デビュー前のデモ・テープ『No Life 'Til Leather』のカセット復刻版を行うメタリカ。今回はメタリカの曲が初めてレコードに収録されたコンピレーション・アルバム『Metal Massacre』の制作秘話を。収録曲「Hit The Lights」のリードギターをつとめたロイド・グラントの(2015年2月27日に行われた)インタビュー。BLABBERMOUTH.NETさんのインタビュー文字起こしを管理人拙訳にてご紹介。

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−どのようにしてメタリカと関わっていったのか

何が起きたのかいろいろと違った説明がなされているね。私の見解では、私とラーズがカリフォルニアのオレンジ・カウンティーでジャムっていた。私たちと何人かでジャムったり、一緒にジャム・セッションしてくれる他の人たちを探していたんだ。そして、私たちは出会ったんだ・・・リサイクラーという週間紙を通じてね。あれを通じて出会ったんだ。それが始まりさ。

私たちは長いことプレイしていた。彼は私のアパートにやってきては、私に一緒に来てバンドでジャムをしようと頼み続けていたんだ。でも私は他のことをやるのに本当に忙しくってね。私は根負けして彼らと一緒にやったんだ・・・私と彼とジェイムズ、その3人だけでね。ジェイムズはベースを弾き、私はギターを、ラーズはドラムを叩いていた。そして私たちは「Hit The Lights」をリハーサルした。しかし、そうなる前にラーズは私にあの曲を聴かせてくれた。私たちはサッカーを見てつるんでいた。彼は「俺、コイツに会ったことがあるんだぜ」とかベラベラ喋っていた。そして「彼はまさに俺たちが一緒にジャムしたいヤツだ」と言っていた。そして彼はこの1曲を弾いた。素晴らしかったね。それが「Hit The Lights」との出会いだよ。その後、何回か私たちはジャム・セッションをした。それから彼は私に電話してきて、彼らがコンピレーション・アルバム(『Metal Massacre』)に参加するつもりで、4トラックで録音した「Hit The Lights」のテープを渡したと言っていた。それでそのためにいくつかソロを弾いて欲しいということだった。彼らは4トラック録音機を持ってきて、録音だけすると、それをコンピレーション・アルバムで出したんだ。


−2011年12月にフィルモアで行われたメタリカ結成30周年ライブに参加したことについて

あぁ、あれは私の生涯で最高の経験だったね。あそこに行ったら、オジー、ギーザー・バトラーといったロック・スターたちが姿を見せていたんだから・・・。誰もが本当によく知っている、そんなロック・スターが私が立ったその夜の同じステージにいたんだ。あれはかなり素敵な経験だったよ。あの人たちはそのステージのために本当に懸命に取り組んでいたよ。つまり、彼らは午前中には着いていて、セットリストに載っている弾くつもりの曲を全曲弾いていたんだ。数回は練習していた。午前中にリハーサルをスタートして、ショーが始まる直前でやめたのさ。そんな感じで彼らは本当に懸命に取り組んでいたんだよ。ホントよくやっていた。彼らは一生懸命やっていた。それだけじゃない。それだけじゃなくって、彼らは本当に親切だったね。正直言ってあれは素晴らしい経験だよ。本当にいい経験だった。

BLABBERMOUTH.NETより(2015-03-28)

さらにBLABBERMOUTH.NETさんの記事の続きでは、別の側面からこのあたりのエピソードを取り上げていました。

ハードロック・ジャーナリストのK.J.ドートンによるメタリカの伝記本『Metallica Unbound』のなかでは、ロイド・グラントとメタリカについて次のように書かれています。

ラーズとジェイムズは決めた。「Hit The Lights」のデモ提出期限のたった数時間前に、第2ギタリストによる第2のリードギターが必要不可欠であると!ラーズはロイド・グラントという名前の手の空いたジャマイカ人ギタリストを知っていた。そこで、ブライアン・スレイゲルが『Metal Massacre』の他の曲のミキシングを既に終えていたハリウッドのビジョウ・スタジオ(Bijou Studio)までの道すがら、バンドはグラント家の私道に車を停めると、4トラック録音機を部屋に運び込み、彼が第2ソロをぶちかますのを見守った。こうして「Hit The Lights」のレシピは完成した。

ジェイムズは土壇場の苦悩を回想する。「この4トラック録音機のことは覚えているよ。ドラム、ベース、ギターとボーカルはあった。曲のある部分ではボーカルがなかったから、ボーカル・トラックにリードギターが入れられた。思い出すよ。別のソロを入れたいと思っていたんだ。だからロイドの家に車を停めて、あのアンプをつないで、ソロだけ録ったんだ。最初のテイクだったよ。それからスタジオに行って、あのソロをレコードに入れたんだ。クソ素晴らしいソロだったね!」

多くの話がグラントが実際にメタリカのメンバーだったということを物語っているにも関わらず、ジェイムズはこのシングルのずさんな出会いが彼がバンドに関わった唯一の時間だったと主張している。他の仲間はグラントが味のあるリードを心得た、才能あるデルタ・ブルースのギタリストだったと記憶している。ジェイムズはこう語る。「彼はマザーファッカーみたいなリードを弾くことができた。でも彼のリズムギターはあまりタイトではなかった。」

『Metal Massacre』第2、第3プレス盤の「Hit The Lights」ではグラントではなく、デイヴ・ムステインがリードギターをつとめている。

BLABBERMOUTH.NETより(2015-03-28)

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