メタリカ情報局

メタリカを愛してやまないものの、メタリカへの愛の中途半端さ加減をダメだしされたのでこんなブログ作ってみました。

       

    タグ:メタル・ジャスティス

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    Podcastにて『...And Justice For All』のミキシングを行ったスティーブ・トンプソンが制作秘話と今後出されるであろうリマスター盤について語っていました。ジェイソンのベースが「消える」ことになった制作秘話については以前語っていた内容と重複しますが、PRPの文字起こしを管理人拙訳にてご紹介。

    −『...And Justice For All』のレコーディングについて

    最初の日、ラーズがやってきて彼が自分のドラムをどのようなサウンドにしたいのか、全てのドラムについてイコライザー設定の写真を持ってきた。だから(ミキシングを共に担当したマイケル・)バービエーロに言ったんだ。「マイケル、ラーズと一緒にやってみて、彼がこうだと思うサウンドに聴こえたら、教えてもらうようにしてもらったらどうだい?」

    そうしてラーズが望む音を出してみたんだけど、私はそれを聴いてこう自問したよ。「何だい、このクソみたいな音は・・・」だから私はみんなを部屋から追い出して、全てを詰め込んで、ドラムを再調整して、ギターとベースの音を上げた。ベースは素晴らしいパートになっていて、ヘットフィールドのリズムギターと完璧な組み合わせだったからね。最高だったよ。バンドがぶっ飛ぶようなものにしようとそんなことをやっていたら、ヘットフィールドが入ってきて、いいねと親指を立てた。みんなもだ。ハッピーだったんだ。

    そうして再生の準備ができたら、ラーズが歩いてやってきた。15秒ほど聴くと「止めてくれ」ときた。彼は私にこうさ。「えぇっと、俺のドラムのサウンドはどうなったんだ?」だから私はたぶんこういったと思うよ。「マジで言ってんの?」

    そんなわけで私はラーズが満足していたサウンドまで戻らなければならなかった。私は満足していなかったが・・・。そしたら彼は「ベースはわかる?」と言ったんで、私は「あぁ」と答えると今度はこうだ。「5か6デシベルくらい下げて欲しいんだけど」私は「なんで?」と訊いたが、彼は「いいから下げてくれ」と。だから私はかろうじて聴こえるというところまで下げた。今度は「もうちょっとだけ下げてくれ」ってなったんだ。

    私はジェイムズの方を向くと、ジェイムズはただ両手を上げていた(文字通りのお手上げ)のを覚えている。私は言ったんだよ。「本当に何でそんなことをするんだ?」って。


    −今後出るであろう『...And Justice For All』のデラックス盤について

    私はジャスティス・アルバムの記念に貢献しているよ。山ほどの写真やアウトテイクを彼らに送ったからね。でも彼らはレコードのリミックスする気は毛頭ない。彼らはあのままを維持したいんだ。

    彼らはあれをリマスタリングするかもしれないが、マスタリングで出来ることはそう多くない。実を言えば、オリジナルのマルチトラックが保存できているかさえわからないんだ。ラーズのドラムだけで500万の編集があるんだから。もし箱を持って開けたなら、おそらくあの場所全部で約5000万本のテープがあるだろうね。


    −最後に

    彼らはこれだけ長い間、あれと共にあった。私は批判の大部分と一緒に暮らしてきた。なぜなら誰もがそれは私のせいだと思うからね。そしてミキサーとして私の名前がバービエーロと共に入っているのだから、非難は受けなければならないと思う。

    でもメタリカがロックの殿堂に選出されて、彼らが我々をその場に呼んでくれた時のことを思い出すよ。素晴らしいと思っていた。ラーズと出会ったら、彼は私の方にやってきてこう言ったのさ。「スティーヴ、あのレコードのベースは何が起こったんだい?」彼は実際に私にそう訊ねたんだ。私は「OK、参った、降参」と言うしかなかったよ(笑)


    PRP(2018-02-22)
    こちらはロックの殿堂入りセレモニーの前夜祭にてラーズの家族と一緒に写るスティーブ・トンプソン(2009年)。
    Lars-Ulrich-Steve-Thompson1

    大量にあるとされるミキシング前のアウトテイク集がBOXセットで披露されることはあるのでしょうか?番組全体の音声はこちらから。


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    メタリカの『...And Justice For All』のミキシングを担当したことでも知られる音楽プロデューサー、スティーブ・トンプソンがインタビューで『...And Justice For All』の制作秘話を明かしてくれました。

    ちなみに彼はガンズ・アンド・ローゼズの『Appetite For Destruction』、コーンの『Follow The Leader』、サウンド・ガーデンの『A-Sides』といったアルバムも手がけたやり手の方です。インタビューは大長編につき、メタリカに関する部分だけ抜粋して管理人拙訳にてご紹介。

    −1988年にメタリカの『...And Justice For All』の楽曲をミキシングしたのは、『Appetite For Destruction』を手がけたこととは全く別の経験だったんですか?

    まぁ私がやりたかったこととラーズがやりたかったことが全く違っていて、ちょっと困ってしまったよ。私はメタリカが大好きだし、彼らのことはよく知っていた。私は「アイツらはクールだ」と言っていた。我々はオファーの電話を受けて、ニューヨーク北部のベアズヴィル・スタジオまで行った。彼らはその時、モンスターズ・オブ・ロックのツアーの最中だった。だから彼らがしたことは、物事を処理するためだけにこの日はこっち、この日はあっちとヘリコプターで飛ぶことだった。


    −バンドは自分たちがどういうアルバムを作りたいか、どんなサウンドを望んでいるかわかっていましたか?

    ラーズは自分のドラムに求めていた全てのサウンドやパラメーターを正確にわかっていた。だから彼はクラーク・テクニックのEQ(パラメーターのイコライザー)を設定した写真を実際に持ってきたんだ。ドラムを望んだ音にするために、彼には決まったやり方があったってことだね。私は言ったよ。「マイケル(※訳注:マイケル・バービエーロ、スティーブ・トンプソンと共にミキシングを担当)、せっかくだからラーズと一緒に彼が求めているドラム・サウンドを出してみたらどうだい?彼が満足したら電話して私を呼んでくれ。」とね。


    −あなたが最終的にあのアルバムを聴いた時、どう思いましたか?

    彼らは私を呼び入れて、楽曲を聴いた。私はこう思った。「コイツはひどいサウンドだな」と。私は部屋の外にみんなを追い出して、ドラム・サウンドを設計し直し、ギターの音量を上げた。ジェイソンはベースをよくやっていた。ヘットフィールドのギターとの絶妙な組み合わせだったんだ。


    (中略)

    −ジェイムズはあなたがやったことに満足していましたか?

    私は全ての音を上げてみた。全てをそんな感じにしたら、ヘットフィールドは親指を立てて同意してくれた。ラーズが数分後にやってきて、それに何分か耳を傾けると「あれは消してくれ」とこうさ。私は「何が問題なんだ?」と問うと、彼は「俺のドラム・サウンドに何が起きたんだ?」と言ったんだ。私は「本気なのか?」とかそんなようなことを言ったよ。


    −ラーズは満足していなかったということですか?

    我々は彼が持っていたやり方でドラム・サウンドを強くしなければならなかった。私はそういうサウンドのファンではなかったが。そこで彼は「ベースギターはどうだい?」とこうさ。私は「あぁすごいパートだよ。彼はよくやっている。」と答えた。すると彼はこう言うんだ。「ミキシングで出来る限り、聴こえないくらいベースを小さくして欲しいんだ。」私は言ったよ、「冗談だろ?」って。


    −彼は冗談ではなかったということですか?

    彼は「いいや、小さくしてくれ」と言っていた。私があのレベルまで音を下げると彼は「もう5db落としてみようか。」と言ったんだ。私は振り返って、ヘットフィールドを見て言ったんだ。「彼は正気かい?」あれにはぶっ飛んだね。


    −あなたはどうしたのですか?

    私はその夜、私のマネージャーを呼んで、(メタリカのマネージャーである)クリフ・バーンスタインとピーター・メンチに話したんだっけな。「アイツらのことは大好きだ。彼らを素晴らしいと思うし、彼ら自身のジャンルを創り上げてきたと思う。でもラーズが引っ張ろうとしている方向には同意できない。私の名前がそこに載るんだ。他の誰かがそれをみつけたらどうなる?」私のマネージャーはそのことについてもバーンスタインやメンチについても何の関わりも持っていなかった。


    −でもメタリカのミキシングから身を引く準備もできたのでは?

    彼らは私に現場にいてくれるよう話した。私の唯一の後悔は、少なくとも我々が聴いたやり方でミキシングをする充分な時間を取れなかったということだけだ。私は『Master of Puppets』を吹き飛ばすようなものを作りたかった。それが『...And Justice For All』の音楽の方向性だった。その全てが盛り込まれていたが、彼らはベース無しでよりガレージで出すようなタイプのサウンドを探していたように思う。ベースは素晴らしかった。完璧だ。思い出すよ、メタリカがロックの殿堂に選ばれた時に、我々は招待されて、私はラーズと席を共にしたんだ。

    −彼とは話したのですか?

    彼はこうさ。「ねぇ、『...Justice』のベース、あれは一体何が起きたんだい?」彼は実際にそう俺に尋ねてきたんだ。私はすぐそこで彼をぶん殴ってやりたかったよ。残念だった。私は、あのベースのためにコテンパンに叩かれた一人だったからね。

    Ultimate-Guitar.com(2015-03-20)

    わざわざ自分で調整したイコライザーのつまみの写真まで持ってきて自分のドラム・サウンドにこだわっていたラーズですが、レコーディング当時の写真をみた限りではそんな葛藤が両者にあったとはわかりませんでした。(スティーブ・トンプソンの目が笑ってないっちゃ、笑ってないですが・・・)

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    (左から)スティーブ・トンプソン、ジェイムズ・ヘットフィールド、マイケル・バービエーロ、ラーズ・ウルリッヒ

    スティーブ・トンプソンのサイトでこの写真の他、『...And Justice For All』のレコーディング当時の写真やメタリカのロックの殿堂の際に写した写真、仕事を共にしたメタリカ以外のアーティストとの写真などが掲載されています。
    http://stevethompsonproductions.com/photo-gallery/

    ※翻訳を一部修正しました。ご指摘ありがとうございました。

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    厳密に言うと歌っているというより語っているので
    歌詞といえるか微妙ですが、「To Live Is To Die」を
    メタリカ歌詞勝手に解釈論に追加しました。

    これにあわせて既に4thアルバム『...And Justice For All』
    で歌詞を載せている曲についてもジェイムズのお言葉を
    載せてみました。

    この頃のメタリカは歌詞が社会的な出来事について
    書かれていることが多いせいか、いつもだったら
    「歌詞は自分たちで解釈すればいい」と言っている
    ジェイムズも歌詞についてかなり積極的に語っています。

    ちなみにジェイムズのお言葉の多くはBURRN!1988年8月号
    掲載のインタビューから抜粋しています。


    burrn1988_8

    「To Live Is To Die」のジェイムズの話は別の本からの
    抜粋です。スペースの関係上、省略してしまいましたが
    その前にはこんな言葉がついていたので付記しておきます。

    「クリフ・バートンはとても強いパーソナリティを持っていた。
    あいつは前に兄弟を亡くしていたんで、そのことがあいつの
    家族を強い絆で結びつけていたらしい。どっしりとした家庭で
    育った者だけが持つ強さを、ヤツは持っていたんだ。俺は
    あいつからいろんなことを教えられた。」



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