前回はヒエロニムス・ボスの『快楽の園』と
メタリカの「Until It Sleeps」のPVとの
共通点についてちょこっと語りました。
前回の『快楽の園』とメタリカPVの話はこちら↓
メタリカとアート。(「Until It Sleeps」プロモ編1)
そもそも『快楽の園』はキリスト教の7つの大罪のうち、
色欲(淫欲)について描かれたもので、そのうち「地獄」
はその罪を犯したものが堕ちた世界を描いてます。
※7つの大罪は全部で「傲慢」「嫉妬」「憤怒」「怠惰」
「強欲」「暴食」「色欲」の7つです。
この辺はブラッド・ピット主演映画「セブン」を見た人は
よく知っているでしょう。
『快楽の園』の「地獄」の絵には楽器をモチーフにした
怪物も登場するので別名「音楽地獄」とも言われています。
中世のモラリストは色欲を「肉体の音楽」と呼んでおり、
特定の楽器が生殖器の暗喩になっているだとか、
好色な歌で聴いている者の色欲をあおっているだとか
言われているそうです。そんなわけで悪魔が
楽器を演奏している絵は昔からありました。
HR/HMと悪魔との関連性についてはよく指摘されますが、
ルーツはこんなところからきてるかもしれませんねぇ。。
さらにこのPVを見てるとイヴが禁断の実(リンゴ)を
とるシーンだとか、キリストが見せしめにされている
場面であるとかキリスト教に関わりがなくとも
それとわかるシーンが盛り込まれてます。
この辺の映像的な構図も昔に書かれた宗教画が
おそらくモチーフになってるんではないかと思います。
特に最後のシーンはルネサンス期のイタリアで
活躍したアンドレア・マンテーニャの『死せるキリスト』の
構図を真似たんじゃなかろうかと!(個人的に思う。)
左右逆ですけどね σ(^_^;)汗
それにしてもこんな中世の絵画をモチーフにPVを
作るっていう発想がスゴイです。
このPVがアメリカっぽくないなぁって思うのは
こんなところからきてるんでしょうね。
そんなPVの監督はサミュエル・ベイヤー。
ニルヴァーナのヒット曲「Smells Like Teenspilit」
のPVも手がけた人で他にもオジー・オズボーン、
アイアンメイデン、デヴィッド・ボウイ、エアロスミス、
マリリン・マンソン、スマパンとまぁキリないほど
数多くの大物アーティストと仕事をしてます。
いやぁやっぱスゲー人はみんなにひっぱりだこやね。
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