ジェイムズ編、ラーズ編に引き続き、カーク編です。

※こちらで英語版は無料で読めます。(おそらく期間限定)
http://www.flipseekpubs.com/publication/?i=110532

前回に引き続き、管理人拙訳の誤訳御免でどうぞ。

rs_kirk

RollingStone
ブラックアルバムを演奏することで何を学びましたか?

カーク
長いあいだ、「My Friend of Misery」はインスト曲だと思っていた。1990年にアルバム制作のために集まったとき、いつものようにインスト曲として演奏していたんだ。俺たちが演奏を終える前に、ジェイムズが詞を書くべきだと決めたんだよ。ブラックアルバムのライヴについて話すとき、俺はこの曲を聴いて学び直すんだ。「おや、歌詞があるよ。」ってなる。今回、初めてジェイムズが歌いながらリハーサルをしたんだよ。

でもあのアルバムのシンプルなところ、アルバムの構成は詩に近いものがあるね。いい詩というのはここぞというところでふさわしい言葉が使われている。ブラックアルバムはまさにそれだよ。ギター・ソロはほとんどそれ自身が生まれ出たといっていい。


RollingStone
(そこから)ペースを落としたり、より成功するためにシンプルにしたりはしませんでしたね。でも多くのあなた方のファンはブラックアルバムをバンドの端緒であるスピードメタルへの裏切りと捉えています。

カーク
メタルは最も保守的な音楽的な型のひとつだ。難しいのはメタルは反抗的な音楽でもあるということだ。過激になるべきと思われている。誰かに話すようなことじゃないけど。(メタルである)条件が何であるかキミは知っている。あれはメタルなのか?そうだメタルだ。いいやメタルじゃない。もしメタルかどうか疑わしかったら、そいつはたぶんメタリカさ(笑)。

でも俺たちのフェスだと、俺は(ブルース・ギタリストの)ゲイリー・クラーク・ジュニアを観るのにエキサイトしているよ。俺にとって興味のあるギタリストって長いあいだいなかったんだ。(1996年の)ロラパルーザ・フェスに参加したことはホントに良かった。コクトー・ツインズやラモーンズやチープ・トリックと共演できたしね。ああいう(同じようなバンドが集まるのではない)のが好きだね。同じアイスクリーム(※)を俺に投げつけたとしたら、さよならするよ。

※訳注:Ice Cream と I Screamをかけてる?

RollingStone
Orionフェスは大きな仕事になりますね。儲かると思いますか?

カーク
少しばかり秘密を教えてあげよう。俺たちがこの手の試みをやったときはいつだって、儲かったことはない(笑)。俺たちはそれを楽しみたいし、エキサイトしたいのさ。収支トントンかもしれない。じゃなきゃ損を出すか。どんなことでもそうさ。これは経済的なことじゃないんだ。何かクールなことを見つけ出そうとしているんだよ。

RollingStone
では、あなた方がこのスタジオを持つことを支えているものは何ですか?ツアーですか?

カーク
あぁ。グッズだね。基本的にどこからでも調達できる資金からだよ。これは本当に贅沢だね。でも素晴らしいのはこの資金から生まれるものさ。リハーサルをするところ、曲を書くところ、新しいアイデアを考えるところを用意するんだ。この場所を得るために貯金をする必要はないんだ。俺たちの働き方のおかげでね。俺たちは自分たちの時間をとり、する必要があることをやる。それが終わるまでね。

RollingStone
あなた方は請求書の払いをするためにロードに出なければならない年があるんですか?

カーク
そりゃ毎年さ。2年間オフを取るなんてサイクルはもはや存在しないんだ。常にレコードの印税が入ってくるから、そういうこともできる。今、キミがアルバムを出せば、一度や二度は棚からぼたもち的な収入が得られるかもしれない。でも当初はそんなやり方じゃなかった。3ヶ月ごとにチェックしていた。俺たちは外に出て、ライヴをやらなければならないし、そうあることで俺たちは気分良くいられるんだ。みんなに音楽を届けるのを楽しむグレートなライヴ・バンドなんだよ。CDを出すだけで充分なんて考えたこともないよ。

RollingStone
それは、あなた方がツアーに忙しいために新譜の制作が後回しになっていることも意味しています。

カーク
少なくとも2年間は曲を書き始めないといけないとわかっていた。山腹に立っている感じだね。近いうちに転がさないといけないデッカイ石が頂上にあるみたいな。一度始めたら、止められない。でもまだ転がし始めてはいないかな。

みんなの気持ち次第だよ。去年、フィルモア公演を終えて、思ったんだ。「あと1年で50歳になるな。この調子だとあと2つアルバムを出せるかな?3つかな?」ってね。でも違う調子で行けば、わからないだろ?5つかな?ひとつ学んだのは、このバンドではあんまり予測めいたことはできないってことだね。何か起きると何もかも変わっちゃうんでね。

RollingStone
あなた方は時機を読む勘の鋭さも面白いですね。ブラックアルバムを20周年ではなく21周年に再現するという。

カーク
昨日、気付いたんだけど先週が俺がバンドに加入して29周年だったんだよ。すっかり忘れてた。俺がメタリカに加入したのは1983年の4月12日かそこらなんだ。

RollingStone
29周年おめでとうございます。

カーク
ありがとう。バンドの他のヤツらは気付いているかわからないんだ。誰も何にも言ってくれないんだもん。

果たしてカークの30周年は気付いてもらえるんでしょうか(笑)

それにしてもインタビュアー、お金のこと訊きすぎ(苦笑)
こうして海外のインタビューを訳しているといつも思うんですが、日本と違ってツッコミかたの「ガチ」感が違いますね。

ブログランキングに参加しています。
応援クリックをヨロシクお願いします。

ここまで来たら、鶴次郎インタビューも訳すかな。。

【追記】
AOLが同インタビュー、管理人より遥かにまともに訳していたので抜粋。

今夏にOrion Music + Moreフェスティバルに出演することについてハメットは、「こういう企画に参加する時、バンドはお金で動いているわけじゃない。楽しみたい、興奮したいって思っているだけだ。収支はとんとんか、少し赤字になるかだね。お金は問題じゃないんだ。何かクールなことに挑戦したいだけさ」とコメントしている。

同フェスティバルはニュージャージー州で6月23日、24日に開催される予定となっており、メタリカは両日のトリを務める。その他にはアークティック・モンキーズ、アヴェンジド・セヴンフォールド、モデスト・マウス、ガスライト・アンセム、ボルビート、セパルトゥラなどが出演する。

またインタビューの後半で、北カリフォルニアの見事なスタジオはツアーの収益から作られているのかという質問に対しては、「その通り。商品の売上からだね。僕たちは稼げる時に稼ぐという考え方なんだ。確かにスタジオは贅沢な代物さ。でも素晴らしい作品があそこから生まれているんだ」とコメントしている。

また、膨大な諸経費を支払うためにツアーに出る時もあるとし、「2年間休むなんてことはもうできないよ。昔はレコードの著作権料が定期的に入って来ていたから可能だったけどね。でも今はアルバムを出して大金が手にはいる時もまれにあるけど、もう昔のようにはいかない。そして3カ月に1回は請求書が来るしね」と告白している。

Music AOL(2012-05-28)

checkは「請求書」だったのね。なるほど。。

関連記事
メタリカ表紙のRollingStone誌のBIG ISSUE(ジェイムズ・ヘットフィールド編)
メタリカ表紙のRollingStone誌のBIG ISSUE(ラーズ・ウルリッヒ編)