2011年9月14日にヤンキースタジアムで行われたメタリカ、スレイヤー、メガデス、アンスラックスの“BIG4”によるニューヨーク公演。当時、メガデスのデイヴ・ムステインは首と頸椎を痛めており手術が必要だったため、出演キャンセルとなるはずでしたが、メタリカのマネージャー、ピーター・メンチの一言で参加することになったとのこと。

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デイヴ・ムスタイン(左)とピーター・メンチ(右)

以下、BARKSの記事から転載。
ムステインは当時、“長年のヘッドバンギング”が原因で激しい痛みに襲われていた。それを押し切り出演することにした理由をポッドキャスト『The Jasta Show』のインタビューでこう明かした。

「ヤンキー・スタジアムで“BIG 4”公演をやったとき、俺は首に頚椎カラーを装着し、ゴルフ・カートに乗ってステージへ向かったんだ。ステージには“ヘッドバングはするな”って書いたものを張り巡らした。あの夜、ヘッドバンギングしてたら俺は死んでたかもしれない。なんたって、俺はその2日前、緊急手術室にいて、首のオペを受けるとこだったんだから。で、そのとき、マネージャーのMark Adelmanに電話してこう言ったんだ。“俺はすでにメタリカ、アンスラックス、スレイヤーとプレイしてる。NYでもプレイしてきた。野球のスタジアムでもだ。だから、この公演は俺にとって何も目新しいところはない。それに、緊急手術受けなきゃならないから、キャンセルしないとな”ってね。それで、Adelmanがメタリカのマネージメントにそれを伝えると、あの野郎なんて名前だっけな、ディックとかピーターとかいう奴だ…、ピーターだ! そいつが、俺のこと女々しいって言ったらしいんだ」

「だから、俺は“よし、わかったぜ。切り上げる。俺はNYへ行く”って言って、首に山ほど注射してもらい、頚椎カラーを着けて、飛び立った。で、プレイして戻ってきたんだ。このことはそいつ以外誰も知らないと思ったね。ホントに女々しいのは誰かってんだ」


ムステインはこの公演前、『Rolling Stone』誌に「俺は神を信じている。彼が守ってくれるはずだ」と話していた。

手術から5年以上が経過し、首の調子は悪くはないが、ムステインはいまでもヘッドバンギングには要注意。彼いわく、メタリカのジェイムス・ヘットフィールドやスレイヤーのトム・アラヤも過去に同じ手術を受けており、それぞれツアーに支障をきたしたはずだという。

BARKS(2017-12-06)

管理人はこの公演に行っていたのですが、メガデスは体感的にもかなり短い公演でした。当日のメガデスのセットリストはこちら。
01. Trust
02. Hangar 18
03. She-Wolf
04. Public Enemy No. 1
05. Head Crusher
06. A Tout Le Monde
07. Sweating Bullets
08. Symphony of Destruction
09. Peace Sells
10. Holy Wars... The Punishment Due
デイヴはMCで、1週間前にケガを負ったこと、本当ならライヴを出来る状態じゃないけど、キミたちのために演るよと語っていました(と言っても当日はこのMCが聞き取れず、全てを知ったのは翌日の新聞を読んだ後のことでしたが)。メガデスが短くなった分、後にステージに上がったスレイヤーが14曲を披露しました。

2010年6月のSonisphere Festivalで始まったBIG4公演は、デイヴ自身が出演を決めるまで「何度も行きつ戻りつした」と後のインタビューで語っており、イベントとして決まるまで紆余曲折を経ていたようです。そんな経緯もあり、BIG4最後の公演となったニューヨークで出演キャンセルを伝え聞いたピーター・メンチが「女々しい(原文ではPussyなのでもっと強い表現かも)」と思わず口走ったのかもしれません。

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