11月18日にTVKで放送された、伊藤政則氏によるロンドン公演バックステージでのラーズ・ウルリッヒのインタビューを表情とともにご紹介。

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Hey Everyone, It's Lars Ulrich. You watchin' Masa Ito's Rock City! See You Soon Tokyo!

−夏のアメリカのスタジアムツアーどうだったでしょうか?観てないものですから是非教えてください。

そりゃあデカかったよ。アメリカの野外で演奏するのは久し振りだから楽しかったよ。アメリカの夏のスタジアムには特別な雰囲気があるんだ。確か最後にスタジアムで演奏したのは2003年で、フルツアーをやってからかなり経っていた。予想以上に成功したアルバムを引っさげて、それが実現したのは素晴らしかったよ。

25〜30公演やったけど、最もクレイジーな事は初めてMETALLICAを観る人がいかに多くいたかという事。15〜17歳の若者がいたし、キッズも最前列にいて、それが彼らにとって初METALLICAだったというのはとてもクールだし、35〜36年経ってもMETALLICAを初めて観るキッズが来てくれるのだから最高だよ。

大規模な素晴らしいショーだが、スタジアムで演奏するには先程話したようにビッグにしなければならない。ステージも大きくスネークピットも。その前方に2つ目のドラムセットがあって巨大なスクリーンもあり、花火といったクレイジーなものがたくさんある。
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こういったものはスタジアムでは可能であり、スタジアムだからこそやるべきものだ。METALLICAは毎回違った体験となるようにしているが、スタジアムはここ(ロンドンのO2アリーナ)みたいな会場とは異なる様にしている。ここはより親密にバンドが近いのが大切だが、スタジアムではデカくてパワフルにするのさ。


−10代の若いファンを開拓しているMETALLICAは、どういうところが10代のファンを耕している要因になっていると思いますか?

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ルックスの良さかな?(笑)若さ漲るエネルギーだったりして?(笑)こういうのは少し答えづらいと感じる質問なんだ。君みたいな尊敬すべきジャーナリストの方が理解しているのではないかと思うよ。なるべく考えない様にしている。驚いたのは、僕は最新アルバムの意見を聞きたくてファンと対話するのにミート&グリートを行っているけど、多くのファンにとってこのアルバムが一番のお気に入りだという事だ。君が一番好きな曲は何?と聞くと「Atlas, Rise!」と言う。そういうのを聞くと本作は新しいファンを結びつけたのだと思う。そこからもっと昔の曲に遡って体験するだろう。


METALLICAを初めて聴いたのがソーシャルメディア、両親、友人など、どういう経緯だったとしても、何故かMETALLICAのやっている事が2016年2017年の全体像にはまり、上手く機能している。なるべく合理的に説明したり分析しすぎたりしない様にしているのは考え過ぎてしまうという危険があるからだね。来てくれるのは嬉しいし、初めてMETALLICAを体験する機会になっているのは良いものだが、何故来てくれるかって?それは分からないなぁ。来てくれるのは確かで僕達はそれをありがたいと思うし、35〜36年経った今でも人を結びつけれるという事は謙虚な気持ちにさせてくれる。

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音楽というのは世界中何処にいても演奏しているのがアメリカのスタジアムであれ、イギリスのアリーナであれ、日本であれ、人というのは他の人達と繋がっていたいと思うものだ。人との絆を感じたいというのは人類の進化における基本的な部分で、音楽というのはそれが出来るものの一つなんだ。


−METALLICAをヘヴィメタルバンドじゃなくて、METALLICAという一つのブランドとしてファンになっているファンが増えているような気がするんですけど、その辺はどう考えていますか?

君が言うならどんな事も異論を唱えたりしないよ(笑)だからそれにはもちろん同感だ(笑)
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この世にはMETALLICAの目線で世界を見ている者が4人いて、METALLICAは僕にとって世界への入り口やトンネルの様なものだ。何に対してもMETALLICAの目線で見ていこうとするんだが、その中でMETALLICAが何処に当てはまるかを考えるのはおかしな事だ。U2やFOO FIGHTERSがどうはまるのかについてなら話せるけど、それは僕が他の人同様に客観的な視点で見ているからだ。思うにエネルギーやパワー、人との繋がりはMETALLICAがオーディエンスに与えるもので、世界的に上手くいってるのはもちろん、音楽ジャンルを超えるものだと思いたいね。でもそれについて話すのを躊躇してしまうし話しにくいと感じるものだ。
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METALLICAが何故素晴らしいか教えよう!なんて僕が言うのはどうかと思うし(笑)そういうのは他の人に話してもらった方が良い。


−夏のツアーで日本の和太鼓を使って4人でプレイしていましたよね。あのアイデアはどこから持ってきたのでしょうか?

ジェイムズは4人が一緒にドラムを叩くというのを以前からずっとやりたがっていたんだが、これまでそれをやるのにふさわしいタイミングやアイデアに恵まれなかったけど今年になって公演に変化を持たせるにはどうしたら良いか話し合っていたら、そのアイデアが浮上して最新アルバムからの曲「Now That We're Dead」のブレイクダウンに取り入れる箇所を見つけた。
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和太鼓のような伝統に対する僕達の解釈と同時にみんなでプレイを披露する事が出来る機会でもある。ジェイムズは実はドラミングがとても好きで素晴らしいドラマーだ。いつもドラムセットの後ろに座りたがるんだが、彼にはドラムソロがあるし、とてもクールだよ。


−普段のドラムと和太鼓だと叩き方がずいぶん違うと思うんですが、その辺の感触はどうですか?

そうだね。違うし楽しいものだよ。秘密をバラす訳ではないが、あれにはトリガーパッド(訳注:ドラムの振動を電気信号に変換する機器、およびそこから得られるサウンド)を付けているんだ(笑)殆どの人が気がついているとは思うけれどね。公演を一区切りし一風変わったものを持ってくる為だ。異なる会場で演奏したり、マイクや他の技術的な事もトリガーパッドを付けた方がやり易いんだ。それがどういうものなのか、みんなのイメージを台無しにしていないと良いけれど。良いものだよ。出ていって一緒にやるんだ。
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僕をドラムセットから離れさせてくれるから気に入ってるね(笑)


来日公演の言及はなかったものの、いつもの口癖とはいえ冒頭のSee You Soon Tokyoには度肝抜かれました。インタビュー続編の放送に期待です。

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