SNSから一切手を引いて近況が全くわからなかった元メタリカのジェイソン・ニューステッドが昨年12月29日、アメリカのラジオ番組「Ozzy's Boneyard」で電話インタビューに答えていました。インタビュー前日に亡くなったモーターヘッドのレミー・キルミスターとのエピソードを語っています。BLABBERMOUTH.NETさんの文字起こしを管理人拙訳にてご紹介。

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―レミー・キルミスターについて

俺はいくつか素晴らしい本物のレミー体験をしたよ。そんなに長い時間を(レミーと)過ごしたわけじゃないけど、俺たちがやった強烈なヤツは―少なくとも俺にとってだけど、ザ・レミーズをやった時だね。―メタリカが自分たちのことをそう呼んで(レミーの楽曲を演奏して)ロサンゼルスで(レミーの)50歳の誕生日(パーティー)をやったこと。俺たち全員にとって、とても特別なひと時だったと俺は思うよ。


レミーについて何を言おうか考えていたけど、言葉が出てこないよ。みんな、楽曲や曲のタイトルやそういう意味あるものを引用していたけど、“俺が”だの“俺に”だの“俺の”とかそういうクソみたいなことを言いたくないんだ。俺は本当にそんなことしたくない。でも彼は俺たちの大きな部分を占めていた。俺が関わってきたバンド全てにおいてね。特にピックを使っているベーシストとして、彼はある意味、俺の救世主だった。なぜならみんな俺のことを指で(ベースを)弾くべきだと思っていたけど俺がやらなかったことで、俺はいつも大変な思いをしていたからね。でも彼はこれでいいんだと、俺にとってあの当時とても特別な何かがあった。それこそ彼が俺を感動させてくれたところなんだ。みんながそれぞれ(レミーと)自分たちの話を持っているが、それが俺の直接的な関係だ。それからもちろん、彼はメタリカにバンドとしてもアティテュードの点でもみんなにとって影響を与えた。でもそれが俺の個人的に感銘を受けたところなんだ。

―モーターヘッドの楽曲との出会い

当時ミシガン州のカラマズーにいて、とても小さなレコード店にいくつかのバンドとかそんなものしかなかった。地元のブギーレコード店に廃盤のコーナーがあって、7枚か9枚のレコードがあった。そのうち2枚か3枚がモーターヘッドのレコードだったんだ。俺はいつもあのゴミ溜めにすぐに行ったよ。最初に手に入れたのは『The Goden Years』EPだったと思う。あれには「Stone Dead Forever」と他いくつかの曲が収録されていた。それから1stの『Motorhead』、そしてイギリスからミシガンに『Ace Of Spades』の輸入盤がすぐに出てきたんだ。あの距離感も特別だったよ。遠く離れたところにあったからね。いろんな意味で強烈だった。

俺は世界と何かしら繋がっていると感じた。そして世界が大きいんだとね。世界は自分が思っているよりも大きいんだと気付かされた。世界は広かったと気付かさせてくれた最初のひとつだったんだ。長い距離を経てやってきたあのレコードのために追加料金を払わなきゃならなかったからね。彼らとレコードはイギリスから真っすぐやってきたってわけさ。


―ベーシストとしてのレミーから受けた影響

俺はいつもリードシンガーでベースを弾くようなヤツになりたかった。俺に起きたことは、俺が指弾きをしていた最初期の頃、ずいぶん長い間指弾きができなくなるほど指にひどい怪我を負ったんだ。それでピック弾きにしなければならなくなった。それで必要に駆られて自分のスタイルを開発したんだ。でも俺はいつもギターアンプで弾いていた。それが当時使えたもの全部だったから。だから俺はギターアンプとピックでもって弾いていたんだ。そんなわけで俺のサウンドはすでにああいう(モーターヘッドのような)ものになっていたんだよ。だからあんな風に(レミーが)レコーディングしていると伝わると、そのことで…俺はちょっと得意気になってたね。彼が出現してすぐに。彼が知らぬところで何かしらの俺の後押しになってくれたんだよ。


―レミーとの初めての出会い

俺が昨晩(レミー逝去の)ニュースを耳にした時、妻と話していた。本当に悲しかったし、少し取り乱していたからね。俺は彼女にメタリカに加入した最初の数か月のことを話したんだ。俺は飛び入りで入って、バンドでツアーを廻って戻った時のことだ。北カリフォルニアにほんの数日戻った。(その時ちょうど)モーターヘッドがバークレーでライブをしていたんだ。(メタリカの他のメンバーは)すでに(レミーとは)旧知で彼はメンバーを知っていた。彼はジェイムズのことをジミーとかそんな風に呼んでいて、(ジェイムズは)嫌がっていたけどね。でも俺はレミーに会えて本当に興奮していた。本当にテンションが上がっていたよ。なにしろ俺のヒーローだったからね。メンバーは「紹介するよ、紹介するよ。」って具合だった。俺たちが後ろに下がると、俺はただ口ごもってしまってね。でも俺は前に進み出て自己紹介をした。「ジェイソン・ニューステッドです。今はメタリカでベースを弾いてます。」と言ったら、彼は「オマエのことは知ってるよ、クソアマ!」ってそんな具合さ(笑)。俺はあの言葉を決して忘れないよ…永遠にね。絶対に忘れないといいな。この話を今から一万年先も気になるヤツに誰にでも話せたらいいのに。「レミーが俺のこと知ってるってよ!」ってね。俺にとってそれだけ大きな出来事だった。それが最初の、物理的なレミーとの出会いさ。彼は俺を抱きしめてくれた。40秒間彼の腕のなかさ。彼のハートのなかと言うべきかな、そんな感じだ。確かにあの瞬間、俺のハートのなかに彼がいたんだ。

BLABBERMOUTH.NETより(2016-01-20)

ジェイソンの熱いレミー愛を感じます。ジェイソン自身の近況も知りたいところですが、とりあえず元気そうで何よりです。

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Heavy Metal Music / NEWSTED


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