかけられなかったバンドたちを積極的に取り上げた雑誌で、メタリカもそんなバンドのひとつ。
サイトでは最新の記事・レビューはもちろん、アーカイヴとして昔の記事も掲載してくれています。そんなアーカイヴ記事のなか、2ndアルバム『Ride The Lightning』を出した頃のラーズ・ウルリッヒの1984年のインタビュー記事も掲載されています。管理人拙訳にて、ラーズの話を中心に抜粋してご紹介。
【メタリカ −電光石火の侵略者−】
(前略)
Metal Forces
「まず『Ride The Lightning』について尋ねましょう。バンドとして結果に満足ですか?アルバムをレコーディングしているあいだ、バンドが望むサウンドにするのに問題があったと言われていましたが。」
ラーズ・ウルリッヒ
「あぁ、このうえなく満足しているよ。アルバム制作直前まで数曲しか書いていなかった。だから、はじめにその曲をテープに録る機会があって、しばらく経ってから聴くことができたら、ちょっと違ったアレンジにしたかもしれない。」
「キミが言ったサウンドについての最初の問題は、(レコーディング・スタジオのある)コペンハーゲンに着くちょうど3週間前に俺たちの機材が全部盗まれたのが原因なんだ。例えば、ジェイムズは最高のマーシャルのアンプヘッドを失った。それでメタリカたらしめるサウンドとして追い求めてきたリズム・サウンドを出すのに問題があったんだ。俺たちはマーシフル・フェイトのアンプを含めて、コレだというものが見つかるまでデンマーク中のマーシャル・アンプを試したよ。」
Metal Forces
「このアルバムをどう受け止めていますか?特にアメリカでは筋金入りのヘッドバンガーからメタリカがセルアウトになってる(売れ線に走ってる)!とクレームしていたのを聞きました。」
ラーズ・ウルリッヒ
「『Ride The Lightning』は『Kill ’Em All』と比較すると『Kill ’Em All』みたいな完全なトラックという感じじゃない。やり方が違うんだよ。「Metal Militia」のようなスピードで演奏される曲が全てじゃないからね。『Ride The Lightning』と『Kill ’Em All』の制作のあいだで、ひとつ気付いたのは、パワフルでヘヴィになるのにスピードに頼る必要はないということ。「For Whom The Bell Tolls」、「Ride The Lightning」といった曲はそういう姿勢の表れだね。」
「俺は『Ride The Lightning』がほとんどの人に好意的に受け取られていると思うし、確実にバンドの誰もが考えていたよりも良い反応だと思うよ。「キミはアルバムが出すたびに10の「Metal Militia」を演奏していなければ、メタリカじゃないしダメだ。」なんて珍妙な手紙やコメントはいつでもある。でも俺たちは特定の時期に感じたやり方でやっている。バンドは成熟してきたし、まだ学習中だ。もし俺たちがビビったと思っているんなら、Fxxk、そんなクソは俺たちに必要はないね。」
Metal Forces
「音楽が変わろうが変わるまいが、売れようがビビろうが、ちょっとメジャーでバンドが成功し始めるとすぐに筋金入りのファンという面目を保つためにアンダーグラウンドのメタルファンはその姿勢まで凝り固まるように見えます。」
ラーズ・ウルリッヒ
「そう、楽しみが奪われてしまうから、メタリカはビッグにならないでくれ!っていう手紙さえもらったことがあるよ。」
Metal Forces
「メタリカは1984年の大半をヨーロッパで過ごしました。アメリカのファンは無視されたのでは?と思っているかもしれませんよ。」
ラーズ・ウルリッヒ
「ヨーロッパではある種の独自のレベルまで達することができる。でもアメリカではメジャー契約を得るまで、ある一定のレベルを超えるのが難しい。だから俺たちは84年のほとんどをヨーロッパ中のメジャーバンドになろうと集中してきたんだ。そして『Ride The Lightning』ツアーが終わって、それはうまくいっているし、立証されたと思っているよ。」
「アメリカをツアーで廻るのはめちゃくちゃ素晴らしいよ。本当に(アメリカ・ツアーが)恋しいよ。だから1985年の最初の6ヶ月はツアーに廻る予定だよ。84年にはアメリカでは1つ半のギグをやっただけだ。でもアメリカではマネジメントやレコード会社の変更とか法的な問題がたくさんあったんだ。だから本当にそういう環境下で時間をとられて、俺たちが働くことができたのはヨーロッパだけだったんだよ。」
Metal Forces
「エレクトラ・レコードとの契約はどのようにして実現したんですか?年初には、メタリカはイギリスでブロンズ・レコードと契約しそうだと言われていましたが。」
ラーズ・ウルリッヒ
「あぁブロンズ・レコードから契約のオファーを受けていた。でも契約内容を詳細まで調べて、数週間後に会社で「No thank you」って言ったんだ。最終的には、何か他の(オファー)を待っていれば、長い目で見ればより良いものになるだろうと俺たちは決断したんだ。」
「それから俺たちはレイヴンと1回限りのギグをするために夏にアメリカに戻ったんだ。そこではいろんなことが起きたよ。新しいレーベル(エレクトラ)、新しいマネジメント(クリフ・バーンスタインとピーター・メンチのQプライム)そして新しいブッキング・エージェント(ATI)とともにアメリカを離れることになった。本当に可笑しな話さ。あのときは俺たちみんながこれまでやったなかでおそらく最悪のギグだと思って、ステージをさっさと降りてしまったんだから。」
「俺が言いたいのは、(以前に契約を結んでいた)ジョニーZのメガフォース、クレイズド・マネジメントと共にしたあの一年半は本当に良かったってことさ。彼こそがこの方向に俺たちを推し進めてくれたんだ。たとえ人が噂や何か聞こうとも、彼がしてくれたことをありがたく思っているよ。でも結局は俺たちは互いにとって、大きくなりすぎたんだ。」
(中略)
Metal Forces
「(「Creeping Death」のシングル盤のB面にダイアモンド・ヘッドの「Am I Evil?」とブリッツクリーグの「Blitzkrieg」を選んだことについて)このB面の曲を選んだのにはどんな理由があるんでしょうか?」
ラーズ・ウルリッヒ
「えぇっと。ヨーロッパのヘヴィメタルのレコード会社は「他じゃ使えない」タイプのクソをシングルB面に収録したがるんだ。今や俺たちはシングルB面のために単に自分たちの曲を好んで提示するようなバンドじゃない。(シングルB面に収録するくらいなら)アルバムに収録したいからね。だからちょっとスタジオに入って、数曲のカバー曲をかましてやったわけ。それはいまだにリハーサルで、あるいはライヴで7回目のアンコールで演る、たった2曲のカバーソングだったんだ!」
(中略)
ラーズ・ウルリッヒ
「俺たちと契約したアメリカの新しいマネジメントであるクリフ・バーンスタインは俺たちにヘヴィメタル界で次のビッグなことをさせようというデカい信念を持っている。特にアメリカでマーケットの80%占めるようなね。ラット、モトリー・クルー、クワイエット・ライオット、ブラック・アンド・ブルーは古くなり、絶滅していくだろう。そこでメタリカが新しい「本当のメタル」トレンドみたいのを引っ張ろうとしている。今のところメジャーで成功を収めた最もエクストリームなメタル・バンドのアイアン・メイデンよりもさらに大きな一歩をね。」
「正直なところ、ジューダス・プリースト、アイアン・メイデン、キッス、トゥイステッド・シスターに夢中になっているキッズたちが、俺たちのやっていることに関心を持ってくれると思っているよ。一夜でそんなことが起きるとは言っていない。でも徐々に進展することができているし、メタリカは新しいヘヴィメタルの分野で先頭に立つことができている。それにそうするために俺たちが変わる必要はないんだ。」
(後略)
Metal Forces, Issue 8 (1984)より
ラーズ、このころからかなり大胆不敵な発言をしていますね。ただ、活動初期に変な契約を結んで身を落とすバンドもいるなか、契約について気を遣っていたのはひとつの成功要因なのかなと。
ちなみに機材が盗まれたことをきっかけにジェイムズが『Ride The Lightning』収録曲、「Fade To Black」を書いたのは歌詞勝手に解釈論で書いたとおり。
某B誌も早くウェブサイト開設すればいいのに。
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