前回の「So What!」の続きから。

WorldWiredTourで定番化したカーク・ハメットとロバート・トゥルージロのご当地曲コーナーについて、メンバーが思うところを語ってくれています。管理人拙訳にてご紹介。

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ステファン
ロブとカーク(のパート)は発展していったよね、つまりちょっとしたジャムからセッションになり(訳注:原文ではnoodleからdoodleになったとある)、今や1つのモノになっている。そうでしょ?

ラーズ
デュエットだよ。

ステファン
ショーのポイントになっている。

ラーズ
(ロブとカークの方を向いて)この(休暇中の)夏に2人がロードに出て、全ての国でそんなことをやるかもしれないね…

ロブ
それはないな!

ラーズ
計画するなら協力するよ。

カーク
家族がそんなことをするのを望んでいるとは思わないね。

ステファン
ショーにもたらしたことは何かを話してよ。

ジェイムズ
そこに自分がいないってのが最高だね!このバンドの他の誰かがアイデアを思いついて、そうなっているっていうのがさ。実を結んだけど、(こういうことは)有機的に起こっているんだ。ステージ上のラップみたいにね(ラップ:ジェイムズは曲のあいだのMCのことを言っている(So What!編集部))。「そのラップはあれよりも良かった」「あれはうまくいったけど、あれはちょっとね」なんて言っているかもしれない。でも俺が言うことを信頼してくれていると思うし、実際に起きている。何が言いたいのかと考える。うまくいくときもあれば、いかないときもある。より心地いいときもあれば、長くなったり、短くなったりするかもしれない。でも俺も話好きになっている。俺が思うに、(カークとロブの)セクションも同じじゃないかな。本当にクールなものを思いついたね。

本当にうまくいくこともあれば、そうじゃないときもある。当たったり、外したりだけど、それをやっているという事実はそのリスクにも共感しているんだ。「地球最大のメタルバンド」なんてのが、a-haの曲でおふざけしてたり、俺が小さな子どもに向かって「やぁ」なんて言ったりすること、人間的側面と崇敬される側面を見せていることでみんなに共感されていると思う。結局のところ、良いニュースはそこを離れてもまた戻ってくる。(良し悪しを)評価する人を持とうとしてしまうけど、そんな人はそこにはいない。そんな人は楽しい瞬間を体感していない。だから俺は毎晩何が起きるのか見ることは、とてもエキサイティングだとわかったんだ。素晴らしくなる保証はどこにもない。

ラーズ
でも今やみんなが実際に楽しみにしているというのも本当にクールなことだよ。以前は冗談で言ってたし、誰を軽視することもなく言えることなんだけど、ドラムソロ、ベースソロ、ギターソロってのは間違いなくトイレ休憩(の時間)だった。あるいは「Tシャツ売り場に行こう」とかね。今やみんながそれについて話している。俺たちがミート&グリートをやるとさ…「今夜のロブとカークは何をやるの?」って。

カーク
そう、いろんな予想があるよ。

ラーズ
「来週は何が起きるの?」って。今やこういう他のことがそれ自身の命を宿している。それが本当にクールなんだ。俺にとってそれがショーの期待の一部であるっていう事実は素晴らしいことだと思う。

ジェイムズ
しかも俺たちは休めるしね!

ロバート
まぁ自分にとっては、成長・学習っていうコンセプトやこの歳で今ツアーが出来ていることにいつも感謝しているよ。リスクを冒して、ハンガリーとかプタペスト出身のバンドやバルセロナ出身のペレットと呼ばれているカタルーニャのルンバのアーティストについて学べることも楽しめている。本当にいい感じだ。自分が気づかなかった曲のなかにも興味をそそるものがあるってことに気づかされた。加えて言葉のこともある。ドイツ語で歌うよう練習するのは本当に興味深い。俺の義母はドイツ人だから彼女の助けを借りたり、妻のクロエに訊いたりしている。そういう面白いことがあるね。だから全てがかなりの冒険になったわけだけど、ジェイムズの言うようにそれはリスクでもある。「Halo On Fire」を弾いてるあいだにちょっとビビったりするよ。「あと2分後にはチェコ語でこの歌を歌わないといけないな」なんて考えちゃってさ。それで深呼吸するってわけ…。

ラーズ
俺なんかは「あと2分で引っ込んでお休みだ」って感じだね。彼が訳の分からないことをするぞ!!!って。

ジェイムズ
チェコ語で歌わ「なければならない」。これはやる必要はない。自分でやりたがってるわけだから。

ロバート
でもやりたいんだ。なぜだかわかる?

カーク
彼は今日フィンランド語で歌うよ。

ロバート
そう。いいかい、これは俺が本当に信じてやってることなんだ。

ジェイムズ
今夜で歌うのは終わりかな???(訳注:インタビュー当日はヨーロッパ公演最終日)

ロバート
実際、そうだね。

カーク
今夜でね。

ロバート
すぐにでも言いたいのは、俺にとって、ベストを尽くしているってことだよ。あと、普通に感じているのは、そこにいる人たちが何が起きているかをわかっているってことなんだ。そう頻繁じゃないけど、どういうわけかわからない時っていうのはある。俺の言ってることわかるよね?だから仕事の倫理は強くなくちゃならない。この2公演は本当に頑張っているよ。カークと一緒に、この挑戦がさらに良い方向になるよう挑戦して仲間意識を持つことを楽しみにしているよ。特にヨーロッパでは、みんなは少なくとも何を体験することになるのかわからない状態で来て、突然「あぁこれか!」ってなるんだ。

先日も俺はここにいるみんなに言ったんだ。「俺たちa-haの曲をやるつもりなんだ。最初はブーイングがくるだろうね。覚悟しといて。それからそれが大好きになるはずさ」まぁ、よかったのはブーイングはなかったってことだ。どういうことかわかる?俺はそれがわからなかった。俺は自分自身の最悪の批評家なんだ。もし俺がそこで(本来のメロディを弾かずに)激しく弦を連打してたら、何よりも自分にダメ出ししてただろうね。だから少なくとも100%捧げることがわかっていれば、誰が何を言おうと気にしない。「ベストを尽くした。それを誇りに思う。」とね。

ジェイムズ
そう、それがまさにメタリカだ。それがメタリカなんだ。



ロバート
イチかバチかやってみて、(結果は)それはそれだ。

ジェイムズ
わかってると思うけど、ロブから、マイクの近くにいても恐れを感じる。

ロバート
そうだよ。

ジェイムズ
彼は加入した頃から…俺が歌の助けを望んでいていたことを彼は知っていた。もっと安心できるようにとヴォーカルレッスンを受けていたよ。今や俺がやりたいとも思わないことをやっている。チェコ語で歌っているんだから!!

ロバート
外国語でっていうのはクレイジーだね。でも全てが楽しいし、新鮮だし、こうなるはずじゃなかったんだ。有機的に起きていて、素晴らしいよ。

カーク
何かクールなことをやりたいってだけで完璧な成果になったね。ある時点でロブと俺は膝を突き合わせて、俺に訊ねたんだ。「それぞれ別々の日に、こういう曲をやりたくない?」俺はそれを見て「いいじゃん」となった。俺はすぐに何かを学んで、それをうまいことやり遂げるって挑戦は好きなんだ。俺にとってクールなことだった。さまざまなスタイルを学ぶ挑戦も好きだしね。そういうもののなかにはチェコの「Jožin z bažin」みたいに超ローカルなものもあった。

ラーズ
…地元のクールな曲でちょっとしたツアーでもやるか?最初に地元のクールな曲を選んで、それから日取りをブッキングしよう。

ジェイムズ
ヨーロッパで本当に素晴らしいのは、スポーツ、サッカーチームみたいに、そういう曲をとても誇りに思っているってことだね。何か愛国心があるというか。

ステファン
アンセムがあるよね。

ジェイムズ
スポーツ、言語、曲。「これは俺たちにとっての歴史的な曲だ」っていうね。だからアメリカやオーストラリアとかに行くときにも挑戦するよ。国自体がもっと広大だからね。どうやったら地元の誇りに触れられる?

カーク
そのことについて昨日話していたんだ。次のツアーの最初の3、4ヶ月は実際やってみたんだ。1か所に複数のアーティストがいる場合に自分たちができることについてアイデアや提案をしながらね。マッシュアップとかメドレーとか、どうやったらうまくいくか話していたんだ。

ロバート
…これを時間内に収めながら、1分だったり1分半でこれ、1分半であれをやるって感じだね。とても面白いものになるよ。だってアメリカじゃ、多種多様な都市にいると複雑になるからね。

カーク
そうそう、デトロイトとかシカゴとかね。

ロバート
まさしく。ミシガンなら一般的に、すでにたくさんの人たちがいるでしょ?つまり、とても多くの可能性があるってことなんだ。少なくとも2018年にはそれをちゃんとマッピングして、先を見ながら、本当にクールなものになるよう、どんな挑戦になるかがわかるだろうね。

カーク
アメリカには「地元愛」がある。俺が「地元愛」と言えば、このバンドとこの街、このバンドとこの州であり、この町のことだね、一緒にやってきたことがたくさんある。

ロバート
(サウスダコタ州)スーフォールズとか(ノースダコタ州)グランドフォークスみたいに、クールなものがあってそれを見つけた時なんて「うぉぉぉ!こりゃいいね!」ってなるんだ。全てサプライズになる。

ステファン
そうなると訊かなきゃならないのは、こういう風に発展して行った時に、ラーズとジェイムズに「ねぇ今夜はこの曲をやろうと思うんだ」とか何とか伝えていると思うんだよね。ラーズとジェイムズにとって、信じがたい曲とかピンとこない曲を出されたら、どれほど耐えがたいものなのかな?何も言わずにいることはどれほど難しいものなのかな?

ラーズ
さっきジェイムズが言っていたように、俺たちはそこに関知していない。

ジェイムズ
俺は信頼しているよ。俺が2人は紹介する時はね。「ハロー!俺たちは大きなクソロックバンドだが、本当にバカになることだろう…さぁ一緒に!」ってね。そういう単純なことだよ。もしそれをやらなかったら、機会を逃すことになる。どうぞやってくれ。

ステファン
正直言って、それはこのバンドの成長の大きな証だと思う。

ラーズ
俺は関与しないよ。信頼してるし、気になったり、興味をそそる時はあるけど、関与はしない。俺はそれを判断したりはしないんだ。

カーク
不可避な要素の1つは、ロブと俺が「Poppy」とか「Off kilter」の曲をやると決めたら、それは俺たちというフィルターを通したものだってこと。だから99%違うサウンドになる運命なんだ。

ジェイムズ
超ポップだったり、超パンクだったり、俺たちのジャンル外のものをやる方がよっぽど簡単だよ。人があまりジャッジしないからはるかにやりやすい。「わぁ、あれは面白かったな!」ってなるからね。

カーク
不意をつかれるからね。

ジェイムズ
地元のロックとかメタルのような別の同年代のバンドをやろうとするくらいなら、自分たちの枠外から出た方がいいだろう。

ロバート
こんなことこれまでやったことないだろう?こないだアメリカから知人がメールをくれたんだけど、そこには「こりゃあ、すごくイイね!」って書いてあった。「…キミらのやってることは最高だわ」ってメッセージをアメリカからたくさんもらっている。この友人は(フランク・)ザッパがこういうことをやっていたと言ってた。俺は「そりゃすごい。ザッパは最高だ。ザッパは歌ったりしたの?ハンガリー語とかチェコ語で?」と言ったら「いいや、それは彼もやってないよ」って。だからこれまで誰もやってないんだ。特に俺たちがやっているようなことをバンドでっていうのはね。

ステファン
最後の話題に進む前にもう少し質問を。1人ずつ、これまでやったなかでお気に入りのカバー曲は何かな?

ラーズ
マンチェスターで(オアシスのカバー)「Don’t Look Back in Anger」をやったのは、感情を揺さぶられて最高だったな。

カーク
あれは最高だった!

ラーズ
あの時点で起きていたこと(訳注:アリアナ・グランデのマンチェスター公演終演後の自爆テロ)があったから、違う次元で心打たれたよ。

カーク
あぁ本当にそうだね。

ラーズ
あの曲が持つ歴史と最近マンチェスターで起きたことがその理由だろうね。

カーク
より大きなものを意味していたり、関係していたりという点では、あれは俺たちがやったなかで一番感情を揺さぶられる時間だったよ。

ジェイムズ
そこにはカップルがいたんだ。つまり、観衆が束の間の一時をどこにいるのか忘れて、だからメタリカのショーに参加しているんだけど、何が起きたのかを忘れたがっていた。そんななかで、彼らは自分たちがいる場所に、彼らが知っているあの曲に敬意を払うんだ。大声で歌っている時はいつだって、最高だ!そこには繋がりがある!ロブが地元の言葉で歌おうが歌うまいが、そのメロディーによって、観衆はそれを理解して大声で歌ってくれる。あれは最高の気分だよ。

ステファン
クールだね。

Metallica.com(2018-07-05)



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