メタリカ情報局

メタリカを愛してやまないものの、メタリカへの愛の中途半端さ加減をダメだしされたのでこんなブログ作ってみました。

       

    タグ:DeathMagnetic

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    「Revolver」の2016年12月号でジェイムズ・ヘットフィールドとラーズ・ウルリッヒが『Hardwired...To Self-Destruct』と前作の『Death Magnetic』を比べた話をしていました。管理人拙訳にてご紹介します。

    metallicacoverrevolverdec2016

    ジェイムズ・ヘットフィールド
    俺たちが今どこにいるのかが正確に記録されている。以前のものと比べたくない。あれはあれ、これはこれだ。最初に考えていたのは「簡素」だったかもしれない。もっと簡素にしたかった。だから『Kill 'Em All』とよく言っていたね。ブラックアルバムは曲の面では他のものよりシンプルなところもあるけど、あのアルバムのプロダクションはかなり複雑で本当に重層的だった。新譜は『Death Magnetic』よりもちょっと重層的なものにしたかったけど、もっとシンプルにしたいとも思っていたんだ。もっと耳ざわりの良いものにしたいとね。『Death Magnetic』はとてもパワフルで大好きだけど、かなり耳を酷使するところがある。今回のアルバムはラウドでパワフルなんだけど、より温かい感じに聴こえるんだ。

    ラーズ・ウルリッヒ
    (プロデューサーの)グレッグ(・フィデルマン)が2007年に俺たちと関わるようになって以来、彼は全てのプロジェクトにいる。『Death Magnetic』、『Through The Never』、ディープ・パープルやレインボー、アイアン・メイデンのカヴァーをやった。ルー・リードとのアルバムもだ。リック(・ルービン)が関与していなかった頃には、メタリカのサウンドをふさわしい音にするのに少し自由を感じていたかもしれないな。

    ジェイムズ
    俺たちは彼のサウンドと彼が映画(『Through The Never』)でとったアプローチを楽しんでいた。『Through The Never』のサウンドはとても温かくパワフルな音で容易くアガる。それが今回俺たちが目指していたところだ。グレッグがステップアップしてね・・・

    彼を称賛しないといけない。俺たちと一緒にやるってのは簡単な事じゃないからね(笑)。ラーズと俺の間に飛び込むのはかなり厳しいものがある。彼はキャスティングボートを握ったり、審判になったり、まぁどう呼んでもいいけど、良い仕事をした。つまりアイツはとても穏やかで、クソ野郎になることなく自分の意見を伝えられるんだ。俺たちの前ではいつも慎重に振る舞わなくちゃいけないわけじゃないけど、ラーズと俺はかなり折れたと思う。ずいぶん減ったよ・・・口論のことを言っているんじゃなくて、どう進めていくべきかについて意見の相違のこと。俺たちは本当に彼を信頼していたからね。


    ラーズ
    実際、『Death Magnetic』の制作過程とは真逆だったよ。あのアルバムで、俺たちは早い段階でリックに会っていた。彼が北カリフォルニアまで数週間おきにやってきては一緒に音楽を聴いて、俺たちの歴史や未来、俺たちが何者なのかについて話していたんだ・・・

    あれは深くてクールで興味深いものがあったね。リックは俺たちにこれをやってみろ、あれをやってみろと俺たちを促していた。過去を受け入れるのを恐れることはない、これまでやってきたことから触発されていいんだってね。だからあのアルバムでやったことについては、とても体系づけられて考え抜かれたアプローチがあったんだ。今回のアルバムでは、ミーティングもコンセプトも何も無し。とてもオーガニックだった。俺たちはただ感じるままだったんだ。


    Revolver(2016年12月号)より

    ちなみにラーズ・ウルリッヒは、The Pulse Of Radioで行われた別のインタビューで、よく問題にされる『Death Magnetic』の音質についてこう答えています。
    『Death Magnetic』は数日おきに聴いている。あれを聴いていると笑みを浮かべちゃうね。圧倒されるんだ。みんながあれについて話していることは理解できない。先日、誰かからあのアルバムをリミックスする嘆願書に1万2千人の署名が集まっているって話を聞いたよ。『Death Magnetic』は250万枚売れたんだ。(アルバムを買ったうちの何人が嘆願しているのか)計算してみてくれよ。

    BLABBERMOUTH.NETより(2017-01-04)

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    「ROCK CITY」にて『Hardwired...To Self-Destruct』完成直後のラーズ・ウルリッヒのインタビュー放送(1)
    「ROCK CITY」にて『Hardwired...To Self-Destruct』完成直後のラーズ・ウルリッヒのインタビュー放送(2)
    「ROCK CITY」にて『Hardwired...To Self-Destruct』完成直後のラーズ・ウルリッヒのインタビュー放送(3)

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    カーク・ハメットがシアトルのラジオ局「KISW 99.9」のインタビューで新譜について語っていました。BLABBERMOUTH.NETさんの文字起こしを管理人拙訳にてご紹介します。

    kirkhammettmetallica2016

    −250のアイデアが入っていたiPhoneを2014年に無くしたと語っていたが

    (iPhoneを無くしたことは)俺にとって壊滅的だった。他の(バンドメンバー)誰もが曲の材料を持っているなかで、俺はまたゼロから始めなきゃならなかったと言わざるをえない。それからいくつかのアイデアが形になった時には、ほとんどの曲がすでに書かれていた。俺は「OK、俺には曲の材料があるけど、おそらく次のアルバムで使うことになるんだろうな。」ってひそかに思うしかなかったよ

    −『Hardwired...To Self-Destruct』が完成したことについて

    このアルバムの曲は、長い期間かけて一体になったものなんだ。1年半くらいかな。完全にグルーヴ寄りで『Death Magnetic』より自然な曲の進行になっている。でも『Death Magnetic』よりもグルーヴ寄りだし、あれまでプログレッシブではないよ。

    BLABBERMOUTH.NETより(2016-09-21)

    iPhoneを紛失した当時のインタビューではそこまでダメージのある感じで語っていませんでしたが、曲作りで集まった時には間に合わなかったようで(^^;

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    ミネアポリス公演前日(2016年8月19日)に地元紙CityPagesのインタビューを受けたロバート・トゥルージロ。新譜『Hardwired...To Self-Destruct』のサウンドや前作『Death Magnetic』とのつながり、ミネソタ州での思い出などを語ってくれています。管理人拙訳にてご紹介。

    ROBERT_TRUJILLO_2011_AP

    −こちら(ミネアポリス)にはいつ着きましたか?

    昨晩だよ。


    −サウンドチェックにきたのですか?

    いや、昨晩は(別の)ショーがあったから俺たちはできなかったんだ。通常はそうするんだけどね。でも今日は基本的にパッとやってきて即興でガッとやるって感じだよ。興奮したね。新曲を出して、アルバム制作も終わりに近づいている。マシーンがまた温まってきたって感じるんだ。今日は公式にスタートを切るってとこだね。


    −ニューシングルの「Hardwired」は本当にスラッシュな曲です。あの曲はニューアルバムの方向性を示していますか?

    そう思う。「Hardwired」はこの音楽の集まりに通じる完璧な声明だよ。俺はこのアルバムのサウンドは圧倒的だと思う。サウンド面では、たくさんの攻撃力を持っている。俺は曲についても興奮しているけど、レコードの音質についても興奮しているんだ。グレッグ・フィデルマンはプロダクションにおいて素晴らしい仕事をしてくれたよ。

    本当に楽しい音楽でありながら、チャレンジングでもある。ちょっと複雑だけど、強力なメロディーがある。俺たちがバンドとして正しい方法で成熟していると俺は感じるんだ。長年に渡って、たくさんの創造的な挑戦をしてきたし、歳を取るたびに目標に向かって進んできたしね。


    −『Death Magnetic』を出した時、たくさんの人たちがメタリカがルーツに戻ったと称賛していました。

    その通りだね。


    −ニューシングルもそのテーマに沿っているように思えます。それは意識していますか?

    (プロデューサーの)リック・ルービンと一緒にいたことで、ラーズとジェイムズはスラッシュのルーツとまた繋がるべきだという意識をもたらしたように見えたのはよかったね。リックにとってメタリカがあのスタイルとエネルギーを取り戻すことが重要だったんだ。

    あそこから引き出して何か新鮮なものをやる。俺はこのバンドが創造的なレベルでとても特別な場所まで連れて来られたように感じるんだ。今、この新しい曲の集まりにのめり込み、俺たちがやってきた全てのショーから成長してきただけでなく、ブラックアルバムを上から下まで学習してきた。『Master Of Puppets』もしかりだ。リリース20周年を祝福して、アルバム完全再現をやった。過去から遠ざかるよりも、過去を受け入れ、自分たちが今いる場所へとたどり着くのを助けた何かを深掘りするということをやってきた。『Death Magnetic』は、今起こっていることの出発点だったんだ。

    俺はこのことについて興奮しているけど、今後についても興奮している。世界と共有できるたくさんのリフがあるからね。できれば8年もかけたくなかったけど(笑)


    −あなたはまだアルバムの仕上げ作業が残っていると言っていましたよね?

    この段階では、簡潔にしていっているところなんだ。先日、プロデューサーのグレッグと俺はベーストラックで別のことを試してみたかった。でもみんなは終わったと思っている。だから俺たちはスタジオにこっそり入っていると、ラーズがベースを弾いている俺とコントロールルームにいるグレッグを見て歩み寄ってきて、こうさ。「おまえら俺をからかっているのか!」俺はただ笑っていたよ。でも俺にとってはそれが公式見解だったんだ。「OK。終わったよ。完成を祝おうぜ。」

    俺はバーバンクまで戻る飛行機の中でワイングラスを持っていた。誰かが俺にドリンクチケットをくれたんだ。それで俺は飛行機に乗っていたわけだ。「Hardwired」は全国に公開されたばかり。俺は機内の後ろに歩いて行って、無料のドリンクチケットをくれたこの男の隣に座った。俺がメタリカのジャケットを着ていたから、彼は「おぉ彼らは今日ニューアルバムを出すんだってね。」と言ってきた。俺が「いいや。1曲だけだと思うよ。」と言うと、彼は「本当に?曲は聴いてみた?」ときたもんだから俺はもう「あぁ良かったよ。」って感じだった。

    見たら、彼がヘッドホンをつけて、自分のiPhoneでビデオを観ていた。彼は俺がそのバンドにいるってことがわからなかったらしい。彼はこうきたよ。「おぉこれはホントに良いね!」俺は「ね?そうでしょ?」って。あれはベタな瞬間だったね。


    −ニューアルバムの制作過程は『Death Magnetic』と比べてどうでしたか?

    制作過程は似ていた。リフの貯蔵庫を持って、そこからジャムってた。何年にも渡って、何百ものリフを。俺はいつもラーズとジェイムズのサポートをするためにそこにいた。俺のアイデアであろうがなかろうがね。

    −新しいスタジアムで、たくさんの人たちがどうやってコンサート会場として、やっていくんだろうと思っています。サウンドチェックやら何やら行う機会もなかったようですし・・・

    いや。なるようになるよ。不思議だけどね。俺たちが音響効果がどのようになるのかあまりに多くのことを考えるってことについて、俺にはわからない。ただ5万もの人たちが俺たちとヘヴィミュージックをサポートするために普通にやってきてくれるってだけで幸せだよ。

    ミネアポリスは音楽にとっていつも素晴らしい都市なんだ。俺たちは駆け出しの頃にここにやってきたことを回想していた。ラーズはファースト・アベニューでやった最初のギグのことについて話していた。俺がミネアポリスで最初にライヴをしたのは、同じくファースト・アベニューだった。俺にはあの会場の思い出がたくさんあるよ。


    −何か突出した特定の思い出はありますか?

    いつもパーティーがあって、地元の人たちも参加していた。スイサイダル・テンデンシーズ時代にはしばらくのあいだ一緒にスノーボードに行っていた友達もここにはいる。スピリット・マウンテンやジャイアンツ・リッジや北のダルース・エリアに行って、そこで少しの時間を過ごしたよ。

    オジーとショーをやった時のことも覚えているよ。俺たちは(スイサイダルの)ワープド・ツアーとオズフェストを合同で開催したんだ。ビールを飲みながらアップル・リバーの川下りをしたのは良い思い出だね。


    −スタジアムからスタジアムへとライヴをしていると、(場所による)音質の違いについて気づくものですか?

    うん。デトロイトの(チームが本拠地にしていた)ポンティアック・ドームのようなスタジアムは、それは酷いサウンドだった。サンフランシスコ・ジャイアンツがプレイしているAT&Tパークでもやったけど、あれはとびきりだったね。だから(今回のUSバンク・スタジアムは)どういうことになるか全くわからないよ。バイキングスのことが好きなのは確かだけどね。俺が観て育ってきたバイキングスとロサンゼルス・ラムズというチームのあいだで長い歴史があるんだ。

    エリック・ケンドリックスとアンソニー・バーという我が校UCLA出身の2人のラインバッカーがいるしね。行け!バイキングス!


    CityPages(2016-08-26)

    プロデューサーのグレッグ・フィデルマンとロバートがベーストラックを録りなおしていたところは、RollingStoneのインタビューでラーズが言っていたのは、このことだったのかと話がつながりました。

    新曲PVではメンバー個々の顔がわかりにくいこともあって全く気付かれなかったみたいですが、まさか隣にメンバーが座っているとはその人も思わなかったでしょう(^^;

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    メタリカの9thアルバム『Death Magnetic』のプロデュースを務めたリック・ルービンがRollingStoneの「人生の21曲(My Life in 21 Songs)」というインタビューのなかでメタリカの「The Day That Never Comes」を挙げて『Death Magnetic』制作当時のメタリカを振り返っていました。管理人拙訳にてご紹介。
    rick-rubin



    メタリカが映画『Some Kind Of Monster(邦題:メタリカ 真実の瞬間)』を作ったのは、本当に大胆だなと思ったよ。彼らがボロボロだったところを見せたわけだからね。彼らと一緒に仕事をする上で主な目標は、メタリカがまたヘヴィメタルバンドであることにOKと感じられるように、彼らを導くことだった。いくつかの点で、彼らはすでにやっていたが、さまざまなやり方で自己改革しようとしていた。彼らが全員、全てを再びガッチリかみ合わせて、メタリカと恋に落ちた最初の場所まで私は持っていこうとした。彼らが『Master Of Puppets』を作った時に影響を受けた、当時聴いていた音楽を聴かせたんだ。彼らにはそういった影響下で生活し、バンドとしてもっと一緒にプレイする時間を過ごしてもらうように言ったよ。

    彼らは生の演奏の力を届けることよりも、自分たちが探している完成形を得るために、楽器やパートのパンチを効かせようとスタジオを使おうとする罠に陥っていた。彼らには機械で楽曲を編集することでアイデアを試すということをさせずに、彼らがどう感じたかを確認するために違う順序で彼らに(実際に)プレイしてもらおうとしたということだ。そうして彼らは本当にもう一度バンドになっていった。

    ラーズがコンピューターの前に座って何か試したり曲を書こうとしたりしようとすると、いつも私は彼とバンドみんなで一緒に演奏してみるようしつこく言ったもんだよ(笑)それは彼らにとってただの習慣だった。演奏する必要がなければ、たくさんのアイデアを試すのは簡単だからね。でもひとつのパートを演奏して次のパートに入っていこうとしたら、最初のパートか2番目のパートをちょっと変えて演奏するかもしれない。互いに心血を注いだり、互いに対抗し合ったりすることで、音楽的なことが起きえるんだ。そういうことをあの曲で聴くことができる。あれはランダムにクリックしてピースを繋げたのでは起きえない。

    楽曲制作で私が彼らに挑んだ実験はこうだ。「メタリカというバンドがいないことを想像するんだ。キミたちはバンドにいて、このバンドの生存競争に挑もうとしている。みんなを感動させたい。どんなサウンドだ?余計なことを考えるな、キミたちが観客の頭をつんざくように感じるものは何だ?」あれは本当に良い仕事だった。私は『Death Magnetic』の全部が大好きだよ。

    RollingStone(2016-02-11)

    ラーズがプロツールにハマって、リック・ルービンにたしなめられている姿が目に浮かぶようです(笑)

    2011年には次作のプロデュースを務めるようなインタビューを受けていましたが(関連記事参照)、現在はスター・ウォーズ公認EDMアルバムを作っていたり、別の仕事で忙しいようです。

    リック・ルービン、スター・ウォーズ公認EDMアルバムを制作

    果たしてメタリカが現在制作中のアルバムは、どんな楽曲制作プロセスが踏まれるのでしょうか。

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    メタル大好きなプロレスラー、クリス・ジェリコのPodCast番組「Talk Is Jericho」でのロバート・トゥルージロへのインタビュー。BLABBERMOUTH.NETさんの文字起こしを管理人拙訳にてご紹介。

    robert

    −『Death Magnetic』に続く新譜制作状況について

    素晴らしい時間を過ごしているよ。いい感じなんだ。知っての通り、俺たちはまだ制作中だ。(アルバムができるまで)もう少しかかるだろうね。でもいずれ来る。それは素晴らしいことだ。俺たちが頑張っていることは隠すまでもないことだね。

    −メタリカの楽曲制作過程について

    基本的には、少しずつ一歩一歩、ジャムセッションをしていくんだ。ジャムって、これだっていう感触を得る。ジャムセッションが中心で、そこからマジックが起きるし、それが俺たちがやっていることなんだ。


    −メタリカの楽曲制作に関する自身の役割について

    バンドに加入した頃、彼らは俺に大いに敬意をもってくれていた。俺はもちろん過去に何回もこういうことをやってきた。それに俺が一緒に仕事をしてきた人たち(が素晴らしい)ってことでも経歴は申し分ないって彼らは俺を信頼してくれている。その信頼は、知っての通り、ミュージシャンとして、自分たちのバンドとして、彼らがしようとすること、兄弟を信頼する、それから一緒に取り組むんだ。つまり何かがしっくりこないと、そのことをあらゆることで口にする。それがドラムパートであろうが、ギターであろうがね。そういうことさ。チームなんだ。

    −『Death Magnetic』の音質に関する論議がファンから起きたにも関わらず、トゥルージロはプロデューサーのリック・ルービンと『Death Magnetic』でのメタリカとのコラボについて懐かしがって振り返る

    リックは、俺たちが今やっていることを行なう上でとても大きな助けとなってくれた。ほんの少しの助力だろうが、大きな助力だろうが、どう考えようとも、大局的には全てにおいて重要だった。それに彼は本当に俺たちにとって大きな存在だったんだ。『Death Magnetic』においては、俺が思うに・・・俺にとっては、バンドに加入して初めて臨むアルバムで、共同作業が可能なのかという意味を持っていた・・・俺にとっては少なくとも未来への出発点として創造的に行なうことができたんだ。あれはそれだけ重要なアルバムだったし、彼にも俺にもあの時点でチームに加入するってことだったんだ・・・それ以来、俺たちはたくさんのことをやってきて、バンドになったという意味があった。それから俺はいつも思うのは、そう、『Death Magnetic』はその出発点として位置しているんだ。それ以前、つまり『St. Anger』だけど、俺はあのなかでプレイしていない。そこに創造的には関わっていなかった。でも『Death Magnetic』以後は、ブラックアルバム完全再現をやったし、『Ride The Lightning』や『Kill 'Em All』さえもやった。有名じゃない、バンドがライヴでこれまでやったことのないディープな曲を採用して、それを演奏する。それからもう一度やってみる。そんなことが次の段階へ足を踏み入れて創造的になるのを助けてくれるんだ。すべて繋がっているんだよ。


    BLABBERMOUTH.NETより(2015-11-18)

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    なかなかニュースに追いついていませんが、カーク・ハメットがFearFestEvil開催に伴って受けたインタビューをまとめて紹介します。まずはビルボードのインタビューを管理人拙訳にて。

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    メタリカのギタリスト、カーク・ハメットが初開催した昨年のFearFestEvil、それは恐ろしく素晴らしかった。そしてカリフォルニア州サンノゼで今週末、2年目の開催として帰ってきた。このイベントは、ハメットがバンドの次のアルバム制作に戻る前に行った朝飯前のイベントであった。

    「昨年やってて、すごい楽しかったんだ。喜びでもあったし、本当に素晴らしい人たちとたくさん会って、素晴らしいことをたくさん経験できた。」FearFestEvilの主催者、カーク・ハメットはビルボードにこう語る。「それによって本当に素晴らしい音楽と時間を持てた。ジャンルをまたいで、ホラーファンとメタルファンが混ざり合い、彼らがみんな気に入ってくれてたらいいなぁ。あらゆる面で素晴らしかったんだ。音楽の面でもホラーの面でもコレクターとしての面でもね。もし音楽のファンかホラーファンかコレクターだとしたら、この(FearFestEvilという)アイデアは訴えかけると思う。でも俺はその一員となって、ただ楽しんで成功すればいいなと思っていて、実際そうなったんだ。」

    (中略)

    音楽的には、メシュガー(Meshuggah)、ハイ・オン・ファイア(High On Fire)、 オーキッド(Orchid)、グール(Ghoul)、アグノスティック・フロント(Agnostic Front)、アサダ・メサイア(Asada Messiah)によるパフォーマンス。ハメットも少しギターを弾く予定だ。「お気に入りのバンドとお気に入りの曲をジャムセッションする機会があると思う。」と彼は言う。「自然発生的な面を本当に楽しみにしているよ。俺は自然発生的なものをやるのが大好きなミュージシャンなんだ。だから俺たちは音楽の部分では自然発生的な要素を維持しておきたいのさ。」

    それはゲストも同じだ。ハメットはこう言及する。「スラッシュも顔を出してくれるよ。彼はギターは持ってこないけど、スラッシュとジャムるのも大好きなんだ。もし彼が演りたいとなれば大歓迎だよ。彼のためにギターもアンプも充分なものがあるし、彼が演りたいとかジャムりたいとかいうどんな曲でも俺たちは演ることができる。問題ないよ。」

    FearFestEvilのお気に入りポイントは自分のホラーメモラビリアのコレクションをフェス参加者と共有できることだとハメットは付け加える。今年はレアでヴィンテージもののホラーのおもちゃ、映画ポスター、『ヤング・フランケンシュタイン(原題:Young Frankenstein)』や『成吉斯汗(ジンギスカン)の仮面(原題:The Mask of Fu Manchu)』やフランケンシュタインの映画で使われた鏡の小道具「Nebularium」が加わったと言う。「サンディエゴのコミコンやモンスターパルーザのようなFearFestEvilにはしたくない。これら2つのイベントは素晴らしい。だけど、俺たちは何か違うもの、違うやり方をしたいんだ。これら2つのイベントはとても標準的なやり方で行われているからね。俺たちはもっと双方向的で、もっと楽しい、ちょっと啓発的で教育的でありながら、同時にいい音楽があるイベントにしたいんだ。」

    このフェスティバルの後すぐに、ハメットは、Metallica HQのスタジオに戻って2008年の『Death Magnetic』の次作となるアルバム制作を続ける。「たくさん良い曲があるよ」ハメットはそう報告した。「曲はこの時点では絶え間なく変化している。何も確定していない。まだふるいにかけなければいけない材料がたくさんある。いまだにね。10数曲以上あるし、200か300以上のリフもある。だから俺たちが実際プロジェクトのなかでどの時点にいるのかを言うのは難しいんだ。まだ中間点には達していないと思う。25%、30%くらいのところじゃないかな。言いにくいけど、俺たちは制作に取り組んでいるし、曲もあるし、もっと曲を書いてレコーディングをする計画中ってこと。」

    ハメットはメタリカのアルバム制作過程は“Some Kind Of Monster”だと認めている。「俺たちがスタジオに行くとなると、それは俺たちの生活のなかで化け物のような割合を占める大きなことになる。生活の多くのスペースを埋めてしまう。そう、確実に化け物のようなものになるんだ。俺たちはそれについての映画も作ったしね。そんな具合さ。」

    billboard(2015-04-10)

    残念ながら今回のFearFestEvilでスラッシュとのライヴでの共演は実現しなかったわけですが、この調子だと実際に行われたステージもその場で決まったことがかなり多そうです。

    ちなみに文中に出てくる「Nebularium」のオークション結果のページをみつけたんですが、4万ドルもしてました・・・。
    http://www.icollector.com/Kenneth-Strickfaden-Nebularium-lab-device-from-Frankenstein-The-Bride-of-Frankenstein_i11537034


    続いてはFearFestEvilのなか、出演したラジオ番組(SiriusXMの「Liquid Metal」)でのインタビュー。BLABBERMOUTH.NETさんの文字起こしを管理人拙訳にて。

    −制作中のアルバムについて

    「Lords Of Summer」に似ているのもあるかな。「Lords Of Summer」はとてもとっつきやすいんだ。あれはとっつきやすいリフだと思うし、本当にクールなメロディがあるからね。他のたくさんの曲の材料となるものはもう少しプログレッシヴだよ。『Death Magnetic』の線に沿ったものとなってきている。

    本当にフックのあるものが出てきているし、本当にキャッチーなものもある。こういったサウンドの方向性に俺は本当に興奮しているんだ。もし何かと比べられるとしたら、(1988年のアルバム)『...And Justice For All』に間接的に似ているかもしれない。でも音楽的には『...And Justice For All』のようなサウンドではない。当時とてもユニークだと思った『…And Justice For All』のサウンドではないかな。

    俺は今日たくさんのメタルバンドを聴いている。本当に『...And Justice For All』のサウンドのようなバンドもいるし、あのサウンドを目指しているバンドもいる。クールだね。つまり、彼らは俺たちがやったものよりも良いものを実際にやっているってことさ。ベースが聴こえるからね。


    −アルバム制作のインスピレーションとモチベーションについて

    いつでも同じだよ。俺がもっと若い時、初めて演り始めた頃に影響を受けたものにいつも戻るんだ。そういったものは今でも俺をインスパイアしてくれるからね。それから周りを振り返り、今現在どうなっているのか、近頃どんなバンドがどんなサウンドをしているのかを見るんだ。俺はいつでも好奇心旺盛だからね。

    俺がやることと言ったら、(曲が)どうなっているのか見たり、どんなサウンドがどうなっていると合うかを見たいんだ。実際には毎日毎日のことだよ。ラジオをつけて、周波数を合わせる。もし何か特別興味深いと思える音楽が聴こえたら、それを聴く。聴いて何かに引っかかって「おぉ!かなりいいメロディだ。あれをこのソロに適用できるかもしれないな。」とか思ったりする。それはどんな音楽でもそうなりうるんだ。ロック、ヘヴィメタル、レゲー・・・何でもね。それを使うことで、俺にとって何か違うものに創るための小さな出発点になるかもしれないのさ。


    BLABBERMOUTH.NET(2015-04-15)

    まさかカークがジャスティスのベースのことを弄る日が来ようとは・・・。

    最後にヘイトブリード(HATEBREED)のフロントマン、ジェイミー・ジャスタのポッドキャストから。ぶっちゃけ満載インタビューをBLABBERMOUTH.NETさんの文字起こしを管理人拙訳にて。

    −誰がメタリカの次のアルバムをプロデュースするのか

    誰がプロデュースするのかというのはまだ早計に過ぎる。でもグレッグ・フィデルマンが関わっているってことは言える。バイオリン男(訳注:原文はFiddle Guy、たぶんフィデルマンと掛けている言葉遊び・・・)だけあって、彼を呼んで良かったよ。彼は素晴らしい。俺たちは彼と一緒に仕事をするのが大好きなんだ。俺にとっては、仕事に取り組む態度が「よし、その調子だ」って感じの男だね。スタジオ入りして彼と一緒に制作に入るのが待ち切れないよ。彼は過酷なことを強いる軍曹タイプじゃないけど、奴隷使いではあるね。

    −メタリカの楽曲制作過程について

    俺は自分のiPhoneにリフを取っておくんだけど、半年前にかなり不運なことが起きた。250のアイデアが詰まったiPhoneを失くしちまったんだ。ショックだったよ。バックアップも取ってなかった。そんなことが起きて2、3日は凹んでいた。家に帰ったら、妻が俺を見て「あらどうしたの?親戚から電話なかった?」って言ったんだ。俺が「いや。」と答えると「何かあったの?」って言われて彼女に事の顛末を話して理解してもらったってわけ。

    失くしたんだ。間違いなく失くしてしまった。みつからないんだ。まだ探しているんだけどね。どこかに置いただけなんだ・・・ふいに出てくるかもしれない。そうなってくれればいいんだけど。あのリフを思い出そうとしているんだけど・・・思い出せるのは8つかそこらだけなんだ。だからそういう運命だったのかもしれないと思って、前に進むことにしたよ。

    俺にとって、音楽は毎日毎時に出てくるものなんだ。リフが出来れば、完璧なリフで俺が演奏できるだけの場合もあれば、半分しかないリフで引き伸ばさなきゃならない場合もある。リズムとかいくつかの音符ってだけの時もある。あるいは頭のなかで口ずさむだけの時もある。でもどこにいても出てくるんで、自分のiPhoneに入れているんだ。(今度からは)携帯電話のバックアップを取っているか確認するよ。

    携帯電話をお使いの全てのミュージシャンはバックアップを取ったことを確認してください。そうだろ!?

    知っての通り、俺たちは集まってジャムってアイデアを出すんだ。ひとつのリフが別のリフを導き、まだそれが別のリフに繋がっていく。すると突然、アレンジの骨格が多少なりとも出来て、ジャムってこねて、それについて話すんだ。どういう風に聞かせたいか、どういう風になっていけばいいかをね。つまり、それによってできうるいろんな可能性があるんだ。俺たちが使わないことを選択した音楽のカケラはたくさんある。どうにかしようとしたものはとてもたくさんあるからね。俺たちは音楽に対して正しいことを、どんなリフやコード進行やメロディに対しても正しいアプローチ、正しいアレンジをしたいと思っているんだ。


    −新しいメタリカの楽曲はどんな感じなのか

    ちょうど今出てきているリフはスーパー・リフでスーパー・ヘヴィってだけ言おう・・・。俺たちは自分たち自身をリフやテクニックを通じてどう表現するかボキャブラリーを開発してきているんだ。そのボキャブラリーは良いバースとなっている。『Death Magnetic』に似ている部分は多くあるけど、特定の部分では違っている。ジェイムズはたくさんの本当にクールなメロディ部分を最近やっているし、たくさんのボーカル録りをしている。(昨年出した)「Lords Of Summer」はその始まりとして良い例だね。ジャムって(アイデアを)出している。でも、もし俺たちがやってきたなかで比べられるアルバムがあるとしたら、『Death Magnetic』のようなものと言えるかな。そして『...And Justice For All』を思い出させるようなものも数曲ある。でもアルバムとしては『...And Justice For All』のサウンドではないね。

    −メタリカが常に受けるインターネット上の否定的な反応に注意を払っているか

    俺は実際そういう戯言については本当に考えないよ。人は自分の意見を持っているし、自分の意見を持つ権利を有している。もし俺が否定的なものをたくさん読んでいたら、泥沼にはまることはわかってる。そういう考えを自分の頭のなかに入れないことが俺にとってより健康的でより安全なんだ。俺は自分で設定したこと、自分の目標に向かってやる。それが俺の貫くことさ。外に出て、できうることに最善を尽くす。もしみんなが気に入れば素晴らしい。もしみんなが嫌ったらそれは彼らの選択だ。俺はそれについて何もすることは出来ない。俺はできうることに最善を尽くすだけだよ。それが俺たちの集団としてのアティテュードなんだ。永遠に。俺にとってはそれがこのビジネスで本当に正気でいられる唯一の方法なんだ。嫌っている人が嫌っているもの、ファンが大好きなものを追いかけ始めると、自身を気が狂う方向へ走らせてしまう。出来ることに最善を尽くして、他の誰かが言わずにはいられないことはあまり気にしないよう努めているよ。

    −メタリカの「Sad But True」に似ていると言われているアヴェンジド・セヴンフォールド(Avenged Sevenfold)の「This Means War」を聴いたことがあるか

    影響やインスピレーションや他の何でもそうだけど、本当のところ何とも言えないな。それは俺が認めるからだ。つまり、リフを聴いてたある時点で「ああいう感じでリフをやってみたい。」とか、ギターソロを聴いて「おぉあのリックを盗んで、このギターソロに入れてみよう。誰にもみつかりませんように。」そんなことはたくさん起きている・・・。俺が思うにミュージシャンはそういうことをみんなが認識しているものよりもずっと多くやっているよ。ミュージシャンが他のミュージシャンを呼ぶ時、ちょっと気まずくなる。つまり音楽はそれ自身リサイクルされる長きに渡る伝統があるんだ。ブルースみたいな特定のジャンルを見れば、3つの全く同じ音符が全ての曲に入ってる。ラップを聴けば、みんな同じビートだしね。

    BLABBERMOUTH.NET(2015-04-18)

    インタビュー中に出てきた「似ている」と言われた楽曲を参考までに。

    Avenged Sevenfold - This Means War



    Metallica - Sad But True



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