メタリカ情報局

メタリカを愛してやまないものの、メタリカへの愛の中途半端さ加減をダメだしされたのでこんなブログ作ってみました。

       

    タグ:MetalHammer

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    ※先入観を持って『Hardwired...To Self-Destruct』を聴きたくない方は、この記事を読まないことをお勧めします。

    メタハマこと『METAL HAMMER』誌のメインライターである辛口評論家ドム・ローソンが『Hardwired...To Self-Destruct』のレビューをしていました。管理人拙訳にてご紹介。

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    多くのメタリカファンは、比較的好評だった2008年の『Death Magnetic』の次作を待っている間、熱っぽい期待と新譜を前にしての緊張状態で混ぜこぜになっていることだろう。10年近くかかったこのアルバムの胎動を追いかけると、メタリカはいずれかの音楽的方向性を表明するのには乗り気ではないことを示唆している。2014年の仰々しく長い「Lords Of Summer」の出現は、いずれも楽観的観測を養うまでには行かなかった。しかし2016年は、すでにこれまでで最大のヘヴィメタルバンドにとって素晴らしい年だ。少なくともこの夏に聴くことが許された2曲は、ほとんどの人たちにとって、ブラックアルバム以降リリースしてきたメタリカのなかで同じくらい良いものだと考えているからである。嬉しくも良いニュースはそこで終わらない。なぜならそれは完成にはほど遠く、88分という素晴らしい1時間半は長すぎるからだ。『Hardwired...To Self-Destruct』は、この25年間でメタリカの最強アルバムだ。

    タイトルトラックで幕が開く。メタリカがこのようなものをやるには歳を取りすぎていると考えていた者を黙らせる、魅力的なコーラスと十分な魂と毒を併せ持つ凶暴ではち切れんばかりの最高のスラッシュナンバーだ。『Death Magnetic』収録曲の大半のような醜いプロダクションと気が散るだらしなさとは対照的に、『Hardwired...To Self-Destruct』は精密でブルータルだ。ラーズはかなり練習したのかもしれないし、コンピューターにどうにかしてもらったのかもしれないが、メタリカのサウンドは彼らがこの10年やってきたものよりも、あの『Master Of Puppets』の圧倒的なマシーンに近い。同じことは「Moth Into Flame」にも言える。80年代のバンドの栄光と強い繋がりを示す、それでいてルーツに戻った中途半端な試みのように聴こえることもない、怪物のような本物のヘヴィメタルの曲だ。





    実際、このアルバムの1枚目のほぼ全曲は同じスタンダード曲で、それが最も顕著なのが、メイデンに敬意を表した魅力的なギター・ハーモニー、NWOBHM崇拝の強い名残りとカーク・ハメットの猛烈なソロを持つ「Atlas, Rise!」だ。'Die as you suffer in vain!/Own all the grief and the pain/Die as you hold up the skies/Atlas, rise!’とヘットフィールドが咆哮する。音楽はともかく、彼が最近売り歩いてきたようなぎこちない自己啓発のような無駄口ではなく、あのような歌詞をあのパパヘットが歌っているのを聴くのは信じられないほどスリリングだ。同様にゆっくりと燃え盛る、ブラック・サバスが注ぎ込まれた「Dream No More」の脅威は、輝かしいほどグロテスクだ。クトゥルフ神話は1984年からメタリカのアルバムに登場してきているが、この曲では‘inhaling black skies’とヘットフィールドが歌詞を紡いでいる。



    『Hardwired...To Self-Destruct』の欠点は2枚目にある。凄まじい締めの曲「Spit Out The Bone」は別にして、『Load』以降のどのメタリカのレコードでも悩まされてきた同じ問題で苦しめられる。つまりそれは自己編集の欠如だ。いくつかの素晴らしいリフはさておき、「Confusion」「Am I Savage?」「ManUNkind」は長すぎて、鋭いダイナミクスに欠けている。「Here Comes Revenge」は良し悪しある束のなかで最高だが、緊張感のなさに言及しなければ、忘れられがちなレミーのトリビュート曲「Murder One」の方が良い。

    しかし、否定的なものは本当はどうでもいい。最高のニュースは『Hardwired...To Self-Destruct』は、ほとんどの部分で「これぞメタリカだ!」と思える素晴らしい曲と無数の瞬間を持つ強力なメタルレコードということだ。これらの曲をライヴで聴きたいとさえ思うかもしれない。最も重要なのは、耐えがたいほどの8年間の待ち時間はそれだけの価値があったという救いを感じることだろう。

    TeamRock(2016-11-02)

    前作までのぶった切り方が凄まじいですが、そんな彼をしてもブラックアルバム以降で最高との評価でした。正直、他人の評価はどうでもいいんですが、未聴のアルバムに対していくつか示唆的な部分があり、早く聴きたいとの思いが強くなる管理人でした。

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    前回の続き。「Metal Hammer」2016年6月号のインタビューを管理人拙訳にてご紹介。

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    ■No Remorse

    ラーズ
    「No Remorse」はかなり飾りつけされた曲なんだ。俺たちが最初にこの曲や「Phantom Lord」「Four Horsemen」「Seek & Destroy」を書いた時からね。でもあの曲は他の曲の制作と劇的な違いはないよ。明確なヴィジョンがあった。いったん何かがうまくいけば、うまくいった。「やべぇ、俺たちスゴイな。もう何も変える必要はない」とはいかなかったけどね。でも何かがうまくいけば、うまくいったんだ。

    全てが本能的で直情的で瞬間的なものだった。今、腰を据えてレコードを制作していて、一日とかひと月とか自分のレーダーでもって全てのものを見ていくと、別物の選択肢が重なり合ったものなんだ。過重な負担がかかって、どうしたらいいかと腰を据えて考えているとこうさ。「クソッ、カリフォルニアのエルセリートでジェイムズとデイヴ・ムステインといた時は全てが簡単に事が運んだのに。俺たちは30分のレコードを作るのに、午後の半日でやべぇ曲を書いてたじゃないか」とかいった戯言だよ。本当はそう容易くはなかった。でもそうやって曲を練っているよ。


    ■Seek & Destroy

    ラーズ
    あのメインのリフはヘットフィールドの定番のリフだね。デモ・ヴァージョンだと、「Seek & Destroy」は2つのコード、2つのヴァージョンで中間部もちょっとだった。メタリカの受けた影響について語る時に欠くことのできないバンドのひとつがマーシフル・フェイトだ。彼らには全く違う雰囲気とダイナミズム、光と影を持った長い曲があった。彼らには俺たちの曲を長くした責任があるよ。マーシフル・フェイトを聴きだして半年もする頃には、俺たちは追加の節、追加のコーラスを加えて、アレンジをもっと長くし始めた。もっと良くしようとしていたんだよ。そう思う。

    −35年後もまだその曲を演奏しているという意識はありましたか?

    ラーズ
    (笑)意識していなかった、一切ない。全くないね。俺が俺がと打ち鳴らすことなく、いつも等しく楽曲を扱っていた。「Seek & Destroy」以前の曲に俺たちはそう感じていた。あの曲以後、良い曲として扱った。俺たちがやらなかったひとつは、たくさんの曲から選ぶということだった。『Kill 'Em All』は1983年に俺たちにあったベスト10曲なんじゃない。1983年時点であった10曲なんだ。他のバンドのインタビューを読んだらこうさ。「あぁ、俺たちは20曲を書いて、レコードのために10曲を選んだ」それは俺たちのやり方じゃなかった。レコードに収録するのに十分良い曲が書けなかったらどうするんだ?『Ride The Lightning』のために残しておいた7曲なんてものはなかった。全てのシングル曲は俺たちが書いて聴けているものなんだ。

    ■Metal Militia

    ラーズ
    間違いなく「Metal Militia」みたいな曲はその後数年に渡って思い浮かべてきたものとは違った歌詞の雰囲気を持っていたね(笑)。「レザーとメタルが俺たちのユニフォーム(Leather and metal are our uniforms)」だぜ?35年後には冗談みたいなことになってるぞって教えてやりたいね。でも1980年代初頭のカリフォルニア南部でそんな皮肉は多くはなかったよ。すごいマジになりすぎた例のひとつだね。18歳でなんとかしようともがき、理解しようと努めていたんだ。HR/HMで別世界の詩的なものを書くヤツはそう多くはなかった。歌詞の主題はほとんど音楽の次の話だ。歌詞は楽曲が続くようにそこにあったってだけだったよ。

    −かなり早い段階でバンドはそういった歌詞から離れて行ったと言ってもいいでしょうか?

    ラーズ
    それが正確だと言っていいだろうね。自分たちがやっていることを理解し始めて、意図的にヘヴィメタルの決まり文句からは離れて行ったよ。剣とか魔術のイメージ、革と鋲とかそういったもの全てからね。次の一連の曲を書く時までに、恐怖とか操作とか逃れることのできない状況に陥れられたというアイデアとかいったことを取り上げ始めたんだ。

    カーク
    俺たちは曲を録り終えて、グレイハウンドのバスに乗って急いでサンフランシスコに戻ったんだ。素晴らしい気分だったね。ついにアルバムを作って、ビニール盤になって、実際にそれをつかんで、アルバムジャケットを見て、どれだけ興奮しているか帰途に着く間ずっとクリフと話したのを覚えているよ。ふと彼はこう言っていたよ。「2ndアルバムはどうなるんだろうな?3rdアルバムはどうなるんだろうな?」ってね。

    −『Ride The Lightning』が『Kill 'Em All』の1年と2日後に出されました。最近ではあのペースは恋しいですか?

    カーク
    もしやるとなったら、どうなるかわからないな。あのペースは今じゃ相当早いよ。他にもやることはたくさんあるからね。一日24時間しかないんだ。メタリカに6時間を充てて、14時間を他のことに充てる。18歳の頃より52歳になった今では他にもやらなきゃならないことがたくさんあるんだよ。

    Metal Hammer 2016年6月号より

    まだまだカークには語られていないクリフとのエピソードがありそうです。昨年、「Metal Militia」がセットリストに組まれることが増えたのは、もしかしたらリマスター盤の制作段階で改めて演ってみたいとラーズが思ったのかもしれませんね。

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    前回の続き。「Metal Hammer」2016年6月号のインタビューを管理人拙訳にてご紹介。

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    ■Jump In The Fire

    ラーズ
    あの曲は「Mechanix」みたいに元々はセックスを暗示していたんだ。でもそれはデイヴ・ムステインのものだった。彼はクールで自信家だったし、クールな髪型をしていた。俺たちが連れ立って彼のアパートに行くと、そこには女の子たちがいた。ジェイムズと俺が風変わりでちょっと不器用で剥奪されたティーンエイジャーだった頃、彼は世界の男の中の男だったんだ。

    −あなた方は曲について議論したりしましたか?

    ラーズ
    俺の記憶ではないかな。それは新たなメタリカのレコードを制作している今、俺たちが苦労しているところだ。俺たちに議論は必要ないけど、さらに良くするためにたくさんの意見があるからね。ジェイムズがリフを弾いている時にはいつも、もっと速く弾くこともできるし、ゆっくり弾くこともできる。半分の時間でも弾けるし、スラッシュメタルのスタイルでも弾ける。俺たちはそこで言うんだ。「こうしてみよう、ああしてみよう・・・ドロップDで弾いてみよう・・・俺はそこでスラッシュビートで叩いてみよう」とかね。そこで腰を据えて、こういう全ての意見を頭の中にグルグル巡らせるんだ。始めのうちはこういう選択肢を持つなんてことは覚えていないな。俺たちはただこなしたってだけだった。

    ■(Anesthesia) Pulling Teeth

    ラーズ
    Anesthesiaは、ただ「Bass Solo」と呼ばれる代わりに1曲に見せかけたベースソロだった。ギーザー・バトラーがブラック・サバスでやっていたようにね。彼は気の利いたクールなタイトルをつけたんだ。

    カーク
    彼が何者とも離れてベースソロをレコーディングしていたのを覚えているよ。彼は何もない上の階の空き部屋に行って、たった独りで、彼とアンプだけで立っていたんだ。みんながすぐ下のコントロールルームで彼の音を捉えていた一方、俺は彼を観ていた。15分か20分後、彼は音を正しくチューニングしてから俺を見てこう言ったんだ。「出て行ってくれ、これから演ろうとしているから」それから彼は一服してハイになって、かがんでビールを飲んでいた。俺は急いでそこから立ち去ったよ。

    −クリフのバンドへの音楽的な影響は何だったと思いますか?

    ラーズ
    クリフは別の音楽的背景をもっていた。彼はダイアモンド・ヘッドが誰なのか知らなかったし、タイガース・オブ・パンタンも知らなかった(訳注:いずれもメタリカに影響を及ぼしたNWOBHMのバンド)。彼は腰を据えてレーナード・スキナードやイーグルスやイエスやサイモン&ガーファンクルを聴いていた。俺はサイモン&ガーファンクルは知っていたけど、聴いたことはなかった。聴いたことがあっても、それとわかる前にスイッチを切っていただろうね。『Kill 'Em All』で彼は作曲を担ってはいなかった。彼が加入した時にはもう全ての曲は基本的にどうするか形になっていたからね。でも彼の影響と貢献は、『Ride The Lightning』の楽曲でかなり重大になっていくんだ。

    カーク
    クリフは音楽を勉強していた。彼は俺なんかより音楽的なレベルが違った。俺が理解できなかった概念があると、彼はそれを知っていて俺に説明してくれたんだ。関係調とかその他もろもろをね。

    ■Whiplash

    ラーズ
    Whiplashで俺たちはできる限り速く、理に適うように努めた。俺たちが聴いていて、「Whiplash」に影響を及ぼしたのはヴェノムだった。最初のレコード(『Welcome To Hell』(1981年))の「Angel Dust」「Live Like An Angel (Die Like A Devil)」は、大きなインスピレーションになった。彼らはモーターヘッドがやっていたようなエネルギーとスピードでもって、よりヘヴィメタルにしたんだ。モーターヘッドはもう少しパンク寄りのアティテュードだったからね。メタリカの草創期の話をする時、ヴェノムはもっとその名前を持ち出す必要があるね。

    −バンドの誰がメタリカを最高速度まで押し上げたのですか?

    ラーズ
    俺たちみんなで一緒にやったことだよ。ただ腰を据えて「俺がこうやった、アイツがああやった」っていうものじゃない。俺たちは同じビールを飲み、同じ酷い食べ物を食べ、同じ音楽を聴いた。18、19歳の頃みたいにね。俺はこれについて誰か1人が他の誰かよりも重要な位置を占めたとは思わない。俺たちはただもっとヘヴィでもっとファストで度を越したものにしようとしていただけなんだ。

    ■Phantom Lord

    ラーズ
    あきらかに俺たちがやったことは全てイギリスのサウンドを使って、2つのギターっていうイギリスで行われていたようなやり方だった。アメリカではもともと全部、1つのギターでもうちょっとルーズだった。(俺たちには)誘導灯があった。ダイアモンド・ヘッドの『Lightning To The Nations』、モーターヘッドの『Overkill』『Ace Of Spades』『No Sleep 'Til Hammersmith』・・・アイアン・メイデンの1stレコード、ジューダス・プリーストの『British Steel』、サクソンの『Wheels Of Steel』、タイガース・オブ・パンタンの『Wild Cat』・・・これらは俺たちがやってきたものに流れ込んだ青写真なんだ。

    Metal Hammer 2016年6月号より

    続きはまた後日。

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    ジェイムズ・ヘットフィールド表紙の「Metal Hammer」2016年6月号にて、ラーズ・ウルリッヒとカーク・ハメットが『Kill 'Em All』レコーディング時を振り返るインタビューが掲載されていました。収録曲について語られているところを管理人の抜粋拙訳にてご紹介。

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    ■Hit The Lights

    ラーズ
    この曲について議論するつもりはないよ。『Kill 'Em All』のヴァージョンは基本的に2つの曲の融合なんだ。ヘットフィールドが序奏部分とコーラス部分をレザー・チャーム(Leather Charm)っていうバンドで彼が以前やっていたものから持ってきたんだ。もう半分は俺が以前にやっていたものを持ってきた。3つのヴァースと3つのコーラスの後、新たなリフとファッキンなジャムのアウトロでもって別次元に持っていくんだ。

    カーク
    俺がメタリカで初めて演った曲だね。バンドに入ってまだ3週間しか経ってなかった。バンドのオーディションのために4月第2週に飛んで来た。月曜に着いて、金曜日に初めてのショーを演った。週に2、3回のショーを演ったから、俺は(バンドに加入する)準備万端さ。誰も俺に違うって言わないもんだから、俺はこのバンドにいなきゃいけないんだって悟ったんだ。

    −典型的なメタリカの作曲風景はどんな感じですか?互いに座ってレノン&マッカートニーのようにイチから曲を作っていくのですか?それともみんなで違うパートを持ち寄って、うまいことくっつけていたのですか?

    ラーズ
    (笑)レノン&マッカートニーは外しておくべきだね。いやいや、間違いなく後者だよ。もっと断片的なものなんだ。ジェイムズがアイデアを持っていて、俺もアイデアを持っている。ついにはムステインもアイデアが浮かぶって具合だ。それから、そう、そういったアイデアを一緒にくっつけていき、ピッキングのアイデアを少々加えたり、ヘヴィにしたり、ファストにしたりして、エネルギーと若いパンクな熱情を注入して、このメタリカってやつが出来たんだ。

    ■The Four Horsemen

    ラーズ
    デイヴが以前のバンド、パニック(Panic)から持ってきた。ジャムだったり、大きな絵図だったり、そういうものをね。「The Four Horsemen」って曲は初期ヴァージョンは「Mechanix」と呼ばれていた。それは文字通りセックスについての曲だった。ガソリンスタンドでホースをガスタンクに突き刺すように見せかけた性交渉の歌詞だった。当時、俺にはとても意味があるようには思えなかった。でもそういったことは俺たちが距離を置きたがっていた当時のハードロックバンドで歌われていたセックスにまつわることだってことはわかっていた。ちょっと考えたら明らかだ。ウィッチファインド(Witchfynde)(訳注:NWOBHMのバンド)の1stアルバムにあんなものはないってね。

    −あなた方の作っていた音楽は当時のアメリカン・ロック、メタルに起きていた他の全てのことに対する意識的な反応だったんですか?

    ラーズ
    当時のメタリカについて話す時、「逆」って言葉を使わなきゃならない。やる気のないものをやろうとすることはそう多くない。だいたい「俺たちはあんなこと絶対に好きじゃないから、これをやろう」って具合だ。これをやりたくない、あれをやりたくない、アメリカのバンドがやってるようなことはやりたくない、こんなやり方で曲を書くなんてしたくない。(そうして)俺たち自身の音をみつけたんだ。

    −他の誰かのパートを弾いていると感じたことはありますか?

    カーク
    まぁ少しはね。演奏するには心強いと感じるに十分な楽曲が近くにあったわけだけど、他の誰かの音楽を弾いていると感じたことはある。以前弾かれていたものに張り合おうと努めていたよ。でもそう上手くはできていなかったけどね!(笑)

    ■Motorbreath

    ラーズ
    「Motorbreath」はヘットフィールドが(モーターヘッドではない)他の何かから持ってきたものだ。それを俺たちでヘヴィで速いものにしたんだ。「Motorbreath」にある「Motor」って言葉は、モーターヘッドの「Motor」とは関係していないと思う。純粋に偶然に起きたことだよ。

    −もし『Kill 'Em All』のレコーディング半ばのスタジオに我々が踏み入れることができたらどんな臭いがしましたか?

    ラーズ
    勘弁してくれよ・・・たぶん安いビール、脂っこい食べ物、汗まみれの脇、キツい臭いのタバコだよ。俺たちの安全地帯、サンフランシスコのベイエリアとは遠く離れたニューヨーク北部のロチェスターにいた。バレット・アレイ(Barrett Alley)っていう家具倉庫みたいな場所に4、5週間滞在した。金もなくて、全てが困難だった。手に入る一番安くて酷いビールを飲み、最悪のファストフードを食べ、クリフと他の何人かがタバコを吸うわけだ。俺たちはただの二十歳の鼻タレ小僧で、ぶっ倒れるまでロックするぞってだけだった。

    カーク
    俺たちはどこかに滞在することになっていたんだけど、結局他のヤツの家にやっかいになることになった。そいつはスタジオで働いているゲイリー・ゼフティング(Gary Zefting)って名前の男だった。そこに2、3週間はいたよ。俺たちは彼の家をすっかりぶっ壊しちまった。

    Metal Hammer 2016年6月号より

    家を借りていたゲイリー・ゼフティングについては、『Kill 'Em All』のライナーノーツで謝罪を入れています(笑)

    kea_linernotes

    続きはまた後日。

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    『Kill 'Em All』のリマスター盤発売を受けてか、2016年4月26日(火)発売のMetalHammerは、ジェイムズ・ヘットフィールド表紙の『Kill 'Em All』特集とのこと。

    metalhammer_00

    中身も当時の写真がふんだんに使われています。
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    metalhammer_02
    metalhammer_03
    metalhammer_04

    メタリカのメンバー、マネージャー、プロデューサーに『Kill 'Em All』制作時のことを振り返ってもらったインタビューを行っているようです。

    メタリカ以外では下記アーティストの記事あり。

    Trivium
    Hatebreed
    Purson
    Killswitch Engage


    購入したい方は発売日以降にこちらをチェック!
    タワーレコード
    HMV

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    今年のエイプリルフールでメタリカ情報局は特に何もしなかったわけですが(苦笑)、海外のHR/HMサイトでメタリカがエイプリルフールのネタとして使われていたのでご紹介します。

    まずは英サイト「Metal Hammer」。ツイッターのアカウント名を「Babymetal Hammer」に変えてこんなツイートをしていました。
    babymetal_hammer

    午前中はこのツイートのリンク先にメタリカが氷上で『Master Of Puppets』を演るもっともらしいことをややふざけた調子で書かれていたのですが、管理人が翻訳する前にネタ明かしとしてこんな画像に切り替わっていました。

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    Metal Hammerより(2016-04-01)

    そして、米サイト「Loudwire」では、「ジェイムズ・ヘットフィールドがMetallicaをやめてYeah Yeah Yeahsに加入」というニュース記事を掲載。

    ジェイムズとの電話インタビューという形で動画がアップされていました。


    Loudwireより(2016-04-01)

    ありとあらゆるジェイムズの「Yeah」を聴くことができる動画となっています(笑)

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    英雑誌「Metal Hammer」のサイトでメタリカに絡んだ音楽業界を俯瞰する記事をみつけたので管理人拙訳にてご紹介。

    −世界有数のロック・アーティストはもはやアルバムを作らない。なぜか?それはお金の問題だ−

    Metallica_Records

    伝説のトロッグス(訳注:The Troggs Tapes、映画『メジャーリーグ』のテーマ「恋はワイルドシング」のオリジナルで知られるバンド)は、スタジオ入りした破綻の間際にいるバンドが次のヒット曲を詰め込もうと奮闘することについて、知るべきこと全てを教えてくれる。「ろくでなし野郎に妖精の粉(訳注:麻薬の隠語)をちょっとふりかけないと!」何もかもうまくいかないと、ドラマーのロニー・ボンドはそうわめいていた。「クソドラマーが!」リードシンガーのレグ・プレスリーは後にこう言っている。「まったくクソ野郎だ」

    1970年に遡り、エンジニアのクライヴ・フランクスが密かにレコーディングを行っている頃は、スマッシュヒットのシングル曲やアルバムは、トロッグスのような全てのバンドの生活の糧になりえた。ヒット曲はお金を刷って、バンドが大赤字か収支トントンでツアーに出て、レコードを売るのを助ける免許証のようなものだった。完璧なビジネスではなかったが、うまくいっていた。ミレニアムの変わり目までは。だが、あの収益モデルは逆転してしまった。レコードは今やライヴチケットを売るための赤字筆頭だ。極端な例で言えば、2014年にU2が最新アルバム『Songs Of Innocence』を8億人のiTunesユーザーに配布した。しかし、彼らの財政的視点は現在行っているアリーナツアーの宣伝に向いていたのである。年齢に不相応なレザージャケットを着た4人のジェリー・マグワイア(訳注:映画『ザ・エージェント』の主人公)のごとく、U2はあなたにお金を見せてほしかっただけなのだ。

    U2のボノはアルバムを作るのにどれだけ苦痛を伴ったか大々的に語っている。(ここで読者は「それを聴かされる苦痛よりマシ」というジョークを差し込むかもしれないが)スタジオで何ヶ月あるいは何年も打ち込んだり、自己疑念を抱いてレコーディングしたものを破棄したりして、自分たちのキャリアを決定付けたアルバムのほんの一部の売上げぐらいを売るためだけにリリースするのだ。2000年には、イギリスで16億4800万ものアルバムが売られていたが、2014年には8億6800万までになった。アルバムの平均価格は、インフレを加味しなければ、10.98ポンドから7.84ポンドまで落ち込んだ。アルバム市場は数と金額の両面において地に落ちた。

    なぜトロッグスやメタリカの(2004年のドキュメンタリー映画『Some Kind Of Monster』で痛いほど詳細を明かしたような)トラウマを自らに課すのか。金銭面の条件内でアルバムをレコーディングするというのは、半年ツアーに出て100万ドルのショーという最上の結果を得られるようになれば、難しくなるというものだ。

    U2ticket
    U2の最新アルバムは、命がけで作ったがタダだ。一方、ある日のバンドのライヴは75ユーロ(約一万円)。| GettyImages

    一定の年齢に達したアーティストが長いあいだこの現実に同調している。ゼロサムゲームが繰り広げられているなか、変わったことはそんなアーティストたちが事故る前に脱出装置を使って窮地を脱することが増えてきたということだ。いずれももうアルバムは作らないとハッキリ言ったわけではないが、その兆候は始まっている。

    メタリカは2008年からアルバムを制作していないし、キッスは今世紀にどうにか2枚だけアルバムを出したといった具合だ。一方、ローリング・ストーンズはこの10年新しいアルバムは出していない。ジョー・ペリーは新しくエアロスミスのアルバムを作るという考えに公的に疑問を呈しているし、ポール・スタンレーはキッスのレコードをまた出す「必要はない」と語っている。しかしこういったバンドのツアーはスムーズに行っている。アルバム売上げとSpotifyにおける彼らの最新曲の再生回数を見れば、膨らんだ年金制度はツアーであってHMVではないことは至極明らかだ。

    メタリカが最後に出した2つのアルバム『St.Anger』と『Death Magnetic』は世界で1000万枚以上の売上げを上げた。もし彼らがスタジオ使用料、マーケティング、製造・流通コストを取り戻そうとすれば、売上げ1枚につき数ドル以上がなくなるというのも疑わしい(もっと取られているかもしれない)。窓掃除をしていた方がよっぽどマシかもしれないが、それでもブラックアルバムがアメリカのみで1600万枚もした売上げには程遠いのである。そしてキッスの最後に出した2つのアルバム『Monster』と『Sonic Boom』について考えてみると(そしてこっそり言わせてもらえれば)これらのアルバムが世界で売った数は100万枚にさえ満たないのである。

    ここにきて、ストリーミングがこういったアーティストにとっての新たな未来になると推測するかもしれない。現実は全く逆だ。前述したキッスの2つのアルバムはSpotifyで1000万回の再生を記録している。Spotifyの平均支払額は1回の再生につき0.007ドルであることに基づけば、総計7万ドル支払われる印税をメンバーで山分けすることになる(レーベル、出版社の仲介料やマネージメントに払う20%の報酬額や税を除く)。

    メタリカはストリーミングサービスのなかではいくらか善戦している(彼らは2012年に楽曲使用を許諾したSpotifyの株式を取得したと噂されている)。彼らが最後に出した2つのアルバムは4500万回以上再生されている。控除前の金額は31万5000ドルだ。ジェイムズ・ヘットフィールドが新しいタンクトップとギターの弦を買い、ラーズ・ウルリッヒが新しいヘッドバンドとシンバルを買えば、それほど多くは残らない。

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    ラーズ・ウルリッヒ、Sotifyの記者会見にて(2012年)| GettyImages

    『Death Magnetic』のツアーが2億1700万ドルを売り上げたことと比べれば、どっちを重要視すればいいかは明らかだ。ローリング・ストーンズは2005年以来 コンピレーションアルバム『GRRR! 』の売上げを伸ばす手段として「Doom & Gloom」「One More Shot」という2つの新曲を出した。ミレニアム以降、5回のツアーに出て、全338回の公演を行い、13億ドルほどの興行収益を上げた。1公演につき380万ドル上げたことになる。アルバム無しでも彼らにはお金がついてくるのだ。

    「これが新曲です」というフレーズを単に受け入れなければならないところまで到達すると、ファンの競争が始まるピストルの合図だ。ファンたちはスタジアムやアリーナで自分たちの知っている曲に大雑把に似ているものを大好きなバンドのライヴで聴くことに喜んで大金を支払う。それを観ている時はビールのための6ポンドを支払うことにはちらつきもしないが、ほぼ間違いなくiTunesでニューアルバムを買うために6ポンドを決済しようとは思わないだろう。

    贅沢に数ヶ月も世界を廻り、ライヴを観るのに心から興奮している数十万人もの人々の前でステージに出られるようになったのに、なぜほんの一握りの人々が望み、さらに少ない数の人々が好むアルバム制作という苦しみを乗り越えようというのか?アーティストのエゴとは40年間、そのような「現実に対処すべく」望んできたものなのだ。しかし、彼らのほとんどは一夜に10万人を前に公演を行うことが、総計10万枚のアルバムを売り上げることを凌ぐことをわかっている。彼らのレコード売上げは下がり続けている一方、ライヴチケットの売上げは数も価格も上がっているのだ。バンドはしらばっくれているが、レコード売上げを見てチケット売り場の売上げと比べたら、アルバムに多くを費やすよりもはるかに賢い。

    Metal Hammer(2015-10-05)

    近年ではアルバムの発売前に先行シングルがYouTubeやSoundCloudで無料公開されるのが当たり前になってきました。プロディジーのように「もうアルバムは作らない」と宣言しているバンドすらいます。

    ザ・プロディジー「もうアルバムは作らない」

    一方、体力的な問題でツアーから離れていくバンドもあるなか、好きなバンドたちが今後どういうスタンスで音楽業界でやっていくのだろうかと考えさせられる記事でした。

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    2015年2月3日(火)発売のMetalHammerでメタリカ特集とのこと。

    metalhammer_de_2015_01

    メタリカ以外では下記アーティストの記事あり。

    Nightwish
    BABYMETAL
    Papa Roach
    Korn
    Venom
    Falling In Reverse
    Periphery

    購入したい方は発売日以降にこちらをチェック!

    MyFavouriteMagazines
    タワーレコード
    HMV

    cowboybluesさん、情報ありがとうございます。

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