このほどソロ・プロジェクトも本格始動した元メタリカのジェイソン・ニューステッド。Metal Shrine Blogの電話インタビューで昨年行ったメタリカとのフィルモアでのショーやiTunesのみで発表予定の『Metal』EPについて、そしてメタリカへの思いなどいろいろ語っています。長すぎるのでかなりカットしている部分もありますが、そちらを管理人拙訳にて。

Jason_Newsted_2012

(自らのプロジェクトを始めたきっかけがメタリカ30周年を祝うフィルモアのショーに参加したことだと何かで読んだと言われて)

あぁ、1年と1ヶ月前にメタリカと行ったフィルモアのショーだった。ラーズは去年の10月に電話をしてきて、ああいうことをやるつもりだと俺に話したんだ。アーマード・セイントやキング・ダイアモンドといったバンドたちが来るつもりだと知って、そりゃあ興奮したね。俺が去ったメタリカファミリーの全てのヤツらと会う機会をもらえたんだ。長い時間を経てみんなと会えて、エキサイティングだったよ。俺は何曲か速い曲をやると言ったんだ。ラーズは俺にやりたい曲をピックアップしてくれと頼んで、「一番速いヤツを選んで、そいつをやろうぜ!」と言ったんだ。そして、俺たちはそういう曲をやったんだ。俺はショーがどうなるか本当にわからなかった。それは重要なことだった。想定外の、ただただ無上の喜びだよ。なんて言ったらいいかわからないね。ファンからの圧倒的な歓喜の反応さ。フィルモアの建物に入ったら、古い劇場みたいなバルコニーにVIPエリアがあって、そこからグリーン・デイとか演奏したみんなを観ることができた。

そこにはキング・ダイアモンドとクリフ・バートンの父親(レイ・バートン)がいた。みんなただ辺りをウロウロしていて、観衆はそれを見上げてた。俺は彼女とVIPエリアに歩いていくと、フロアから俺を見た誰かが俺の名前を大声で呼び始めたんだ。俺はちょうど更衣室に向かって歩いていたんだけど、彼らはジェイソン!ジェイソン!と叫び始めてたよ。俺が見下ろすと、みんなが(ジェイソンのいる)横を向いて叫んでたんだ。(あまりの熱狂ぶりに)俺の兄弟が言ったんだ。「ちょっと考えて、手を振るか何かにしてくれ!彼らをこのままここに置いとくわけにはいかないんだ。」ってね。そうして歩いて行って、レイ・バートンの肩を抱いたんだ。彼はボックス・シートに座っていて、俺はそこから手を振ると、彼らは発狂してたよ。俺は何が始まるのか見当もつかなかった。本当にわからなかったんだ。そうなるかもしれないってことは思いもよらなかった。それは俺が建物に入ってほんの4、5分のことだ。そうしてショーが始まったんだ。

それからあの1週間がいくらかして、それぞれの夜に別の曲をやったんだ。どんどんクレイジーになっていったよ。俺が「バッテリー!」「ダイ!ダイ!ダイ!」なんて歌ってたら、かつてやっていたようにみんなが一緒に歌ってくれた。このエネルギー交換、そして彼らの目をまっすぐ見ていると、まさしく本物で、間違いなく彼らが互いを見て心からハッピーなんだとわかる。「マジかよ!俺はもうメタリカにいたいとは思わないが、こんなことが本当に起きるとは。ここに来て興味を示す人たちが充分いてくれる、だから俺はこんなことを(実際に)起こすことができたんだ。」って思ったよ。

その2日後にフロットサム・アンド・ジェットサムのマイク・ギルバートから俺に電話があって、俺に彼らのニューアルバムのために
、できれば歌詞を書いてほしいと頼まれたんだ。俺は「もちろんだぜ兄弟、そうさせてもらうよ。」と快諾したんだ。彼は長年の友人だし、クールな曲を一緒に書いてきた。それで「どんな感じのものができたんだ?いくつかリフを送ってくれよ。そこにどんな言葉を入れられるかやってみたい。」と話が進んだんだ。彼はいくつかスレイヤーのようなガッチリした、オールド・スクールなメタルといったものを俺に送ってきた。それで俺は歌詞やら曲のタイトルやらを送った。彼らはそれを気に入ってくれて、そのうちのいくつかをそのまま使ってくれたんだ。

それから「じゃあ、ちょっとジャムってみるべきなんじゃないか?」となった。俺はメタリカの30周年もあるが、2ヵ月後にはフロットサムの30周年だったんだ。この年の2月10日はフロットサムとして30年だったんだよ。だから、俺たちは30周年記念ジャムと(デビューアルバムである)『Doomsday〜』の25周年記念祭をやったんだ。同じところでね。そうしてオリジナルメンバーでフェニックスに集まって2つのそれぞれ別個の週末にプレイしたんだよ。ひとつは1月に、もうひとつは2月にね。俺たちは『Doomsday for the deceiver』を全曲やった。オリジナルのバンドで、部屋に互いに向き合って立って、昔みたいにデカい音出してね。たくさんのパワーがそこにはあった。俺はこんなにもみんなが本当に素晴らしく、速い曲だったってことを忘れていた。本当に速く、やりがいのあるものだった。こうして当時書いた曲を実際に再び学び、「おい、誰がこいつを考え出したんだ?どうやって5分で14ものパートを覚えることができたんだ?なんでそんなことをするんだ?そんなことができると証明するってだけか?」って自分を挑発しなければならなかった(笑)。それでも俺はこんなパートを覚えていたんで、難しかったけど楽しかったね。


(中略)

−新曲となる4曲(『Metal』EP)をiTunesで今日聴きました。インターネット中のコメントを読んだら、「昔ながらの」という言葉がずっと出てきていました。あの曲には昔ながらのメタルを感じます。あなた自身はあの曲をどんな言葉で表現しますか?

オールド・スクールかな。俺は言ってるんだ、もしキミがオールド・スクールなら、オールド・スクールになりえるってこと。弾丸ベルト、タイトなブラック・ジーンズ、その他そういったものを買うことはできる。でも、もしキミがオールド・スクールじゃなかったら、オールド・スクールじゃないんだ。もしそうなりたいなら、OKさ。キミに対して俺が何か言うことはない。でも望まなければ、キミも俺もそうはなれないということさ。まさにそれさ、それこそが『Metal』と名づけた理由さ。時間とともにその他の音楽を演奏してきたからね。さまざまなミュージシャンの種類があるが、俺は少しも混同して欲しくないし、何が起きているのかわからない状態であって欲しくない。これぞニューステッドだ、これが俺だ、これがメタルなんだよ。これ以外何もない。これがメタルだ!世界中で話すあらゆる言語、それはこの2つの言葉だけさ。もしキミがハード・ロックが好きなら、「ニューステッド」って言葉と「メタル」って言葉を知っていれば、それが俺がやったことだし、それが今の状態なんだよ。俺はメタリカにいた地球上で唯一の人であり、俺はまだ生きていて、今現在は再び彼らのファンでもある。メタリカにいたときもファンだったけど、またファンになった。そう、まさに俺だけなんだ(笑)。

この曲のなかに本当にクレイジーなものを見出すことができる。(新曲のなかの)「Soldierhead」では歌詞のなかに『Kill 'Em All』のときの(ジェイムズ・)ヘットフィールドのように聴こえる部分があると思う。彼はただ19才の青年で、彼の咽頭が発達しかけの声だった。そんな些細なことだけど、俺の咽頭も本当に歌うスタイルとしてはまだ若い。ブルータルなものをやることはできるが、それを誰にも証明する必要はない。それは長年に渡ってやってきたし、まだできる。でもこのバンドで俺がやることじゃない。このバンドでは俺は歌うし、20年に渡って俺の声を開発してきた。でも曲において本当に歌うという機会を得ることはなかった。今現在それは開発中だし、この声を使い始めて時間が経っていないから俺自身よりも若い声なんだ。だから若い頃のヘットフィールドみたいに聴こえるのかもと思ってる。また歌詞のなかにはメタリカを思い起こさせるようなものもあると思ってるよ。

−ライヴについて訊くつもりでした。なにか計画はありますか?全てが発表される来夏にライヴの予定はありますか?

たった今、計画中だよ。曲をリリースするまでの最後の3日間で、相当数のエージェントとプロモーターがゾロゾロやってきたことは想像できるだろう。俺は正しい判断をしようとしている。そしてこれはと思う人たちを見つけたと思う。彼らの計画では俺が話した曲を最後まで仕上げて、ちょっとウォーミング・アップのショーをやって、アメリカで数回のスペシャル・ライヴをやって、夏のあいだにヨーロッパで相応のフェスティバルをすることになっている。俺はどんな場所でもおそらくライヴができると思うよ。彼らが力を持って、ショーをセッティングしてくれればね・・・。俺はこれ(セッティング)をやる必要がない。つまり疑う余地がないってことさ。俺はライヴが大好きだし、生きていることを感じさせてくれるから何でもやるよ。そしてそれがやりたいし、それが俺の存在意義だしね。ベストを尽くせるものだし、もう1回やってみたいのさ。

ちょうど冒頭で話したメタリカとのこと、そこからきっかけに始まったんだ。自分のためにも全力を尽くさないとね。最善を尽くしたとわかるところまで、ソリッドで強力な労力を尽くさないといけない。そして全てのベースパートをカバーしないと。またファンに対して誠実にあろうとしているよ。全てのことにおいて、やるべきことはなんでもやる。これ以上の期待はないよ。そういったもの(やったこと以上の期待)は持ってないよ。自分の曲が入ったクール・アスなCDがあれば、クシャクシャにするよ。その後のものは何だろうとあぶく銭だよ。もしみんながそれを買いたいなら?もしみんながTシャツを買いたいなら?クールだね!俺とメンバーでクールな音楽を作った。それが俺にとって充分なことなんだ。なぜなら出かけて行って、食うために大量のレコードを売る必要がないからね。俺はブラックアルバムのベースを弾いていたんだ。あとは言わずもがなだろう。何とか大丈夫だよ(笑)。

(中略)

−ロバート・トゥルージロの足を折ると言いましょうよ、そしてメタリカがツアーをしようとするときにはあなたを呼ぶでしょう。やってもらえませんか?

ハッハッハ、状況によるかな。まったく、そんなこと訊かれたことないよ、ハァ〜(深いため息)。もし彼らがクールなら、彼らは兄弟だ。実際こんな言葉がある。もし彼らが「ブロフェッショナル(brother + professional)」なら、つまり、兄弟としてやってきて、ミーテングに際してプロフェッショナルであり、ミーティングに呼んでそこらに座って俺の目を見て、マネージャーたちを周りに置かずに、俺たちがかつてやってきたとんでもないことを俺たちだけでやり、それからマネージャーたちが俺たちがやってくれと言ったことをやったら・・・もしまたそうなれるなら、そしてお金がよければ、考えるかな。でも、そのことについては賛成ってだけさ。それについては俺が決める立場には全くない。こんな大金のためには45日間で30回のショーをやらないといけない。そうなったら俺は言うだろうね。たいがい俺が行っても、視界に入ったクソ野郎どもをぶっつぶすことになるとね。でもそうじゃなきゃいけない。俺は彼らのことが大好きだし、いつだって、最期のときまで彼らを守るつもりだ。俺は人が彼らのことを悪く言っているのを掘り返したりしないし、彼らがやった自分が好きじゃないと思う音楽やどんなことだろうとこき下ろしているのを掘り起こしたりもしない。そんなヤツらはクソ食らえだ!

みんながメタリカよりいいアルバムを出したとすぐに俺に知らせてくるんだ。で、俺は聴くわけだが、そこまでだ。撤回しろ!ってなる。キミのやっているお会計仕事とか何とかが、どれだけつまらないものなのかを来て言うつもりはない。言ってることわかる?俺はあんなパートは好きじゃない、でも俺はいつも彼らに敬意を持っているんだ。彼らは俺にチャンスをくれたんだから。OK。彼らは俺にチャンスをくれたし、そのことを忘れることはない。今、俺たちは時間の経過とともに別々となったけれど、あんなクソみたいなことはとうの昔に過ぎたことだ。ここ10年で噂で露見したクソは「あぁジェイソンはとてもひどい扱いを受けたんだね。かわいそうにジェイソン。」とかそんなもんだ。なんてクソなんだ!そんなことは間違っているし、真実じゃない。あれには本当に悩まされたね
センセーショナルに扱われていると思うよ。くっだらねぇ。

俺が言いたいのは、大きな喜びと成果と素晴らしい経験とほんのちっちゃな嘘八百のシンボルなのさ。喜びに満ち、勝利に沸き、コトを達成し、とんでもないスタンダードを定めた。つまりね、みんなこうさ。「あぁ、彼はひどい扱いを受けた。そして最初の数回は存在をかすませられた。」バカ言え!そんなクソ野郎を世界最大のバンドに迎え入れると思うか?ハロー!ってね。それから今度はこうさ。「あぁ彼はただのラッキーなファンさ。」でも、オーディションを受けた52人のうちの1人をメタリカファンじゃないと話すことができるかい?ベースのトライアウトを受けた52人がメタリカファンじゃなかったとでも?もしそんなヤツをみつけたら、ぜひお会いしたいね。でもギグを行うことの出来たそいつらもファンだったよ。みんな普通に考え直して欲しいね!

彼らは大きなことをやっていたし、大きなことをやろうとしていることも知っていた。そして偉大な師かつ友人(クリフ・バートン)を失ったばかりだった。彼はジェイムズにギターのハーモニーを教えた人だ。これ以上俺が言う必要があるか?ジェイムズは今だって全ての曲に魔法をかけるギターの弾き方を彼に教わったんだ。そんな人を彼らから連れ去られたばかりで25日後には他のヤツ(ジェイソン)を入れたんだ。「そうそう!素晴らしいじゃないか、じゃあ行くぞ!」ってね。考えてもみてくれよ!もし俺が彼らの靴を履くとしたら、彼らよりももっとグリースを塗らなきゃならない(訳注:代役を務めるには、彼ら以上の努力が必要だ)。みんな、そのことについてもう少し考えてみる必要があるね。


Metal Shrine Blog(2012-12-25)
電話インタビューで時間がたっぷりあったのか、質問者がジェイソンの言葉をうまく引き出しているのか、ジェイソンがラーズばりに語っています。

話のなかで出てきたジェイソンの新曲「Soldierhead」はこちら。


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いつまでクリスマス記事がトップなんだとお叱りを受けそうでしたが、ちょっと翻訳に時間がかかりすぎました。。年内は最後の更新となります。

みなさま良いお年をお迎えください!

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