オンライン版「So What!」で、ジェイムズ・ヘットフィールドが語る『Hardwired...To Self-Destruct』収録曲の歌詞。ようやく最後までたどり着きました(汗)。管理人拙訳にてご紹介します。


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−「Am I Savage?」

ステファン・チラジ
これは熱狂的狼男マニアのボクの琴線に触れたね。さらに背後には何かあるのかもしれないけど、完全に狼男の物語があって、他の曲よりも多少寓意を感じたよ。

ジェイムズ・ヘットフィールド
あぁ。見えているかもしれないものよりもはるかに深いことを意味しているんだ。「受け継いだモノ」についての歌詞もある。それはこのアルバムで俺にとってとても強い言葉だった。良かれ悪かれ、何かを受け継いでいる。それは遺伝子だったり、血だったり、銀行口座だったり、外見だったり。いろんなものを受け継いでいるんだ。10代の息子がいると、父親として時おり難しい時がある。息子のことを誇りに思うけど、娘とはまったく別の話でね。娘と母親のあいだにも問題があるし、息子と父親のあいだにも問題がある。なぜなら彼らは成長して親のようになるだろうけど、彼らは親のようにはなりたくない。他の何かになりたいと思っている。自分自身の何かになりたいと思っているんだ。まぁ俺は(息子の)キャスターには俺のようにならないように頑張っているところだけど。じゃなきゃ「親父はそんなことちっとも教えてくれなかったら、こいつを学ばなきゃならないじゃないか!」となるんだと。父親としての俺の意義は「もし息子に物事を教えなかったら、俺自身がダメな親父だったってことになる」と感じていたんだ。最終的には息子は自身の望むことをする。俺が身を引いた時に彼は開花する。自分の望むことをして、自分の人生を登っていくんだ。だから全体としては「良き意思のせいによる怒り」ってとこかな。ここでいう良き意思っていうのは、何かを教えるってことで、それが(教わる側には)望まれてないと俺は怒り出す!そう、まさに俺のことだよ。俺の親父は家の中で言うことを聞かせるための強力なツールとして怒りを使っていた。俺と同じだ。それが俺の受け継いだものだったんだ。俺はそのことを息子に伝え始めた。そして止めたんだ。かなり大きな出来事だったね。

ステファン
自分自身はそのような「受け継いだモノ」を理解することに近づいたと思う?自分は「受け継いだモノ」に近いと感じる?「鏡の中の狼」を見ることができるようになって、より自信を持つと感じるようになると思う?

ジェイムズ
うん。俺は家族にも許可をしたんだ。「父さん、落ち着いて」この言葉が俺を他のことへと誘発する。でも人間だからね、少なくとも俺のなかにある人間性の一部なんだ。俺の中で機能している。以前よりもずっとね。


−「Murder One」

ステファン
レミーだね。

ジェイムズ
そう。「Murder One」だ。「Murder One」が何なのか知っている人はほとんどいない。俺は深く掘り下げて、間接的に、極端にダイレクトにならないように彼について話そうとしている。でも、そう、「Murder One」は彼のお気に入りのアンプの名前なんだよ。彼は他にも使っていたものがあるのは知っているけど、俺にとってはあれが際立ったものだった。レミーには敬意を払うよ。彼がいなかったら、メタリカは存在しなかったと思うし、おそらく他の多くのバンドにとってもそうだろう。彼はインスピレーションだった。彼は揺るぎない強さがあったけど、近寄りがたい人じゃないんだ。すごい地に足が着いていたし、本物だった。人生に素晴らしい哲学があった。彼は愛すべきキャラクターだった。彼は威嚇するような風貌だったにも関わらず愛すべき人なんだ。本当に寂しいよ。だから彼と彼の人生を俺たちの曲で讃えないなんてって思ったんだ。あれは俺にとって意味のあることだよ。


−「Spit Out The Bone」

ステファン
そして、レコードの結びはまた別の猛烈なリフで、マシンとAIが取って代わるところまで飛びつく未来を示唆しているね。

ジェイムズ
あぁ。G.B.H.の「spit out the bone(骨を吐き出せ)」の歌詞に感謝だね(G.B.H.の「Passenger on the Menu」という曲に「spit out the bone」という歌詞が出てくる)。彼らの曲はちょっと(テーマが)違うことはわかってる。彼らのはドナー隊とカニバリズム(※)についての曲。こっちはちょっと違って、人間に何が起きているのかという戸惑いと恐怖なんだ。そんなに遠い未来に飛ばなくたって、ターミネーターの可能性とかそういったものについては知っての通り。俺たちはスマートな時計を身に着けているし、コトは俺たちのなかにもっともっと近づいている。なんで自分の頭の中に四六時中インターネットを持たないんだ?「感情」や何か全てのことを心配しなきゃならないんだ?恋に落ちて、失恋するか?それは誰にとっても良いことじゃない。心と血だって?それは効率的なやり方だろ!コンピューターが助けてくれるだけなら、俺たちはもっと効率的な人種になるかもしれない。俺たちを助けてくれるとして、そうなるのはどのくらいだ?そんな狂気だね。つまり「Spit Out The Bone」はオマエの骨など必要ないってことさ。ヤツらは(人類を)破壊する!

※アメリカ東部からカリフォルニアを目指した19世紀の開拓民グループ。旅程の遅れからシエラネバダ山脈での越冬を余儀なくされ、生存者は人肉食に走らざるえなかったという。

Metallica.com(2016-11-19)
「Am I Savage?」


「Murder One」


「Spit Out The Bone」


G.B.H. 「Passenger on the Menu」


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