インタビューPART2はカークと鶴次郎です。
『LULU』制作過程についてさらに突っ込んだ話を聞くことができます。

Q.このプロジェクトのきっかけと初めてこの話を聞いた時の印象は?

カーク・ハメット
「きっかけはルーとRock And Roll Hall Of Fameで共演した事だったんだ。当初ミーティングを持ち、ニューヨークでリハーサルをやったんだが、ルーと僕達はすぐに意気投合したんだ。始まってわずか10〜15分位でルーが「一緒にアルバムを作ろう」と言ったのを覚えているよ。僕達はみな賛成した。そこから8〜10ヶ月ほど早送りすると、まず元々のアイデアは僕達がルー・リードの曲をカバーするというものだったんだが、ある時点で彼が電話してきて『ルル』という戯曲の為に書いた歌詞があるんだがこれをコラボするべきだと言った。その時にはほとんど大体9割がたの歌詞は完成していたが、音楽はと言えばほとんど形が出来ていなかった。歌メロとギターコードの一部とモジュレーションが少し出来ていたに過ぎなかった。そこで僕達がやったのはそのギターコードを使って周りに音楽を構築して行った事だった。彼の書いた歌メロからギターリフを作ったりした。基本的にそういう事をやって、そのまま突っ走ってみたら気がついた時には10曲も完成していた。」

Q.本作は歌詞から始まったという事ですが、メタリカとは全く違う制作過程をどう楽しみましたか?

ロバート・トゥルージロ
「素晴らしかった事はルーがメタリカをまた違う領域に連れて行ってくれたので、クリエイティブな面でインスパイアしてくれたという事だ。インプロビゼーション(即興)だ。ベーシックなアイデアを元に実際レコーディングしようと録音ボタンを押してから1テイクか2テイク位でやるというのがこのプロジェクトの本質でありルーの本質なんだ。これはもちろんメタリカとしてはこれまで入った事のない領域だったね。安全網が常にあるわけではないという事は僕達にとって素晴らしい経験となったし、歌詞を元にそのまわりにそしてそれが持つイメージに合わせて音楽を構築し全てが合わさって作られて行くので、その為に僕達は気を引き締め即興でやり最終的にはとても楽しい経験となったんだ。そして今、その音楽を聴くと僕達にとってマジックだと感じるよ。」

カーク・ハメット
「全てがとても速いペースで運んだんだ。これまで僕達がやってきたどのメタリカの音楽よりもね。」

Q.7分、8分という長い曲がたくさんあります。中には17分なんて曲も...ファンの反応は気になりますか?

bbb

カーク・ハメット
「アルバムを作る度に自分達の為にやっているんだ。自分達のクリエイティブな欲求やアーティスティックな欲求を満たす為に作るんだ。本作は特にメタリカのアルバムというわけでもないし、ルー・リードのアルバムというわけでもない。ルー・リードとメタリカのアルバムだ。だから根本的に違うものだ。それに従って評価されるべきであって、ルー・リードのアルバムとして評価出来ないし、メタリカのアルバムとして評価する事も出来ない。試しに聴いてもらってそれがどういうものか見てもらい、気に入ってもらえたらそれは嬉しいし、あまり自分には向かないなと思われてもそれはそれで問題ないよ。それが(僕達のキャリアの)最初からずっと僕達の考え方なんだ。素晴らしいアーティスティックなステートメントだと思うから気に入ってもらえたら嬉しいけれど、気に入ってもらえなかったとしても、それはそれで構わない。自分には向かないなと思っても気にしないでくれ。」

ロバート・トゥルージロ
「エキサイティングな事のひとつはこれをライブでやる可能性があるという事だ。聴いただけでは気に入ってもらえない人にも観てもらったら気に入ってもらえるかもしれない。中にはそういうセッティングに上手く合うものがあるからね。ルーはとてもパワフルだよ。彼は威勢が良くて存在感が大きい。」

Q.今回の経験がメタリカとして将来的にどう影響すると思われますか?

カーク・ハメット
「今後、僕達が音楽を作って行くやり方に影響を与えるのは確かだと思うね。もちろんだよ。最初はいっぱいいっぱいだったし少し怖かったけれど最終的には上手くいった。素晴らしい結果が得られ、良いサウンドが出来たし、リアルなサウンドとなった。それはルーがとても慎重に捉えている点のひとつだったんだ。彼は自然発生したような新しいサウンドを求めていて曲がピュアであるように心がけている。オーバーダブを多用したりしたくないし、一旦レコーディングされたものをあまりアレンジし直したり、いじったりしたくないと思っている。その瞬間を捉えたいと思っているんだ。実際にこのアルバムで多くの美しい瞬間を捉えることに成功したと思う。そういう姿勢は今後、僕達のアルバムのレコーディングをする時にもそこにあり続けると思うよ。」

こうしてインタビューを見ていくと『LULU』のキーワードは「歌詞」「インプロビゼーション(即興)」「スポンタニアス(自然発生的)」かもしれませんね。

歌詞と言えば、Loutallicaのサイトで既に『LULU』収録曲の7曲分の歌詞が公開されています。
http://www.loureedmetallica.com/

写真とか後で追加するかも。画質悪くてすみません。

lulu_cover_lg
LULU

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