メタリカ情報局

メタリカを愛してやまないものの、メタリカへの愛の中途半端さ加減をダメだしされたのでこんなブログ作ってみました。

       

    タグ:ラーズ・ウルリッヒ

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    RollingStone誌の特集でラーズ・ウルリッヒがお気に入りのヘヴィメタル/ハードロックのアルバム15選を発表していました。
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    各アルバムに対するコメントを訳していたら、えらい長文になってしまったので3回に分けて紹介していきます。

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    AC/DC - "Let There Be Rock" (1977)

    これはAC/DCで一番ヘヴィで濃くてエネルギッシュなレコードだ。(収録曲の)4、5曲はAC/DCのライヴ定番曲だね。「Let There Be Rock」「Bad Boy Boogie」「Whole Lotta Rosie」「Hell Ain't a Bad Place to Be」とか。これらの曲を何回ライヴでやっているかなんて把握しようとさえ思わないよ。

    明らかに、AC/DCが『Highway to Hell』で(プロデューサーの)マット・ラングと手を組んで、ラジオヒットになる3、4分のロックソングっていうアイデアを完成させることになる前のアルバムだ。このアルバムには2つのギターの完璧なバランスがあった。つまり、無限のギターソロとリフっていうアンガスとマルコムの演奏がね。多くの曲が1人がリフを弾くところから始まる。それから16小節か32小節ぐらい後に、両方のギターが同じリフを弾いていくんだ。その後、ボン(・スコット)が女性やお下品なことや違法行為について漫画みたいな遠慮なしの素晴らしい歌詞で入ってくる。スタジオで座っているかのように聴こえるアルバムの1つだ。曲の冒頭では、アンプが鳴っているのが聴こえるし、カウントインみたいなスタジオでの会話とかそういったことも聴こえる。これは生の、絶対的なピークにあったブルースを基調としたハードロックだね。

    そしてこれには俺のAC/DCのお気に入り曲からカットされるかもしれない曲が1つある。「Overdose」だ。あの曲では、2人のギターが絡むとこれまでで一番ヘヴィなものになるんだ。俺が知る限り、あの曲はライヴでやってない。たくさんの俺みたいなAC/DCの熱狂的純粋主義者からしたら、一番最初に外されてしまう曲だと思う。アンガスになんでライヴでやらないのか訊くに至ってないけど(笑)、今はアクセル(・ローズ)がいるから・・・彼らが長い間やってなかった曲をアクセルがやるようだからね。アンガスに訊かずとも、アクセルがやってくれれば見れるかもしれない。

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    ALICE IN CHAINS - "Dirt" (1992)

    俺が初めてアリス・イン・チェインズを紹介されたのは、最初のアルバムが出た90年の夏だった。俺たちはLAにいて、ブラックアルバムのレコーディングをしていた。俺たちは街のあらゆるバーやクラブで彼らを見たよ。彼らは超クールなヤツらだった。若くて、大らかで、楽しくて、ちょっとトチ狂ってる。彼らがシャツの下に長い肌着を着ているのは理解できなかったよ。ネルシャツでもって、俺たちがそれまで見たことのないような全く違った出で立ちをしててクールだったね。彼らの音楽はめちゃくちゃヘヴィで、アティテュードもとても良かった。

    それから『Dirt』が出て、(1作目から)2年後だったか、ダークでディープなレコードだった。その当時、俺たちはあのレベルの薬物乱用を経験していなかった。俺たちはたくさん酒を飲んでいただけで、俺たちがやったことのほとんどはもっと社交的なパーティーみたいな雰囲気のなかでのことだった。クローゼットやホテルの部屋で隠れてやるようなドラッグ文化には精通していなかったんでね。ヘヴィなドラッグに夢中になってたアイツらはあまり社交的ではなかった。だから俺は最初、このレコードの点と点を結び付けていなかったんだ。全てのドラッグに関する言及については理解していなかったけど、ヤツらのことをよく知るようになると、このレコードのことをよく理解できるようになってきた。このレコードの叙情的な重さが俺の心を打つんだ。

    信じられないほどディープでダークなレコードだね。間違いなく「Rooster」は信じられないほど美しい曲だ。俺はそれがジェリー(・カントレル)の親父さんか何かについてのことかどうかなんて知らなかった。でも「Rain When I Die」と「Dam That River」といった超ヘヴィで短い曲も素晴らしいものだった。クレイジーだね。おそらく俺が最も聴いてきた92年に出たレコードの1つか2つのうちの1つだ。


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    BLACK SABBATH - "Sabotage" (1975)

    たくさんのブラック・サバスな人たちを知っているけど、大概『Paranoid』か『Master of Reality』なんだよ。俺にとっては「Hole in the Sky」と「Symptom of the Universe」のワンツーパンチで最高潮に達し、そこからさらにディープな「Megalomania」だ。さながら本格的なヘヴィメタルへの旅路だね。ビニール盤を見れば、A面はブラック・サバス最強の20分だよ。そこからの「Symptom of the Universe」だろ?リフのシンプルさ、ダウン・ピッキング、チャグ音だろ?間違いなくハードロックとメタルの核となる青写真は80年代・90年代のような音に行き着いたんだ。

    俺が最初に手にしたサバスのレコードはこれの前の『Sabbath Bloody Sabbath』だった。あれが出た73年のクリスマスで手に入れた。全てにゾッとしたね。「Sabbath Bloody Sabbath」は2番のパートで「Where can you run to?/What more have we done?/ ... Sabbath, bloody sabbath/Nothing more to do どこへ逃げようと言うのだ/他に何ができると言うのだ/...血まみれの安息日/もはやなすべきものなどない」おぉ怖っ、クレイジーだね。このレコードは俺がアップテンポのエネルギーと呼ぶものを他のアルバムよりももう少し持ち合わせていた。おそらくそれも俺のお気に入りだと言う理由の一部なんだろう。明らかに彼らのサウンドは先へ進むにつれて少しずつ高度になってきた。初期のレコードにはシンプルさがある。そこは俺も素晴らしいと思うけど、音としては『Sabotage』が最高のサウンドのレコードなんだ。


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    BLUE OYSTER CULT - "On Your Feet Or On Your Knees" (1975)

    これは究極のライヴアルバムだね。収録曲の大半はブルー・オイスター・カルトのアルバム『Secret Treaties』からだ。「Cities on Flame」のような初期のヒット曲、「The Red and the Black」のようなレア曲、70年代の素晴らしきハードロック・バラード曲の青写真、「Last Days of May」が収録されている。このレコードは内容が詰まっていて一貫性がある。

    バンド全員が歌っている。「Cities on Flame」はドラマーが歌っていると思うよ。5人のメンバー全員がギターを弾いている「ME 262」とかね。5人全員が互いに並んでギターを弾いている写真があるんだ。さながら究極のギターソロって感じさ(笑)。2人のギタリストがいたと思ったら、ドラマーが出てきて演奏するんだ。

    ブルー・オイスター・カルトにはニューヨークのコネクションもあった。ダウンタウンの知識人で、CBGB(訳注:ニューヨークシティマンハッタン区のブリッカー通りの東端に当たるバワリー315番地にあった伝説のクラブ、現在は閉店)のシーンの一部となっていた。パティ・スミスは、キーボードのアラン(・レイニア)と関係を持っていた。彼らはルー・リードとヴェルベット・アンダーグラウンドが出てきたニューヨークの知的なシーンの一部になっていたんだ。このアルバムは当時の他のロックバンドによるネアンデルタール人的なアプローチに比べて、もう少し考え抜かれていて、スマートなものだった。精巧さを持ち合わせていたよ。


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    DEEP PURPLE - "Made in Japan" (1972)

    あきらかにディープ・パープルには「Highway Star」から「Smoke on the Water」やら「Speed King」やら他の全ての曲に至るまで常軌を逸した曲がある。でもアルバム・バージョンとライヴ・バージョンの違いがここまで劇的に違うバンドはおそらく他にはいないだろうね。『Made in Japan』は俺が手にしたディープ・パープルの最初のレコードなんだ。ビニール盤ではサイド1、2、3でそれぞれ2曲収録されていて、サイド4ではたった1曲「Space Truckin」が収録されているんだぜ?(1曲だけで)ほぼ20分だ。俺がアルバムを手に入れた数年後に『Machine Head』を手に入れたらこうさ。「えぇ!?「Space Truckin」って3分?残りの17分はどこから?」探検するような感覚だった。

    ディープ・パープルとして5人全員がステージに集まっていた。ビデオ映像を見ると、全員が互いにけしかけているのを観ることができるよ。ブラックモアがソロになると、右手を上げるのがわかる。それはドラマーのイアン・ペイスが次のパートに入るための合図なんだ。全てが完全に自由なんだけど、それはヒッピーがトリップしたような「4時間マッシュルームをやろうぜ」とかそういうものじゃない。結束があり、繋がりがあるんだけど、全てのライヴバージョンは違う。全てのコンサートが別物だ。ソリストが何小節やるのか、どこまで一緒に弾くのか、その全てを知っていることは決してなかったんだ。

    3つのショーだって?大阪で2公演、東京で1公演、1972年の8月だって?ちょうど彼らが一番凶暴な時じゃないか。「Child in Time」のギターソロ、俺はオーネット・コールマンとクレイジーなマイルス・デイヴィスが大好きだったジャズ純粋主義者のために演奏したことあるけど、リッチー・ブラックモアとイアンペイスの相互作用はほとんどジャズのそれだよ。同時に「Highway Star」のような曲では、間違いなくダウンピッキングで最前線でリフを奏でているんだけど、(テクニックを超えた)エネルギーなんだよ。内部で摩擦の多いバンドだから、ステージに一緒に上がると、そこには駆け引きがあるわけさ。ステージ上で互いにけしかけたり、無理強いさせたり、急かしたり、やり尽くそうとしたり。信じられないほど凶暴な絶「聴」をもたらすよ。

    10、15年前に『Deep Purple Live』と呼ばれるあの日本の3公演を完全収録されたものが出たんだ。3公演の「Highway Star」「Child in Time」「Space Truckin」「Lazy」「Strange Kind of Woman」を続けざまに聴いたら、ギターソロ、ドラミング、ヴォーカルの違いが信じられないだろうね。


    RollingStone(2017-06-22)

    AC/DC - Overdose


    ALICE IN CHAINS - Rooster


    BLACK SABBATH - Symptom of the Universe


    BLUE OYSTER CULT - Cities On Flame


    DEEP PURPLE - Space Truckin


    続きはまた後日に。

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    ラーズ・ウルリッヒが2017年5月26日、母国デンマーク王室からダンネブロ勲章のひとつ、ナイトの爵位(ridderkorset af Dannebrogordenen)を授与されたとのこと。

    今回ラーズが受けた爵位はイギリスのナイトとは違い、デンマークでは第三等級。日本で言う紫綬褒章にあたり、日本人ではベーカリー「アンデルセン」の創業者である高木俊介氏など外国人の受賞例もあります。

    今回の授与についてラーズはダラス州のラジオ番組「97.1 The Eagle」のインタビューのなかで次のようにコメントしています。BLABBERMOUTH.NETの文字起こしを管理人拙訳にてご紹介。

    この数日、今回のことについてたくさんのことを聞いてきたよ。イギリスは剣があって、前にひざまずいてどうとかってね。デンマークではもうちょっとカジュアルなものなんだ。でもさ、この国には500万人いるんだぜ、わかる?この国ではそう起こることじゃないし、とてもクールなことだし、実際とても感謝しているんだ。

    超クールな王太子殿下は、デニムジャケットを着ていたんだ。あれは不意打ちだったね。あんな感じとは知らなかったよ。でも殿下はデニムジャケット、俺は白いシャツを着て、突然殿下が部屋にいるデンマークを去った誰かについて話し始めた。クールだと思ってたら、俺のことを話しているんだと気付いたんだ。そこには剣も何もない。でも今や俺は正式にデンマークの爵位を得たナイトなんだ。だから今、俺は馬を必要としていてね・・・本当にそういうことになっちゃったんだよ。叙勲のメダル授与に同行する馬が必要なんだ。

    王室は全ての国々で叙勲をしている、だからここ(アメリカ)でやるんだと思う。おそらくは、ケネディ・センター名誉賞(訳注:毎年アメリカで優れた芸術家に贈られる賞)を毎年授与しているとことか・・・大統領自由勲章(訳注:議会名誉黄金勲章と並んで文民に贈られる最高位の勲章)はどこで授与されているのか・・・俺は知らないけど・・・全ての国でこういったものがある。どういうわけか、イギリス版のひざまずいて肩に剣を置いてとかそういうものが、この手の典型例になってるようだけどね。でもアメリカ人も何らかの形でそういうことをやってるだろうし、デンマーク人はもうちょっと気軽な感じでやってるんだ。ベルギー人と話したら、ベルギー版のものがあるはずだよ。

    バカげてるように聞こえるのと同じくらいクールなことだよ。だって鼻タレ小僧でヘヴィメタルバンドのドラマー、そんなヤツがこんな栄誉を授与するか?かなりクールだね。とても嬉しいし誇りに思うよ。さっき言ったように小さな国だから余計クールだ。

    BLABBERMOUTH.NET(2017-06-17)

    メタリカのinstagramには、デニムジャケットのフレデリク王太子と勲章をつけたラーズの姿がアップされています。(さすがに髭は剃ってますね)
    lars_jokun

    インタビュー全編動画はこちらから。


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    順番が前後しますが、北米ツアーが始まる前に書かれたVarietyによるメタリカについての記事を管理人拙訳にてご紹介。

    metallica2017

    メタリカは誰もが認めるツアースケジュール・マラソンのチャンピオンだ。それはボルチモアのM&Tバンク・スタジアムで水曜(2017年5月10日)から始まるアヴェンジド・セブンフォールド、ヴォルビート、ゴジラと共に行う北米でのスタジアムツアーでも何ら変わらない。

    「俺たちはツアーに出るのが大好きなんだ。このバンドの集団DNAだね。」1983年以来毎年ツアーを行っている結成36年を迎えたバンドのリードギタリスト、カーク・ハメットはそう語る。実際、2016年発表のアルバム『Hardwired...To Self-Destruct』のツアーは少なくとも来年の5月まで続いていく。

    ロードに出ていく4人組がツアーに入る前に、メタリカは「Now That We’re Live」と称した特別なリハーサルを西部時間9時(日本時間、5月10日(水)午前10:00)からFacebook Liveでストリーム独占中継で行う。(中略)

    ラーズ・ウルリッヒはメールで次のように述べている。「世界中の友だちとリハーサルや最終形に至るまでの流れを共有することが出来るのは本当に最高だよ。俺たちはエンジンを始動させているぞってね。」

    多くのファンは『Hardwired...To Self-Destruct』にはメタリカの初期のアルバムの感じがあると語る。ハメットは1983年の『Kill 'Em All』に触発されて最初の頃の感覚に戻ったと認める。「短くて楽しくて速くてハードな曲のアイデアに戻りたいと俺たちは思ったんだ。通常の1セットで3つ4つの拡張されたリフってよりも1時間に6つ7つのヘヴィなリフチューンに近いね。」

    短くてタイトな曲を欲しているにも関わらず、「Halo On Fire」「Spit Out The Bone」のような6分を超える新しい叙事詩が存在することは、この4人組が結成から35年以上経とうとも、いまだに熾烈であることを示している。

    「「Spit Out The Bone」はニューアルバムのなかでもエベレストで、一番難しい傾斜かつ最高峰なんだ。」ハメットはヘットフィールド/ウルリッヒのコンビで書かれた壮大な曲についてこう語る。「残りの曲については俺のソロは即興演奏なんだけど、あの曲は違う。あの曲のインスト部分はすごくタイトだから同じ精度でソロをしたいと思ったんだ。」

    「どれだけ難しいかって?俺たちがまだライヴでやってないわけだから。」彼はこう続ける。「俺たちは夏までにはと言っている。本当にそれに取り組まなきゃならない!」

    Variety(2017-05-08)

    6月4日のセントルイス公演前にも「Spit Out The Bone」のリハーサルを繰り返すメタリカ。


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    ラーズ・ウルリッヒ「「Spit Out The Bone」はスタジアムでやるには適していない」

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    hardDrive RadioのMC、ルー・ブルータスによるラーズ・ウルリッヒへのインタビュー。『Hardwired...To Self-Destruct』について語っています。BLABBERMOUTH.NETさんの文字起こしを管理人拙訳にてご紹介。

    lars_loubrutas

    −新譜『Hardwired...To Self-Destruct』が圧倒的支持を受けていることについて

    以前に誰かに話したんだけど、これまでロックバンドをやってきた35年の人生のなかで聞いたことのない言葉を、この半年で聞くことができたよ。それは「なんで今夜は新曲をもっとやらなかったんだ?」ってセリフだ。普通なら「なんでそんなにたくさんやるんだ?なんで新譜の曲をやるんだ?もっと昔の曲をやってくれよ」ってもんだろ。それが昨今のミュージシャンなら耳にする呪文だ。

    このレコードから、俺たちは4曲、5曲と演奏してきた。6つの新曲をやったショーもある。収録曲の半分だ。それでもまだ「なんだよ、「Spit Out The Bone」は?あれは?これは?もっと新曲をやってくれよ」ときた。おいおい、俺たちは始めたばっかりだぜってなるよ。このツアーに入って6ヶ月だ。残りのツアーはたっぷりある。俺が言ってるように、俺たちは手始めにやってみている状態なんだ。12曲中7曲はやったと思うし、(残りの)5曲もやるだろう。「Spit Out The Bone」のような、ファンのお気に入りだと思う曲まで全部行き着くことになる。

    俺は「Spit Out The Bone」はスタジアムで始める(のは適している)とは思えない。あれはかなり凄まじい曲なんだ。あの曲はアリーナとかでやる方がうまくいくかもしれないね。でもファンがこのレコードを持っていて受け入れてくれているという事実、みんなが(ライヴで)もっと聴きたがっているという事実、俺たちが新曲を携えてスタジアムのショーに出て行って心地よく感じるという事実、それはこのレコードがどれほど素晴らしく、受け入れられたものとなったのかの証左なんだよ。つまり、期待や想像を絶する状況ってわけ。実際・・・「ブラックアルバム以来の傑作」とかこれまでで最高のレコードと言ってくれる人もいるんだ。35年のキャリアを経て、そんなことを聴けるのはクレイジーだよ。音楽業界には「最盛期は過去にある」って言葉があって、まだそういうことに挑戦できるチャンスがあるってのは素晴らしいことだ。こんなことが自然に起きた時には特にね。だから俺たちはとても感謝しているし、今がメタリカにとって本当にクールな時間なんだ。


    −なぜ『Hardwired...To Self-Destruct』がメタリカのファンにこれだけ受け入れられたのか

    いやあ、この半年その質問をたくさん受けてきたよ。つまり、ひとつのキャッチーな答えはないってことだ。たくさんの要因がある。このレコード、この試みのなかで素晴らしき影のヒーローは(プロデューサー)のグレッグ・フィデルマンだと思う。彼は俺たちの・・・基本的に俺たちのサウンドマンであり、エンジニアであり、『Death Magnetic』以来全てのことに関わってきた男だ。そして彼は俺たちのサウンドを微調整し、メタリカのやり方が何たるか、スタジオの面でもどう音を出すべきか、演奏だけでなく、サウンドや全てのことを最高に機能させるにはどうするかをしっかり理解してくれたんだ。だから彼は(質問に対する)答えをたくさん持っていると思うよ。間違いなく、これらの曲はプログレ要素を減らし、もう少しグルーヴ志向で、ある意味もう少しまとまりあるものになっている。おそらくそれが答えのひとつだろうね。

    (中略)宇宙のエネルギーとか、物事の順序とか、しかるべき時に出た、しかるべきレコードを無視することはできないんだ。もしこれが2、3年前くらいに出て来たら、ここまで受け入れられなかっただろう。どういうことか分かる?音楽界の状況、他の人がやっていることとかが、自分たちのレコードとどう相互に関連してくるのかも関わってくるんだ。だからいろんな要素があるんだよ。もちろん俺たちの魅力とイケメンぶりもあるけどね(笑)。それでうまくいった。だから何だ?35年やって、うまくいったものもあれば、うまくいかなかったものもある。知っての通り、俺たちは常にベストを尽くしている。今回はうまくいった。だからさっき言ったように、楽しい時間なんだよ。


    BLABBERMOUTH.NET(2017-06-01)

    インタビューの全編動画はこちらから。


    先ごろ公開されたライヴのリハーサル動画で「Spit Out The Bone」を演奏していますが、どのアリーナでライヴ初披露となるのでしょうか。


    Spit Out The Bone (Official Music Video)


    【追記】
    リハーサルを繰り返すメタリカ。


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    ジェイソン・ニューステッドが2017年5月3日から7日にかけて行われた「Art Miami」主催の現代美術展、第3回「Art New York」と第2回「CONTEXT New York」に『RAWK』というタイトルの絵画作品12点を出展。50か国、150以上のギャラリー、1200人以上のアーティストが参加する国際現代美術展へのデビューを果たしたジェイソンにGuitarWorldがインタビューを行いました。アートとの関わりやメタリカについて語っています。管理人拙訳にてご紹介。

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    写真は同展示にて『ROCKERS』というシルクスクリーン作品を出展したロックフォトグラファー、ボブ・グルーエンと。

    −今年のArt New Yorkにはどのような経緯で関わるようになったのでしょうか?

    Art Miamiのオーナーと会う機会があってね。彼はメタルが大好きで、会った時に俺が手がけた絵をいくつか見せたら招待してくれたんだ。それで俺はここ数週間、アメリカのさまざまな場所を旅行してきて、過去7、8年のなかからキャンバスを持ってきた。国際展なんて初めてのことで、俺はとても興奮しているよ。

    −アートは子供の頃からいつも興味を持っていたものだったんでしょうか?

    若い頃、農村部で育って、そういう授業を受けていたよ。そこでアクリル絵の具と色を混ぜるということに出会ったんだ。それから3年ほど経って音楽に衝撃を受けて、がっつり30年もの間はその他全てのことが二の次になってしまった。

    −絵を描くことに戻ったのはいつ頃ですか?

    いったんメタリカに入って、その他のプロジェクトに取り掛かり始めると、俺はいつもいろんなことをやって、たくさんの機材の周りを動き回って自分をメチャクチャ忙しくしていた。(結局)俺は肩を痛めて手術が必要になってしまった。回復している間、俺がこれまで慣れ親しんだやり方で楽器を演奏することができなくなっていた。両手を必要に応じて使うことを練習しなくちゃならなかったんだ。俺にとって、音楽はフルタイムでやるものだった。それが出来なくなった時、俺はいつも音楽に注入していた創造的なエネルギーの全てを両手を使うことで放出し始めた。

    俺は片腕でモンタナにある牧場をやっていた。そして納屋に行って塗装する必要があると思ったんだ。そこで古いドラムヘッドとそこらにあった塗るもの−ラスト・オリウム(訳注:防錆塗料)と緑と黄色のジョンディアのトラクターをみつけた。それからスノーブラシに色を染み込ませて、塗装していたものの上に塗料をぶちまけたんだ。

    丸や顔や形をかたどるためにキャンバスにさえ触れる必要のないところまで行ってしまったんだ。それが始まりだった。それから両手の状態も良くなって、キャンバスにもっと触れ始めた。だからイカしたメタル・モンスターからキャンバスの上へとエネルギーが転移したんだ。作品を持っている人たちは、絵が音楽のように見えるというのがほぼ一致した意見だ。


    −創造的なプロセスにおいて、あなたが一番好きなところは何ですか?

    (自分の手で描かれて)出てくる生き物、色、タペストリーのイメージは、目の前にするまで自分の心の中にも存在しているとはわからなかったものなんだ。自分の中から飛び出して、他の目で見ているような感覚なんだよ。実際の意図されたものなんてのも決してない。どこから始まってどこで終わるのか決してわからないんだけど、出てくるものはいつも楽しい驚きなんだよ。

    −絵画作品に土を混ぜるというアイデアはどこから来たんですか?

    そういうことをたくさんやっていたジャン・デュビュッフェ(訳注:20世紀のフランス画家)の多くの影響を受けたんだ。(塗料を)適切な配合で砂の中に混ぜると、成形したり彫刻したりできるペーストになる。どんな色が飛び出してくるのか全く予測不可能なんだ。

    −最初に正式な芸術作品に触れたのは何でしたか?

    俺はラーズに真剣にしかるべき敬意を伝えるつもりだ。彼は国際的な教育環境にあったんで、早くから本当にクールな作品に触れてきた。彼の家に初めて行った時のことを覚えているよ。彼は子供のアートのようなゲーム部屋にそういう額縁の絵を飾っていた。実は精神的な障害を持つ大人によって描かれたアートなんだと俺に言ったんだ。俺にとってすごい新鮮で、本当に面白かったね。それで階を上ると、彼が結局売ることになったあのバスキアの絵(訳注:映画『Some Kind Of Monster』でも登場する「Profit I」)があった。ストーブの上に日用雑貨のように掛けてあったよ(笑)。本当に大きくて、あの簡潔さと複雑さが魅力的だった。ラーズを通じて俺は多くの人たちに紹介された。だからこの作品を披露することで、彼に対して最敬礼しようとしているんだ。


    −音楽について少しお話させてください。Newstedの後、あなたは音楽活動を休んで、ソーシャルメディアから離れました。そのような決断に至ったのは何だったのですか?

    もともと、自分で50歳になったら自らに何かを証明しなければならないと自問していた。だからNewstedのためにたくさんのものを結集して曲を書いた。それに没頭して楽しい時間を過ごし、たくさんのことを学んだ。いったんやってみると、俺はソーシャルメディア全体に流れる雰囲気と不誠実さに少し落胆した。そうすることになったのは、俺はいつだってプライベート・ガイ(人前に出たがらないヤツ)だったってことだ。

    でも去年はChophouse Bandでアコースティック・ベースを携えて30回、今年はフロリダで同じ衣装でさまざまな音楽仲間といくつかのショーをやった。同じ雰囲気と強さ、そしてちょっと違う感覚だね。曲を集めてギターをプレイすることは、まだ俺にとってとても重要なことなんだ。


    −あなたがメタリカと共にあった時間で、最も印象的なことは何ですか?

    その質問をされると、加入した初期の先駆的なことが思い浮かぶ。パッと思いつくのは、それまで俺たちみたいな音楽をやったことないような場所で俺たちが初めてやったということだね。1986年に日本に行った時のように、何が起こるのか知らないような人たちの頭を吹き飛ばすんだ。以前にそういう音楽を演奏したことのない国々に行って、そこの人たちに来てもらうというのは最良の方法だった。そういう壁を壊して、それ以降に起こる全てのことのための道を開いたんだ。

    GuitarWorld(2017-05-02)

    展示に参加したジェイソンのその他の写真はこちらから。
    http://www.pacificpressagency.com/galleries/20194/jason-newsted-debuts-his-artwork-at-art-new-york-

    以下、関連リンク。

    Art New York
    http://www.artnyfair.com/

    CONTEXT New York
    http://www.contextnyfair.com/home

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    なかなか更新する時間を確保できませんでしたが、ボチボチいきます。RollingStoneのインタビューにてラーズ・ウルリッヒがアルバム制作についての考えを語っています。UltimateGuitar.comの文字起こしを管理人拙訳にてご紹介。

    lars_2017

    −クラシックなロックやメタルがアルバムというフォーマットになると売れ行きが悪いがどう思うか?

    こう長いことやってると、『Master Of Puppets』がどうだったかなんて覚えちゃいない。血を流し、四肢関節に油をさしてやってきたんだ。俺が言えること、そしてみるみるそうなっているなと思うのは、俺たちがこれまで以上に忙しく、メタリカに取り巻かれてやっているってことだ。メタリカはこれまで以上にフルタイムなものになっている。

    以前は違う活動パターンでやっていたからね。曲を書いて、レコーディングして、ツアーに出る。それから1年(休暇で)姿を消すって具合に。俺たちはもはや姿を消したりしない。いつも何かをしている。フェスティバルだったり、レコード・ストア・デイだったり、リマスターだったり・・・。片足を未来に、片足を過去に置いて、未来に突進して新しい道を発見するのと、自分たちの過去に敬意を表すことの間でいつも行ったり来たりしているんだ。

    俺たちは(メタリカとしての)25年から30年の大部分、過去に背を向けてきた。同じことを繰り返すのが恐かったからね。それから最も重要なことは、リック(・ルービン)が「いいんだよ。自分たちの過去を喜び、誇りに思っていいんだ。過去をインスピレーションのために受け入れることができる。」と言ってくれたことだったんだ。

    俺たちがぶっ倒れるまで、アルバムを作り続けたいと俺は望んでいる。それが俺たちを鼓舞し、時代と繋がっていると感じることなんだ。つまり、まだ俺たちは現役だっていうね。それが俺たちにとって重要だ。他のヤツらが違うと思うならそれを尊重するよ。でも俺たちにとって、まだ言いたいことがあるって気持ちで曲を書くことは、イキイキと満ち足りた気分で自分たちのことを心地よく感じる重要な部分なんだよ。


    UltimateGuitar.com(2017-04-24)
    フル尺のインタビューはこちらから。(11:19~)
    https://cms.megaphone.fm/channel/rollingstonemusicnow?selected=PNP1107986104

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    ラーズ・ウルリッヒの公式ツイッターアカウントが始動しました。

    larsulrich_twitter
    @larsulrich

    アカウント自体は2011年から登録されていたようですが、このほどご本人認証バッジがつきました。


    やぁみんな、ついにツイッターの仲間に加わって興奮しているよ・・・


    メタリカのメンバーのツイッターアカウントとしては、カーク・ハメット(@kirkhammett)、ロバート・トゥルージロ(@roberttrujillo)に続く3人目。またこちらでもいろいろと情報発信をしてくれそうです。

    ASUKAさん情報ありがとうございます!

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    メタリカがこのほど立ち上げた慈善団体「All Within My Hands Foundation」に寄付をすると、抽選で特典が当たるキャンペーンが行われています。
    lars_donation

    以下、ラーズによる告知メッセージ。



    抽選で当たるのは、北米ツアーの各公演チケットやバックステージパス、メタリカのメンバーとのミート&グリート、ラーズのサイン入りドラムスティック、スネイクピットへの入場パスなど。

    詳細とエントリーはこちらから。受付は現地時間4月26日まで。エントリーはお早めに。
    https://www.crowdrise.com/metallica

    集められた寄付金は、各慈善団体への寄付を通じてフードバンクや音楽教育に関する援助を行うとのこと。

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