前回の続き。ジェイソン・ニューステッドが髪型の変化、『...And Justice For All』時代のツアーの思い出について語ってくれました。管理人拙訳にてどうぞ。

2018-11-12-jason-feature

ジェイソン・ニューステッド
あぁ、(ジャスティスアルバムで)バスドラムの低音域を劇的に失くしていたから、ブラックアルバムが出たとき、ベースはメチャクチャでかいものになった。「Enter Sandman」の始まりの部分は毎週フットボールスタジアムでみんなに刻まれている。俺たちはジェイムズのリズムギターの下に入るベースの周波数を知っている本当のプロデューサーを手に入れたんだ(ブラックアルバムのプロデューサー、ボブ・ロックのこと)。これについて科学的な見地を得たいなら、全てはそこに行き着く。みんなミックスやバンドに入った新しい男について話をしたいんだよ。「こういうミキシングだとほにゃらら」ってことでどうにかしてたんだね。それが当時のみんなの頭ン中にあったことで、みんなに強いられたんだ。そういう風にして曲はラーズのとこの地下室で創られた。

「Blackened」以外の曲に実際のところ低音は存在しない。それが実際に起きたことだ。それは今は完璧なんだ。そのために他のレコードではベースが大きくなった。それがまさしくバンドが登りつめるために本来起こるはずのことだったんだ。


ステファン・チラジ(So What!のエディター)
素晴らしい見解だよ。キミが当惑していると言ったとしても、著しくうなだれているところを見たことがあるとは言えない。ライヴでは最後の一滴まで力を注いでいた。「OK、自分でできたかもしれないとわかっているってことよりも、ライヴでもっと多くのことを注いで、自分の存在感をさらに高めて、この集団にもっと多くのことをもたらそう」と思ったのかな?

ジェイソン
たしかにそうだね。それがいつもの俺のやり方だ。この会話を始めた役目に戻ろう。俺がバンドで果たした役割、俺はステージマンだ。もし他のメンバーが疲れていたり、休憩を取りたいとなったら、ジェイソンをステージに置けとね。ヘッドバンギングして、髪を振り乱し、メチャクチャに汗をかくだろう。さぁ撮ってみろ、写真を撮ろうとしている100%の時間を使って。それは自分のためになったものだ。みんなに対して、そして現実世界における自分自身に証明しなければならなかった。本当に重要なのはそれだけだ。リベンジを期してやっていたのか、力量を埋め合わせるためだったのか自分じゃわからない。それが関係があるとは思ってないな。

ステファン
素晴らしいよ。これまで我々が議論してきたことと比べると、どちらかといえば陳腐に思える質問があるんだけど、アンダーグラウンドのカルチャー革命のために聞かなきゃならない。ジェイソン、剃刀セットを頭の両脇に持っていって巨大なたてがみの一方を剃ることにしたのはいつが初めてだったんだい?ジェイムズが(髪型を)コピーして、私も、そして大勢の人がコピーしていたことに気づいたでしょ。ヘヴィなものに夢中なみんながあの髪型をコピーして、どこからともなくそうなったと思うんだよ。だからキミに聞かなきゃならないと・・・

ジェイソン
・・・そりゃあ俺のトンデモ伝説だね!ハッハッハッ!

ステファン
キミに聞かなきゃならないんだ。1つは、何がキミをそうさせたのか?2つめは初めて(その髪型に)した時のことを覚えている?「すげぇ、こいつはクールだ」って思った?

ジェイソン
昔を振り返ってみようか!もしGoogleで調べてみると・・・Googleのニューステッドは今こうだ、この髪型。この髪型として出てくる。「メタリカのベーシスト」として思い浮かぶんじゃない。このファッキンな髪型を思い浮かべる!だからそれでいいよ!80年代後半、サンフランシスコのスラッシュメタルシーンでヴァイオレンスっていう、後に(脱退したロブ・フリンによって)マシーン・ヘッドにもなったバンドにまでさかのぼる。

ステファン
そうそう、私はよくヴァイオレンスについて書いていたよ。

ジェイソン
彼らはベイエリアのバンドのなかでも俺のお気に入りだったんだ。本当に尊敬していた。彼らは無茶苦茶タフだった。俺たちが巨大な場所でライヴをやっていた時、彼らはまだクラブで公演をしていたけど、彼らを観に行ったり、応援したりしたよ。彼らのことが大好きなんだ。それでベーシストのディーン・デルが片側だけ髪を剃った。キ〇ガイみたいに(髪を)回転させていたんだ。俺はメチャクチャやべぇって思ったね。だから家に帰ってその翌日の夜に剃ったんだ。ステージに出たら、それが流行った。それが終わりの始まりだった。

ステファン
OK、ここでいくつか質問をしよう。モンスターズ・オブ・ロックのツアーのプレ・ショーとなるロサンゼルスのトルバドールでの公演について。

ジェイソン
あのクラブのことは覚えている。「Frayed Ends of Sanity」って名前で出演したんだ。クラブで汗やら何やらな状態の人たちのためにアルバムから新曲をやるってことで、俺は興奮していた。1曲以上ジャスティスの曲を、会場にいるたった数百人の人たちと近くで歌うようになったのは初めてだった。無茶苦茶ラウドだったね。

ステファン
それからロンドンのハマースミス(Hammersmith)での3夜公演。

ジェイソン
これは歴史を振り返らなくっちゃ。モーターヘッドの存在によって、あそこに行くのはとっても大きなことだったんだ。俺のベースソロの時間が来たら(モーターヘッドの曲を)絶対に絶対にやりたいと思ってたね。モーターヘッドのアルバム(『No Sleep ‘Til Hammersmith』)は、俺がベースをピックで弾いたりうならせたりするのを習得するのにとても大きな役割を果たしていたんだから。かなり重たいベースを持っていたから、あの公演のあいだにヘッドバンギングをして、脊椎骨を痛めてしまった。あれは俺が首を痛めた最初だった。

俺は本当に痛んでいた。アイアン・メイデンのブルース・ディッキンソンは「そんなことを自分に課す必要はないよ、なんでそんなことを自分にやろうとするんだ、兄弟?」って言ったよ。俺は「それが俺のしていることだ!」って感じだった。俺は「おい、オマエの頭をバンギングしてやる」ってタイプじゃない。起きるべくして起きたこと。俺は曲になり、モンスターになり、そうして起きたことだ。ジョガーやランナーが走るために足を動かさなければならないようにね。それと同じようなことだった。

ステファン
これは言っておかなきゃらないんだけど、誰もキミのような角度で頭をぶん回すことなんてできなかったよ。キミの首には、背骨の先と胸と肩まわりにかけて球関節をもっているんじゃないかって具合だった。

※参考


ジェイソン
そりゃいいね。ダンサーの膝と同じように、職業上伴う大きな危険みたいもんだった。俺たちが今(チョップハウスバンドで)演奏している音楽は、これまでやってきたほど激しくはないから、はるかに(身体上)良いってことは言っておこう。この頃はベースよりギターを弾いているから、もちろんあの頃ほど危険ではないよ。

ステファン
さて、次は3つの単語、ロング・ビーチ・アリーナ。

ジェイソン
あれも危険だったね。あそこでは中二階でサークルピットがあったのを覚えている。そこは中央の柵が(移動可能な)歩行エリアだった。一番上の柵じゃなくて、アリーナ席から次のコンクリートの区切りまでの真ん中の柵をね。それで歩行エリアがそういう席の正面、アリーナの周りはずっとサークルピットだったんだ。

ステファン
うわぁ。

ジェイソン
席についた人たち全員の正面でそこいらじゅうでそんなことになっている。それがそこからの眺めなんだ。何人かの人たちはケガをしていた。人を助けるために一度か二度、ライヴを止めなくちゃならなかったはずだよ。

ステファン
それはクレイジーだね。次はデラウェア州ニューアークの小さい会場、ストーン・バルーン。

ジェイソン
それがあったね!ストーン・バルーンは、俺たちにとっての冒険で、ジャスティスツアーでもほとんどラーズが主導したものだった。俺たちはどれだけ長くかかろうとも北米50州全てを廻ろうとしていた。それはまだ達成してなかったけど、実際にやったバンドもわずかだった。だから俺たちはこの、どんなにデラウェア州の平日水曜の夜であろうと、どうにか物流的に処理できる唯一の場所に行ったんだ。そこは俺たちのライヴが可能な州で唯一の場所だった。機材を動かすのに十分なアンペアがあったんだ。

あれは無料のイベントだっかもしれない。30時間かそれくらい前に告知したんだ。そこで公演をするってね。5:00か6:00になる頃には、クラブの周りの道路を封鎖しなくちゃならなかった。何千人もの人が通りの外にあふれていたから。物を壊したりとかそういうことはないけど、ちょっと手に負えない状況で、収容人数800人ってせいでなぜ入れないんだとなっていたよ!マーシャルアンプはおかしくなった!覚えているのは、本当に汗だくで、パンクロックな雰囲気があって、俺たち全員のめりこんで、全員の目を見ることができたんだ!あれはそれまで起こってきた出来事のなかでも、俺がそのまんま思い出すことができる本当に唯一の時間のうちの1つだったね。

MTVみたいなことで「メタリカと一緒にあのクラブでライブをしよう」ってことは何回かやったけど、それは全て宣伝されていたものだったし、かなり統制が取れていたよ。でもこれ(デラウェア州の出来事)は荒々しかったし、昔のまんまというか、血と汗でボロボロって感じだった。


ステファン
100 Clubと比べたらどうだい?

ジェイソン
いや。100 Clubのショーに匹敵するものはないけど、同じ分野で近いものと言えるだろうね。(続く)

Metallica.com(2018-11-12)



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