レコードストアデイ関連企画としてラーズ・ウルリッヒが「BBC Radio 6 Music」にてレコード店に関するインタビューに答えていました。BLABBERMOUTH.NETさんの文字起こしを管理人拙訳にてご紹介。

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−レコード店との出会い

俺はデンマークの家族のもとに生まれた。基本的には、親父が音楽に熱中していて、レコード収集に没頭していた。実際、デンマークの新聞なんかで親父はパートの音楽評論家だったんだ。だから覚えているよ、俺が小さい頃、親父と一緒にレコード店に行ったのも。コペンハーゲンの中心部にある店は特にね。10歳か11歳の頃に自分でレコード店に行ってイギリスのたくさんのシングル盤とかステレオ盤 (45-45方式)を買い始めた。それから73年、74年、俺が11歳だか12歳の頃には、アルバムとかそういうものを全部買い始めたよ。コペンハーゲン中心部でレコード店に行って、レコードを見て、店でレコードを聴いて、店の人たちと会話する。世界へ旅しているようで一番エキサイティングなことだったんだ。レコード店は扉、つまりすべての音楽への入口だったね。

−なぜレコード店がメタリカにとって意義深いのか

レコード店はいつだって俺の人生にとってとても重要な場所なんだ。メタリカはいつだって間違いなく自主自立であろうとしてきたし、先端であろうとしてきたし、そんなような・・・つまり、あまり詩的表現にならないように言うならば、現状を打破しようとしてきたし、デカい池のなかの小さな魚であろうとしてきたわけだ。だから身近にある独立したレコード店を支援して、その価値を声高に叫ぶことに俺たちはとても満足しているよ。


−レコード店が生き残ることは全てのアーティストにとって重要だと考えているか

俺が思うに・・・1人のアーティストとしてだけじゃなく、みんなにとってもレコード店が生き残ることは重要だよ。俺には3人の子供がいるけど、1人は去年か2年前頃からビニール盤に手を出し始めた。北カルフォルニアにある地元の大きな2つのレコード店、アメーバ・ミュージックとかラスプーチン・ミュージックとかに行っているよ。1人のアーティストとしても重要だと思うし、1人の音楽ファンとしても、とりわけ特定の文化に関する1人の目利きとしても重要なんだ。人間の繋がりがね。

−最初に買ったアルバム

最初に買ったフルアルバムはディープ・パープルの『Fireball』。あれを1973年の2月にコペンハーゲンで彼らの公演を親父と観に行った次の日に買ったんだ。あの当時、俺が買っていたもののほとんどは当時のイギリスで出たものだった。スレイド(Slade)、ステイタス・クォー(Status Quo)・・・アルバン・スターダスト(訳注:イギリスのグラムロック・シンガー)、マッド(MUD)(訳注:イギリスのグラムバンド)みたいなやつでも買っていた。それが最初に買っていたものだね。

−アルバムを買って、最初から最後まで聴くことについて

人はこれまでより注意力が続くのが短くなってきていると思う。でも、どう育てられ、どう育ってきたか、成長期にしてきた体験によって(注意力が)保持される傾向にあると思う。レコードを回して、15分や20分の価値がある音楽を座って傍で聴くということは、間違いなく俺が育てられたやり方だ。だからこういう類の体験をいつだって大切にしているんだ。

BLABBERMOUTH.NET(2016-04-29)

ラーズがレコード店の重要性を叫ぶ一方で、マネージャーのピーター・メンチがYouTubeなどのオンラインの動画配信事業について批判的な発言をして話題を呼んでいました。

メタリカのマネージャーが「YouTubeは悪魔だ」と痛烈に批判
http://jaykogami.com/2016/05/13071.html

NMEでも取り上げられていたこの話題をピーター・メンチ、YouTube双方の意見について分析的に論じられています。音楽ビジネスのあり方については、YouTube以前にもナップスターで散々語られてきたところがありますが、変容激しい現在では全てのアーティストに通ずる正しい在り方など存在せず、アーティストそれぞれの最適解をみつけるしかなさそうです。

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