メタリカ情報局

メタリカを愛してやまないものの、メタリカへの愛の中途半端さ加減をダメだしされたのでこんなブログ作ってみました。

       

    タグ:ナップスター

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    アメリカのスポーツ/カルチャー誌「The Red Bulletin」でジェイムズ・ヘットフィールドとラーズ・ウルリッヒのインタビューが掲載されていました。管理人拙訳にてご紹介します。

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    −昨年11月にあなた方の最新アルバム『Hardwired...To Self-Destruct』が世界中のチャートでトップを飾り、6番目のNo.1アルバムとなりました。これだけ全ての成功を収めた後、あなた方はまだ何かを始めるんですか?

    ジェイムズ・ヘットフィールド
    あぁ・・・確かに!でも奇妙でとても驚くべきことだね。年を重ねるほど、No.1アルバムを手にすることは特別なことになっている。(メタリカ結成から)35年経ってまだこんなことが起きているんだ。すごいことだよ。

    ラーズ・ウルリッヒ
    メタリカが、人にとって重要なレコードをまだ出すことができるっていう事実が素晴らしいよ。ハードな音楽がまだみんなにとって重要だということが素晴らしい。俺はロック・グループはマイノリティーになっているような気がするんだ。世界規模でうまくいっているバンドはとても少ないから、そのひとつになっているというのは特権だね。メタリカでいられてよかったよ。

    −『Hardwired...To Self-Destruct』はあなた方自身のレーベルBlackened Recordingsでリリースされた初めての(スタジオ)アルバムです。他と比べて今回は何が違いましたか?

    ジェイムズ
    そんなに違いはないよ。俺が言っているのは、自分たちのレーベルということで−まぁアメリカで俺たちのレーベルってだけで他の国ではまだユニバーサル(・ミュージック)なんだけど−時間をかけて締め切り無しで曲を書くことができた。誰も「ちょっと、ここまでに必要なんだけど」とは言ってこない。

    ラーズ
    (自主レーベル設立のための)契約交渉に入る時、狙いは常に過去の作品を自分たち自身の手に最終的に取り戻すことだった。自分を解放してくれる分離と原動力っていうのは素晴らしいよ。本当にやりたいことを自由にできるからね。(自主レーベルであることの)大きな違いはレコーディングじゃなくて、完成した翌日に起きることなんだ。10年、20年前には他の人たちがほとんどの仕事をやっていたのに対して、今の俺たちは自分で90%の仕事をする必要があるからね。俺たちには今やもっと大きなインフラがある。

    −あなた方はよく本音をさらけ出すバンドですが、過去の作品を振り返って「俺たちは一体何を考えていたんだ?」と今思うような時代はありませんか?

    ジェイムズ
    いくつかのアルバムで変更したいものもあるけど、それを変更できないほどの特質がある。バンドが過去の名作をほぼ同じ曲で再レコーディングして、オリジナルのアルバムに取って代わらせるのを見るとちょっとイライラするんだよね。あれは歴史の一部を消しているよ。こういうアルバムは人生のある時期の産物であって、歴史のスナップショットでもあり、バンドのストーリーの一部でもある。そう、だから『...And Justice For All』でもう少しベースを効かせていたら、『St. Anger』でスネアドラムをもう少し抑えていたらって、(言われるが)でもそういうことによってあのアルバムが俺たちの歴史の一部になっているんだ。

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    −メタリカはアナログ盤が王様だった(今とは)別の時代に始まりました。あなた方は今、ドイツにレコードのプレス工場を持っています。なぜなんでしょう?

    ジェイムズ
    俺たちはアナログ盤と共に育ったし、大好きなんだ。(レコードは)体験であり、イベントだった。触れてわかるというか。レコードを手に持って、ジャケットから取り出して、針を溝に落とす。半年前に俺はLAにいたんだけど、高校の旧友を訪ねてカンザスとかそういうレコードを囲んで聴いたんだ。箱に目を通したり、台紙の臭いを嗅いだり、ライナーノーツを読んだり、温かみのある音を聴いたりするだけ。すごくどっぷり浸れるんだ。

    −あなた方は今や本質的に自分たちのボスでもあります。夢を持ったクレイジーなキッズから、ロックの大御所/ビジネスマンになったのは自然な進歩と言えますか?

    ラーズ
    俺たちはまだクレイジーな大人だと俺は思っているけど、それでも全てを理解しようとはしているよ。鏡を見て、ビジネスマンが写っているとは思わないけど、間違いなく自分たちのために働いてくれている人たちが大勢いる。少なくとも大人として振る舞わなければならない点はあるね。俺は今53歳だけど、いまだに自分のことを時おり起きていることを解決しようとしているクレイジーな子供のように感じている。だから自分たちの後ろに自分で作り上げた信頼できるチームを持つ。メタリカのようにガッチリ独立していることは、俺たちが誇りに思っている本当にクールなことだね。

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    −あなたはビジネスマンのようには見えませんが、あなた方がメタリカを始めた時からそちらの面ではラーズがとても活発だったというのも事実ですか?

    ジェイムズ
    ラーズはビジネスに精通したヤツだ。モーターヘッドを追っかけ、ダイアモンド・ヘッドを追っかけ、彼らや他のバンドたちから、彼らのやり方、彼らがどう決断を下したのか、とあるマネージャーがなぜ他のマネージャーより優れているのか、あいつは学んできた。ビジネスのことになると非常に好奇心が強い。俺?俺は仕事はしたくない!音楽をプレイしたい。自分のセラピーとキャリアを創造して1つにしたいと思う!他人から学んで自分の人生にそれを適用するのは良いことだけど、俺たちはまだ反逆者であり、リスクテイカーだ。俺たちは人生に挑戦して「自分たちが持っているこの資質で次は何をする?」という質問に直面している状態が好きなんだ。計画と準備はその一部に過ぎない。勇気、魂、そして熱情もまたかけがえのない武器だね。

    −ガラス張りのオフィスにメタリカが座って、ネクタイを斜めに締めて、電話で叫ぶのを想像するのは難しいですね。

    ジェイムズ
    ネクタイはないな。俺たちはめったにオフィスにはいない。電話で叫ぶことに関しては、やってくれる人を雇う!もっと大きなことは誰がコントロールしているのか、誰がその船を動かしているのか、誰がバンドで楽しい時間を過ごしているのかってことだと思う。かなり明白なことかもしれないけど、ラーズと俺がこのバンドをまとめた2人だ。俺たちは結成1日目からこの考えを持っていた。俺たちが運転席にいるんだけど、カークとロブはいつも俺たちと一緒に行く準備が出来ている。この乗り物でいつでも俺たちを連れて行くんだ。

    −あなた方は独立を獲得したことについてよくお話しされますが、長く成功した経歴を持つことの重要性はどうでしょうか?

    ジェイムズ
    俺たちにとっては、そう、重要だったけど他の人にとってはどうかな?わからない。俺たちがバンドを始めた頃、レーベルの契約を取るのは大きなことだった。今はそこまで大きなことだとは思わない。地下室で自分の音楽を作って、自分で(音源を)出すのは素晴らしいことだ。でもそれによってどこまでやりたいんだ?より大きなところと最終的に契約するのか?これは自分で下す必要のあるビジネス上の決定事項だ。「俺たちは何をしたいんだ?」と自問しなきゃならない。世界をツアーで廻りたいのか、それとも地元に留まるのか?自分を幸せにすることをすべきだね。

    ラーズ
    俺たちは自分たちがよそ者だといつも感じていた。それまで通りにやる必要性を感じなかったんだと思う。成功して一番よかったのは、自分たち自身の創造的な道を切り開く機会を与えてくれたことかな。主に、俺たちにとっての独立は、俺たちが決して誰からも金を取ったことがないことを意味している。つまり俺たちは誰にも何も負うことはないんだ。

    ジェイムズ
    俺たちはいつだってコントロール愛好家だ。アーティストとして、俺たちは自分たちのアートがどう表現されているかを、少なくとも何らかの形で制御する必要があると常に感じてきた。アーティストであろうと、彫刻家であろうと、自分のアートがどこにどう置かれるのかハッキリした意見をもつべきだよ。それが芸術的なビジョンの一部なんだ。

    −しかし、どんな経歴でも柔軟に対応し適応しなければならないということには同意できませんか?

    ジェイムズ
    水門が開いて、音楽が無料でインターネット上にあるということになって、俺たちは恐怖して、それについて何を考えるべきかわからなかった。でも今は間違いなく素晴らしいことだし、音楽を手に入れるのにとても便利な方法だ。それに適応することだけが唯一の生き残る道なんだ。それは人生の何においても真実だと俺は思う。

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    −オンラインの無料の音楽について言及されましたが、違法ダウンロードに反対したナップスター裁判で、あなた方が代表となったやり方については後悔していますか?

    ジェイムズ
    他人が俺たちや俺について考えることは、俺には知ったこっちゃない。俺はそれが正しいことだとわかっていた。俺たちは狙われやすいターゲットだったんだ。(メタリカじゃなくとも)著名でアートに関わっている誰かがそこで撃たれるべくして撃たれるんだ。

    ラーズ
    あれはストリート・ファイトだった。メタリカとファンの間のことだ、メタリカはダウンロードに反対だっていう絵図を誰かが描いちまった。本当はそんなことじゃないのに。あれはダウンロードについてじゃない。選択についてだったんだ。もし俺の音楽を手離して無料にしたいってなったら、それは誰の選択なんだ?俺の選択か?それとも他の誰かか?あれは奇妙な夏の出来事だったね。

    −その奇妙な夏の出来事には、違法ダウンロードのために金メッキ仕立てのサメの水槽付きバーを家に備え付ける余裕がなくなったとプールで泣いているあなたが描かれたサウスパークのエピソードも含まれていますね・・・。

    ラーズ
    あれには目ん玉飛び出たね。でも俺はかなり面の皮が厚いんだ。あの夏、俺たちはたくさんのヒットが出た。あれもそのひとつだよ。

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    −金メッキ仕立てのサメの水槽付きバーを備え付けることをそれから考えることはありませんでしたか?

    ジェイムズ
    俺たちは実用的な考えでね。自分たちのお金をステージセットや良い作品や映画制作につぎ込むんだ。退廃が進むことに関して、それはないよ。俺たちは互いのケツを蹴るだろうし。それはメタリカの性格には合わないな。

    −2004年のドキュメンタリー映画『Some Kind Of Monster』では、バンドが最も衰退した時期をみせ、個人的な苦闘をたくさん経験しています。あの時期、どのようにしてバンドは一緒にいられることができたのでしょう?

    ラーズ
    ジェイムズが俺たちと交流するための新しいツールと共に1年離れていたバンドから戻ってきた時、俺は最初の半年はどうなっているのかわからなかった。ああいうやり方を実行できないと思っていた。2005年と2006年の間に戻ってきたけど、しばらくはかなり綱渡り状態だった。何が起こるか確信が持てなかった。俺は「もしXXだったら」って質問はあまり好きじゃない。もし俺たちが別々になったら何が起きてたかなんて誰がわかるんだってこと。でも俺たちはこうしてここにいて、キミと話しているわけだ。メタリカが10年ほど前に分裂した世界を想像しようとするのはエネルギーの無駄だよ。

    RedBulletin(2017-02-xx)

    元の記事ではフォトセッションの様子を写した映像も掲載されていて実にメンバーが楽し気です。サウスパークの一件についての詳細は関連記事からどうぞ。

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    まったくニュースに追い付けていませんが、RollingStoneによるラーズ・ウルリッヒのロング・インタビューを管理人拙訳にてご紹介。

    napster_metallica

    −最高の成功とは?

    個人で言えば、家族に還元できること。音楽面では、自分が進みたい方向に行ける自由があるってことだね。その一例が一度に2週間以上のツアーをしないということだよ。『Death Magnetic』では2週間単位で約200のショーをやった。俺たちは子供の成長を見逃したくないからね。

    −最悪のことは?

    俺は「最悪のこと」があるとは考えないんだ(笑)泣き言をいうのは止めて、誰かに何かを与えてハッピーになるべきなんじゃないかって思うよ。

    −出かけた時に気付かれて、文句を言う人たちがいるかもしれないですよ

    そういう名声に関しては俺たちはちょうど真ん中あたりを占めている。トム・クルーズとかそういう人たちのレベルなのかどうかはわからない。俺たちがハマって行きたくなるレストランは(みんなに)よく知られていると思うけど(笑)パパラッチに悩まされたり追い掛け回されたりするような厄介なところまでにはなってないよ。

    −あなたのヒーローは誰ですか?

    現状に挑戦する人たち。順不同で言うと、俺の親父、スティーヴ・ジョブズ、ジェイムズ・ヘットフィールド、マーク・ロスコ(画家)。あとは(SalesforceのCEO)マーク・ベニオフみたいに無私でみんなを勇気づける人たち。完全に衝動的なリッチー・ブラックモアみたいな人たち。彼の口やギターでそこから3分間何が飛び出してくるかわからないっていうね。(メタリカの共同マネージャー)クリフ・バーンスタインはいつだって違った考え、独立した考え、枠組みに捉われない考えを俺に教えてくれる。

    −なぜジェイムズをヒーローの一人に挙げたんですか?

    彼はただただ一番クールなミュージシャンなんだ。35年間、俺の戯言に耐えてきた。だからそれには感謝している。時おり、俺は彼の才能の広大さについて、正しく評価されていないんじゃないかって思うよ。

    −あなた方は映画『Some Kind Of Monster(メタリカ 真実の瞬間)』で衝突していました。バンドの意見の相違をまとめるということについて何を学びましたか?

    バンドの健康よりも重要なものは何もないということを学んだよ。他のメンバーがやりたくないことを強いるよりも、クールなものを創造する別の機会がいつもあると思う。

    −あの映画を見てご自身について何か学びましたか?

    (笑)かなりキツかった。(しばし沈黙して)俺には自分を脅かす何かを完全に区分けする能力がある。こういう厳しい試練を座って観られたからね。あれが俺だっていう事実から感情的な自分を排除できた。「第三者」なんだ。他のヤツらにとってはそれがどれだけ難しかったかよくわかったよ。俺たちはみんな違う方法で対処する。俺は隠すことで対処してきた。これは明らかに精神医学からするとやっちゃいけないことだ。そういうものを感情的な自分自身を排除しなきゃいけないってのは相当難しかったね。

    −見たなかで好きじゃないシーンはありましたか?

    いや、目の前で広げられて見るのはあまりにも苦痛だった。俺たちが完全に乗り越えて、みんなにそれを見せているという事実を誇りに思っていた。もちろん、あまりにもプライベートのぞき同然のように感じるものもあったけどね。情報過多だって批判した人もいたよ。そんなだから俺は自分のヒーローには会わないんだ。ガッカリさせられてしまうこともあるからね。俺がさっき言ったみたいに(会ってしまうと)情報が多すぎるんだ。そこは区別しようとしている。でも誤解しないでほしいのは、あの映画をやったという事実に俺は誇りを持っているし、シェアすることができて楽しかったってことだ。

    自分自身について恐怖を感じるのは、自分には恐怖を感じない能力があるってことだけだね。実際、自分でも怖くなるほど面の皮を厚くできるんだ。ナップスターのことをきっかけに、俺はかなり重たい打撃を受けた。亀の甲羅みたいなものを身に着けて、何かの影響を受けないようにする術を学んだよ。


    −ナップスターの反発から何を学びましたか?

    メタリカについて俺が気に入っていることなんだけど、俺たちはとても衝動的なんだということを学んだ。そのことで時おり泣きを見るんだ。俺たちはどこに着地するかわかる前に飛んでいるからね。クリエイティヴな環境だと、それは素晴らしい状況なんだよ。でもナップスターに関しては、俺たちは「何だコイツら!コイツらを追い詰めるぞ」ってとこに真っすぐ飛び込んじまった(笑)そこから突然、ヘッドライトに照らされたシカみたいだったよ。ナップスターはみんなにとって自由の象徴を意味していたってことを俺は過小評価していたんだ。だから俺は時おりやりたくない場合だったとしても、飛び込む前にちょっとは注意を払うようになった。少なくとも地面があるところかは考えるようにしているよ(笑)

    −ナップスター騒動では、あなた方のファンは自分たちが標的にされていると思っていました。

    あれは相手側のうまいやり口だったね。俺たちとナップスターとのあいだのことだったのを俺たちとファンのあいだのことにした。マジで本当に賢い動きだったよ。そんなつもりはなかった。ナップスターについてはお金のことじゃない。商取引のことでも著作権のことでもない。文字通り、選択肢の問題だった。自分の音楽を無料でダウンロードできるようにするのは誰の選択なんだ?俺たちは「ちょっと待ってくれ。俺たちの選択であるべきだろ。」って言っていたんだ。他の人たちは違う意見を持っていたし、欲張ってんだか金の話だかになっちまった。突然「え?どういうこと?どっからそんな話になったんだ?俺たちは強欲なんかじゃないぞ!待ってくれ、誰がこの議論の方向を変えたんだ?」(笑)俺たちは面食らったよ。

    −あれから15年ほど経って、音楽業界は崩壊し続けています。あなた方はナップスターについて正しかった。

    そのことについては彼らが言うように4分の1がバスに乗る(賛同する)だろうね。

    −メタリカの最初の3枚のアルバムのベーシスト、クリフ・バートンが亡くなって今年で30年になります。あの事故の後、どのようにして続けていく力を見出したのでしょうか?

    俺たちはウォッカボトルに飛びついて数年間はそこに留まっていた。俺たちのその頃のやり口ってのは目隠しをするだけだったんだ。大きな障害を経験して飲んだくれていた。22歳の時では悲しみに対処する術を知らない。感情に対処する術も知らない。損失に対処する術もない。ただ続けるだけだった。自問自答したり、体温を測ったりするだけの十分な時間立ち止まることなんてなかった。ただ続けるだけなんだ。

    −メタリカは80年代「Alcohorica」というあだ名を受け入れていました。責任をもって飲むことをどうやって学びましたか?

    誰が責任あるなんて言ったんだ?(笑)年を重ねるにつれて学ぶんだよ。年齢と経験はある時点でドアをノックするんだ。「OK、俺は起きたくないのか、それともまたあの状況で意識を失くないのか(どっちだ)」ってね。幸運なことに俺は中毒になるっていう性格は持ち合わせていないんだ。まだ飲んでいるよ。他の何かにも溺れちゃいない。でも他にやっていたことを意識的に止めることにしたよ

    RollingStone(2016-11-06)

    前は『Some Kind Of Monster』を作ったことを後悔していると話していましたが、、、今では誇りに思っているということで何よりです(笑)。インタビューの続きはまた後ほど。

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    ラーズ・ウルリッヒ、ドキュメンタリー映画「メタリカ:真実の瞬間」を作ったことを後悔。

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    レコードストアデイ関連企画としてラーズ・ウルリッヒが「BBC Radio 6 Music」にてレコード店に関するインタビューに答えていました。BLABBERMOUTH.NETさんの文字起こしを管理人拙訳にてご紹介。

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    −レコード店との出会い

    俺はデンマークの家族のもとに生まれた。基本的には、親父が音楽に熱中していて、レコード収集に没頭していた。実際、デンマークの新聞なんかで親父はパートの音楽評論家だったんだ。だから覚えているよ、俺が小さい頃、親父と一緒にレコード店に行ったのも。コペンハーゲンの中心部にある店は特にね。10歳か11歳の頃に自分でレコード店に行ってイギリスのたくさんのシングル盤とかステレオ盤 (45-45方式)を買い始めた。それから73年、74年、俺が11歳だか12歳の頃には、アルバムとかそういうものを全部買い始めたよ。コペンハーゲン中心部でレコード店に行って、レコードを見て、店でレコードを聴いて、店の人たちと会話する。世界へ旅しているようで一番エキサイティングなことだったんだ。レコード店は扉、つまりすべての音楽への入口だったね。

    −なぜレコード店がメタリカにとって意義深いのか

    レコード店はいつだって俺の人生にとってとても重要な場所なんだ。メタリカはいつだって間違いなく自主自立であろうとしてきたし、先端であろうとしてきたし、そんなような・・・つまり、あまり詩的表現にならないように言うならば、現状を打破しようとしてきたし、デカい池のなかの小さな魚であろうとしてきたわけだ。だから身近にある独立したレコード店を支援して、その価値を声高に叫ぶことに俺たちはとても満足しているよ。


    −レコード店が生き残ることは全てのアーティストにとって重要だと考えているか

    俺が思うに・・・1人のアーティストとしてだけじゃなく、みんなにとってもレコード店が生き残ることは重要だよ。俺には3人の子供がいるけど、1人は去年か2年前頃からビニール盤に手を出し始めた。北カルフォルニアにある地元の大きな2つのレコード店、アメーバ・ミュージックとかラスプーチン・ミュージックとかに行っているよ。1人のアーティストとしても重要だと思うし、1人の音楽ファンとしても、とりわけ特定の文化に関する1人の目利きとしても重要なんだ。人間の繋がりがね。

    −最初に買ったアルバム

    最初に買ったフルアルバムはディープ・パープルの『Fireball』。あれを1973年の2月にコペンハーゲンで彼らの公演を親父と観に行った次の日に買ったんだ。あの当時、俺が買っていたもののほとんどは当時のイギリスで出たものだった。スレイド(Slade)、ステイタス・クォー(Status Quo)・・・アルバン・スターダスト(訳注:イギリスのグラムロック・シンガー)、マッド(MUD)(訳注:イギリスのグラムバンド)みたいなやつでも買っていた。それが最初に買っていたものだね。

    −アルバムを買って、最初から最後まで聴くことについて

    人はこれまでより注意力が続くのが短くなってきていると思う。でも、どう育てられ、どう育ってきたか、成長期にしてきた体験によって(注意力が)保持される傾向にあると思う。レコードを回して、15分や20分の価値がある音楽を座って傍で聴くということは、間違いなく俺が育てられたやり方だ。だからこういう類の体験をいつだって大切にしているんだ。

    BLABBERMOUTH.NET(2016-04-29)

    ラーズがレコード店の重要性を叫ぶ一方で、マネージャーのピーター・メンチがYouTubeなどのオンラインの動画配信事業について批判的な発言をして話題を呼んでいました。

    メタリカのマネージャーが「YouTubeは悪魔だ」と痛烈に批判
    http://jaykogami.com/2016/05/13071.html

    NMEでも取り上げられていたこの話題をピーター・メンチ、YouTube双方の意見について分析的に論じられています。音楽ビジネスのあり方については、YouTube以前にもナップスターで散々語られてきたところがありますが、変容激しい現在では全てのアーティストに通ずる正しい在り方など存在せず、アーティストそれぞれの最適解をみつけるしかなさそうです。

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    元メガデスで、現在は同じく元メガデスのクリス・ブロデリックとともにアクト・オブ・ディファイアンス(Act of Defiance)として活動しているショーン・ドローヴァーがPodcast番組「Metal Brainiac」のインタビューでナップスター騒動や今の音楽ビジネスについて語っていました。そのなかでラーズ・ウルリッヒについても言及していたのでご紹介します。BLABBERMOUTH.NETさんの文字起こしを管理人拙訳にて。

    shawn-drover

    −ツアーに出るレベルに達する余裕のない若いバンドに起きていることについて

    それは究極の質問じゃないの?結局のところ、どうすればまた買ってくれて、バンドをサポートしてくれる人を捕まえられるのか?6万4000ドルの質問だね。その答えは、現時点では誰も持っていないよ。自分のコンピュータに保存できずに最後に燃えちまう音楽を出す新しいフォーマットを思いつくかい?誰かが自分のコンピュータでファイル共有を始めるやり方がわかってから可能となった。

    それで、90年代後半のナップスター騒動でラーズは特定の人たちの餌食になってしまった。彼らはラーズのことをどれも大げさだと考えていた。彼は間違いなく正しかった。100%正しかったんだ。誰もそれを主張することができない。でも結局、売上高の減少で証明された。毎年の売上げを見てごらん。1995年から今までの売上げ、1985年から今までの売上げをね。


    −CDの売上げ減少は、現代のインターネット世代が無料で音楽を得ることに慣れたからか

    子供の視点になってみよう。「ボクたちはいつもタダで手に入れられるよ。なんで払わなきゃならないの?」わかった。彼らのなかには本当に何をしているのかということをよく考えずにしている人がいる。他は悪質な方法でそんなことをやっているんだ。「あいつらなんてクソ食らえだ!俺は楽しいから、盗んでやるんだ」とか単に嫌なヤツになってね。でも音楽店でCDを盗みに行くヤツを見つけたって、いつだってそういう輩はいるんだ・・・。もはや盗むことの出来ないのはコンサートに行くこと、コンサートという体験を得ることだけだ。もちろんみんなそれを撮影してYouTubeにアップする。でも間違いなく同じじゃない。1981年のヴァン・ヘイレンの古いビデオを観ることは、YouTubeで観るにはクールなことだ。でも俺のように、そこにキミがいた場合を除いてだ。まったく違う体験なんだよ。見当もつかないだろうけど。

    BLABBERMOUTH.NETより(2015-08-30)

    インタビューの音源はこちらから。



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    メタリカがナップスターを訴えた裁判について、デイヴ・ロンバード「ラーズ・ウルリッヒは賢かった」
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    メタリカがナップスターを訴えてから早14年。

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    スレイヤーを脱退し、現在はPHILMで活動中のデイヴ・ロンバードのインタビューから。BLABBERMOUTH.NETさんが文字起こししてくれたのでご紹介。

    Dave-Lombardo

    −世界のレコード音楽業界から生み出される収益が減り続けていることに関して

    いつだって難しいよ。音楽業界は、そこでやってくにはたやすい業界じゃない。浮き沈みが激しいしね。変化にも対応しなくちゃならない。これは言っておこう・・・みんなレコード業界とか著作権使用料とかインターネットのダウンロードとかこういうことについて文句を言っている・・・。それはつまり、自分の音楽を売る、あるいは自分の音楽を使って利益を得る他の賢いやり方を見つけなくちゃならないってことだ。それはコマーシャル、テレビあるいは劇場かもしれない。


    −音楽業界衰退の前兆を見ていたかについて

    いいや、わからなかった。でも明らかに何が起きていたかは気付いていた。インターネットとダウンロードが始まった次の年にはナップスターが始まって、権利料の小切手の変化に気付き始めた。だから予告できる何かがあったというより、まさにそれは起きていたんだ。

    −メタリカのドラマー、ラーズ・ウルリッヒが2000年にナップスターを相手取り、違法にバンドの音楽を配布するファイル共有サービスをやめるよう訴えを起こしたのは正しかったかどうかについて

    あぁ、正しかったよ。彼は賢かったね。彼はそれと戦おうとしたんだ。ラーズと彼のチームがやったことは勇敢なことだった。でも残念なことに今でも(違法なダウンロードは)続いている。これについては俺たちが出来ることは何もないんだ。

    −人々が無料で手に入れられるのにレコーディングされた音楽にお金を払うのは気が進まない点について

    時おり、FacebookやTwitterでこんな絵が投稿されるのを見るんだ。その絵には誰かが5ドルでコーヒーを買っているけど、ダウンロードにたった99セントだって払えないってことが描かれているんだ。ひどい話だ。でもそういうことなんだ。それが今の世の中なんだ。それについてクヨクヨしていられない。好きなことをやり続け、前に進まなければならない。でも間違いなく、1つのレコードを出して50万ドルの前払い金を手にする日々はもはや存在しないってことだ。それについて何ができることはない。やらなきゃならないのは、俺が言ったように前に進むってことだ。

    BLABBERMOUTH.NET(2014-11-19)

    インタビュー動画はこちらから(字幕なし)。


    メタリカの場合は自分たちのレーベルを作り、物販もライヴ音源販売もレコード会社から離れて自前で出来るようになっているのが強みになっていますね。このあたりはやはりラーズ主導なのかな。

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    ファイル共有サービス「Napster(ナップスター)」の盛衰を描いたドキュメンタリー映画『Downloaded』の予告映像が公開
    メタリカがナップスターを訴えてから早14年。

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    2000年4月13日はメタリカが音楽共有サービスのナップスター(Napster)を訴えた日。ということでその「記念日」に寄せて、ナップスター支持者のコラムがThe Austin Chronicleに掲載されていたので管理人拙訳にてご紹介。

    「メタリカをダウンロードしよう」ナップスター記念日?

    14年前、(アメリカのアニメシリーズである)サウスパークはこの10年に渡る音楽の悩みの種について風刺した。「ちょっとメタリカとかスティーヴィー・ワンダーをダウンロードしようぜ。」「いいね、ケニー。」「ジューダス・プリーストもダウンロードしないと。」数クリックすると、カイル・ブロフロフスキーと悪友たちはサウスパークからFBIに連れて行かれてしまった。このアニメシリーズの少年たちはナップスターを使っていたのだ。

    P2Pダウンロードソフトのパイオニアは、ユーザーに音楽コレクションを世界中と共有することを可能にした。警部が彼らがやっていることの本当の恐ろしさ−メタリカのドラマー、ラーズ・ウルリッヒは金メッキ仕立てのバーを自宅に備え付けるのに数ヶ月待たなければならなかったし、ブリトニー・スピアーズはプライベートジェット機をダウングレードした−を見せた後、あの(サウスパークの)小学生たちにこう教えた。

    「人は自分本位で行動する前に、やった後の恐ろしい結果について考えることを学ばなければならない。さもないとレコーディングを行うアーティストたちは永遠にほんの贅沢な人生しか望めなくなるだろう。」

    2000年4月13日、(アニメのなかではなく)実際のラーズ・ウルリッヒは、ナップスターを相手取って訴えを起こした。それはP2Pソフトを使ったダウンロードに重点を置いた初めての訴訟である。連邦地方裁判所裁判官はナップスターに対して、72時間以内にメタリカが権利を持つ楽曲を削除するよう仮差し止め命令を出した。

    口うるさいウルリッヒとその他多くのアーティスト(キッパリとギャングから手を切ったドクター・ドレーを含む)に擁護され、メタリカvsナップスターの影響は1年後の会社の閉鎖にまでつながった。カザー(Kazaa)、モーフィアス(Morphers)、ライムワイヤー(Limewire)、ビットトレント(BitTorrent)や他に名前を挙げられた無数のP2Pホストはナップスター閉鎖以降の年にその無くなった空きを埋めるように増加していった。しかしダウンロード世代へその指先ですぐに何もかもできる最初の味を覚えさせたナップスターの栄光ほどは、どのサイトも届かなかった。

    いくつかの会社が一斉に打ち落とされた後、2014年現在、有料音楽サービスのラプソディー(Rhapsody)ブランドのもとでナップスターは爪あとを残している。サウンドクラウド(Soundcloud)、スポティファイ(Spotify)、パンドラ(Pandora)のようなプラットフォームのなか、これらが提供するストリーミング無料版によって、音楽にお金を払うという考えは時代遅れとなった。ありがとうナップスター。

    俳優・監督のアレックス・ウィンターはサウス・バイ・サウスウエスト(SXSW)2013で音楽のオンライン共有の歴史を取り上げた『Downloaded』を初公開した。このドキュメンタリーで、ナップスター創立者ショーン・ファニングとショーン・パーカーは、時代遅れのビジネスにしがみついている音楽業界の動揺によって反撃されてしまった彼らの主張を述べている。最初の共有による混乱が棚上げされて数年後、『Downloaded』はいまだに流布している音楽産業の古い保護の魂とTVショーからスクリーンにタッチする新しいコンテンツにまで成長したグループにスポットを当てている。

    music_DownloadedInterview4
    SXSW 2012でインタビューを受けるショーン・パーカーとショーン・ファニング

    ファニングとパーカーは富に至る彼らのやり方でいまだにプログラミングしている。サウスパークはいまだに放送中だ。ウルリッヒとその他のメタルヘッドたちはいまだにお金持ちだ。そして密かに数千のファイルと数種類のウイルス(ごめんよ親父!)をダウンロードしたこのジャーナリスト(訳注:コラム筆者)は、そうでもしないと音楽的には不毛の地である東テキサスで、P2Pが音楽を届ける過程をぶち壊してくれたことに感謝している。今や「削除した私のコレクション」があった、私の大好きなナップスターとP2Pダウンロードはここにある。心配しないでくれラーズ。私の親父が持っているメタリカは全て買ったものなのだから。

    The Austin Chronicle(2014-04-10)

    最後の文章からすると、筆者はナップスター騒動でメタリカのファンをやめた模様。音楽ビジネスの行く末にはあまり興味がなさそうです(苦笑)。

    裁判所に出廷したラーズの模様も描かれているドキュメンタリー映画『Downloaded』は日本公開をぜひお願いしたいところ。

    拙訳の冒頭部分はサウスパークの内容そのもので、もちろんフィクションです。サウスパークの子供たちが「大したことじゃないでしょ(Not A Big Deal)」と言ったところから警部の「実地講習」が始まります。公式サイトより。

    公式のフルバージョンはこちらから。
    http://www.southparkstudios.com/full-episodes/s07e09-christian-rock-hard

    非公式のエピソードまとめはこちらから。


    以上、管理人がサウスパークのこのエピソードを見せたいだけの記事でした。

    『このソフトがクソだ』とラーズが訴えたから4月13日はナップスター記念日

    ・・・おあとはよろしくないようで。


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    ファイル共有サービス「Napster(ナップスター)」の盛衰を描いたドキュメンタリー映画『Downloaded』の予告映像が公開

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    ある意味、音楽界をひっくり返したと言えるファイル共有サービス「Napster」の出現。その盛衰を描いたドキュメンタリー映画『Downloaded』の予告映像が公開されました。

    downloaded

    Napsterと言えば、メタリカとの法廷闘争でも話題になりましたが、今回予告編として公開されたシーンはラーズ・ウルリッヒとザ・バーズのロジャー・マッギンが上院で証言をしているところ。

    ※CM後に流れます。

    メタリカのドキュメンタリー映画『Some Kind Of Monster(邦題:メタリカ 真実の瞬間)』でもおなじみのシーンですね。ちなみにこの上院での証言前のインタビューで、ラーズは次のように語っています。

    MetallicaのLars Ulrichが、音楽産業における音楽ファイル交換ソフト、Napsterの影響に関する小委員会による調査の為、上院で証言をすることを明らかにした。Ulrichは7月中旬までにワシントンD.C.を訪れる。MetallicaのNapsterに対する苦情において上院議員に知っておいてもらいたいことについて、UlrichがLAUNCHに話してくれた。

    「一番大切なことは情報だと思う?」と言う。
    「人々が今のような意見を言っている理由は、単純に解っていないからなんだと思う。誰にしても、大体20分話をさせてもらえれば、100%同意とまではいかなくても、僕等の立場や今回の争いについて理解してくれる。議論の余地なんて無い。僕等が望んでいるのはただアーティストとしての選択の権利なんだ。当然だろ。僕等の音楽を使って好き勝手にやる権利なんて他の誰にも無い。権利があるのは僕等だけだ。Napsterと組んで仕事をしたがるバンドがいるのと同時に、僕等にはそれをしない権利があるんだ」

    BARKS(2000-06-28)

    以下は『Downloaded』のアレックス・ウィンター監督へのBillboard.comの取材記事から管理人拙訳。

    「我々が目撃したのは、一方の側の一人の人間だけに起きたことではない、内なる葛藤だったと思っている。」アーティストにとっては対となる望み、つまり自分たちの作品を聴いて欲しいということ、そして生計を立てる必要性 −その状況は刻々と進化してきている。(2012年12月、メタリカは元Napsterの創業者の一人、ショーン・パーカーがアドバイザー兼出資者であるSpotifyに全楽曲を公開した。)
    spotify-lars-ulrich-sean-parker-daniel-ek
    (左から)Spotifyのアドバイザー兼出資者ショーン・パーカー、ラーズ・ウルリッヒ、創業社長ダニエル・エク

    映画では、Napsterを複数の角度から描いている。アーティストや全米レコード協会の批判や多くの法廷闘争を含めた法的、あるいは倫理的な要素。そしてサイトが築いたコミュニティ、開発者ショーン・ファニングと起業家ショーン・パーカーの協力関係といった個人の側の側面。この映画のプロジェクトはウィンターが語るには、主要なスタジオのなかへと舞い戻って終わってしまったストーリー映画として2002年に産声を上げた。結局、10年以上経ってもまだ多くの人にとって生々しい傷を調査していくには、ドキュメンタリーの方が合っていると判断したのだ。

    ウィンターは語る。「激しい怒りがまだ存在しているとは予想していなかった。(だから)何人もの人たちがこの2013年に、2001年の頃のような怒りをいまだに抱えているというのは自分にとってはショックだったよ。明らかに、アーティストは充分とよべる補償をいまだにしてもらっていない。今もって、よりよい音楽界構築の必要性があるんだ。」

    それでも映画で示された通り、Napsterには支援者が何百万人といたのだ。楽曲を共有する大学生から(Napster支援の無料コンサートを行った)リンプ・ビズキットのフレッド・ダーストまで。

    さらにウィンターは語る。「(Napsterに関する)自分の体験は本当にポジティヴなものだった。初めて自分がダウンロードしたのは、ジョン・コルトレーンのブートで、1967年のスウェーデンのストックホルム公演だったと思う。とても高品質で、いまでも親しくしている他のジャズファンと自分とを繋げてくれたんだ・・・。NapsterはFacebook、YouTube、iChatそしてiTunesといったものを1つのサービスへと非常にスムーズに結合させていた。今日ではNapsterがやったようなことを1つでできるサービスは見当たらないよ。」

    Billboard.com(2013-06-28)

    ドキュメンタリー映画『Downloaded』は、2013年7月1日からiTunesを含むビデオ・オン・デマンドのサービスで発売されるとのこと。

    テクノロジーがビジネス構造を一気に変えるというのは珍しいことじゃないけど、この映画ではどんな描き方をしているのか個人的に非常に気になります。日本語字幕で観られるようになるのはいつの日になるんでしょうかね・・・。

    ちなみにNapsterのその後をざっくり知るには、この記事がオススメです。
    Napstar(ナップスター)はそれからどうなったのか〜P2P時代編
    Napstar(ナップスター)はそれからどうなったのか〜有料配信サービス時代編

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    ナップスターの件がちらつきますが、
    ラーズらしいっちゃあラーズらしいニュース(笑
    (ジェイムズの食中毒の続報も)


    【メタリカのラーズ、自分のアルバムを違法ダウンロード】


    メタリカのラーズ・ウルリッヒは、“試しに”
    自分たちの最新アルバム『Death Magnetic』を
    違法ダウンロードしたことがあるそうだ。


    彼は、VH1にこう話した。「俺自身、ネットから
    『Death Magnetic』をダウンロードしたことがある。
    試しにね。“こうやってやるのか”って思ったよ。
    『Death Magnetic』をただでダウンロードする権利が
    あるのは、俺をおいてほかにないって思ったんだ」


    メタリカは、著作権侵害などで2000年、共有ファイル
    Napsterを訴えたことがある。違法ダウンロードがさらに
    増えた現在、『Death Magnetic』は、ネットでのリークが
    ひどく発売を数日早められたという経緯がある。


    ラーズがダウンロードを試みたのは、リークされた
    数日後だったという。友人と飲んでいて、思いついたらしい。


    「(共有ファイルで)見つけたよ。リークされて2,3日後だった。
    (一緒にいた友人たちに)“おい、俺、試してみるぜ”って
    言ったんだ。30分後には、俺のPCに『Death Magnetic』
    が入った。ちょっと奇妙だったぜ」


    メタリカ関連ニュースとして、日曜日(3月8日)
    フロントマンのジェームズ・ヘットフィールドが
    脱水症でダウンしたため、スウェーデンでの公演が
    急きょキャンセルされた。ヘットフィールドは翌日、
    アメリカへ戻ったという。3月後半からはUK/ヨーロッパ・
    ツアーが再開するが、そちらに支障はないようだ。


    Ako Suzuki, London


    BARKS (2009-03-10)


    なんか複雑な感じですが、、、、


    たしかにメタリカをただでダウンロードする権利が
    あるのはラーズをおいて他にない(笑


    映画『グローバル・メタル』でお国の事情から
    違法ダウンロードでしかメタリカを聴くことが
    できない状況に置かれている人を取材していたのを
    思い出しました。


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    ラーズたちもこういった状況を完全に変えるというよりも
    共存していくしかないという心持ちなのかもしれません。


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