ニューズウィークのコラムにてラーズ・ウルリッヒがクエンティン・タランティーノからのオファーを断ったことへの後悔を告白しています。

以下、管理人のヘッポコ和訳でお楽しみください。

クエンティン・タランティーノがディナーを一緒にと言ってきたんだ。OK、1週間後ならってことでサンフランシスコのレストランをセッティングしたよ。彼が中国から乗った特別ヒドいフライトの話から、自分たちが遭遇した最も荒れ狂ったフライトについて話を交わしたんだ。ちょっと大げさにしたそんな話の合間で、今回の訪問の目的に迫ったんだ。彼が次に取り組んでいた「キル・ビル」ってタイトルの映画についてね。

俺の顔からわずか6インチのところで(タランティーノとE.T.をかけて)Q.T.が目をアニメのようにグルグル躍らせて、メタリカの「Enter Sandman」と「Sad But True」を使って映画のなかの2つの格闘シーンをいかに振り付けたか入り組んだ詳細を説明していたのは、俺の人生のなかで最もシュールな30分だったな。アクセントで顔に一発食らわす拳。シンバルと同時にかますキック。リズムに合わせてクルクルと回る身体。タランティーノが作るネクストレベルの映画のマジックとメタリカの曲と結婚したんだ。ありゃあ全て最大出力を超えていたね。

俺の頭のなかはもう18ヶ月先まですっ飛んでったね。大きな劇場に座って、俺がこの展開される光景を満面の笑みをたたえて観ているんだ。動いている本当に映画のような詩的作品だ。世界がこれまで観たなかで最も壮大な音楽と映画の結婚さ。

俺たちは夕食後の残りの時間、このアイデアでハイになっていたよ。そしてこの高揚状態は何日も続いたんだ。そしてついに、ジャジャーン!脚本だ。全部で180ページ。いやぁ分厚くて濃かったね。(登場する)ペテン師たちにのめりこんだよ。それから何かがゆっくり起こり始めるんだ。ストーリー、言葉、紆余曲折、カンフー、冗談やたわごと。俺がのめり込めばのめり込むほど、ますます困惑するようになったんだ。

ページをめくるたび、俺は自分の理解の範疇を超えた言葉で書かれているんだと気付いたんだ。俺はこういった外国の格闘技文化とアジアの寓話が描かれているような物語に出会ったことがなかった。このデンマークの愚かな頭では理解することができなかったんだ。

俺は彼の映画を支持したし、人間としても彼のことが大好きだ。でも180ページを読み終えて、そこに座り込むといくぶん当惑して受け入れられないってことにクールじゃないと感じたね。それから熟考し始めた。「やれ、やってみろ」って腹ん中では叫んでいた。それでも俺の頭は混乱していた。用心しろってね。俺は珍しく引き金を引けないっていう体験をしたんだ。

俺は本能を信じ続けられなかったせいで、それから数週間で全ての話はしぼんでいったよ。結局、彼に折り返し電話をすることはなかった。たぶんクリエイティヴな分野で俺がやらかしたたったひとつの最もデカい間違いだろうね。もちろん「キル・ビル」が素晴らしい映画に加わるに足るものとなった。そのことは以降の彼の映画同様だ。そしてそれら全ての映画は2000年代における俺の人生の重要な一部分だった。

今日までQ.T.を熱烈に崇拝しているんだ。

やっておけばよかったな・・・

NewsWeek(2011-10-17)

『キル・ビル』の挿入曲として採用された布袋寅泰さんはtwitter上で2011年3月にこう語っています。

タランティーノが『新・仁義なき戦い』を観て『KILL BILL』に僕の「BATTLE WITHOUT HONER OR HUMANTY」を使おうと決める前は、メタリカの某曲が使用される予定だったそうだ。メタリカの皆さん、ゴメンなさい。

twitter(2011-03-03)

killbill
     キル・ビル


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