メタリカ情報局

メタリカを愛してやまないものの、メタリカへの愛の中途半端さ加減をダメだしされたのでこんなブログ作ってみました。

       

    タグ:グラミー賞

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    メガデスのデイヴ・ムステインがローリングストーン誌のインタビューでメタリカ在籍時のエピソードやグラミー賞受賞時のことについて語っています。

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    これまでも語られてきたエピソードではありますが改めて。BLABBERMOUTH.NETの文字起こしを管理人拙訳にてご紹介。
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    クリフと俺は本当に本当に親しくなった。彼はレイナード・スキナードが好きだったのを覚えているよ。ある日、彼とリハーサルに向かう車のなかで「Sweet Home Alabama」を聴いていた。ラーズが(デンマーク訛りで)「このパートを真ん中でテンポをゆっくりにしないと」なんて言っていた。それで俺が「OK」って言ってこうさ(「Sweet Home Alabama」のリフを口ずさむ)。俺が「Sweet Home Alabama」を弾くと、アイツは知らなかった。(デンマーク訛りで)「ファック!やべぇな、おい」ときた。俺は「OK、これでいこう」そうしてあれ(「Sweet Home Alabama」のリフの最後のパート)を削った。デイヴ・ムステインとレイナード・スキナードが「The Four Horsemen」を書いたのさ。


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    俺たちは何度もノミネートされている。素晴らしいことだ。ただ、「おぉノミネートされて本当に嬉しく思います」って何回も言うしかできなかったんだ(笑)そう!だから実際に賞を勝ち取った時、彼らが発表したやり方が逆だったってのを覚えているよ。マーガレット・チョーがプレゼンターだったんだけど、彼女は「受賞者は「Dystopia」です」と言っていた。受賞者はメガデスだったはずだ。受賞はバンドであって曲についてじゃないからな。落ち込んだのはほんの1秒で、席から立ち上がった。舞台に上がる途中でBGMが流れていたけど気にも留めなかった。舞台に上がって俺たちは俺たちのことをした。すると誰かが「あなたが受賞した時、演奏されていた曲を聴きましたか?」って言われたけど俺の答えは「No」だった。どうやら彼らはメタリカの曲を演奏していた。だから俺は言ったんだ。「俺は彼らを悪く感じていないよ。だって彼らは本当にマズい仕事ぶりだったからね。」って。良いことと言えば、忌々しいグラミーで「メタリカ」って言ってなかったってことだね!


    BLABBERMOUTH.NET(2018-03-02)
    その他、初めて買ったレコード、バイト経験、デイヴィッド・エレフソンとの出会いについて語っています。インタビュー動画はこちらから。


    あいかわらず、大佐がやるラーズのモノマネは悪意がありますね(苦笑)

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    メガデスがグラミー賞を初受賞、会場BGMになぜかメタリカの「Master of Puppets」が流れる
    「The Four Horsemen」の元ネタの話。

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    2018年1月28日にニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで第60回グラミー賞授賞式が行われました。
    nominee60th

    メタリカはBest Rock Song(最優秀ロックソング部門)とBest Rock Album(最優秀ロックアルバム部門)にノミネートされていましたが、受賞はなりませんでした(以下、赤太字が受賞)。

    ■Best Rock Song(最優秀ロックソング部門)

    「Atlas, Rise!」James Hetfield & Lars Ulrich, songwriters (Metallica)

    「Blood In The Cut」JT Daly & Kristine Flaherty, songwriters (K.Flay)

    「Go To War」Ben Anderson, Jonny Hawkins, Will Hoffman, Daniel Oliver, David Pramik & Mark Vollelunga, songwriters (Nothing More)

    「Run」Foo Fighters, songwriters (Foo Fighters)

    「The Stage」Zachary Baker, Brian Haner, Matthew Sanders, Jonathan Seward & Brooks Wackerman, songwriters (Avenged Sevenfold)


    ■Best Rock Album(最優秀ロックアルバム部門)

    『Emperor Of Sand』Mastodon

    『Hardwired...To Self-Destruct』Metallica

    『The Stories We Tell Ourselves』Nothing More

    『Villains』Queens Of The Stone Age

    『A Deeper Understanding』The War On Drugs

    Grammy.com(2018-01-28)

    今回のグラミー賞は、ドナルド・トランプの暴露本をヒラリー・クリントンが読み上げるシーンなどかつてないほど政治色の強いものになったばかりでなく、「Best Rock Song」部門がテレビ放映されなかったことが波紋を呼んでいました。

    メタリカと同じく「Best Rock Song」でノミネートされていたアヴェンジド・セブンフォールドはテレビ放送されないことの不満を漏らし、ニッキー・シックスもツイッターで疑問を呈しています。

    ・参考記事
    アヴェンジド・セヴンフォールド、グラミー候補も「授賞式に行くのは金と時間の無駄」


    ロックとメタルは世界中の劇場、アリーナ、フェスティバル、スタジアムでソールドアウトさせてきた。なんでグラミー賞の「Best Rock Song」部門がテレビで放送されないんだ?#SuppertAllMusic 俺はバランスの取れた賞の表彰を続けるのに役立つと思うんだけど、どうだい?
    ちなみにグラミー賞授賞式翌日、ラーズ・ウルリッヒは家族とサンフランシスコ近代美術館にお出かけした様子をツイート。どこ吹く風でした。



    いよいよ来月からWorldwired Tourが再開されます!

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    メタリカ、第60回グラミー賞に2部門でノミネート
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    バタバタで更新ご無沙汰しております。

    インタビューネタが溜まりに溜まっていますが、その辺りは年明けにまわして2017年のメタリカを振り返るとともに2018年の展望などを書いてみようと思います。(例年は年明け後に新年のご挨拶として更新している記事ですが、管理人が喪中のためこの記事でご挨拶に変えさせていただきます。)

    今年のメタリカの活動の中心は韓国ソウル公演から始まった「WorldWired Tour」でした。ステージ後ろに大きな「屏風」を配置した新ステージセットは、北米のスタジアム公演ではサイズを広げて、映像の演出を曲に合わせるなど進化を遂げていました。欧州のアリーナツアーでは、センターステージの上にいくつものキューブ型モニターを吊るしたり、ドローンを使ったりとかなり視覚的な効果を狙った演出を披露。2019年と噂される来日公演ではどちらの演出になるのか気になるところです。

    ツアー以外で大きな話題を言えばやはり『Master Of Puppets』のリマスター盤の発売でしょうか。BOXセットにはこれまで公式で未出の音源や映像が公開され、インドネシア大統領がBOXセットをプレゼントされたことまでニュースになっていました。『...And Justice For All』やブラックアルバムもすでにファンにその頃の素材(音源・映像・写真など)を求めるなど、リマスター盤発売の動きが始まっています。来年でリリース30周年の節目を迎える『...And Justice For All』のリマスターは発売されるのではと期待しているところです。

    その他にもグラミー賞でのレディー・ガガとの共演、「All Within My Hands」基金の立ち上げ、ラーズの公式ツイッター開始などがありました。グラミー賞は今回もメタリカは2部門(ロックソング部門、ロックアルバム部門)でノミネートされており、1月28日のグラミー賞授賞式ではどうなるかが年明け最初の見どころになるかもしれません。

    番外編としてはカークがホラー映画ポスター展を開催したり、自前のブレンドコーヒーを出したり、ロバートの息子がKornのヘルプメンバーとして出演したり、ESPからカークモデルのギターが続々と出る等、数え上げたらキリがないですが、これ全部今年起きたことなんですね・・・今年も濃い一年をありがとうメタリカ!


    そして改めまして日頃よりメタリカ情報局へお越しくださいまして誠にありがとうございます。また返信できていないメールなども多々ありましたこと、この場で陳謝いたします。。同じような文章でしか表現できなくてアレですが、ここまで続けられたのはひとえにこちらの記事を読んでいただいたり、感想を寄せてくださる皆様のおかげです。来年も変わらぬご愛顧をよろしくお願いいたします!

    良い年をお迎えください!

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    2017年11月28日に第60回グラミー賞のノミネートが発表されました。
    nominee60th

    メタリカは「Best Rock Song」と「Best Rock Album」の2部門でノミネートされています。

    ■Best Rock Song(最優秀ロックソング部門)

    「Atlas, Rise!」James Hetfield & Lars Ulrich, songwriters (Metallica)

    「Blood In The Cut」JT Daly & Kristine Flaherty, songwriters (K.Flay)

    「Go To War」Ben Anderson, Jonny Hawkins, Will Hoffman, Daniel Oliver, David Pramik & Mark Vollelunga, songwriters (Nothing More)

    「Run」Foo Fighters, songwriters (Foo Fighters)

    「The Stage」Zachary Baker, Brian Haner, Matthew Sanders, Jonathan Seward & Brooks Wackerman, songwriters (Avenged Sevenfold)


    ■Best Rock Album(最優秀ロックアルバム部門)

    『Emperor Of Sand』Mastodon

    『Hardwired...To Self-Destruct』Metallica

    『The Stories We Tell Ourselves』Nothing More

    『Villains』Queens Of The Stone Age

    『A Deeper Understanding』The War On Drugs

    Grammy.com(2017-11-28)

    グラミー賞授賞式は2018年1月28日(日)にニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで行われます。今回もWOWOWで生中継されます(日本時間2018年1月29日(月)午前8:30から)。



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    第59回グラミー賞授賞式にてメタリカ&レディー・ガガが競演
    メガデスがグラミー賞を初受賞、会場BGMになぜかメタリカの「Master of Puppets」が流れる
    ラーズ・ウルリッヒ「グラミー賞初受賞を逃した日の本当の勝利は、Oneをテレビで演ったこと」

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    ラーズ・ウルリッヒが8月6日のサンディエゴ公演を前にした地元ラジオ局「101.5 KGB-FM」のインタビュー。メタリカが獲得すると思われていた1989年のグラミー賞「Best Metal Performance」部門をジェスロ・タルが受賞した件について次のように答えていました。Ultimate-Guitar.comの文字起こしを管理人拙訳にてご紹介。
    jethro_metallica

    その日の本当の勝利はテレビ放送で「One」を演奏したことだよ。俺たちは間違いなくグラミー賞で放送された最初のロックバンドなんだ。あの当時、ヒップホップはなかった。まったくね・・・。とても保守的な体だった。だから俺たちがそこにいたってのはクールだったんだ。

    そして80年代中ごろから後半にいたる、大物リストに名を連ねた様々な音楽界のセレブたちが顔を恐怖でひきつらせながら目の前に座っているのを(ドラムセットのなかから)ステージ上で座って観ていたよ(笑)それこそが本当の勝利なんだ。

    ジェスロ・タルが勝ったって事実はまた別の勝利になった。なぜなら俺たちが先端的で、まだ主流ではないってことが示されたからね。それに彼ら(グラミー賞会員たち)はこれを埋め合わせるために次の2年間、俺たちに賞を与えることになったわけだし。

    まぁね、俺たちは本当によくやったし、敬意を表するよ。2年に1回は放送に招待されるなんて幸運だ。素晴らしいことだよ。グラミー賞ほど聴衆に届くテレビ番組はない。俺たちはそんなパーティーに招待されていつも感謝しているんだ。

    当時、俺たちはちょっと場違いのように感じていた。だけどすべて素晴らしい結果になったね。


    Ultimate-Guitar.com(2017-08-17)

    インタビュー全編はこちらから。


    1989年、初ノミネート時のグラミー賞授賞式での「One」


    グラミー賞はジェスロ・タルが獲得


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    ジェスロ・タルのイアン・アンダーソン、メタリカが逃した1989年のグラミー賞について語る。
    第59回グラミー賞授賞式にてメタリカ&レディー・ガガが競演

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    ヘヴィメタル・レーベルのメタル・ブレイド・レコーズの創業者であり、初期メタリカの活動を支えたブライアン・スレイゲルがPodcast番組「The Jasta Show」に出演。

    グラミー賞パフォーマンスでのメタリカとレディー・ガガの共演で起きたマイクトラブルの原因について語っていました。Ultimate-Guitar.comの文字起こしを管理人拙訳にてご紹介。

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    もし(これから)メタリカのショーに行くのなら、そしてこれから話すことを見てなくて何が起きるのか知りたくないなら、しばらく早送りしてほしい。


    メタリカのショーで素晴らしいパートがあるんだ。ジェイムズが曲の合間にマイクを軽く叩いて言うんだ。「おい、これは電源がついているか?俺の声は聞こえてるか?OK?聞こえているか?今夜はマイクが使えるところでこの曲だ」そう言って「Moth Into Flame」をやるのさ。可笑しくてしかたないよ。私がやるよりも彼がやる方がずっと良いけど、本当に楽しいよ。

    ちなみにあのメタリカに関するみっともない出来事は、そこにいた馬鹿なダンサーたちのせいなんだ。馬鹿な一人がマイクの線を蹴ってしまった。そして彼らはそれを復旧できる方法を知らない地元のクルーを働かせていた。それがあんなことが起きた理由さ。

    (中略)彼らはあのショーの後、(同じ日に)ハリウッド・パラディアムでプレイしていた。私がそこに行くと、サウンドマンはそこにいたんだ・・・

    「あれは何が起きたんだ?」と聞いてみると「あぁ、根本的にはダンサーの一人がプラグを蹴っちまって、地元のスタッフは曲を半分終えるまでそれを理解することができなかったんだ」ということだった。


    Ultimate-Guitar.com
    (2017-06-26)
    「The Jasta Show」全編はこちらから。


    「Moth Into Flame」前のマイク・ジョークはこちらから。


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    第59回グラミー賞授賞式にてメタリカ&レディー・ガガが競演
    ラーズ・ウルリッヒ「レディー・ガガとのコラボを再検討するのは自然なこと」
    メガデスがグラミー賞を初受賞、会場BGMになぜかメタリカの「Master of Puppets」が流れる

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    Metal InjectionのPodcastにてジェイソン・ニューステッドがインタビューを受けていました。ジェイムズ・ヘットフィールドがマイクのトラブルに見舞われたグラミー賞でのメタリカとレディー・ガガの共演について語っています。こちらもUltimateGuitar.comの文字起こしを管理人拙訳にてご紹介。

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    うん、あのパフォーマンスは観たよ。俺は彼らの兄弟として、同志を支持する観客として観たんだ。だからファンとして俺は本当に頭にきたよ・・・あの機材トラブルという無礼な扱いにはね。あれは俺には了解しがたいものだった。本当にクソだよ。でも彼らにとってチャンスを得る何かを持っているなら、賛同しようがしまいが、俺たちがとやかく言うべきことじゃない。もしレディー・ガガほどの才能に恵まれ、パワフルな誰かと一緒にやるチャンスを得たいと思えば、そうすべきだ。彼らは彼女と同じ器の持ち主なんだ。彼女は彼らと一緒にやれてラッキーだったね。

    俺たちはこのことをペチャクチャと議論できるけど、あのパフォーマンスの勝利は、機材がヘマったことでジェイムズとレディー・ガガがあの瞬間を強いられて、お互いにエネルギーを出し合い、経験豊かなスーパースター・パフォーマーとしての地位を上げられたことだね。20何回だかのリハーサルをして彼らが計画していたものより、もっとパワフルなパフォーマンスになった。彼らはあの機会を盛り上げて、互いをこれまでの自分たちよりもずっと先の地平に押しやったんだよ。素晴らしかったね・・・。あれは大きな大きな輝かしい王冠もののパフォーマンスだよ。人が何で出来ているかを示したんだ。あんなクソみたいな状況になったら、あんな逆境を与えられたら、パフォーマーの大部分は(訳注:失禁か冷や汗で)水たまりのなかにいることになっただろうね。


    UltimateGuitar.com(2017-05-02)

    フル尺のインタビューはこちらから。
    http://www.metalinjection.net/podcasts/livecast/livecast-409

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    第59回グラミー賞授賞式にてメタリカ&レディー・ガガが競演
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    ラーズ・ウルリッヒがA.V.Clubのインタビューのなかで、前半はグラミー賞授賞式でのレディー・ガガとのコラボレーションのきっかけについて、後半はグラミー賞そのものについて語っています。管理人拙訳にてご紹介します。
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    −みんな、グラミーでのレディー・ガガとのコラボレーションについて話していますので、そこから始めましょう。RollingStone誌上で、(訳注:映画『ハングオーバー!』や『アメリカン・スナイパー』で知られる俳優)ブラッドリー・クーパーの家で二人が会って、一緒にやろうとなったという彼女の言葉を引用しています。その場で終わりがちの「今度一緒にやろう」がどのように具体化したんでしょうか?

    まぁ、間違いなくアーティストとして尊敬したり素晴らしいと思ったりする人たちがバケツいっぱいにいるわけで。俺がメタリカにいて誇りに思えることのひとつは、必ずしもたくさんのコラボレーションをやる必要はないってことなんだ。だからいざやるとなれば、それはすごい特別なものになる。俺たちはそういうものからもうちょっとえり好みしようってわけだ。グラミーに出る時は、グラミーを特別なものにしている一部にコラボレーションをやるって流れがあるわけだし。

    それでグラミーから俺たちにまた授賞式に来てライヴをやってくれないかと依頼があって、その数日後には彼らは文字通り「誰か浮かびました?」ときたもんだ。俺たちは、ジェイムズが素晴らしい女性ヴォーカルと新譜の曲を交互に歌ったらヤバイものになるんじゃないかって内輪で話していた。そしたらその(ブラッドリー・クーパー家での)ディナーでたまたま一緒になった。時おりそんなことが自然に起きる。多くの場合、追いかけない方がいつもうまい方向にいくんだ。俺たちは普通そんなこと探しに行こうなんてしない。そういうことはいつもチャンスの方からやってくるものなんだ。だからかなり特別な今回の件は自然でピュアな要素があったね。


    −一堂に会して曲を通しでやった時、とても自然だと感じましたか?

    聞いてくれ、俺はこれがうまくいくと分かっていた。要はガガは心底メタル・ウーマンなんだ。これがうまくいかないわけがないよ。彼女の中には完璧にそのDNAがある。完全に彼女にうってつけだった。うまくいかないなんてない。唯一の問題はそれがどのレベルでうまくいくかってだけだった。

    1回通しリハをやってね。彼女もジェイムズの声も出ていた。とてもうまくいって、俺たちは全員突っ立って「だろ?」って感じだった。本当にマジで別次元だったんだ。金曜日の夜に2回、いやたぶん3回はリハーサルしたと思う。準備はバッチリ。「マジかよ、俺たちココで何やってんだ?」なんてことは一切なかった。この類のことにしては想像できる限りナチュラルでオーガニックなものだったよ。最初からホームランだったんだ。

    −あなたはレディー・ガガを「まさしく5人目のバンドメンバー」で、これは一緒にやる始まりに過ぎないと語っていましたが、それは(今後)どう具現化するのでしょうか?

    誰かと72時間も一緒に過ごすと、これで終わりにしたくないっていう絆や親密さが生まれるんだ。こうなると、いつだってまた繋がるようにオープンなままでいるもんだ。そりゃあもちろん今日一緒にスタジオ入りしてたり、レコーディングか何かするために曲を書いているわけじゃない。あの週末に一緒にいたことで、関係は途切れるものじゃないし、すごく確かなものだったんだ。いつかどこかでこのコラボを再検討するのは実にしっくりくる自然なことだね。サウンドチェックを終えて、彼女は俺にこう言ったんだ。「また今度一緒に何かやりましょう。このコラボはこのまま終わらせるにはあまりに良すぎなので。」俺も「賛成だ。それが極々当然のことだよ。」と答えたよ。

    確かに俺たちはまだこのことについて膝を突き合わせて話したわけじゃない。(コラボを実現させてからまだ)48時間だぜ(笑)俺は話を聞いたり、ツアーやその他もろもろについて話したりするのに忙しかった。でもこういうことを何か再検討する機会があれば、考え得る限りピュアなものになる。だから成り行きに任せるよ。

    −メタリカはグラミー賞で面白い歴史を持っています。1989年にはベスト・ハードロック/メタル・パフォーマンス部門でジェスロ・タルに敗れ、この賞が時代遅れで見当違いだとたくさんの議論を呼び起こしました。そんな会話が昨今さらに熱を帯びて戻ってきました。特にビヨンセがアデルに敗れた時に。あなたはグラミーをどう見ているのでしょうか?今の時代に即応していると思いますか?グラミー賞が新しく進歩的なことをしているアーティストたちを受け入れていると思いますか?

    面白い質問だね。グラミー賞がオスカーのようになっているっていうニューヨークタイムズの記事があったよ。今年のオスカーを見ると(超低予算で独立系の)『Moonlight』のような映画や『Manchester By The Sea』みたいな映画がある。スポットライトのまさに中心に、たくさんの独立系の進歩的で創造的な努力があるわけ。俺はそれが本当に面白いと思ったね。だって一般的にアカデミー賞のことを考えたら、必ずしも超進歩的なところだとは考えないだろ。でもこの数年で映画の範疇が広がったから、その界隈じゃ全く異なる声があるんだから面白いと俺は思うよ。興行的な要素もあるし、独立した要素もあるし、敢えて言わせてもらえば、彼らの取り組みにはもう少し創造的なところもあるんだ。だから全てにおいて面白いコメントだと思ったんだよね。

    グラミー賞は過去には間違いなく、あからさまに保守的だった。俺たちが80年代後半にグラミー賞と関係を結び始めた頃、彼らはハードロックとメタルを(ようやく)組み入れたような年だったんだ。今やカテゴリーを広げ始めて、そこにラップも入っている。俺たちがあの場で演奏した時、見える限りは良い感じだった。彼らが震えあがっていたかは知らないけど、彼らは俺たちが演奏している間、確かに困惑していたんだ。それで(賞を勝ち取ることが)何にも増して滑稽だったジェスロ・タルに賞を与えた。自分たちの独立した台座に座って、判断の指針やら何やらを指摘していくのは、俺たちみんなにとって容易いことだと思う。でも結局はテレビ番組なんだ。テレビ番組をできるだけ多くの人たちに届けるためには、持ちつ持たれつってのがある。そして多くの人たちに届けるためには、それに関わる必要のある人たちがいるんだ。

    多くの人にとって、グラミー賞は音楽界に入った人たちの1年でたった3時間のことだ。もう少し(出演者の枠と言う意味での)ネットを広げられると主張することもできるだろう。でも同時にニューヨーク、ロサンゼルス、サンフランシスコ、シカゴの人たちが聞いた唯一のアーティストたちの3時間だとすると、必ずしも飛行機で廻るのを貫く必要はない。この議論にはいろんな側面があって、一つの固定的な立場を取るのは俺にとって難しいよ。彼らはネットをもうちょっと広げることができたのだろうか?もちろんできた!彼らはそういう会話をしてきたと俺は確信している。俺との間には関係なく、毎日のようにね。でも同時に彼らはみんなが見るものを確実なものにしたい。だから紙一重なんだ。俺は関わろうとする戦いを選んだ人生にどんどんなっている。3年に一度、参加することに興味があるか俺たちに尋ねるメールを送ってくれるハッピーなことは俺の手の届く範疇をはるかに超えている。俺たちはハードロックとかそういったものを代表するものだということをとても誇りに思っている。だから彼らが自分たちのようなクレイジーな人たちを見せてくれるくらいには十分広いネットを広げてくれていることに感謝しているよ。俺は両面を見ていくよ。

    −あなたがオスカーについて言及するのは面白いですね。その進歩の大部分は非常に激しい反発から来ていますから。彼らはチャンス・ザ・ラッパーのアルバムを賞の対象とするために進歩的な何かをして、実際に彼が受賞しました。純粋にデジタルが会話に入ってくる音楽の変化をどのように見ていますか?音楽を作り方、人々への届け方が変わると思いますか?

    俺たちの音楽制作過程はダイレクトに変えてはいない。曲を書く時、曲を書く。曲を書いた後に曲と一緒にやろうとしているものとは、必ずしも重なり合うとは思わない。間違いなく今日、主たる原動力は20年前、30年前と根本的に違うわけじゃないんだ。俺たちはたくさんの曲を書いてきて、今はそれを聴くことに関心のある人たちに届けたいんだ。曲を聴きたいと思う人たちに利用可能にするってことだね。10年毎に変化している部分は、それがどれだけ容易になっていくかってところなんだ。

    覚えておかなきゃいけないのは、世界的に見れば、サンフランシスコやニューヨークで起きていることがあり、ポルトガルとウルグアイではまた別のことが起きているってことだよ。チャンス・ザ・ラッパーとSpotifyとApple Musicで起きている以外のこともある。地球規模で見れば、ここでうまくいっていたものが、そこではうまくいかないかもしれないってことに気付く必要がある。それぞれ違う状況でベストを尽くさないといけない。ナマモノだからね。暴走列車みたいなもんだ。頑張ってるけど、どうなるのか正確にはわからない。そういう流れに続く準備はしなきゃならない。今から5年後にどうなってるのかわからないけど、今から5年後にはまだ親愛なる人生に夢中になっているってことはわかる。テクノロジーの最前線にいて、ファンとコミュニケーションを取る機会を得ようとしているだろうね。

    その核となるのは、ファンとのコミュニケーション方法と、聴きたいと思う人たちに音楽を届ける方法だね。それは毎日ではないにしても、少なくとも定期的に変化するものなんだ。それに対しては充分にオープンでいなきゃいけない。もしそうしなければ、その輪から人々を締め出してしまうよ。

    A.V.Club(2017-02-16)

    【追記】
    もしマイクトラブルがなかったら・・・というグラミー賞パフォーマンスのリハーサル映像が公開されました。素晴らしいの一言です・・・・
    https://metallica.com/blog/news/439228/grammy-videos-performance-and-rehearsals

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