Boltimore Magazineのインタビューを受けたロバート・トゥルージロ。ロブが自身の音楽ルーツをここまでガッツリ話しているのを紹介するのは初めてな気がするので取り上げてみます。さらにロブがジャコ・パストリアスのドキュメンタリー映画に関わることになった経緯についても語ってくれています。管理人拙訳にて。

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撮影:Ross Halfin

メタリカのベーシスト、ロバート・トゥルージロが今週土曜日(4/19)、サウンドガーデン(訳注:店名)で「Record Store Day」を行う。午後4時から6時にトゥルージロはファンミーティング、サイン会、そして彼がプロデュースを行っているジャコ・パストリアスの公開予定のドキュメンタリーについて話す予定だ。ナイスガイのトゥルージロと、このドキュメンタリー映画、前回のボルチモア訪問、メタリカの2014年の計画について話した。彼の妻、クロエがイベントのために作成したこのポスターもチェックしてほしい。
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−ボルチモアについてどう思いますか?

ボルチモアは大好きだよ。長年に渡って何回も行っているよ。初めて行ったのは1990年で(スイサイダル・テンデンシーズとして)ペインターズミルでライヴをやったんだ。コンサートの場所としては夢のようなところだったよ。そこのパーティーも羽目を外してすごかったね。パンテラとエクソダスもそのショーに出ていたんだけど、終わらない夜って感じだったなぁ。恥ずかしながら、自分はパーティーを抜けて他の人たちの皿から残り物を「Motel 6」(訳注:アメリカのホテルチェーン)に持っていって食べてたよ。

−あなたは今カリフォルニアにいます。「Record Store Day」のためだけに行っているんですか?それとも何か別の用も?

いや「Record Store Day」のためだけなんだ。みんな、サウンドガーデンは素晴らしいレコード店だって俺に言うんだ。(店のオーナーの)ブライアンは素晴らしい人だよ。とんでもない一週間だよ。先週金曜日に食道裂孔ヘルニアの手術を受けたんだ。ありがたいことに、もうすこぶる良くなってるから大丈夫だけど。本当に新しいスタートって感じだね。今年50歳になるし、2014年は新しい始まりでいっぱいみたいだ。

−初めてジャコを聴いたのはいつですか?

ジャコの音楽に対する俺の愛情は、はるか昔に遡る。両親はベートーベンやフラメンコを含むありとあらゆる音楽を俺に与えてくれたんだ。実際、ウチの親父はフラメンコギターを演奏してたし、俺はPファンク、マーヴィン・ゲイ、ストーンズ、レッド・ツェッペリン、もちろんブラック・サバスも聴いてた。初めて行ったコンサートはアイズレー・ブラザーズがフォーラムでやったロサンゼルス公演で、前座はワイルド・チェリーだった。初めて買ったアルバムはサンタナの『天の守護神(原題:Abraxas)』だね。あの当時、アルバムを買うということはただ音楽を手に入れる以上の意味があった。折込みのカバーの絵図について調べたり、レコードと一緒についていたポスターをチェックしたりもした。素晴らしい時間だったね。そうして俺はたくさんいろんなスタイルに没頭していたんだ。

それで自分がベースとリズムセクションに深く感動したんだと気付いた。親父の友人が俺にベースをくれて1年くらい練習した。それからジャコの最初のLPに出会ったのさ。最初はエディー・ヴァン・ヘイレンの「Eruption」のソロを聴いてるみたいだった。「どうやって弾いているんだ?」ってね。ジャコのベースはユニークなうなり声があった。彼は完璧なテクニックでこのファンキーなスタッカートを弾きこなしていたんだ。それが俺への目覚ましアラームとなったんだ。彼を2回も観れてラッキーだったよ。一度目はウェザーリポート時代に、二度目はワード・オブ・マウス・ビッグ・バンドのときにね。ただ茫然としたよ。彼はみんなに影響を及ぼした。彼はジャズマンとしての一面もあるけど、それ以上のいろんなものを持っている。


−彼の魅力はスラップ奏法以上のものだと思います。彼はパンクロッカーでさえ称賛するようなアティテュードを持っていましたよね?

まさしくそのとおりだよ。影響は決して一面的なものじゃないんだ。彼のプレイの仕方から、彼のステージ上での立ち居振る舞い、そのアティテュードやエッジなんかもそうさ。だから多くのロックミュージシャンやメタルの奴らだってジャコのことを尊敬しているんだ。彼はさまざまなタイプの音楽への通り道となって、たくさんの異なる曲を弾いたんだ。例えば、多くの人は彼がイアン・ハンターと一緒にやったことあるなんて知らない。でも彼の「All American Alien Boy」のソロは信じられないくらい素晴らしいよ。彼はあらゆる音を自分のものにできるんだ。そしてそれがちゃんと機能する。

−今回の映画にはどのように関わっているんですか?

ジャコの息子のジョニーに会ったんだ。彼は(ロバートが所属していた)スイサイダル・テンデンシーズやインフェクシャス・グルーヴスのファンでね。俺は彼に「世界にキミの親父さんの話をシェアしなきゃ」と言い続けていたんだ。(1987年に35歳でジャコを死に至らしめた)双極性障害で苦しむまでの全ての音楽は、本当に面白くて壮大なんだよ。誰かにそういうことをしてもらいたかったんだけど、まさか自分がそれに関わることになろうとは思わなかった。それでジョニーは少しばかり取り掛かったわけだけど、結局俺はそのなかに混ざって、この映画を少しばかり引き継いだんだ。俺たちは3年半、今だともう4年、これに取り組んでいる。ウェイン・ショーター、ブーツィー・コリンズ、フリー、ゲディー・リー、スティングやジャコのバンドのピーター・アースキンといった面々がキャストに入っている。ジャコが8歳のときの場面とか、それはもうたくさんのお宝がみつかったよ。

−いつ公開になりますか?

まだ編集中なんだ。でも、俺たちはPassion Picturesっていう『シュガーマン 奇跡に愛された男(原題:Searching For Sugar Man)』を手がけた製作会社と組んで進行中だ。エキサイティングだよ。11月には公開できるかな。

(中略)

−メタリカについてききます。今後のバンドの予定は?

来月にはヨーロッパへ向かう。そこでオール・リクエスト・ショーをやるんだ。ファンが決めたセットリストを毎晩ね。やりがいがあるね。何でもやるってことになるわけだから。次のアルバムのための新しいネタにも取り組んでいる。だから2014年は間違いなく俺にとって忙しい年になるよう立ち向かっていくって感じだね。


Boltimore Magazine(2014-04-17)

さりげなく手術を受けていたことも明かしてくれたロブ。本人的には現在何も問題なさそうで一安心です。カークがFearFestEviL、ロブはジャコ・パストリアスのドキュメンタリーとそれぞれ違う方面で精力的に動いていたようで。

音楽的ルーツも多彩で自分が知らない名前も出てきましたが、こういう話をきくと何かのきっかけで聴くことになりそうです。

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